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SNEAKER, SNEAKER [Stephen Marcussen(SM)の仕事]

梅雨入り前だが、梅雨のような天気が続きそうな予報の中、梅雨の合間みたいな青空が広がった今日は、ナンシー・グリフィス(Nanci Griffith)からの流れで、80年代AORをテキトーに聴いていた。

梅雨の合間の青空は、カリフォルニアみたいに爽やかではないが、80年代AORとか聴いていると爽やかな気分になってくるから不思議である(笑)

で、80年代のキレキレの音といえば、まだこの人を紹介したことがなかったことを思い出した。
スティーヴン・マーカッセン(Stephen Marcussen―Wikiでは、スティーヴン・マーカソンと表記されているが、どちらが正確な発音に近いのかは不明)である。
現在は自身のスタジオを運営しているようだが、80年代には、ハリウッドにあるマスタリング・スタジオPrecision Lacquerで活躍していたマスタリング・エンジニアだ。

マーカッセンといえば、ボクは、このアルバムがすぐに思い浮かぶ。
1981年にリリースされたスニーカー(SNEAKER)のデビュー・アルバムである。


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何故このアルバムかと言えば、マーカッセンというエンジニアのことを初めて意識したアルバムだからだ。
「こりゃ良い音だ!」と思って、ジャケット裏を確認し、マーカッセンの名前を知った。


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このスニーカーというバンド、アルバムを二枚リリースしただけで解散してしまったのであまり知名度は高くないが、スタジオ・ミュージシャンが集まってできたバンドだけあって、演奏力は確かだし、このデビュー・アルバムは内容もとても良い(セカンド・アルバムは聴いたことがないけど 笑)。

冒頭、ドナルド・フェイゲン(Donald Fagen)とウォルター・ベッカー(Walter Becker)の手に成る"Don't Let Me In"のカバーに始まり、オリジナルの名バラード"More Than Just the Two of Us"へと続くところで、すっかり惹きこまれてしまう。

そして、ボクは、マーカッセンが仕上げたキレキレの80年代サウンドに身をゆだねるのである。

青春時代が甦るなぁ(笑)

タグ:sneaker
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Nanci Griffith, Storms [Bernie Grundman(BG)の仕事]

5月半ばだというのに、この一週間の天気ときたら、すっかり雨の季節である。

関西方面はすでに梅雨入りしたというし、関東も間もなくかと思いきや、予想では6月上旬になっている。

しかし、来週の週間天気予報を見ると、くもりをベースに晴れマークと雨マークが同数。
うーん、微妙(笑)

気持ち的には、すでに梅雨入りである。

ってことで、雨の季節用に先日入手したレコードを聴いている。
ナンシー・グリフィス(Nanci Griffith)の"Storms"である。


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このレコードのことはまったく知らなかったのだが、先日、グリン・ジョンズ(Glyn Johns)マニアの特撮ピストルズさんにkaori Eさんが紹介していたのを横目で見ていて、ジャケットに一目惚れした。

雨の季節にぴったりのジャケットではないか。
しかも、サブスクで聴いてみると、内容はとてもポップでキュート(歌声がね)、雨の日の鬱陶しさを吹き飛ばしてくれそうだ。

もっとも、ナンシー・グリフィスという人はフォークやカントリー系のSSWとして認知されているようで、この"Storms"というアルバムに見られるポップさというのは、彼女のキャリアの中では少々異色なものらしい(他のアルバムをあんまり聴いてないんで、まだよくわからないけど)。

さて、ジャケットに一目惚れしたので、入手するならアナログである。
当然、USオリジナル狙いだったのだが、現在手元にあるのは、これだ。


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オリジナルは1989年にMCA Recordsからリリースされた(MCA 6319―カッティングはTMLでダグ・サックス(Doug Sax)が手がけたようだ)のだが、こちらは、その8年後に、ドイツのAlto Analogueが高音質盤としてリリースしたもの(AA 004)である。

レーベル上のアーティスト名が、"NANCI"でなく"NANCY"となっているのは残念だが、バーニー・グランドマン(Bernie Grundman)がカッティングした高音質盤だ。
この時期のBGがカッティングした重量盤の音なので、まぁ、Classic Recordsみたいな音である。

何故こちらを入手したかと言えば、先日紹介した、シルヴィア・ヴレタマー(Sylvia Vrethammar)を購入するときに、ZARDOZ RECORDSのリストの中にあったからである。
で、送料を薄めるべくついポチってしまったというわけだ(もっとも、まとめ買いした中で一番高かったけど 笑)。

そのうち、オリジナルも手に入れて、DS vs BGの聴き比べもしないとなー

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美しい人 [ETC]

田村正和さんが、4月3日に亡くなっていたことが明らかになった。

80年代から90年代の彼が出演していたテレビドラマ、ずいぶん観たなぁ・・・

すごくカッコよくて、とてもキュートな人だった。

そういえば、ジェーン・バーキン(Jane Birkin)のことを知ったのも、彼が出演しているドラマで『無造作紳士』(L'aquoiboniste)が主題歌だったからだ。

あれ、なんてドラマだっけ?

ドラマでがらみでベスト盤CDが出て、確かステッカーが貼ってあったはず。


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引っ張り出してみたが、ステッカーは見当たらず・・・

おかしいなぁ。
シュリンクの上に貼ってあったステッカーも、ジャケットに貼りなおしたり、ブックレットの余白に貼ったりしてたんだけどなー

あぁ、切り取ってブックレットに挟んでおくってパターンもあったから、気づかぬうちに落ちてなくなっちゃったのかも?
だったら、残念だ・・・

と思ったら・・・


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こんなとこに貼ってあった(笑)
帯の裏である。

そうそう、ドラマのタイトルは『美しい人』だった。
でも、ドラマの内容はまったく思い出せないな(笑)

まぁ、いいや。
今夜は、このCDを聴きながら、田村正和さんの冥福を祈ろう。

タグ:Jane Birkin
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嘘つきPR [アナログ・コレクターの覚書]

「噓つきPR」と言っても、「嘘つき」をピーアールしようってわけではない。
そもそも、ボクは「嘘つき」ではない(たぶん 笑)
それに、仮に「嘘つき」だったとしても、そんなもんピーアールするもんでもないだろう。

だいたい、アナログ・コレクターにとっては、PRと聴いて思い浮かべるのはPublic Relationsではない。
Presswell Records Manufacturing Companyである(間違いない 笑)
つまり、「嘘つきPR」というのは、米Atlantic Recordsのオリジナル盤をめぐる聞くも涙語るも涙の物語なのである(泣)


金曜の夜に紙ジャケ探検隊がTLでテスト・プレスを見せびらかした(笑)のをきっかけに、このレコードが局所的に話題になった。


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Crosby, Stills, Nash & Young‎の"DEJA VU"である(USオリジナルは、Atlantic SD 7200)。

20年以上前のことだが、このレコードは、ボクがオリジナル盤を集め始めた頃、格安で転がっていて、かつ、原盤衝撃度が高いレコードとして有名な一枚だった。

このレコードもその時買った。
当時から金文字もくすんでいたが、当時のボクは、それさえオリジナルの風格に見えた。

レーベルは、もちろんBroadwayアドレスである。


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しかも、PRである(まぁ、当時は、プレス工場はほとんど意識していなかったが)。

ボクは、ワクワクしながらレコードをターンテーブルに載せたのだが、なんだかいま一つ冴えない・・・
これがオリジナルの音?
うーん・・・

当時は、オリジナル盤に関する知識なんてほとんどない。
このレコードで言えば、「レーベルがBroadwayアドレスならオリジナル」というぐらいの知識しかなかった。
送り溝のマトを見て、マト3だからダメなのかなぁ?なんて思っていた。

ここまで読んだところで、聡明な貴方はもう気づいただろう。
アトランティックのオリジナルのマトに数字がついてるわきゃーないんである。
AとかBとかCとか、アルファベットのはずだ。

そう、このレコード、なんとコロンビア外注盤だったのである。


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機械刻印で末尾3F、まぎれもなくコロンビア・カッティングである。
そのあとにCTH刻印があるので、中部のテレホート工場プレスだ。
冴えないはずである。

そんなレコード、何故後生大事に持ってるのかって?
だって、これ、レーベル上はPRと印刷されているわけで、かなり珍しいんじゃないかと思うのである。

アトランティックのレコードでも、レコード・クラブ盤なのか、あるいは、売れたレコードの場合は通常ルートで販売された盤にも外注があったのか、いずれにせよコロンビア・プレス盤というのはよくみかける。
ただし、コロンビア・プレスなら、CPとかCTHとか、レーベル上に表示されているのが通常である。
実際、Discogsに掲載されているこのレコードのピットマン・プレスやテレホート・プレスのレーベルには、CPやCTHの文字が確認できる。

で、「嘘つきPR」はかなり珍しいんじゃないかと思って、とりあえず手許に置いてあるのだ。

もちろん、ちゃんと、アトランティック・カッティング&プレスのオリジナルも手に入れた。
「オリジナルと思っても、冴えなきゃもう一枚買え」というのが、師の教えだったからである(笑)


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写真ではわかりにくいかもしれないが、金文字もくすんでおらず、まだ輝きを保っている。

レーベルは、もちろんBroadwayアドレスだ。


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送り溝には、手書きマトで末尾CC MOと刻まれている。


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PRじゃなくていいのかって?
いいんである。
ボクはMOが好きなのだ。
実際、冒頭のアコギの弦の煌き、ボディの響きから、原盤の衝撃が押し寄せてくる。

PRの方がもっと良いんじゃないかって?

まぁ、そうかもしれない・・・

でも、やっぱり、ボクはこれでいいや(笑)

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木綿のハンカチーフ探究中 [国内盤研究]

太田裕美『木綿のハンカチーフ』の探求は相変わらず続いているのだが、2月に途中経過を報告した後、2枚分の情報提供をいただいただけで、それ以外にはまったく情報が追加されていない。

30枚分のスタンパー情報は集まったが、目標としていた50枚分までにはまだかなり遠い。
仕方がないので、ヤフオクで5枚セット500円(税込み550円)ってやつを買ってみた。
5枚分増えても、35枚分の情報しかないので、まだスタンパー・ナンバーのカラクリを解く仮説は思い浮かばないのだが、それ以外のところで少しだけ研究に進展があったので、報告しておこう。


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5枚増えたので、手持ちの『木綿のハンカチーフ』は合計11枚になった。
今回入手したものは「ヒット全曲集」CSが2枚と青CSが3枚だったので、手持ちの11枚のCSの内訳は、「ヒット全曲集」CS4枚、緑CS1枚、青CS6枚である。


やっぱりA2ラウド・カットはレア?

今回入手した5枚は、すべてマトA1/B1だった。
少なくともラウド・カットのマトA2盤は、5枚まとめ買いで混じるほど広く流通したものではなさそうだ。

現在情報が集まっている35枚のうちマトA2/B1は3枚だが、すべて「ヒット全曲集」CSに入っていた。
どうやら、当初は「ヒット全曲集」CS(緑CSも混じっていたと思われる)が使われ、後に青CSが使われたようなので、マトA2は初期の盤に混じり、爆発的に売れた後は基本的にマトA1という、逆転現象が起きていることになる。

やはり、ボツ・カッティングが誤って混じってしまった可能性が高いんじゃないかと思う。


初期PSはマット仕様?

「ヒット全曲集」CS盤(または緑CS盤)のPSと青CS盤のPSが若干違うのは、以前から気づいていた。
前者のPSはマットだが、後者のPSは光沢がある。
今回入手した5枚では、「ヒット全曲集」CS盤2枚のうち、スタンパーの若い方のPSはマットだったが、スタンパーが進んでいる方(1 A 27 / 1 A 26)のPSは光沢があるものだった。
ここからA20番台スタンパーの盤が入っているPSあたりから光沢仕様になるんじゃないかと推測しているのだがどうだろう?


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向かって左が初期PSのマット仕様で、向かって右が後期PSの光沢仕様だが、肘の下あたりの光の反射具合で、その違いがはっきりわかるかと思う。
マット仕様のPSは、少しソフト・フォーカスっぽく見えて雰囲気がある。


やっぱり若いスタンパーは最強?

今回の5枚セット購入で一番嬉しかったのは、「ヒット全曲集」CS盤の一枚がかなり若いスタンパーだったことである。


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1 A 4だったのだが、Side 1だけでなく、両面同じ1 A 4だった。
ホワイト・レーベルの見本盤が、1 A 9 / 1 A 5ということだから、両面とも見本盤より若いということになる。
これまで集まった情報の中で、これより若いスタンパーはない(もちろん、存在はするんだろうけど)。

1 A 7スタンパー盤も十分音は良かったが、1 A 4スタンパー盤は、さらにギュッと締まって、曖昧なところが微塵もない。

もっとも、こういうのって比較しないとわからないレベルのもの(「良い音だー」と思っていたんだけど、「さらに上があった!」みたいな感じ?)なので、こだわらないほうが幸せだと思うけどね。


さて、最重要課題のスタンパー・ナンバーのカラクリがどこにあるかだが、50枚分の情報が集まったら、叩き台にはなりそうな仮説をなんとかひねり出そうと思っているので、情報提供をよろしくお願いしますm(_ _)m

もうこれ以上買いたくないー(涙)

タグ:太田裕美
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