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RLカットは存在するの?~Miles Davis, You're under ArrestのUSオリジナル [Bob Ludwig(RL)の仕事]

今日と明日は、下北沢ボーナストラックでレコード・フェアである。
サボテン・レコードさん、ランブリン・ボーイズさん、山中明さんが出店しているから、界隈の人たちが集まるに違いない。

行きてー

家庭の事情で行けないのが悲しいのである。


仕方がないので、ボクは、おとなしく家でレコードを聴く。

何を聴こうかと考えながら何となくTLを眺めていたら、このレコードを見かけたので引っ張り出した。


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マイルス(Miles Davis)が1985年4月にリリースしたスタジオ・アルバム"You're under Arrest"のUSオリジナル(Columbia FC 40023)である。
(Discogsでは、背表紙はFC 40023のまま、レーベル上はC 40023となり、隣に▽マークがついているものも、1985年リリースになっているが、ウィントン(Wynton Marsalis)の" Marsalis Standard Time, Vol.1"が最初からそのパターンなので、86年か87年の再発だと思う。)

前にも何度か書いたことがある気がするが、マイルスの"Time after Time"が、ボクがジャズを聴くようになったきっかけだった。
深夜のテレビ(だったと記憶している)でLive under the Skyでのライブ演奏を観たとき、ボクは完全にノックアウトされた。
そのときジャズは、ボクの中で、「よくわからない大人が聴く音楽」から「かっこいい音楽」に変わった。

だから、このレコードには、相当に思い入れがある。

しかも、USオリジナルは、裏ジャケットに明記されているように、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)のマスタリングである。
送り溝にもMASTERDISKの刻印がある。


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(送り溝のくもりは、汚れかと思いきや、擦れて細かい傷がついているので、拭いても綺麗にならないのだが、幸い溝の方には影響がなく、音には出ない。)


しかし、RLというサインはない。

マトの筆跡も、ラディックっぽくない。


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うちのはマトが2K/2DだからなのかとDiscogsを確認してみたところ、うちのより若いマトでSide1が2Gというのがあったが、そこにもRLのサインはなさそうだ。

果たして、RLカッティングは存在するのだろうか?
思い入れのあるレコードだけに、気になるのである。

うちのより若いマトの盤や、RLサイン入りの盤をお持ちの方は、ぜひ情報をお寄せくださいませ。

タグ:Miles Davis
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Asiaの"Go"は何で聴く? [Bob Ludwig(RL)の仕事]

先週8月20日放送のSPITZ草野マサムネのロック大陸漫遊記@TOKYO FMは、「ロク漫的WBCのテーマソングで漫遊記」というタイトル(けっこう長いこと聴いているが、「ロック大陸漫遊記」が「ロク漫」と略されることを初めて知った 笑)で、「草野さんがWBCのテーマソングに選ぶならコレ」というのをアレコレ紹介するというものだった。

侍ジャパンが3回目のWBC制覇を果たして大いに盛り上がった2023年大会のテーマソングは、ご存じのとおり、ジャーニー(Journey)の"Separate Ways"だったが、あれは失恋の歌なわけで、もっと良いのがあるんじゃないかというわけだ。

草野さんの選曲は、ボクの知らないものばかりだったのだが、最後にイチオシとしてオン・エアされた曲はよく知っていた。
エイジア(Asia)の"Go"である。





確かに、これは合うわ~
こっちの方が良かったんじゃないかと思ってしまう。

で、当然のことながら、アナログで聴きたくなる。
”Go”は、1985年にリリースされたサード・アルバム"Astra”のリード・シングルとしてリリースされたものだが、シングルは持ってないので、"Astra"を引っ張りだす。

2枚出てきた。
日本盤(CBS/SONY 28AP 3120)とUSオリジナル(Geffen Records GHS 24072)だ。


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残念ながら、うちの日本盤には初回特典のカラーロゴステッカーが付いていないので、初回盤ではなく、マトはA1/B1ではあるものの、マザー/スタンパーは1 A 13/1 A 22とそこそこ進んでいる。
それでも、送り溝にはMASTERDISK刻印があるし、音質的には最強のはずの輸入メタルによる日本プレスだ。
最初は、もうこれでいいやと思っていたのである。

しかし、あるとき(もう20年くらい前ですけどね 笑)、このレコードのマスタリングが、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)とグレッグ・フルギニティ(Greg Fulginiti)の連名であることに、ボクは気づいてしまった。


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MASTERDISK RL刻印盤というのも存在するんじゃないかと探してみたら、USオリジナルには、東海岸のスペシャルティ・レコーズ・プレスでも西海岸のアライド・レコード・プレスでも、基本的にMASTERDISK RL刻印がある(ちなみに、UK盤には、日本盤同様、RLのサインはないようだ)。

うちのはマトSH1/SH1のアライド・レコード・プレスだが、両面にしっかりMASTERDISK RL刻印が確認できる。


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どちらも、MASTERDISKカッティングだし、あんまり違わないかと思いきや、うちの二枚で聴き比べる限り、かなり違う。
低域の沈み込みとか高域のキレとか、MASTERDISK RL刻印盤に軍配があがる。

つまりは、USオリジナルがRLカッティングなのに対して、日本盤はGFカッティングだということなんだろう。

安レコだし、日本盤しか持ってないという人は、USオリジナルも買ってみるといいと思うよ。

タグ:ASIA
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ジャーニーとステッカー [Bob Ludwig(RL)の仕事]

レコード・コレクターズ2023年8月号と9月号の初盤道は、「ジャーニーの黄金時代とコロンビア品番」の前編と後編だった。
まぁ、確かに、前編の前半に「コロンビア品番」の変遷が簡潔にまとめられている(まだ整理できてない人にはとても便利よね)ので、タイトルに偽りありとまでは言わないが、どちらかと言えば、「ジャーニーはHypeステッカーにこだわれ」みたいな内容だぞ(笑)

ボクは、日本盤もあんまり帯にこだわらないので、ステッカーもほどんど気にしないのだが、とりあえず、うちのを確認してみようと棚から引っ張り出してみた。
"Frontiers"については以前記事にしたことがある(https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-01-22)ので、"Infinity"から"Escape"までのUSオリジナル6枚を引っ張り出したのだが・・・


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ステッカー付きは一枚もないやないかーい!(涙)

仕方がないので日本盤を引っ張り出して聴く。


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帯付きのうえに、「来日記念盤ステッカー」と「全米アルバム・チャートNo.1獲得ステッカー」のダブル・ステッカーだぜ。
しかも、「来日記念盤ステッカー」は銀、「全米アルバム・チャートNo.1獲得ステッカー」は金だ。
金銀揃い踏みなんて、めったにないぞ(笑)

って、確かに、ジャーニーは、"Escape"がリリースされた1981年にも来日しているが、このアルバムのリリース直後の7月末のことだ。
全米アルバム・チャートのNo.1を獲得するのは9月のことだし、帯に書いてある300万枚売り上げなんて、もっと先のことだろう。
ってことは、このレコードは、翌1982年4月の来日のときに追加プレスされたものか?

それにしては、マトがA1/B1であるうえに、マザー/スタンパーが1B11/1B7とかなり若い。
米本国ではバカ売れしていたにもかかわらず、日本ではそれほど売れてなかったんだろうか。
当時受験生だったんで、まったく記憶がないんだけど・・・

ちなみに、マザー/スタンパーは若くても、日本盤は日本盤の音である。
USオリジナルの方が、さすがボブ・ラディック(Bob Ludwig)のマスタリング、鮮度の高いキレのある音で鳴る。
うちのはマト1S/1Mで、MASTERDISK刻印の隣には、RLどころかBKもHWもないんだけどさ。

タグ:Journey
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Dionne Warwick, I'll Never Fall in Love AgainのUSオリジナル [Bob Ludwig(RL)の仕事]

10日ほど経ってしまったが、バカラック(Burt Bacharach)追悼で聴こうと思っていたレコードを、ようやく引っ張り出した。


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ディオンヌ・ワーウィック(Dionne Warwick)が1970年4月27日にリリースした13枚目のスタジオ・アルバム"I'll Never Fall in Love Again"のUSオリジナル(Scepter Records SPS 581)である。

このレコード、プロデュースはバカラック&デヴィッド(Hal David)だし、全10曲中7曲がバカラック&デヴィッド曲だ。
タイトル曲の"I'll Never Fall in Love Again"に続いて"Raindrops Keep Falling on My Head"が入っていて、「くぅ~たまらんっ!」となるレコードなんである。
グラミーの「最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞」だってとっているのだ。

おまけに、このレコード、ラディック(Bob Ludwig - RL)のカッティングなんである。


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両面にSTERLING刻印とRLというサインがある。
STERLING刻印は7mmで間違いない(STERLING刻印のバリエーションについては、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-09-03 をどうぞ)。

そこまでは良いのだが、うちのモナーク・プレスは、マトが1E/1Cで、1Eの後にはこんなものがついている。


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"1E REPL."って何さ?

Discogsで調べてみると、東部のキール(Keel Mfg. Corp.)にはマト1A/1A、中部のテレホート(Columbia Records Pressing Plant, Terre Haute)にはマト1D/1Dが送られたようなのだが、いずれもSide 1のマトの後に"REPL."はないようだ。

"REPL."というのは、おそらく"REPLACE"の略で、ラッカーの交換があったことを意味するのだと思うんだが、キールやテレホ―ドに存在しないことからすると、リミックスやリマスターによる交換ではなく、何らかのトラブルで使えなくなってしまったラッカーを交換したものだと推測する。
もともと、モナークには1C/1Cが送られた(または送られる予定だった)のが、Side 1の1Cはトラブルで使用不能になり、代わりの1Eが送られたということだろう。

そうだとすると、モナークの初回盤は1E/1Cでも良さそうだ。

でも、セプターの本社はNYだし、STERLINGのRLカッティングだし、東部のキール・プレスが一番良いのかもしれない。

ちなみに、オリジナルのジャケットは、カンガルーポケットの見開き(ビートルズの"For Sale"のUKオリジナルに採用されていたアレだ。アメリカでは、Unipak Coverとも呼ばれるらしい。)である。
再発ではシングル・ジャケットになるようだ。

タグ:Dionne Warwick
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Beck, Bogert & AppiceのUSオリジナル [Bob Ludwig(RL)の仕事]

ボクは昨日からずっと、ジェフ・ベック(Jeff Beck)追悼である。

彼のレコードをかけ、ライブ映像を観ている。

それほど思い入れはなかったはずなんだけどなぁ・・・


いま聴いていたのは、このレコードだ。


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ベック・ボガート&アピス (BBAーBeck, Bogert & Appice)が1973年にリリースした唯一のスタジオ・アルバムである。

うちにあるのはUSオリジナル(Epic KE 32140)だ。

ジャケットにはマスタリングに関するクレジットはないが、送り溝を見るとSTERLING刻印が確認できる。


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7mm刻印である。
1973年の7mm刻印と言えば、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)?
両面ともRLのサインはないのだが・・・
(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-09-03 をどうぞ。)

Discogsの登録をチェックすると、ピットマン工場のWLPが登録されていて、マトが1A/1Aなのだが、そのSide 1にのみRLのサインがあるようだ。
マト1AでもSide 2にはサインはないようだし、他の登録を見てみても、1B以降のマトにはRLのサインはなさそうだ。

では、マト1AのみがRLカッティングで、1Bからは別のエンジニアのカッティングなのだろうか?
ボクは、1B以降もRLカッティングだと思う。

うちのはマト1D/1Dなのだが、さきほど紹介したように、当時ラディックが使用していた7mm刻印だ。

それに、マトの筆跡も、ラディックっぽい。


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「の」みたいな「9」があると、ラディックの筆跡だと断定しやすいのだが、7mm刻印にラディックっぽい筆跡なら、RLカッティングだと考えていいんじゃないだろうか。

キレのある音も、RLカッティングっぽい。
スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)"Superstition"のカバーのイントロが、切れ味鋭すぎて脳天に突き刺さるのである(笑)

タグ:Jeff Beck
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