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Maddy Prior & June Tabor, Silly Sisters [TRAD]

<たまぞうさんから、πについての情報をご提供いただいたので、追記しました。>(2023年10月8日19:00)

前回の記事を書いた後、マディ・プライヤー&ジューン・テイバー(Maddy Prior & June Tabor)の"Silly Sisters"をヘビロテしている。

日中はまだかなり気温があがるとはいえ(もっとも、今日は、3時過ぎに散歩に出かけたが、まったく汗をかかなかった。)、朝晩は寒いくらいに気温が下がるこの季節にはぴったりの音楽である。

前の記事にも書いたとおり、うちにはこのレコードが二枚あるのだが、どちらもDiscogsには登録されていない。


20231007-01.jpg


5年くらい前のことだったか、最初に買ったのは、UK盤だった。


20231007-02.jpg


確かUKオリジナルと書いてあったと思うが、帰宅してDiscogsでチェックすると、マトが進んでいた。

そもそも、DiscogsのUKオリジナルのところには、マトA3/B4しか登録されていない。
ボクが買ったのは、マトA5/B4だったのである。
B面のマトは同じ(もちろん、MASTERROOMと刻まれている。)だが、A面が進んでいるうえに、A5なんて登録さえされていない。
(ちなみに、ブルー・レーベルの再発はフォノディスクでリカッティングされたA4/B4で、MASTERROOMカッティングのラッカーを承継していない。)

それでも、A Porky Prime Cutならよかったのだ。
B面だって4まで進んでいるんだから、A面に3と5が最初からあった可能性も残るからである。
しかし、マトA5には、A Porky Prime Cutはない。
ペカム(George Peckham)のカッティングじゃないのである。


20231007-03.jpg


かわりに刻まれているのは、πである。
πって誰よ?
Master Roomにそんなエンジニアいたか?

たまぞうさんから、X(旧Twitter)で、「πってPyeスタジオでのカッティングじゃなかったっけ?」というようなお返事をいただいた。
そういえば、そんなことをどこかで読んだ気がする。
ってことで、調べてみると、DiscogsのPye Studiosの項目に、"The π (Pi symbol) indicates a cut at Pye Studios."という記述があるではないか。
たまぞうさん、ありがとー

もうちょっと調べると、トニー・ブリッジ(Tony Bridge)というエンジニアが、76年前後にPye StudiosとMaster Roomを行ったり来たりしている(Pye Studios(-74)→Master Room(75-76)→Pye Studios(77-)と移籍)。
そんなわけで、A5のカッティングは、トニー・ブリッジによるものかもしれない。

なにより、このUK盤、音がしょぼい。
トラッドは、もっと、こう、生々しく鳴って欲しい。

ってことで、ペカム・カッティングのUKオリジナル初盤なら、良い音で鳴るんだろうと探していたところ、1年後くらいに、もう一枚を見つけた。
ジャケットはUK製なので、UKオリジナルかと思って(確か、タグにもUKオリジナルと書いてあった気がする。)レジで検盤してみたら、なんとこういう代物だった。


20231007-04.jpg


アイルランド盤なんである。
Discogsにはアイルランド盤なんて登録されてないぞ。

マトはA-1△H/B-1△Hで、末尾の△Hが何を意味しているのか、アイルランド盤に詳しくないのでわからない(知ってる方、教えてください)。

それより、このサインを両面に見つけて、ボクの期待は一気に膨れ上がった。


20231007-05.jpg


これは、Carlton ProductionsのエンジニアTBのサインに間違いない。
クラナド(Clannad)のファースト・アルバムのアイルランド盤をカッティングしたエンジニアだ。
(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2017-05-20 をどうぞ。)

実際、帰宅して盤に針を下ろすと、しょぼいUKレイト・プレスとは比べものにならない素晴らしい音が、スピーカーから流れ出した。
デュエットする二人のボーカルの実在感といい、楽器とくにギターの音色のリアリティといい、こういう音で聴きたかった、という音で鳴る。

そんなわけで、すっかりアイルランド盤の音に満足してしまったボクは、いまだにペカム・カッティング盤は手に入れていない。
そのうちどこかで見つけたら買おうとは思ってるんだけどね。

それはそうと、アイルランド盤が入っていたUK製ジャケットには、こんなステッカーの剥がし痕があった。


20231007-06.jpg


どんなステッカーだったのか気になって仕方がない。

誰か知っている方、ぜひ教えてくださいませm(_ _)m

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