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Ethosで待夢 [WORLD MUSIC]

カートリッジをSPU Ethosにしているので、この週末は、繊細にして濃密な音で聴きたいレコードを選んで聴いている。
なんだかクラシックのレコードばかり選んでしまう(笑)

そんななか、ちあきなおみさんの『待夢』(ビクター invitation VIH-28135)を聴いてみようと思い立った。


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1月29日24:00~放送のHere Comes The Moon@InterFMで、ワールド・ミュージック好きの藤原さくらちゃんがファド特集なんてマニアックなことをしてくれたのだが、そこでちあきなおみさんの『霧笛』が取り上げられた。

ちあきなおみさんのことはもちろん知っているが、昭和歌謡はたまに聴く程度なので、彼女がファドを歌っているなんてことはまったく知らなかった。
しかも、『霧笛』が収録された『待夢』というアルバムは、まるごと一枚、ファドを日本語詞で歌っているというじゃないか。
これはもうオリジナルのアナログを探すしかない。

ところが、ヤフオクあたりには常時出品されているかと思いきや、カセットが一本出ているだけである。
その後、CDが2枚ほど出品されたが、アナログはなかなか出てこない。
3週間ぐらいしてようやく一枚出てきた。
ただ、帯無しである。
どうせなら帯付きが欲しかったので迷ったのだが、3週間も待っていたので、早く聴きたい気持ちのほうが勝った。
で、競ってくる6人を蹴散らして、なんとか落札した(笑)

「ちょっと待て。帯付いてるだろー」と思った貴方。
いや、帯はね、こんな風に丸められて、ジャケットの中に放り込んであったのだ。


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ちぎれてるし、しわだらけだし、破れているところもあった。
それを、アイロンがけしたり、爪楊枝で断面に木工用ボンドを塗ってくっつけたりして、修復したんである。
まぁ、近寄って見れば痕跡は残っているが、十分でしょう。


それにしても、このレコードは名盤じゃないだろうか。


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ちあきなおみさんが歌にこめた情念を、Ethosが、繊細に、濃密に、描き出す。

くぅ~たまらんっ!

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ミルバ『女心/ヴァンゲリスを歌う』 [WORLD MUSIC]

3月29日はヴァンゲリス(Vangelis)の誕生日である。

3カ月ほど前に手に入れたこのレコードを聴こう。


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ミルバ(Milva)が1981年にドイツでリリースした"Ich Hab' Keine Angst"の日本盤(King Record K28P-337)である。
日本盤リリースがいつなのかはよくわからないのだが、裏ジャケットに掲載されている永田文夫さんの解説では、1983年2月の活動にまで言及しているので、おそらく1983年ではないかと思われる。

イタリア・カンツォーネ界のベテラン・シンガーであるミルバが、ヴァンゲリスの楽曲(書き下ろしで提供された曲だけでなく、オリジナル・アルバムに収録されていた曲も取り上げられている。)を、ドイツ語で歌うという、なんだか企画ものっぽいレコードなのだが、これがなかなか良いんである(ドイツでは45万枚以上売れたらしい)。
ファドなんかに通じるヨーロッパ的哀愁がなんとも心地よい。

ジャケットは、ドイツ・オリジナルとは異なる日本オリジナル・ジャケットだが、こっちのほうが断然良い。
音は、やっぱりドイツ・オリジナルの方がいいんだろうけど、この日本盤も十分に良い音である。

あぁ、なんだか、ファドが聴きたくなってきた(笑)

タグ:Milva
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たまには古いシャンソンを [WORLD MUSIC]

12月19日はエディット・ピアフ(Edith Piaf)の誕生日だとTLに教えてもらったので、うちにある唯一の彼女のレコードを引っ張り出して聴いていた。


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ピアフのレコードも一枚ぐらいは持っておこうと買ったものなので、このレコードの詳細は知らない。

USフィリップス盤(Philips PCC 208)で、ジャケットには"CONNOISSEUR COLLECTION"というメタル・ステッカーが貼ってあり、見開きジャケットを開くと、中には12ページにおよぶブックレットが貼り付けられた豪華な作りである。
どうやら、1963年10月にピアフが亡くなったあと、翌1964年に追悼でリリースされたものらしい。

ピアフの歌を聴いていたら、なんだかピアフの他のレコードも聴いてみたくなってきた。
オリジナルを集めようという気はないんだけどさ(笑)

タグ:Edith Piaf
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ファドの女王に出会う [WORLD MUSIC]

8か月ほど前のことになるが、ファドの女王(Rainha do Fado)に出会った。
(ちなみに、ファドとは、ポルトガルの大衆歌謡で、フランスにシャンソン、イタリアにカンツォーネがあるように、ポルトガルにはファドがあると言われるそうだ。)
もちろん、レコードの話である。

出会ったときには、彼女がそんな凄い人だとは知らなかった。
いや、今でも、彼女の偉大さを理解しているわけではない。
出会った場所が場所だけに、申し訳なくて、彼女の偉大さを知るのは気が引けるので、あんまり調べてないのである。

そう、彼女に出会ったのは、ハードオフのジャンクコーナーなのであった(笑)

彼女の名前は、アマリア・ロドリゲス(Amália Rodrigues)という。
ボクが入手したのは、晩年をヨーロッパで過ごした(1972年に亡くなっていて晩年の26年をヨーロッパで過ごしたというから1946年頃にヨーロッパに渡ったことになる)というアメリカ人サックス奏者ドン・バイアス(Don Byas)とのコラボ作品で、1972年にリリースされた(録音は1968年のようだ)ものだが、アマリアのシルエットのみでまったく文字がないという、とても印象的なジャケットのレコードである。

裏ジャケットにはアマリアのポートレイトが使われていて、同じポートレイトを使用したポスターが付属していた。


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ジャケットは、カンガルーポケットの見開きタイプだったし、1972年のレコードでこのレーベルだったから、これはポルトガル・オリジナルに違いないと思ったのだが・・・


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流石、ファドの女王と呼ばれる人のレコードである。
Discogsを見ると、これはオリジナルではないらしい。

ボクの入手したものはレコード番号が8E 064-40 233なのだが、どうやらオリジナルは8E 062-40 233のようだ。
しかも、73年には8E 072-40 233というレコード番号でもリリースされているようで、もう何が何だかさっぱりわからない。
うちのはいったい、いつ頃のプレスなんだ?

送り溝を見ると、機械刻印でE064-40233-A-4/E064-40233-B-3とある。
オリジナルのレコード番号ではなく、再発のレコード番号のマトだから、これはやっぱりリカッティングってことなんだろうなぁ。

いくらファドの女王と呼ばれるほどの人のレコードでも、人口が1000万人に満たない国(当時)で、再発の度にリカッティングが必要なほど売れたとも思えないのだが・・・
マスタープレッシングとかで、がんがんラッカーを切ってたのだろうか。

まぁ、オリジナルだろうが再発だろうが、音が良ければ問題ない。
このレコードは、問題なく音が良い。

そして、内容も、ボクはとても気に入った。
ファドをちゃんと聴くのは初めてだったが、アマリアの歌は言葉がわからなくてもなんだか胸に沁みいってくる。
歌に寄り添うサックスも良い。

とはいえ、入手直後に何度か聴いた後は引っ張り出すこともなかったのだが、このレコードのおかげで最近再びディスプレイ・レコードになっていて、よく聴く。


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久保田早紀『夢がたり』である。
A5の『ギター弾きを見ませんか』には、こんなフレーズが出てくる。


     ♪ ああ 幸福になれば ファドが歌えない
     ♪ そんな口ぐせが やっと
     ♪ わかるような 嵐の夜ふけです


異国を旅する夢がたりを聴いた後に聴く本物のファドには、魂が震えるのである。

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