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"This Is It”といえば・・・ [Miles Davis]

"This Is It"といえば、マイケル(Michael Jackson)のドキュメンタリー映画を思い浮かべる人が圧倒的に多いと思うが、ボクの頭には別のものが思い浮かぶ。

それは、マイルス(Miles Davis)の一枚のレコードである。


今日は一日、のんびりと過ごせる日曜日ということもあって、HDDに山ほどたまっている映画の中から一つ選んで観てみようと思い立った。

保存用のHDDの方だから、いったい何年前に録画したんだかわからないが、なんとなく『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』を選んだ。
マイルスが音楽シーンから姿を消していた1970年代後半の5年間を背景にした2015年のアメリカ映画なのだが、「空白の5年間を描いたもの」というわけではないので、邦題にはちょっと騙された気分になる(笑)

とはいえ、それなりに楽しめたし、観終わった後には、とにかくこのレコードが聴きたくなったよね。


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空白の5年間の後の復活の一枚、1981年リリースの"The Man with the Horn"である。
USオリジナル(Columbia FC 36790)には、こんなステッカーが貼ってあって、これまたマイケルに負けず劣らず"This Is It"なのである。


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まぁ、マイケルのほうは「これが最後」、マイルスのほうは「これが復活」って違いはあるけど、「これがそれ」に違いはない。

このレコード、音も良い。

マスタリングは、ニューヨークのCBSスタジオでジョー・ガストワート(Joe Gastwirt)によって行われている。
翌年には、ポール(Paul McCartney)の"Tug of War”のカッティングをしたエンジニアだ(界隈では、一時、大そう話題になった)。

送り溝には、"COLUMBIA NY"の刻印も刻まれている。
(ちなみに、うちのは、マト1F/1Fのサンタマリア・プレス。)


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もっとも、"Tug of War"と違って、JGというサインはない。
これは、おそらく、裏ジャケットに彼の名前が明記されているからだろう。


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マイルスの復活の一枚のマスタリング、彼も気合が入ったんだろうな。

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My Funny ValentineのUSオリジナルMONO [Miles Davis]

バレンタインである。
相変わらず、孤独なバレンタインである。
もうずーっと孤独なので慣れてしまったのである(涙)

孤独なバレンタインには、マイルス(Miles Davis)の"My Funny Valentine"を聴くのだ。

マイルスの"My Funny Valentine"といっても、"Cookin'"収録のバージョンではダメである。
"My Funny Valentine Miles Davis In Concert"収録のバージョンに限る。
中山康樹さんをして、「孤独の谷底へ、容赦なく突き落とす」「絶望を絵に描いたような音楽」と言わしめたバージョンである。


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絶望的に孤独だった夜が蘇る・・・
でも、絶望的に孤独だった夜を思い出せば、最近の孤独なバレンタインなんて、大したことはないと思えるのである(笑)

ターンテーブルに載せたのは、USオリジナルMONO(Columbia CL 2306)だ。

ジャケットには、シュリンクが綺麗に残っていて、完璧な美品である。
盤の方も、レーベルのスピンドルまわりに一本のヒゲもない完璧な美品である。


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MONO表記がなく、下部に黒字で"GUARANTEED HIGH FIDELITY"との記載があるこのレーベルが、1965年にリリースされたファースト・プレスのレーベルである。

白字のMONO表記が入り、その両側に"360 SOUND"が入ったレーベルだと、翌1966年プレスだ。
Discogsでは、このレーベルの盤も1965年プレスになっているが間違いである。

COLUMBIAのMONOレーベルは、その後、1967年には、白字のMONO表記はそのままに"360 SOUND"がないレーベルに変わるが、"My Funny Valentine Miles Davis In Concert"にそのレーベルの盤が存在するのかどうかは不明である(Discogsにも登録がない)。

うちの盤のマトは1C/2Aなのだが、Discogsには、Side 1のマト1Aの登録があるので、マト1A/2Aというのも存在するのだろう。

でも、まぁ、うちのは(ボクのコレクションには珍しく)完璧な美品だし、もうこれでいいや。

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Music From SiestaのUSオリジナル [Miles Davis]

9月28日はマイルス(Miles Davis)の命日である。

今年は、このレコードを聴いて追悼することにした。


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マーカス・ミラー(Marcus Miller)との共同名義で1987年にリリースされたアルバム"Music From Siesta"のUSオリジナル( Warner Bros. Records 9 25655-1)である。
内袋が黒いポリ製?なのも命日にふさわしい感じだしね。

このアルバム、映画のサントラらしいが、映画自体を知らないし、サントラとして聴いたことはない。
この上なく美しい音楽の中で多様な表情を見せる晩年のマイルスのブロウを堪能するためのアルバムである。
マイルスのアルバムの中で、一番美しいアルバムじゃないだろうか。

送り溝に手書きSTERLING(DMMなのであったとしても刻印ではない)もサインもないのだが、裏ジャケットのクレジットを信じれば、STERLINGのジャック・スキナー(Jack Skinner)のマスタリングで、音も素晴らしい。

マイルス晩年の傑作である。

R.I.P.

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USオリジナルではない(涙)― On the Cornerの謎 [Miles Davis]

7月9日放送のジャズ・トゥナイト@NHK FMを、タイムフリーで聴いた。
いや、NHK FMだから、タイムフリーじゃなくて、聴き逃し配信か。

特集は、マイルス(Miles Davis)の"On the Corner"である。
正直、あんまり聴かないアルバムなのだが、大友良英さんの熱い解説を聴いていたら、なんだか無性に聴きたくなったので、引っ張りだした。


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ボクの持っているのはUSオリジナル・・・
のはずだったのだが・・・
違った(涙)

これがオリジナルでいいんだろうなとDiscogsで確認したら、ファースト・プレスは見開きジャケットだと書いてある。
うちのはシングル・ジャケットなんである。

しかも、レコード番号まで違う。
ファースト・プレスは、KC 31906だというのだが、うちのはKがついてなくて、C 31906なんである。

「もしかして、最初はシングル・ジャケットでリリースされたのかも」と思ったのだが、そんな淡い期待は簡単に打ち砕かれた。
裏ジャケットを見たら、"Inside Cover Photo: Allen Morgan"とクレジットされている。
本来は見開きジャケットで、内ジャケにアレン・モーガンによる写真が使われていることは歴然なんである。

ちぇっ・・・

それにしても、ボクは何故、このシングル・ジャケットの"On the Corner"をUSオリジナルだと思い込んだのだろう?

そのわけは、ジャケットの中にあったコレを見て思い出した。


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このThe Inner Sleeve、1973年の第1号なのだ。
"On the Corner"のリリースは、オフィシャル・サイトによれば1972年10月11日、Discogsによれば1972年11月14日で、いずれにしても1972年の終り頃である。
1973年第1号のThe Inner Sleeveが付属しているんだから、ファーストプレスだと考えるのが当然じゃないか。

それに、このThe Inner Sleeve、裏面にはこんな記事があるのだ。


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"On the Corner"を新譜として紹介する記事である。
マイルスの写真付きだ。
これで、ファーストプレスと考えるなというほうが無理がある。

とはいえ、本来は見開きジャケットのレコードが、シングル・ジャケットなのだから、これはどう考えてもオリジナルではない。
オリジナルではないが、このThe Inner Sleeveが後から挿入されたものじゃないのなら、シングル・ジャケット盤も、ファースト・プレスとほぼ同時期にリリースされたものだということになる。
これって、いったい、どういう代物なんだ?

さらに不思議なのは、マトである。
この時期、コロンビア・スタジオでカッティングされていれば、マトはスタンプである。
実際、オリジナルのマトは、1A/1Aとか1B/1Bとか1C/1Cとからしいが、Discogsを見ると、どうやらスタンプのようだ。

しかし、うちの盤は手書きなんである。


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マトは1F/1Gで、両面手書きなのだが、これは、やっぱり、外部カッティングなのか?

そういや、Customatrixでメッキ処理されたことを示す〇マークも見あたらない。

しかし、このマークはある。


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コロンビアのピットマン工場でプレスされたことを表すマークだ。

いずれにせよ、コロンビアのスタジオでカッティングされたものではなさそうだし、ジャケットはシングルだし、これは絶対オリジナルと言ってはいけない代物なんだろうな。

ただ、元の録音が素晴らしいのか、このレコードも、かなり凄い音で鳴る。
ちょっと調べると、USオリジナルも、いまやかなりのお値段になっているようなので、ボクはもうこれでいいや(笑)

それにしても、このシングル・ジャケットで外部カッティングで、オリジナルと同時期にリリースされていた盤て、いったいどういう素性の盤なんだろう?

セカンドプレスかといえば、それも違うんじゃないかと思う。
なぜなら、PCプリフィックスの再発でさえ、見開きジャケットだからである。

とすると、レコードクラブ盤の類か?
あるいは、輸出用?

何かご存知の方は、ぜひ教えてくださいませm(_ _)m

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The Miles Davis Quintet, Miles Smilesの謎 [Miles Davis]

昨日5月26日は、マイルス(Miles Davis)の誕生日だったので、このレコードを聴いていた。


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マイルスが第二期黄金クインテットで1967年にリリースしたアルバム"Miles Smiles"のUSオリジナルである。
1967年なのでモノラルも存在するのだが、ボクが持っているのはステレオ盤(Columbia CS 9401)だ。

盤面は綺麗なのに、ちょっとチリパチが気になったので、昨日の夜から、丁寧に洗浄してはターンテーブルに載せることを繰り返し、今日もこのレコードを聴いている。
チリパチはだいぶ低減してきて、ほぼ気にならなくなった。

このレコード、久しぶりに聴いたのだが、放置している間に溝にゴミがたまるというのも考えにくいので、以前はチリパチの許容範囲が今よりずっと広くて、このぐらいのチリパチは許容範囲内だったんだろうな。
あるいは、当時はボクの洗浄技術が未熟で、これ以上は無理だと諦めたのか(笑)

いずれにしろ、このレコード、ターンテーブルに載せたのは10年ぶりぐらいなのである。

だって、ほら、マイルスは名盤が多いから、ジャズをメインに聴いているわけでもないボクがマイルスを聴こうと思っても、このレコードはなかなか思いつかないのだ。
それに、このジャケット、名盤感が欠片も感じられないじゃないか(笑)
”'Round About Midnight”や"Kind Of Blue"みたいに、名盤オーラを放ちまくっているジャケットだったら、もっとターンテーブルに載せる機会が多くなると思うんだけどさ。

それにもかかわらず、今回は何故このレコードを選んだかと言えば、「5月に聴きたいクインテット」という特集だった先週5月21日のジャズ・トゥナイト@NHK FMで"Footprints"がオンエアされたからである。
一曲聴いたら全部聴きたくなるし、昨日聴いても今日もまた聴きたくなる。
要するに、このアルバムもまた名盤なんである。

それはそうと、このレコードについて、少し不思議なことを発見した。

うちの盤は、マト1C/1Bのテレホート工場プレスなのだが、Discogsを見ると、サンタマリア工場プレスもマト1C/1Bだし、ピットマン工場プレスにもマト1C/1Bがある。
コロンビアって、ラッカーをたくさん切って工場ごとに違うラッカーを送るんだと思ってたけど、昔は違ったのね。

って、不思議なのはそこじゃない。

ピットマン工場プレスにはマト1A/1Aの登録があるのだが、テレホート工場やサンタマリア工場にはマト1A/1Aの登録がない。
まぁ、それだけなら、「存在はするが単に未登録」ってだけかもしれないのだが、実はマト1A/1Aの盤はかなり登録されているのである。
ピットマン工場プレスだと明示されているものもあれば、どこの工場かわからないものもあるが、KCS 9401のカタログ・ナンバーで再発された盤(レーベルは当然2EYEではない。)のマトは、みんな1A/1Aなんである。

2EYEレーベルのCS 9401オリジナルの時代にすでに、ピットマン工場プレスはマト1F/1Fまであるのに、どうしてKCS 9401再発のマトが、みーんな1A/1Aなの?

マト1A/1Aは実はボツ・カッティングで、ホントは廃棄しなきゃいけなかったのに残っていて、再発に近い追加プレスのときに使用されて(2EYEのピットマン工場プレスのマト1A/1A)、そのまま再発で使用された(KSC 9401再発のマト1A/1A)んじゃないかと疑っているのだが、さて、真相やいかに?

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