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それは何故?~『関白宣言/天までとどけ』の12インチ [さだまさし]

昨日、近所のハードオフのジャンク・コーナーで拾ってきたのは、「汚レコ」だけではない。
ほかに四枚ほど拾ってきた(全部ジャンクなので、〆て550円 笑)のだが、そのうちの一枚がこれである。


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7インチの4か月後の1979年11月10日に、カップリングを一つ前のシングル曲『天までとどけ』に変更してリリースされた『関白宣言』の12インチ(ワーナー/フリーフライト FFR-3502)だ。

ごらんのとおり、グリーンのカラー・レコードである。

このレコード、45回転の12インチだし、カッティング的には一番音が良さそうなのだが、このアウターは思いっきり塩ビ焼けを起こしてそうで、これまで買う気になれなかった。
しかし、昨日見つけたものは、なんだかとても保存状態が良さそうに見えた。
で、買ってみたわけである。

盤面に若干くもりは見られるものの、少なくとも酷い塩ビ焼けは起こしていないように見える。
おそるおそる針を下ろしてみたところ、特徴的なサーフィスノイズは皆無で、どうやら塩ビ焼けは逃れているようだ。

(´▽`) ホッ


ふとステッカーを見ると、こんな注意書きが・・・


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必ず中袋に入れてから外袋におさめろっていうのは、中袋が外袋の悪影響を遮断する素材で作られてるってことだろうか?
他のレコードジャケットと密着しないようにしろってのは、何らかの悪影響を与える可能性があるからだよねぇ?

わかってるなら、そんな素材使うなよ・・・

とりあえず、アウターは別保存で、レコードは、そうだなぁ、『親父の一番長い日』とでもいっしょに保存しておこうか。

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間違い探し~『私花集(アンソロジィ)』の初回盤 [さだまさし]

今日もやっぱり疲れているのだが、時間はあるので、考レコ学クイズ18の解答編を書くことにしよう。

実は、間違ってないのが間違いなのである。

これでピンときた人は、相当なさだマニアだが、まぁでも、必ずしもアナログ・マニアではないかもしれない。
そう、今回は、アナログ・マニア的知識ではなく、さだマニア的知識で解かなければならない問題だったのだ。
そんなの「考レコ学クイズじゃないじゃーん」と思われるかもしれないが、アナログ・マニア的な知識があるとひっかかるようなトラップを仕掛けたので、これも、いわゆる一種の考レコ学クイズなのである(そうか?)

で、今回、唯一解答してくれたCal De Rさん(Cal De Rさんのブログ、Cal De Rラボは、https://ameblo.jp/caldermusic/ )が、見事にトラップにひっかかってくれた(Cal De Rさん、ごめーん)。

では、まず、Cal De Rさんの解答から見ていこう。

うちには、『私花集(アンソロジィ)』が5枚ある。
1枚は先日から話題にしている見本盤で、そのほかの4枚は通常盤だ。


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何故こんなに持っているかと言うと、Cal De Rさんご指摘の通り、このレコードには、東芝EMIカッティング&東芝EMIプレス、東芝EMIカッティング&東洋化成プレス、東洋化成カッティング&東洋化成プレスが存在するからである(持ってはいないが、片面東芝EMIカッティング+片面東洋化成カッティング&東洋化成プレスという盤の存在も確認している)。

Cal De Rさんは、⑤⑥の画像を合わせると東芝EMIカッティング&東芝EMIプレスということになってしまうが、見本盤は、東芝EMIカッティング&東洋化成プレスか東洋化成カッティング&東洋化成プレスで、そこに、見本盤以外の画像が混じっているんではないかと推測したのである。

確かに、⑤⑥の画像からは、東芝EMIカッティング&東芝EMIプレスだと判定できる。

⑤の画像で示されているラッカー/マザー/スタンパーの字体は、東芝EMIのもので間違いない。



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東洋化成プレスなら、次のような字体になる。

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⑥で示されているマトの字体が東芝EMIのもので、東芝EMIカッティングであることを示しているのも間違いない。


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東洋化成カッティングなら、次のような字体になる。


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ちなみに、東芝EMIカッティングで、マザーを東洋化成に送り、東洋化成でスタンパーを製造してプレスした場合は、ラッカー/マザー/スタンパーの部分は次のようになる。


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消されているのが、東芝EMIで刻印されたラッカー・ナンバーとマザー・ナンバーで、このレコードの場合、9ーAである。
つまり、9ーAのマザーが東洋化成に送られて、そこから製造されたスタンパーに3ーAー17というスタンパー・ナンバーが刻印されたわけだ。

「東芝EMIの9が東洋化成の3なら、東芝EMIの7は東洋化成の1になる」というわけでもないのだろうが、見本盤は、東芝EMIカッティングのマト7で、東芝EMIプレスなんである。
PMは8-3と刻印されていて、1978年3月の発売当月プレスだ。

うちにある通常盤の中にも、スタンパーは少し進んでいるが、同じく、東芝EMIカッティングのマト7で、東芝EMIプレスの盤がある。
やはりPMは8ー3である。
帯には、53.3.25とメモされていて、これは昭和53年つまり1978年3月25日に購入したということだろうから、前所有者はこのレコードを発売日に購入したのだ。

発売日が3月25日と月末なので、おそらく発売前月プレスは存在しないのではないかと思う。

ちなみに、PMから判断して、うちにある東芝EMIカッティング&東洋化成プレスは1978年4月プレス(ただし、4の前に3が刻印されているので、発売当月プレスに一度使用されている。)、東洋化成カッティング&東洋化成プレスは、1978年7月プレス(ただし、7の前に3があるので、発売当月プレスに一度使用されている。つまり、東洋化成カッティング&東洋化成プレスの初回盤も存在するということである。)と同年11月プレスである。

いずれにせよ、見本盤は、マト7の東芝EMIカッティング&東芝EMIプレスで間違いない。
したがって、⑤⑥の画像は、見本盤のものである。



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①の画像については、帯の「私花集」の色味を見てほしかった。
最初の5枚並んだ写真でわかるか微妙だが、初期盤は、帯の「私花集」の色が若干薄い。
個体差の可能性もないわけではないが、ルーペで確認する限り、意図的に色味を濃く変更したように見える。

とはいえ、こんな微妙なものが答えなわけはない(笑)
①は、「私花集」の文字色が薄い見本盤の帯を写した画像に間違いない。



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②の画像は、裏ジャケットのクレジット部分だが、実は、さださんの別のアルバムで、初回盤のみ裏ジャケットのクレジットが違っているものがある。
それで、この画像を混ぜてみたのだが、『私花集(アンソロジィ)』については、裏ジャケットのクレジットはずっと同じである。
②の画像も、見本盤の画像である。

ってことで、答えは、③か④ということになる。

Wikiの『私花集(アンソロジィ)』のページを見ると、『秋桜』の説明のところに、「解説には本作のタイトルが秋桜ではなく『桜秋』と誤植されている。」と書かれている。
そうすると、④が正解(つまり、見本盤のものではない。)なのか?
知らないとそう誤解してしまいそうな表現である。

実は、誤植があったのは、解説の方ではなく、歌詩掲載部分のタイトルのほうなのだ。

見本盤の歌詩&解説インサートは、こうなっているんである。


20230413-05.jpg


見本盤と1978年3月プレスの通常盤には入っていなかったが、4月プレスの通常盤には、こんな紙が入っていた。
(見本盤や発売当月プレスにも入っていたのか、発売後気づいて翌月プレスから封入したのかは不明である。)


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律儀な人は、実際に切り取って貼り付けたんだろうなー


ってことで、正解は、③の歌詩&解説インサートの『秋桜』のタイトル部分を写した画像である。
これのみ、見本盤ではなくレイト・プレスに付属のインサート(うちにあるものでいうと、4月プレス盤まで誤植ありで、7月プレス盤では修正されている。)の画像なんである。

ねっ、間違っていないものが、間違いだったでしょ?(笑)

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『私花集(アンソロジィ)』の見本盤 [さだまさし]

すっかり忘れていたのだが、昨日4月10日は、さださんの誕生日だった。

ってことで、一日遅れたが、今宵は、最近(といっても半年くらい前だが)手に入れた、このレコードを聴くことにしよう。


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1978年3月25日にリリースされた、ソロになってから3枚目のアルバム『私花集(アンソロジィ)』の見本盤(ワーナー・パイオニア L-!0120E)である。

この『私花集(アンソロジィ)』というアルバム、ボクがさださんにハマるきっかけになった『案山子』が収録されているし、山口百恵さんに提供した楽曲『秋桜』のセルフカバーも入っているし、シングル・カットされた『檸檬』(シングルはリメイクされた別バージョンなのでシングル・カットとは言わないか)も佳曲だし、ラストにおさめられた『主人公』は、さだ作品の中でも1、2を争う名曲である。
他の収録曲もそれぞれ魅力的で、要するに超名盤なのだ。

このレコードについては、実は、国内盤研究的にもいろいろ書きたいことがあったりする。
でも、今日はちょっと疲れているので、それはまた今度。

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『夢の轍』で新発見 [さだまさし]

しばらく前から、さだまさしさんのLPを掘っている。

中学生の頃、フォークギターを買ってもらって、あれやこれやと弾き語りの練習をしていた頃、さださんの『案山子』が流行った。
この歌にこめられた想いを中学生だったボクがちゃんと理解できていたかと言えば甚だあやしいが、とにかくボクはこの歌がすこぶる気に入ったし、ぜひとも弾き語りができるようになりたいと、当時猛練習したのであった。

猛練習の甲斐あって素晴らしい弾き語りができるようになったかどうかはさておき(笑)、『案山子』をきっかけにボクはすっかりさださんのファンになり、過去作品にさかぼって聴きまくったし、1981年のアルバム『うつろひ』くらいまで、かなり熱心に聴いていた。

そのあたりの思い入れの深いアルバムを一番良い音で聴いてみたいという思いが、いまもボクを「さだ掘り」に駆り立てる。

で、今日は、『夢の轍」で新発見をしたってお話である。
って、「『夢の轍』は、『うつろい』の後でしょうがぁ」って声が聴こえてきそうだが、いいのである。
なにしろ『償い』が入っている。
一番良い音で聴きたいじゃないか。

このアルバム、ボクはずっと通常盤で聴いていたのだが、つい先日、見本盤を手に入れることができた。


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見本盤は、ホワイト・レーベルである。


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この写真に送り溝の文字が写り込んでいるのでわかるかと思うが、この字体は東芝EMIのものだ。
つまり、この盤、東芝EMIカッティングである。

このFFR-12505-1の反対側には、ラッカー番号/マザー番号/スタンパー番号を示す刻印2-B-3がある。
隣には逆向きだが、PM2-Yも見える(2-Yだから1982年11月製造で、見本盤だから当然といえば当然だが、発売日(1982年12月11日)の前月製造盤ということになる)。
これは、東芝EMIプレスで間違いない。


20200424-3.jpg


ちなみに、Side 2も含めたマトとPMは、以下の通りだ。

Side 1 2-B-3 2-Y
Side 2 2-A-9

マト2というのはともかく、見本盤にしては、マザー/スタンパーが微妙に進んでいる気がするが、まぁよしとしよう。


さて、では、これまで持っていた通常盤はどうか。

レーベルは、おなじみフリーフライトレコードの黄色いレーベルだ。


20200424-4.jpg


この写真に写り込んだ送り溝の文字の字体は、見本盤と同じである。
つまり、東芝EMIカッティングだ。
ただし、この盤には、TOの刻印がない。

反対側のラッカー番号/マザー番号/スタンパー番号を示す刻印4-A-3も、少なくとも4-Aのところまでは東芝EMI工場での刻印だろう。


20200424-5.jpg


しかし、この盤の送り溝にはPMがない。

ちなみに、Side 2も含めたマトは、以下の通りだ。

Side 1 4-A-3
Side 2 4-A-3

ボクは、最初、この盤もまた東芝EMIプレスだと思っていた。
PMがないのは、マトが進んでいるせいで、ある年代になると東芝EMIプレスでもPMが消えるんだろうと思ったわけである。
つまり、もとから持っていた通常盤は、相当にレイトだと決めつけたわけだ。

しかし、この通常盤、相当にレイトな盤にしては、音は悪くない。
というか、個々の楽器の音色やボーカルの実在感などに限れば、かなり鮮度の高い音がする。
マト4のくせに(笑)

確かに、見本盤のほうは、通常盤のそうした鮮度の高さにくわえて、ふわ~っと音が広がる感じがなんとも素晴らしく、もう一段階上の音がするのだが、通常盤のほうが相当にレイトだとはどうしても思えない。

で、あっちからこっちからと眺めていたら、こんなものを発見してしまったのであった。


20200424-6.jpg


レーベル上に浮き出ているのは、東洋化成プレスのPMである。
しかも、写真だと判別しにくいかもしれないが、これ、2TYである。
そう、1982年11月製造盤、つまり、見本盤と同じく、発売月の前月に製造されているのだ!
鮮度が高いわけである。

しかし、この発見には、正直ボクも相当に驚いた。

つまりはこういうことだ。

東芝EMIでマト2とマト4が同時にカッティングされ、マト2は東芝EMIの工場でのプレスに使用され、マト4は東洋化成の工場に送られてプレスされた。
東芝EMIプレスのマト2も、東洋化成プレスのマト4も、いずれも初回プレスなのである。

おそらく、自社工場をもたないワーナーの場合、さださんのようにかなり売れるアーティストのレコードは、東芝EMIへの委託だけ、あるいは、東洋化成への委託だけでは足りず、両方に同時に委託する必要があったのだろう。

まるで、アメリカの工場違いのような状況が、この日本で生じていたわけである。


で、少なくともこの盤については、東芝EMI工場プレスのマト2が真のオリジナルと言っていいんだろうと思う。

では、さださんの他のアルバムもみんな同じパターンだったかというと、違うのである。
時期によっては、初回盤に東芝EMIカッティング&プレスと東洋化成カッティング&プレスが存在するというパターンもあったりする。

かなりのところまで解明できているのだが、まだ全容が解明できていないので、この続きはまたそのうちに(笑)


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