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間違い探し~『私花集(アンソロジィ)』の初回盤 [さだまさし]

今日もやっぱり疲れているのだが、時間はあるので、考レコ学クイズ18の解答編を書くことにしよう。

実は、間違ってないのが間違いなのである。

これでピンときた人は、相当なさだマニアだが、まぁでも、必ずしもアナログ・マニアではないかもしれない。
そう、今回は、アナログ・マニア的知識ではなく、さだマニア的知識で解かなければならない問題だったのだ。
そんなの「考レコ学クイズじゃないじゃーん」と思われるかもしれないが、アナログ・マニア的な知識があるとひっかかるようなトラップを仕掛けたので、これも、いわゆる一種の考レコ学クイズなのである(そうか?)

で、今回、唯一解答してくれたCal De Rさん(Cal De Rさんのブログ、Cal De Rラボは、https://ameblo.jp/caldermusic/ )が、見事にトラップにひっかかってくれた(Cal De Rさん、ごめーん)。

では、まず、Cal De Rさんの解答から見ていこう。

うちには、『私花集(アンソロジィ)』が5枚ある。
1枚は先日から話題にしている見本盤で、そのほかの4枚は通常盤だ。


20230413-01.jpg


何故こんなに持っているかと言うと、Cal De Rさんご指摘の通り、このレコードには、東芝EMIカッティング&東芝EMIプレス、東芝EMIカッティング&東洋化成プレス、東洋化成カッティング&東洋化成プレスが存在するからである(持ってはいないが、片面東芝EMIカッティング+片面東洋化成カッティング&東洋化成プレスという盤の存在も確認している)。

Cal De Rさんは、⑤⑥の画像を合わせると東芝EMIカッティング&東芝EMIプレスということになってしまうが、見本盤は、東芝EMIカッティング&東洋化成プレスか東洋化成カッティング&東洋化成プレスで、そこに、見本盤以外の画像が混じっているんではないかと推測したのである。

確かに、⑤⑥の画像からは、東芝EMIカッティング&東芝EMIプレスだと判定できる。

⑤の画像で示されているラッカー/マザー/スタンパーの字体は、東芝EMIのもので間違いない。



20230412-05.jpg


東洋化成プレスなら、次のような字体になる。

20230413-03.jpg


⑥で示されているマトの字体が東芝EMIのもので、東芝EMIカッティングであることを示しているのも間違いない。


20230412-06.jpg


東洋化成カッティングなら、次のような字体になる。


20230413-02.jpg


ちなみに、東芝EMIカッティングで、マザーを東洋化成に送り、東洋化成でスタンパーを製造してプレスした場合は、ラッカー/マザー/スタンパーの部分は次のようになる。


20230413-04.jpg


消されているのが、東芝EMIで刻印されたラッカー・ナンバーとマザー・ナンバーで、このレコードの場合、9ーAである。
つまり、9ーAのマザーが東洋化成に送られて、そこから製造されたスタンパーに3ーAー17というスタンパー・ナンバーが刻印されたわけだ。

「東芝EMIの9が東洋化成の3なら、東芝EMIの7は東洋化成の1になる」というわけでもないのだろうが、見本盤は、東芝EMIカッティングのマト7で、東芝EMIプレスなんである。
PMは8-3と刻印されていて、1978年3月の発売当月プレスだ。

うちにある通常盤の中にも、スタンパーは少し進んでいるが、同じく、東芝EMIカッティングのマト7で、東芝EMIプレスの盤がある。
やはりPMは8ー3である。
帯には、53.3.25とメモされていて、これは昭和53年つまり1978年3月25日に購入したということだろうから、前所有者はこのレコードを発売日に購入したのだ。

発売日が3月25日と月末なので、おそらく発売前月プレスは存在しないのではないかと思う。

ちなみに、PMから判断して、うちにある東芝EMIカッティング&東洋化成プレスは1978年4月プレス(ただし、4の前に3が刻印されているので、発売当月プレスに一度使用されている。)、東洋化成カッティング&東洋化成プレスは、1978年7月プレス(ただし、7の前に3があるので、発売当月プレスに一度使用されている。つまり、東洋化成カッティング&東洋化成プレスの初回盤も存在するということである。)と同年11月プレスである。

いずれにせよ、見本盤は、マト7の東芝EMIカッティング&東芝EMIプレスで間違いない。
したがって、⑤⑥の画像は、見本盤のものである。



20230412-01.jpg


①の画像については、帯の「私花集」の色味を見てほしかった。
最初の5枚並んだ写真でわかるか微妙だが、初期盤は、帯の「私花集」の色が若干薄い。
個体差の可能性もないわけではないが、ルーペで確認する限り、意図的に色味を濃く変更したように見える。

とはいえ、こんな微妙なものが答えなわけはない(笑)
①は、「私花集」の文字色が薄い見本盤の帯を写した画像に間違いない。



20230412-02.jpg


②の画像は、裏ジャケットのクレジット部分だが、実は、さださんの別のアルバムで、初回盤のみ裏ジャケットのクレジットが違っているものがある。
それで、この画像を混ぜてみたのだが、『私花集(アンソロジィ)』については、裏ジャケットのクレジットはずっと同じである。
②の画像も、見本盤の画像である。

ってことで、答えは、③か④ということになる。

Wikiの『私花集(アンソロジィ)』のページを見ると、『秋桜』の説明のところに、「解説には本作のタイトルが秋桜ではなく『桜秋』と誤植されている。」と書かれている。
そうすると、④が正解(つまり、見本盤のものではない。)なのか?
知らないとそう誤解してしまいそうな表現である。

実は、誤植があったのは、解説の方ではなく、歌詩掲載部分のタイトルのほうなのだ。

見本盤の歌詩&解説インサートは、こうなっているんである。


20230413-05.jpg


見本盤と1978年3月プレスの通常盤には入っていなかったが、4月プレスの通常盤には、こんな紙が入っていた。
(見本盤や発売当月プレスにも入っていたのか、発売後気づいて翌月プレスから封入したのかは不明である。)


20230413-06.jpg


律儀な人は、実際に切り取って貼り付けたんだろうなー


ってことで、正解は、③の歌詩&解説インサートの『秋桜』のタイトル部分を写した画像である。
これのみ、見本盤ではなくレイト・プレスに付属のインサート(うちにあるものでいうと、4月プレス盤まで誤植ありで、7月プレス盤では修正されている。)の画像なんである。

ねっ、間違っていないものが、間違いだったでしょ?(笑)

タグ:さだまさし
コメント(2) 
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コメント 2

阪蔵

歌詞カードの誤植を訂正されたものが存在することを知りませんでした。さだまさしの見本盤はマト違いが多いので、つい手持ちの見本盤を確認(カンニング)してしまいクイズの解答は自粛しましたが(苦笑)。
by 阪蔵 (2023-04-14 03:06) 

想也

阪蔵さん

流石に、歌詩インサートの曲名の誤植は、訂正しないわけにはいかなかったんでしょうね(笑)
by 想也 (2023-04-15 00:41) 

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