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間違いだけどまんざら間違いでもない~フィービ・スノウ『サンフランシスコ・ベイ・ブルース』 [アナログ・コレクターの覚書]

さて、考レコ学クイズ19の解答編である。

間違いを発見できただろうか。

間違いは、ここである。


20240427-06.jpg


裏ジャケットの向かって左側、楽曲ごとに演奏者クレジットが掲載されているところだが、最後の曲の曲名は"NO SHOW TONIGHT"なのに、"NO SNOW TONIGHT"になっている。

これじゃ、「今夜のショーはなくなった」ではなく、「今夜、雪は降らない」になってしまう。
ただ、"SNOW"を"PHOEBE SNOW"ととれば、「今夜、スノウはいない」ということで、「今夜のスノウのショーはなくなった」という意味にはなる(のか?)。
まんざら間違いでもないことになるのだ(笑)

いや、ただの間違いだけどね。

それにしても、こんな大きな間違い、再再発にいたるまで気づかないもんかなぁ?


タグ:Phoebe Snow
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考レコ学クイズ19~間違いだけどまんざら間違いでもない [考レコ学クイズ]

昨日4月26日は、フィービ(Phoebe Snow)の命日だった。

ってことで、今日はこのレコードを聴いていた。


20240427-01.jpg


1974年にリリースされた彼女のファースト・アルバムである。

いつもはUSオリジナル(Shelter Records SR 2109)で聴くのだが(USオリジナルについては、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-12https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-13 をどうぞ)、命日だし、ほとんど聴かない日本盤を引っ張り出した。

日本盤だって、ビクター・カッティングでビクター・プレスなので、綺麗な音で鳴る。
とはいえ、USオリジナルには鮮度感(音色のリアリティや音場の立体感)で遠く及ばないのは仕方ない。

それでもコレクター的にこの日本盤が手放せないのは、ベイ・ブリッジが描き込まれているからである。
日本盤は、ジャケ違いなのだ。

違うのは表ジャケだけではない。
裏ジャケも違う。


20240427-02.jpg


USオリジナルの裏ジャケは青だが、日本盤の裏ジャケは白で、歌詞付きインナー・スリーブが付属しないかわりに、歌詞が掲載されている。
しかも、USオリジナルには間違って掲載されていた"GOOD TIMES"の歌詞も、正しい方に差し替えられている。
歌詞の掲載順も、収録順に変更されている。

片面に松平維秋さんの解説、片面に山本安見さんの訳詞が掲載されたインサートだって付属している。


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おまけに、日本盤はビクター・プレスだから、透けるんである。


20240427-03.jpg


透けるシェルター・レーベルは萌えるな~(笑)

やっぱり、日本盤も持ってなきゃいけないんである。

もっとも、うちのは、1975にリリースされた初回盤(日本フォノグラム RJ-6021)ではなく、1978年にリリースされた再発盤(日本フォノグラム BT-5165)なのだが、表ジャケットも裏ジャケットも、レコード番号以外は同じだからいいのだ。
インサートは、ちょっとレイアウトが違っていたりするのだが、気にするほどのことではない(それに、最初に買ったUSオリジナルの中に初回盤付属のインサートが入っていたので、インサートだけは初回盤付属のものも持っている 笑)

しかーし、日本盤には一つ問題がある。

間違いがあるのだ。

初回盤から間違っていて、うちにある再発盤でも修正されておらず、さらに1979年リリースの再再発盤(日本フォノグラム RJ-7576)でもまだ修正されていない。

誰も気づかなかったんだろうか・・・


さて、ここで問題です。

フィービのファースト・アルバムの日本盤にある、その間違いとは何でしょう?


おっと、こんな小さな間違いではないよ。


20240427-05.jpg


せっかく正しい方に差し替えられた"GOOD TIMES"の歌詞の中で、"I don't care"が"It don't care"になっている。

こんな小さな間違いではなく、普通ならすぐに気づきそうな大きな間違いを、再再発盤にいたるまで放置しているのである。

まぁ、でも、この間違い、まんざら間違いでもないのだが・・・


GWで暇を持て余している方は、もしレコード棚にこの日本盤があったら、間違いを探してみてくださいませ。


R.I.P.

タグ:Phoebe Snow
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R.I.P. Dickey Betts ~ The Allman Brothers Band, Brothers and SistersのUSオリジナル [STERLINGの仕事]

4月18日、オールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)のオリジナル・メンバーだったディッキー・ベッツ(Dickey Betts)=リチャード・ベッツ(Richard Betts)が亡くなった。

ベッツがボーカルをとったバンド最大のヒット"Ramblin' Man"が収録されているせいか、あるいはベッツ作曲の代表曲"Jessica"が収録されているせいか、ボクのTLには、このレコードで追悼している方が多かったので、ボクもつられて引っ張り出した。


20240420-01.jpg


1973年8月にリリースされたオールマン・ブラザーズ・バンド5作目のアルバム"Brothers and Sisters"である。

このレコードのUSオリジナル(Capricorn Records CP 0111)についてはいくつか書きたいことがあるのだが、追悼記事で書くのも野暮なので、またの機会に・・・

と思ったのだが、ここのところ、このブログの更新は非常にのんびりしている。
(ごめんなさいm(_ _)m)
またの機会なんて、金輪際訪れない気もする(笑)

ってことで、野暮は承知で書くことにしよう。

どこまでをオリジナルと呼ぶかは難しい問題だが、少なくともうちの盤はファースト・プレスではなさそうである。

サンタマリア工場プレスのマト末尾は1B/1Bで、スタンパーはB12/D20なので、ファースト・プレスの仲間に入れてもらえそうなのだが、そうはいかないらしい。

このレコードにはインサートが付属しているのだが、正しく"Jelly Jelly"がクレジットされているものと、間違って"Early Morning Blues"とクレジットされているものがあるというのだ(ピットマン工場プレスでも、テレホート工場プレスでも、同様に2種類ある)。

まぁ一般的に言って、間違っている方が先で正しい方が後なのだが、どうやら"Early Morning Blues"が"Jelly Jelly"に差し替えられたということらしく(だから裏ジャケットにはどちらもクレジットされていない)、その点でも、"Early Morning Blues"クレジットが先だと考えられる。
裏ジャケットの曲順やインサートの曲順が実際と異なっているし、マトには両面ともREがついているので、曲の差替えに伴って、アルバム全体の曲順の見直しも行われたんじゃないかと推測する。

そういうことを踏まえて考えると、間違って"Early Morning Blues"とクレジットされたインサートが付属しているのがファースト・プレスで、正しく"Jelly Jelly"とクレジットされているインサートが付属しているのはセカンド・プレスだと考えるのが合理的だと思う。

そのうちどこかで、"Early Morning Blues"クレジットのインサート付きと出会えるのを願うばかりである。

このレコードについては、もう一つ興味深いことがある。

マスタリング&カッティングがSTERLINGで行われていて、送り溝にもSTERLING刻印はあるのだが、この刻印なんである。


20240420-03.jpg


この刻印、正確には5.5mmくらいだが、面倒なのでボクは6mm刻印と呼んでいる。
6mm刻印はリー・ハルコ(Lee Hulko)が使っていたものだが(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-09-03 をどうぞ)、両面ともLHというイニシャルは刻まれていない。

「さては、書き忘れたな。」と思ったのだが・・・


20240420-04.jpg


ジョージ・マリノ(George Marino)なの?
インサートにはっきり書いてあるんだから間違いないか・・・
マリノなら、もうちょっと小さい5mm刻印のはずなんだけどなー

ここで、ボクはあることに気づいた。

STERLINGって書いてないじゃん!

そう、インサートのクレジットには、”George Marino, Record Plant, New York"とクレジットされていて、”STERLING”の文字はどこにもないのだ。

あらためて調べてみると、マリノがSTERLINGに移籍したのは1973年、その前は、The Master Cutting Roomに所属していた。
The Master Cutting Roomは、Record Plant, New Yorkのマスタリング担当部門である。

つまり、このレコードのマスタリングをマリノが依頼された時点では、彼はまだSTERLINGに移籍していなかったんじゃないか。
このレコードがSTERLINGに移籍しての初仕事(かそれに近い仕事)だったんじゃないか。
そうだとすると、彼自身のSTERLINGスタンプはまだ出来上がっておらず、ハルコのスタンプを借用することになったんじゃないか。

そんな推測をしてみたのだが、さて、真相やいかに?


R.I.P.

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My Aim Is True♪ [Elvis Costello]

どうやら、イエローバックのコーティング・ジャケットがわりと珍しそうなので、グリーンバックのマット・ジャケットと比較した画像を追加しておきました。

4月9日放送のTHE TRAD@TOKYO FMをタイムフリーで聴いた。
3時台のTODAY’S MUSIC RECOMMENDは、来日中のコステロ(Elvis Costello)特集である。
解説のために呼ばれたゲストは、「レコード・コレクター紳士録」でお馴染みの大鷹俊一さんだ。
レコード・コレクターズのライター陣がついにTHE TRADに進出なのである。
次は紙ジャケ探検隊か?
その際には、鞄持ちをするので付き添わせてください(笑)

さて、コステロ特集である。
一発目は、ファースト・アルバム"My Aim Is True"収録の名曲"Alison"だ。

     ♪ Alison, I know this world is killing you
     ♪ Oh, Alison, my aim is true

弾き語りレパートリーのうちの一つだから、思わず口ずさんでしまう。

そんなわけで、引っ張り出した。


20240410-01.jpg


もちろんUKオリジナル(Stiff Records SEEZ 3)である。

初期盤は、表ジャケットが白黒写真に赤文字なのだが、裏ジャケットの色違いがある。
Discogsによると、イエロー、ピンク、ブルー、オレンジ、グリーン、パープル、クリムゾン、ベージュの8色があって、イエローにはコーティングとマットがあるとのこと。
これで9種類だが、印刷会社違いなどもあって、少なくとも11種類はあるそうだ。

マトは、初盤はA1/B1だが、A面だけ途中で何かトラブルがあったのか、そのうちA2/B1になる。

レイトになると、表ジャケットの写真の背景もグリーンになって、マトもA3/B3が出てきて、さらにはA10/B10なんてのも出てくる。

初盤の条件は、マトについてはA1/B1でいいと思うのだが(A1/B1は両面ペカム(George Peckam)のカッティングだが、A2にはペカムのサインはないので、後からカッティングされたものだと考えられるからである。)、少なくとも11種類もあるというジャケットについては、まったくボクの手には負えない。

探検隊が掘ってくれてないかなぁ?
あっ、白土さんがたぶん全部持ってるから、季刊雑誌『analog』の新連載『あなたの愛聴盤 拝見します!』で白土さん宅を探検隊が訪問して、初盤を解き明かすってのがいいかも?

ちなみに、ボクはもう掘る気はない(笑)
というのも、うちにあるUKオリジナル、マトがA1/B1なのはもちろんなのだが、スタンパーがI-1/I-1なんである。
EMIなら1G/1G、DECCAなら1B/1Bに匹敵するファースト・スタンパーなのだ。

ジャケットは、コーティングのイエローバックなので、これが初盤のバリエーションの一つであることは確かだと思うのだが、それ以上はわからない。
どうやらイエローバックだけコーティングが存在するようなので、コーティングのイエローバックだけが初盤条件を満たすという可能性もないわけではない気もする。

さて、真相やいかに?


どうやら、イエローバックのコーティング・ジャケットがわりと珍しそうなので、グリーン・バックのマット・ジャケットと比較した画像を追加しておこう。


表ジャケットはこんな感じ。


20240410-02.jpg


裏ジャケットはこんな感じ。


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タグ:Elvis Costello
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"This Is It”といえば・・・ [Miles Davis]

"This Is It"といえば、マイケル(Michael Jackson)のドキュメンタリー映画を思い浮かべる人が圧倒的に多いと思うが、ボクの頭には別のものが思い浮かぶ。

それは、マイルス(Miles Davis)の一枚のレコードである。


今日は一日、のんびりと過ごせる日曜日ということもあって、HDDに山ほどたまっている映画の中から一つ選んで観てみようと思い立った。

保存用のHDDの方だから、いったい何年前に録画したんだかわからないが、なんとなく『MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間』を選んだ。
マイルスが音楽シーンから姿を消していた1970年代後半の5年間を背景にした2015年のアメリカ映画なのだが、「空白の5年間を描いたもの」というわけではないので、邦題にはちょっと騙された気分になる(笑)

とはいえ、それなりに楽しめたし、観終わった後には、とにかくこのレコードが聴きたくなったよね。


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空白の5年間の後の復活の一枚、1981年リリースの"The Man with the Horn"である。
USオリジナル(Columbia FC 36790)には、こんなステッカーが貼ってあって、これまたマイケルに負けず劣らず"This Is It"なのである。


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まぁ、マイケルのほうは「これが最後」、マイルスのほうは「これが復活」って違いはあるけど、「これがそれ」に違いはない。

このレコード、音も良い。

マスタリングは、ニューヨークのCBSスタジオでジョー・ガストワート(Joe Gastwirt)によって行われている。
翌年には、ポール(Paul McCartney)の"Tug of War”のカッティングをしたエンジニアだ(界隈では、一時、大そう話題になった)。

送り溝には、"COLUMBIA NY"の刻印も刻まれている。
(ちなみに、うちのは、マト1F/1Fのサンタマリア・プレス。)


20240407-03.jpg


もっとも、"Tug of War"と違って、JGというサインはない。
これは、おそらく、裏ジャケットに彼の名前が明記されているからだろう。


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マイルスの復活の一枚のマスタリング、彼も気合が入ったんだろうな。

タグ:Miles Davis
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