STRAWBERRY FIELDS
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/
ストロベリー・フィールズ ~ボクの秘密基地~
想也
2024-02-10T20:17:19+09:00
ja
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Deep Purple, Live in Japanの真実
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-08-20
「何故、Side 4だけ輸入ラッカーが使用されなかったのか?」について、すろはん先輩が、当時の内部事情を知っている方に取材してTwitter(現X)で報告してくださったツイートを、転載させていただきました。(2024年2月10日追記)8月19日は、イアン・ギラン(Ian Gillan)の誕生日ということで、このレコードを引っ張り出して聴いていた。1972年8月に行われた来日公演の模様をおさめたロック史上屈指の傑作ライブ・アルバム、ディープ・パープル(Deep Purple)"Live in Japan"(ワーナー・パイオニア P-5066~7W)である。アルバム・タイトルは、日本盤のみ"Live in Japan"で、ほかはすべて"Made in Japan"だ。このライブ・アルバム、もともと日本のみでリリースの予定だったらしいが、あまりにも出来が良かったために、UK本国でも間髪おかずに日本と同じ1972年12月に、アメリカでも翌月の1973年1月にリリースされた。そんな経緯なので、来日公演をおさめたものでもあるし、日本盤には特別な意味がある。おまけに日本盤には、UK盤と同じくジョージ・ペカム(George Peckham)がカッティングした輸入ラッカーが使用されている。もう日本盤だけ持っていれば良さそうである。幸いうちの盤は、グリーン・レーベルの初回盤というだけでなく、発売前月の1972年11月プレスだ。送り溝のPM2―Yがそれを証明している。(一枚目をターンテーブルに載せていたので、二枚目のSide 3のPMだが、Side 1ももちろん同じである。)日本盤だけ持っていればいいなら、それに越したことはない。しかし、やはりそういうわけにはいかないのである。そういうわけにはいかない決定的な事実があるのだ。あんまり語られていない気はするが、仲間内では昔から話題になっていたことなので、おそらく多くの人が気づいているんじゃないかと思う。さきほど、日本盤もペカムがカッティングした輸入ラッカーを使用していると書いた。しかし、ペカムのカッティングであることを示すサインは、Side 1からSide 3までにはあるが、Side 4にはないのである。一応書き出しておくと、送り溝のサインは次のようになっている。Side 1 PORKYSide 2 DELTA PORKSide 3 PECKOSide 4 サインなしこれは何を意味してい..
George Peckhamの仕事
想也
2024-02-10T20:17:19+09:00
「何故、Side 4だけ輸入ラッカーが使用されなかったのか?」について、すろはん先輩が、当時の内部事情を知っている方に取材してTwitter(現X)で報告してくださったツイートを、転載させていただきました。(2024年2月10日追記)
8月19日は、イアン・ギラン(Ian Gillan)の誕生日ということで、このレコードを引っ張り出して聴いていた。
1972年8月に行われた来日公演の模様をおさめたロック史上屈指の傑作ライブ・アルバム、ディープ・パープル(Deep Purple)"Live in Japan"(ワーナー・パイオニア P-5066~7W)である。
アルバム・タイトルは、日本盤のみ"Live in Japan"で、ほかはすべて"Made in Japan"だ。
このライブ・アルバム、もともと日本のみでリリースの予定だったらしいが、あまりにも出来が良かったために、UK本国でも間髪おかずに日本と同じ1972年12月に、アメリカでも翌月の1973年1月にリリースされた。
そんな経緯なので、来日公演をおさめたものでもあるし、日本盤には特別な意味がある。
おまけに日本盤には、UK盤と同じくジョージ・ペカム(George Peckham)がカッティングした輸入ラッカーが使用されている。
もう日本盤だけ持っていれば良さそうである。
幸いうちの盤は、グリーン・レーベルの初回盤というだけでなく、発売前月の1972年11月プレスだ。
送り溝のPM2―Yがそれを証明している。
(一枚目をターンテーブルに載せていたので、二枚目のSide 3のPMだが、Side 1ももちろん同じである。)
日本盤だけ持っていればいいなら、それに越したことはない。
しかし、やはりそういうわけにはいかないのである。
そういうわけにはいかない決定的な事実があるのだ。
あんまり語られていない気はするが、仲間内では昔から話題になっていたことなので、おそらく多くの人が気づいているんじゃないかと思う。
さきほど、日本盤もペカムがカッティングした輸入ラッカーを使用していると書いた。
しかし、ペカムのカッティングであることを示すサインは、Side 1からSide 3までにはあるが、Side 4にはないのである。
一応書き出しておくと、送り溝のサインは次のようになっている。
Side 1 PORKY
Side 2 DELTA PORK
Side 3 PECKO
Side 4 サインなし
これは何を意味しているのだろうか。
「単にペカムがサインを忘れただけだろー」と淡い期待を抱きたい人もいるかもしれないが、ペカムがサインを忘れた例というのは記憶にない。
実際、Side 4はペカムのカッティングではなく、日本独自カッティングなのである。
さきほどPMのことを話題にしたが、PMの形式から、このレコードが東芝(当時は東芝音工)プレスであることがわかる。
自社工場を持たないワーナーは、東芝や東洋化成にプレス委託をしていたが、このレコードについてはメッキ処理からプレスまで東芝で行われている。
そして、Side 4のカッティングもおそらく東芝で行われている。
東芝では、輸入ラッカーの場合は、ラッカー・ナンバーにLがつく。
このレコードの場合も、Side 1からSide 3までのラッカー・ナンバーはLである。
ちなみに、うちの盤のSide 1からSide 3までのマト(スタンパーまで含む)は次の通りだ。
Side 1 L-A-10
Side 2 LーAー6
Side 3 LーAー6
Side 3のマトの画像を載せておこう。
それに対して、Side 4のラッカー・ナンバーにはLが使用されていないのである。
Side 4のマト(スタンパーまで含む)は、1ーAー11だ(光の加減でスタンパー・ナンバーの11が見えにくいが、間違いなく11である)。
Lではなく1が使用されているというのは、輸入ラッカーではないということである。
それが東芝のマトのルールだ。
実際、Side 4の音には、ペカム・カッティングのSide 1からSide 3までに聴くことができるような、うなる低域や分厚い中域が感じられない。
つまり、Side 3までは日本盤でいい(プレスの良さを考えれば、むしろ日本盤がいい)のだが、Side 4については、ペカムがカッティングしている("Peckie"というサインがある)UK盤(ドイツ盤でも良い)で聴かないとダメなのである。
面倒なんだけどね(笑)
それにしても、何故、Side 4だけ輸入ラッカーが使用されなかったのだろう?
送ってもらったものの、なんらのトラブルでダメにしちゃったんだろうか?
このあたりのことは、当時の内部事情を知っている人にしかわからないよねぇ。
2024年2月10日追記
「何故、Side 4だけ輸入ラッカーが使用されなかったのか?」について、すろはん先輩が、当時の内部事情を知っている方に取材して、Twitter(現X)で報告してくださいました。
1年近く経ってしまいましたが(ツイートは2023年2月27日)、すろはん先輩の許可を得て、転載させていただきます。
(しばらくしたら転載させていただこうと思っていたのですが、すっかり忘れてしまっていました。すみませんm(_ _)m)
【ライヴ・イン・ジャパン/カッティングの真実】
昨年夏に想也さんから出された宿題に関し、昨年晩秋に知人である元ワーナーパイオニア洋楽ディレクターの佐藤晃彦氏に事の経緯のリサーチ」をお願いしておりました。
そして10日前に佐藤晃彦氏の主宰による同盤の特別視聴会が『下北沢/アナログ天国』にて開催された際、催事開始時間の前に、お願いしていた「事の経緯リサーチ」の取材をさせて頂きました。
1972年当時、ワーナーパイオニアのパープル担当ディレクターは折田育造氏で(日本グラモフォンでZEP担当だった事で有名ですね。)、サブ担当が加藤正文氏だったとの事。
折田氏は既に逝去されていたので、佐藤氏の先輩にあたる加藤氏へヒアリング。
1972年パープル来日~『ライヴ・イン・ジャパン』製作/発売当時は折田氏が全てを統括していた為「正確な状況確認」は無理だったが、洋楽担当ディレクターとして「何故にSIDE.4だけ日本国内カッティングとなってしまったか?」は推測出来るとの事。
70年代後半までは本国レーベル側から指定ラッカー盤が送付される事は何件もあったが、時としてその中の一部に外周溝から音溝部分に繋がってない/針が進まないのが検知される、又は傷迄では無いが、音に出そうな突起発覚のラッカー盤があったとの事。
この盤のSIDE.4に関しては、十分にそのケースが考えられるとの事。その様な事故発覚ケースを想定し、レーベル本国からは指定ラッカー盤と伴にコピーマスター・テープが必ず同送されており、そこから諸調整して日本側でカッティングした事は何度もある。
折田育造氏が逝去されてるので完全な真実解明には至りませんでしたが、元ワーナーパイオニア洋楽担当ディレクター諸氏の見解は、ほぼコレが真実に近いと思われるとの事でした。
何故にSIDE.4にだけGeorge Peckhamのサインが無いのか?は、これが真実?
SIDE.4日本国内カッティング時は、統括ディレクターだった折田氏が立ち合ったと思われます。又日本のカッティング・エンジニアは、海外(特に米国)カッティング・エンジニアよりもピークメーターのレッドゾーンを特に意識して作業にあたっていたとの事。
日本がピークメーターのレッドゾーンを其処まで意識していた理由は、日本のレコードの品質保全意識にあったとの事。それは、当時の日本のレコード業界に於ける返品制度の存在も非常に大きかったとの事。逆に返品制度の無い米国のカッティング・エンジニアは、レッドゾーン無視の傾向があったとの事。
また本国レーベルから指定ラッカー盤と伴にコピーマスターが必ず同送されてた事は、先程の様な事故案件の想定以外に「増産プレスが多くなり、リカッティングのラッカー盤が必要になる」or「後々にリカッティングして再発する」事も想定されてたとの事です。
すろはん先輩、ものすごく貴重な情報をありがとうございました!
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圧巻の向井秀徳
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2024-02-09
2月8日(木)放送分のTHE TRAD@TOKYO FMをタイムフリーで聴いた。3時台のゲストは、ZAZEN BOYSのボーカル&ギター、向井秀徳さんである。アコギを携えて登場した向井さん、のっけからハマ君と絵美里ちゃんを自分のペースに巻き込む。プロフィール紹介のBGMが、本人の弾き語りなんて、初めて聴いたよ(笑)突然思いついたとかで、「THE TRAD弾き語りCM」のプレゼントなんてのもあったり。圧巻だったのは、『永遠少女』の弾き語り。新作『らんど』に収録された音源の方をオンエアする予定だったらしいのだが、急遽、弾き語り生演奏に変わったようだ。向井さん曰く「夕暮れアコースティック・バージョン」の『永遠少女』、最高でした。アルバム『らんど』のリード曲なので、YouTubeにPVも上がっていて、これはこれで良いのだが、向井さんの弾き語りの説得力と言ったら、ハンパないんである。radikoで聴けるうちに、ぜひ聴いてみてくださいな。新作『らんど』は、1月24日にすでに発売されている。https://amzn.to/3w8Idzsアナログは出ないのかなぁ?
ラジオデイズ
想也
2024-02-09T21:42:11+09:00
3時台のゲストは、ZAZEN BOYSのボーカル&ギター、向井秀徳さんである。
アコギを携えて登場した向井さん、のっけからハマ君と絵美里ちゃんを自分のペースに巻き込む。
プロフィール紹介のBGMが、本人の弾き語りなんて、初めて聴いたよ(笑)
突然思いついたとかで、「THE TRAD弾き語りCM」のプレゼントなんてのもあったり。
圧巻だったのは、『永遠少女』の弾き語り。
新作『らんど』に収録された音源の方をオンエアする予定だったらしいのだが、急遽、弾き語り生演奏に変わったようだ。
向井さん曰く「夕暮れアコースティック・バージョン」の『永遠少女』、最高でした。
アルバム『らんど』のリード曲なので、YouTubeにPVも上がっていて、これはこれで良いのだが、向井さんの弾き語りの説得力と言ったら、ハンパないんである。
VIDEO
radikoで聴けるうちに、ぜひ聴いてみてくださいな。
新作『らんど』は、1月24日にすでに発売されている。
https://amzn.to/3w8Idzs
アナログは出ないのかなぁ?
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The Water Is Wide
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-07-15
ムーヴのCM動画がいつのまにか非公開になっていたので、ちょっと加筆修正しました。(2024年2月7日追記)今日の仕事は午後からなので、ゆっくりと朝の時間を過ごしていたら、テレビから"The Water Is Wide"が流れてきた。ムーヴのCMである。大貫妙子さんのカバーなのだが、リリース予定はあるのかしらん?この曲、大好きだから、フルバージョンが聴きたいなぁ。YouTube上の動画がいつのまにか非公開になってたので、何か代わりになるものがないかと探して、これを見つけた。坂本美雨 with CANTUS(東京都出身の幼馴染9人で結成された女性聖歌隊らしい。)のカバー・バージョンである。こういうのも良いよねぇ。"The Water Is Wide"といえば、カーラ・ボノフ(Karla Bonoff)のファースト・アルバムである。このブログでも、取り上げたことがあるので、これからアナログで聴いてみたいという方は、ぜひ参考にしてくださいませ。https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-12-24(日本盤編)https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-12-25(US盤編)最近リリースされたウィリアムス浩子さんの『MY ROOM another side』も、忘れちゃいけないよね。https://amzn.to/3Ut6QATこれもそのうちアナログ化してくれないかなぁ?さて、お昼ごはんを食べて、仕事にでかけましょうかね。雨だけど・・・
TRAD
想也
2024-02-07T10:11:13+09:00
ムーヴのCM動画がいつのまにか非公開になっていたので、ちょっと加筆修正しました。(2024年2月7日追記)
今日の仕事は午後からなので、ゆっくりと朝の時間を過ごしていたら、テレビから"The Water Is Wide"が流れてきた。
ムーヴのCMである。
大貫妙子さんのカバーなのだが、リリース予定はあるのかしらん?
この曲、大好きだから、フルバージョンが聴きたいなぁ。
YouTube上の動画がいつのまにか非公開になってたので、何か代わりになるものがないかと探して、これを見つけた。
VIDEO
坂本美雨 with CANTUS(東京都出身の幼馴染9人で結成された女性聖歌隊らしい。)のカバー・バージョンである。
こういうのも良いよねぇ。
"The Water Is Wide"といえば、カーラ・ボノフ(Karla Bonoff)のファースト・アルバムである。
このブログでも、取り上げたことがあるので、これからアナログで聴いてみたいという方は、ぜひ参考にしてくださいませ。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-12-24 (日本盤編)
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-12-25 (US盤編)
最近リリースされたウィリアムス浩子さんの『MY ROOM another side』も、忘れちゃいけないよね。
https://amzn.to/3Ut6QAT
これもそのうちアナログ化してくれないかなぁ?
さて、お昼ごはんを食べて、仕事にでかけましょうかね。
雨だけど・・・
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ホテル・カリフォルニアへの長い旅
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2018-10-20
あらたにいただいた情報をふまえて追記しました。(2018年10月21日追記)あらたにCSM工場プレスのMatrix情報をいただいたので追記しました。(2020年6月10日追記)あらたにSP工場プレスのMatrix情報とジャケット情報をいただいたので追記しました。(2020年8月17日追記)あらたにCSM工場プレスのMatrix情報をいただいたので追記しました。(2024年1月27日追記)2年くらい前までは、US盤工場違いの聴き比べなんて足を踏み入れちゃいけない世界だと思っていたのに、いまのボクは、紙ジャケ探検隊がまき散らす感染力の強力なコレクターズ・ウイルスにすっかり侵されてしまっている。US盤がオリジナルのレコードの場合、もちろん思い入れのあるレコードに限られはするが、どこがオリジナル工場なのかを突き止めないではいられない身体になってしまったのである(笑)で、イーグルス(Eagles)の『ホテル・カリフォルニア(Hotel California)』だ。いろいろ掘っているのだが、どこがオリジナル工場なのか、いまだにわからない。そんなときは、いったん立ち止まって先輩諸氏からの助言をいただくのが得策である。ってことで、これまでにわかったこと、推測(妄想? 笑)したことなんかを、とりあえずまとめてみることにした。まずは基本的なところの確認である。このレコードは1976年12月8日にアサイラム・レコ―ズ(Asylum Records)からリリースされたが、そのときのレコード番号は7E-1084だ。数字が若いうえにDiscogsでは初盤と同じ1976年にリリースされたことになっているのでたまに混乱している人がいるが、手元のGoldmineによれば、6E-103は1977年の再発である。日本初盤(ワーナー・パイオニア P-10221Y)とUSオリジナル(Asylum Records 7E-1084)3枚。手前は2011年DSDマスター使用の日本製SACD(ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-14165)。さて、では、工場違いの話に入ろう。Discogsをみると、初盤である7E-1084は、レコード・クラブ盤をのぞいて、次の4つの工場でプレスされていることがわかる。1. 東部ペンシルヴェニアにあるスペシャルティ・レコ―ズ(Specialty Records)―SP2. 中部インディアナのリッチモンドにあるPRCレコーディ..
アナログ・コレクターの覚書
想也
2024-01-27T17:28:01+09:00
あらたにいただいた情報をふまえて追記しました。(2018年10月21日追記)
あらたにCSM工場プレスのMatrix情報をいただいたので追記しました。(2020年6月10日追記)
あらたにSP工場プレスのMatrix情報とジャケット情報をいただいたので追記しました。(2020年8月17日追記)
あらたにCSM工場プレスのMatrix情報をいただいたので追記しました。(2024年1月27日追記)
2年くらい前までは、US盤工場違いの聴き比べなんて足を踏み入れちゃいけない世界だと思っていたのに、いまのボクは、紙ジャケ探検隊がまき散らす感染力の強力なコレクターズ・ウイルスにすっかり侵されてしまっている。
US盤がオリジナルのレコードの場合、もちろん思い入れのあるレコードに限られはするが、どこがオリジナル工場なのかを突き止めないではいられない身体になってしまったのである(笑)
で、イーグルス(Eagles)の『ホテル・カリフォルニア(Hotel California)』だ。
いろいろ掘っているのだが、どこがオリジナル工場なのか、いまだにわからない。
そんなときは、いったん立ち止まって先輩諸氏からの助言をいただくのが得策である。
ってことで、これまでにわかったこと、推測(妄想? 笑)したことなんかを、とりあえずまとめてみることにした。
まずは基本的なところの確認である。
このレコードは1976年12月8日にアサイラム・レコ―ズ(Asylum Records)からリリースされたが、そのときのレコード番号は7E-1084だ。
数字が若いうえにDiscogsでは初盤と同じ1976年にリリースされたことになっているのでたまに混乱している人がいるが、手元のGoldmineによれば、6E-103は1977年の再発である。
日本初盤(ワーナー・パイオニア P-10221Y)とUSオリジナル(Asylum Records 7E-1084)3枚。手前は2011年DSDマスター使用の日本製SACD(ワーナーミュージック・ジャパン WPCR-14165)。
さて、では、工場違いの話に入ろう。
Discogsをみると、初盤である7E-1084は、レコード・クラブ盤をのぞいて、次の4つの工場でプレスされていることがわかる。
1. 東部ペンシルヴェニアにあるスペシャルティ・レコ―ズ(Specialty Records)―SP
2. 中部インディアナのリッチモンドにあるPRCレコーディング・カンパニー(PRC Recording Company)―PRC
3. 西部カリフォルニアにあるコロンビア・レコ―ズのサンタ・マリア工場(Columbia Records Pressing Plant, Santa Maria)―CSM
4. 西部カリフォルニアにあるPRCレコーディング・カンパニー(PRC Recording Company)のコンプトン工場―PRCW
(どこの工場でプレスされたかは、SP、PRC、CSM、PRCWという略号がレーベル上に明記されているので、すぐにわかる。)
PRCのコンプトン工場は75年12月にオープンしたばかりの工場で、76年12月リリースの初盤の時点でプレスを依頼していたかは疑わしい。
コンプトン工場はサンタ・マリア工場の後を受けてアサイラムの西部メイン工場になるところのようだし、Discogsを見るとコンプトン工場の盤はMatrix末尾8以降のようなので、77年以降に(多少重なっている期間があるかもしれないが)サンタ・マリア工場の後をうけてプレスを行った工場だと考えるのが合理的だと思う。
PRCのリッチモンド工場のほうは初盤からプレスしていただろうが、中部をオリジナル工場とする根拠はまったくないので、除外していいだろう。
残るは、西部CSM工場と東部SP工場である。
東部SP工場産のレーベル
西部CSM工場産のレーベル
アサイラムはもともと西部ロサンジェルスの会社だが、73年8月にニューヨークのエレクトラ・レコ―ズ(Elektra Records)と統合している。
しかも、統合後レーベル上に表記されるエレクトラ/アサイラムの住所は、当初はエレクトラのニューヨークの住所だったし、74年にはロサンジェルスの住所にかわるがその住所は元々エレクトラの西海岸オフィスのあったところである。
アサイラムは西部の会社だから西部CSM工場がオリジナルと考えるのが素直かもしれないが、アサイラム・レーベルでのリリースについても、エレクトラが強い影響力を及ぼしていたとすると、東部SP工場がオリジナルということも十分に考えられると思うのである。
エレクトラ/アサイラム内部のこの攻防こそが、オリジナル工場の確定を迷わせる最大の要因なのだ。
そして、ボクは現在、SP工場オリジナル説にかなり傾いているのである。
その理由は4つある。
一つずつ見ていこう。
その1 ジャケットの謎
ホテル・カリフォルニアのジャケットには、ほんのちょっと違っているだけだが、二つの種類がある。
裏ジャケ下部の住所表記の部分が違っているのだ。
一つはフォントが大きく(したがってその分長い)最後のワーナーロゴが小さいタイプ(タイプAと呼ぶことにする)で、もう一つはフォントが小さく(したがってその分短い)最後のワーナーロゴが大きいタイプ(タイプBと呼ぶことにする)である。
ボクの手持ちでは、CSM工場産の二枚がタイプAでSP工場産の一枚がタイプBだった。
上がSP工場産のタイプBで下がCSM工場産のタイプA
タイプAのほうはCalifornia 90069.とA Division ofの間にスペースがあるので、クレジット全体の長さと合わせると、遠目でもタイプAかタイプBかの判定は簡単にできる。
つまり、Discogsやオークションでの地引網調査ができる。
もっとも、地引網調査の過程で、ショップが出品しているオークションなどではジャケット写真の使いまわしもあることが判明したので、オークションでの確認については、使いまわしでないことが明らかなもののみに限定した。
地引網調査でボクが確認した限りでは、タイプAはCSM工場産にしかない。
SP工場産、PRC工場産、PRCW工場産は最初からタイプBのようだ。
西部も最終的にはタイプBになる(6E-103になると西部はPRCW工場産になるがすべてタイプBである)ことからすると、タイプAが初回ジャケットと考えることができそうである。
こういうときに参考になるのは日本盤だ。
ジャケの変更があったとき、日本には変更前のジャケットデザインが送られ、ずっとそれで製造されることがよくある。
ってことで、日本盤を見てみると・・・
一番下に日本盤を追加
ほらタイプAだ。
これでSP工場産もPRC工場産も最初はタイプAだったということなら、すんなり初回ジャケはタイプAということで問題解決なのだが、上記のようにSP工場産やPRC工場産にタイプAはなさそうなのである。
仮にあったとしても、さしあたり見つからなかったことからして、ごく初期のみで少数しか存在しないんだと思う。
しかし、はたしてこんな微妙なマイナーチェンジをリリース後にわざわざするもんだろうか?
※ツイッターでSP工場産の盤(マトは7E 1084 A-1 RE SP/7E 1084 B RE SPとのこと)がタイプAのジャケットに入っているものをお持ちだという情報をいただいた。
しかし、それがリリース当時に新品を買ったワンオーナーものだというのなら、ただちにSP工場産も最初はタイプAだったという結論が導けるが、中古で購入したものの場合、バカ売れしたレコードであるだけに中古レコード屋さんのところで入れ替えがあった可能性が否定できず、ただちに結論を導くことはできない。
SP工場産やPRC工場産も最初はタイプAだったという結論を導くためには、ある程度の確率でタイプAのジャケに入ったSP工場産やPRC工場産の盤が見つかる必要があると思う。
ってことで、そういう組み合わせのものをお持ちの場合は、ぜひ情報提供を御願いします。
(2018年10月21日追記)
※この記事のコメントで、SP工場プレスの盤でタイプAのジャケットに入っているものをお持ちの方から情報をいただいた。
リリースから間もない頃に、新品を購入したものだという。
ということは、SP工場プレスの盤も、最初はタイプAのジャケットに入っていたということだろうか?
もちろん、その可能性はあると思う。
もっとも、タイプAのジャケットに入っているSP工場プレス盤はほとんどみかけないから、仮に、SP工場プレスでも当初はタイプAのジャケットが使われていたとしても、本当にごく初期だけだったんじゃないだろうか。
しかし、ボクは、別の可能性を考えている。
というのも、今回の情報は、「日本に輸入盤として入ってきたもの」の情報だからである。
周知のように、当時アメリカから日本への輸入盤は西海岸から船便で届いていた。
つまり、当時日本に入ってきたのは基本的にCSM工場プレスの盤だったはずだ。
そこにSP工場プレスが混じるというのは、たぶん、CSM工場での生産量だけでは輸出に必要な量に到達せず、東海岸のSP工場から(場合によっては中部のPRC工場からも?)調達したということだろう。
盤とジャケットは別工場で製造するものだから、そのとき、盤だけをSP工場(あるいはPRC工場)から調達し、ジャケットは手許にあるものを使ったということも起こり得たんじゃないかと思うのである。
そんな風にして、タイプAのジャケットに入ったSP工場プレス盤が生まれたんじゃないだろうか。
真相はわからないが、あながち荒唐無稽な妄想でもないと思うのだがどうだろう?
(2020年8月17日追記)
文字フォントを小さくしてワーナーロゴを大きくするということ自体の意図はよくわかるし、最終的にタイプBに統一されていくことからしても、タイプBが完成型だと思うのだが、タイプAでのリリース後にわざわざ変更するほどのものとも思えないのである。
むしろ、初盤の時点ですでにジャケはタイプBってことに決定していたのに、西部にはそれが伝わらずにタイプAで製造してしまったと考えるほうが合理的な気がする。
つまり、この点の最終決定は東部で行われたんじゃないだろうか(下部のクレジットの細かい点なので、アーティストの意向を確認する必要性はなかったと思う)。
東部にジャケットについての最終決定権があったとすると、オリジナル工場も東部SP工場だったという可能性も否定できないと思うのである。
その2 Matrix末尾
Matrix末尾に目を向けてみよう。
手持ちのSP工場産は、7E 1084 A RE SP/7E 1084 B RE SPで末尾に数字はない。
CSM工場産のほうは、一枚が7E 1084 A-4 RE CSM/7E 1084 B-5 RE CSMで、もう一枚が7E 1084 A-10 RE CSM/7E 1084 B-5 RE CSMである。
SP工場産のMatrix。末尾がない。
CSM工場産のMatrix。マト4のほう。
どうも、最初に切られたラッカーがSP工場に、後で切られたラッカーがCSM工場にまわされたようにみえる。
ってことで、これまたDiscogsで地引網調査をしてみると、手持ちも合わせて次のようになっていた。
あらたにCSM工場プレスのMatrix情報をいただいたので追記しました。(2018年10月21日追記)
あらたにCSM工場プレスのMatrix情報をいただいたので追記しました。(2020年6月10日追記)
あらたにSP工場プレスのMatrix情報をいただいたので追記しました。(2020年8月17日追記)
あらたにCSM工場プレスのMatrix情報をいただいたので追記しました。(2024年1月27日追記)
SP工場
7E 1084 A RE SP/7E 1084 B RE SP
7E 1084 A RE SP/7E 1084 B-1 RE SP
7E 1084 A-1 RE SP/7E 1084 B RE SP(A-1の前には何か修正文字が入っているようだが不明)
7E 1084 A-1 RE SP/7E 1084 B-1 RE SP(A-1の前には何か修正文字が入っているようだが不明)
7E 1084 A14 -SP/7E 1084 B14 -SP
CSM工場
7E 1084 A-2 RE CSM/7E 1084 B-4 RE CSM(テスト・プレス)
7E 1084(7E 1028を修正消し後に追記) A-3 RE CSM/7E 1084 B-2 RE CSM
7E 1084 A-5(4を修正)RE CSM/7E 1084 B-2 RE CSM
7E 1084 A-4 RE CSM/7E 1084 B-4 RE CSM
7E 1084 A-3 RE CSM/7E 1084 B-5 RE CSM
7E 1084 A-4 RE CSM/7E 1084 B-5 RE CSM
7E 1084 A-5(4を修正)RE CSM/7E 1084 B-4 RE CSM
7E 1084 A-10 RE CSM/7E 1084 B-2 RE CSM
7E 1084 A-10 RE CSM/7E 1084 B-5 RE CSM
7E 1084 A-4 RE CSM/7E 1084 B-10 RE CSM
PRC工場
7E 1084 A RE-6 PRC/7E 1084 B-7 RE PRC
7E 1084 A-7 RE PRC/7E 1084 B-7 RE PRC
7E 1084 A-11 RE PRC/7E 1084 B-13 PRC
PRCW工場
7E 1084 A RE-8 PRCW/7E 1084 B RE-8 PRCW
7E 1084 A-11 RE PRC/7E 1084 B RE-8 PRCW
以上の情報から、Matrix末尾については、SP工場には無しか1、CSM工場に2から 5、PRC工場に6と7がまわされたのだと思われる。
PRCW工場の8以降は(CSM工場の10、PRC工場の11や13、SP工場の14も含めて)追加カッティングなんじゃないかと思うんだがどうだろう?
先にカッティングされたラッカーをまわした工場が必ずしもオリジナル工場というわけではないとしても、SP工場にまわされた盤に末尾がないことはとても気になる。
SP工場の末尾無しのラッカーは、STERLINGのスタジオで最初に切られたもので、バンドのメンバーかあるいはプロデューサーのBill Szymczykがそこで聴いて承認したものなんじゃないか。
このアルバムのレコーディングは、マイアミとロサンジェルスで行われているが、最終的なミックス・ダウンはプロデューサー/エンジニアのBill Szymczykによってマイアミで行われている。
マイアミからマスターテープをもってニューヨークのSTERLINGスタジオに立ち寄ったBill Szymczykが、Lee Hulkoの最初にカットした末尾無しのラッカーを聴いて承認した。
うん、ありそうじゃないか。
もしそうだとしたら、そのラッカーでプレスしたSP工場こそオリジナル工場なんじゃないだろうか。
あらたにいただいたCSM工場のMatrix情報で、A面のマト3では、7E 1028が修正消しされた後に7E 1084が追記されていることが判明した。
7E 1028が最初に"Hotel California"に割り振られたレコード番号だったりすると、いろいろ推測できるのだが、調べてみると1975年にElektraからリリースされたDavid Gatesの"Never Let Her Go"のレコード番号なので、それが最初に"Hotel California"に割り振られたレコード番号だという可能性はないと思う。
"Hotel California"のカッティングと同時期に"Never Let Her Go"のリカッティングでも依頼されていて、間違えて刻んでしまったのだろうか?
でも、"Never Let Her Go"のオリジナルのカッティングはTMLで、STERLINGでリカッティングされた形跡も(少なくともDiscogsを見る限り)ないんだよねぇ・・・
ってことで、この修正がどういう経緯で行われたのかは、ちょっとわからない。
その3 Lee Hulkoのサイン
末尾なし盤が最初に切られたラッカーである可能性を示唆する事実がもう一つある。STERLING刻印に添えられたLee Hulkoのイニシャルだ。
Lee Hulkoがカッティングしたときは、STERLING刻印にLHのイニシャルが添えられる。
彼はBob Ludwigと違って律儀な人で、必ず両面にLHと彫る。
実際、このホテル・カリフォルニアもすべての面のSTERLINGにLHが添えられている。
ただ一つ、末尾無しのB面をのぞいて。
そう、SP工場のMatrix末尾無しのB面のみ、LHのイニシャルが彫られていないのである。
SP工場産A面のSTERLING刻印。LHのイニシャルが彫られている。
SP工場産B面のSTERLING刻印。LHのイニシャルが彫られていない。
この事実もまた、両面末尾無しのラッカーが最初に切られ、承認にまわされたものであることを示すんじゃないかと思うのである。
CSM工場産についてあらたにいただいたMatrix情報で、A面のマト5とB面のマト10についてLHのイニシャルがないことが判明した。
ってことで、この第3の根拠はみごとに崩されてしまった。
Lee Hulkoさん、きっちりした性格かと思ってたけど、案外うっかりさんだったのね(笑)
(2018年10月21日追記)
その4 エレクトラ勢力の拡大?
ボクがSP工場オリジナル説に傾く最大の理由が、実はこれである。
1976年に入り、エレクトラ/アサイラムにおけるエレクトラ勢力が拡大し、アサイラム・リリースに対するエレクトラ側からの影響力がかなり強まったのではないかと、ボクは考えている。
とはいえ、すでにずいぶん長い記事になってしまったし、この点についての説明はまた別の機会に譲ることにしよう。
まだ仮説を根拠づける証拠が十分にそろえられていないところもあるので、もう少し研究を進めてから記事にしたほうがいい気がしてきたし。
おっと忘れるところだった。
最後に、音質のことを少し。
うちのオーディオ・システムでの、あくまで手持ち盤の比較なので、あしからず。
以下、タイトル曲”Hotel California”で聴き比べた印象である。
ガキの頃から聴き馴染んできた日本盤は、個々の楽器の音色が鮮度感を欠いているうえに音場も平板で立体感がない。
CSMのマト10も日本盤ほどひどくはないが音色的には響きの豊かさを欠く。もっとも、音場には米西海岸らしい広がりが感じられるので、悪くはない。
しかし、CSMのマト4やSPのマト末尾無しがやはり飛びぬけている。
どちらも、個々の楽器の音色については響きが豊かで十分な鮮度感がある。
とはいえ、全体的な印象はかなり違う。
SPマト末尾無しは、個々の楽器の音色が明快で引き締まり、タイトに聴かせる。
CSMマト4は、個々の楽器の音の輪郭が微妙に甘くなるが、そのぶん、ふんわりと自然に音場が広がる。
これはもう、どっちが好みかの問題だし、システムによっても違うんじゃないかと思う。
しかもCSMには、ボクは聴いたことがないが、マト3(A面しか確認してないが。B面しか確認してないものではマト2もある。 )がある。
いまのところSPとCSM甲乙つけがたしというのがボクの印象だが、マト3を聴いたら、もしかしたらCSMに軍配をあげるかもしれない。
あっ、そうだ。
SACDも悪くないよ(笑)
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Happy New Year!
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2024-01-01
ウクライナやパレスチナの人々ことを思うと、切実に、ただ一向に、祈らずにはいられません。
未分類
想也
2024-01-01T16:03:45+09:00
ウクライナやパレスチナの人々ことを思うと、切実に、ただ一向に、祈らずにはいられません。
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想いは果てなく
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-11-29
11月29日は、ジョージ(George Harrison)の命日である。今月は一つも記事を書いてないので、今日ぐらいは書いておくことにした。今宵、ターンテーブルに載せたのは、このレコードである。1981年6月1日にリリースされたジョージの9枚目のスタジオ・アルバム"Somewhere in England"の日本盤『想いは果てなく―母なるイングランドー』(ワーナー・パイオニア P-10944D)だ(日本盤のリリースは、少し遅れて6月25日)。先日ビートルズ(The Beatles)の新作"Now and Then"がリリースされた今年は、『過ぎ去りし日々』(All Those Years Ago)が収録されているこのレコードが、一番相応しい気がしたんである。UK盤もUS盤も持っているが、日本盤を選んだのは、日本盤タイトルがいまのボクの心境に合っていたからにすぎない。日本盤も(UK盤も)USカッティングだから、音質的には、大差はないといえばないが、では小差かといえば、あんがい違う(笑)でも、まぁ、そんな話は命日にするものでもないだろうから、またの機会に。R.I.P.
George Harrison
想也
2023-11-30T00:08:14+09:00
今月は一つも記事を書いてないので、今日ぐらいは書いておくことにした。
今宵、ターンテーブルに載せたのは、このレコードである。
1981年6月1日にリリースされたジョージの9枚目のスタジオ・アルバム"Somewhere in England"の日本盤『想いは果てなく―母なるイングランドー』(ワーナー・パイオニア P-10944D)だ(日本盤のリリースは、少し遅れて6月25日)。
先日ビートルズ(The Beatles)の新作"Now and Then"がリリースされた今年は、『過ぎ去りし日々』(All Those Years Ago)が収録されているこのレコードが、一番相応しい気がしたんである。
UK盤もUS盤も持っているが、日本盤を選んだのは、日本盤タイトルがいまのボクの心境に合っていたからにすぎない。
日本盤も(UK盤も)USカッティングだから、音質的には、大差はないといえばないが、では小差かといえば、あんがい違う(笑)
でも、まぁ、そんな話は命日にするものでもないだろうから、またの機会に。
R.I.P.
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Bewitchedのアナログ盤
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-29
レイヴェイ(Laufey)の新作スタジオ・アルバム"Bewitched"のアナログ盤が到着した。タワー・レコードで購入したのだが、ポストカードのおまけがついていた。TOWER VINYL SHIBUYAとあるから、タワー限定のおまけなんだろう。これはけっこう嬉しいぞ。開封してみると、"Everything I Know About Love"のときほど大きくはないが、写真もふんだんに載っている12ページにおよぶ歌詞ブックレットが付属していた。この大きさのブックレットが付いてくるのは、大満足である。盤は、オレンジのカラー盤だ。オフィシャルのWEBストア限定でシルバーのカラー盤もあるが、そこまでは手を出さない(笑)それにしても、この音楽をこの声でやられたら、ボクなんぞまったく抵抗できないのである。癒されるわ~
Laufey
想也
2023-10-29T21:02:09+09:00
タワー・レコードで購入したのだが、ポストカードのおまけがついていた。
TOWER VINYL SHIBUYAとあるから、タワー限定のおまけなんだろう。
これはけっこう嬉しいぞ。
開封してみると、"Everything I Know About Love"のときほど大きくはないが、写真もふんだんに載っている12ページにおよぶ歌詞ブックレットが付属していた。
この大きさのブックレットが付いてくるのは、大満足である。
盤は、オレンジのカラー盤だ。
オフィシャルのWEBストア限定でシルバーのカラー盤もあるが、そこまでは手を出さない(笑)
それにしても、この音楽をこの声でやられたら、ボクなんぞまったく抵抗できないのである。
癒されるわ~
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RLカットは存在するの?~Miles Davis, You're under ArrestのUSオリジナル
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-28
今日と明日は、下北沢ボーナストラックでレコード・フェアである。サボテン・レコードさん、ランブリン・ボーイズさん、山中明さんが出店しているから、界隈の人たちが集まるに違いない。行きてー家庭の事情で行けないのが悲しいのである。仕方がないので、ボクは、おとなしく家でレコードを聴く。何を聴こうかと考えながら何となくTLを眺めていたら、このレコードを見かけたので引っ張り出した。マイルス(Miles Davis)が1985年4月にリリースしたスタジオ・アルバム"You're under Arrest"のUSオリジナル(Columbia FC 40023)である。(Discogsでは、背表紙はFC 40023のまま、レーベル上はC 40023となり、隣に▽マークがついているものも、1985年リリースになっているが、ウィントン(Wynton Marsalis)の" Marsalis Standard Time, Vol.1"が最初からそのパターンなので、86年か87年の再発だと思う。)前にも何度か書いたことがある気がするが、マイルスの"Time after Time"が、ボクがジャズを聴くようになったきっかけだった。深夜のテレビ(だったと記憶している)でLive under the Skyでのライブ演奏を観たとき、ボクは完全にノックアウトされた。そのときジャズは、ボクの中で、「よくわからない大人が聴く音楽」から「かっこいい音楽」に変わった。だから、このレコードには、相当に思い入れがある。しかも、USオリジナルは、裏ジャケットに明記されているように、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)のマスタリングである。送り溝にもMASTERDISKの刻印がある。(送り溝のくもりは、汚れかと思いきや、擦れて細かい傷がついているので、拭いても綺麗にならないのだが、幸い溝の方には影響がなく、音には出ない。)しかし、RLというサインはない。マトの筆跡も、ラディックっぽくない。うちのはマトが2K/2DだからなのかとDiscogsを確認してみたところ、うちのより若いマトでSide1が2Gというのがあったが、そこにもRLのサインはなさそうだ。果たして、RLカッティングは存在するのだろうか?思い入れのあるレコードだけに、気になるのである。うちのより若いマトの盤や、RLサイン入りの盤をお持ちの方は、ぜひ情報をお寄せくださいませ。
Bob Ludwig(RL)の仕事
想也
2023-10-28T13:10:48+09:00
サボテン・レコードさん、ランブリン・ボーイズさん、山中明さんが出店しているから、界隈の人たちが集まるに違いない。
行きてー
家庭の事情で行けないのが悲しいのである。
仕方がないので、ボクは、おとなしく家でレコードを聴く。
何を聴こうかと考えながら何となくTLを眺めていたら、このレコードを見かけたので引っ張り出した。
マイルス(Miles Davis)が1985年4月にリリースしたスタジオ・アルバム"You're under Arrest"のUSオリジナル(Columbia FC 40023)である。
(Discogsでは、背表紙はFC 40023のまま、レーベル上はC 40023となり、隣に▽マークがついているものも、1985年リリースになっているが、ウィントン(Wynton Marsalis)の" Marsalis Standard Time, Vol.1"が最初からそのパターンなので、86年か87年の再発だと思う。)
前にも何度か書いたことがある気がするが、マイルスの"Time after Time"が、ボクがジャズを聴くようになったきっかけだった。
深夜のテレビ(だったと記憶している)でLive under the Skyでのライブ演奏を観たとき、ボクは完全にノックアウトされた。
そのときジャズは、ボクの中で、「よくわからない大人が聴く音楽」から「かっこいい音楽」に変わった。
だから、このレコードには、相当に思い入れがある。
しかも、USオリジナルは、裏ジャケットに明記されているように、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)のマスタリングである。
送り溝にもMASTERDISKの刻印がある。
(送り溝のくもりは、汚れかと思いきや、擦れて細かい傷がついているので、拭いても綺麗にならないのだが、幸い溝の方には影響がなく、音には出ない。)
しかし、RLというサインはない。
マトの筆跡も、ラディックっぽくない。
うちのはマトが2K/2DだからなのかとDiscogsを確認してみたところ、うちのより若いマトでSide1が2Gというのがあったが、そこにもRLのサインはなさそうだ。
果たして、RLカッティングは存在するのだろうか?
思い入れのあるレコードだけに、気になるのである。
うちのより若いマトの盤や、RLサイン入りの盤をお持ちの方は、ぜひ情報をお寄せくださいませ。
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Sweet Sounds of Heaven
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-27
"Sweet Sounds of Heaven"の10インチが届いたので、早速聴いている。45回転の10インチの音は、キレもヌケも鮮やかで、まさにシングルの音だ。くぅ~たまらん!カッティングは、"Angry"や"Hackney Diamonds"と同じく、メトロポリス・マスタリング(Metropolis Mastering)のマット・コルトン(Matt Colton)によって行われている。この10インチも片面のみ収録で、片面はロゴのエッチングになっているが、"Angry"と同じなので割愛。"Sweet Sounds of Heaven"については、ニューヨークのクラブ、Racket NYCで行われた"Hackney Diamonds"のリリース・パーティーで披露された演奏が公開されている。ブレイク後のミックとガガの掛け合いが圧巻だ。やっぱりストーンズは最高なんである。
The Rolling Stones
想也
2023-10-27T22:30:11+09:00
45回転の10インチの音は、キレもヌケも鮮やかで、まさにシングルの音だ。
くぅ~たまらん!
カッティングは、"Angry"や"Hackney Diamonds"と同じく、メトロポリス・マスタリング(Metropolis Mastering)のマット・コルトン(Matt Colton)によって行われている。
この10インチも片面のみ収録で、片面はロゴのエッチングになっているが、"Angry"と同じなので割愛。
"Sweet Sounds of Heaven"については、ニューヨークのクラブ、Racket NYCで行われた"Hackney Diamonds"のリリース・パーティーで披露された演奏が公開されている。
VIDEO
ブレイク後のミックとガガの掛け合いが圧巻だ。
やっぱりストーンズは最高なんである。
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Hackney Diamondsを聴く
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-22
さて、"Hackney Diamonds"である。ストーンズ(The Rolling Stones)の18年ぶりの新作スタジオ・アルバムである。先行で聴いていた"Angry"と"Sweet Sounds of Heaven"で自ずと期待は高まっていたが、まさに期待通りの、いや期待以上のアルバムだった。ボクが手に入れたのは、HMV限定のクリア・パープル盤だ。HMVの商品画像とずいぶん色あいが違っていて、どちらかといえば東芝の赤盤に近く、パープルというより深紅と言ったほうがいい感じだが、個人的にはこっちの方が好みなので、まったく不満はない。マトがA4/B4で、「4枚もラッカーを切ったのか?」と思ったのだが、Discogsの登録を見てもA3/B3とA4/B4しか登録されていないので、採用されたのはこの二種類だけなのかもしれない。カッティングは、"Angry"の10インチと同じく、メトロポリス・マスタリング(Metropolis Mastering)のマット・コルトン(Matt Colton)によって行われている。A面の送り溝が狭すぎるせいか、=MATT@METROPOLIS=は、B面の送り溝に刻まれている。("Angry"と同じなので、画像は前半部分だけ。)”Angry”同様、力の入った仕事だ。とても良いマスタリング&カッティングだと思う。それにしても、これほどまでに素晴らしいアルバムを作ってくれるとは思っていなかった。なにより、チャーリーを感じられるのが嬉しい。"Miss It Up"と"Live by the Sword"ではチャーリーのドラムが聴けるというだけでなく、其処彼処にチャーリーの存在を感じるのである。とりわけゴスペル曲"Sweet Sounds of Heaven"は、天国のチャーリーを思い浮かべながら作った曲だろう。最後を締めくくる"Rolling Stone Blues"は、ミックとキースの二人だけで演奏されているのだが、二人にはチャーリーのドラムの音が聴こえていたんじゃないだろうか。そして、ボクにも、二人の演奏の向こう側から、チャーリーのドラムが聴こえてくるような気がするのである。"Hackney Diamonds"、しばらくはヘビロテで聴き込むことになるだろうな。
The Rolling Stones
想也
2023-10-22T00:20:02+09:00
ストーンズ(The Rolling Stones)の18年ぶりの新作スタジオ・アルバムである。
先行で聴いていた"Angry"と"Sweet Sounds of Heaven"で自ずと期待は高まっていたが、まさに期待通りの、いや期待以上のアルバムだった。
ボクが手に入れたのは、HMV限定のクリア・パープル盤だ。
HMVの商品画像とずいぶん色あいが違っていて、どちらかといえば東芝の赤盤に近く、パープルというより深紅と言ったほうがいい感じだが、個人的にはこっちの方が好みなので、まったく不満はない。
マトがA4/B4で、「4枚もラッカーを切ったのか?」と思ったのだが、Discogsの登録を見てもA3/B3とA4/B4しか登録されていないので、採用されたのはこの二種類だけなのかもしれない。
カッティングは、"Angry"の10インチと同じく、メトロポリス・マスタリング(Metropolis Mastering)のマット・コルトン(Matt Colton)によって行われている。
A面の送り溝が狭すぎるせいか、=MATT@METROPOLIS=は、B面の送り溝に刻まれている。
("Angry"と同じなので、画像は前半部分だけ。)
”Angry”同様、力の入った仕事だ。
とても良いマスタリング&カッティングだと思う。
それにしても、これほどまでに素晴らしいアルバムを作ってくれるとは思っていなかった。
なにより、チャーリーを感じられるのが嬉しい。
"Miss It Up"と"Live by the Sword"ではチャーリーのドラムが聴けるというだけでなく、其処彼処にチャーリーの存在を感じるのである。
とりわけゴスペル曲"Sweet Sounds of Heaven"は、天国のチャーリーを思い浮かべながら作った曲だろう。
最後を締めくくる"Rolling Stone Blues"は、ミックとキースの二人だけで演奏されているのだが、二人にはチャーリーのドラムの音が聴こえていたんじゃないだろうか。
そして、ボクにも、二人の演奏の向こう側から、チャーリーのドラムが聴こえてくるような気がするのである。
"Hackney Diamonds"、しばらくはヘビロテで聴き込むことになるだろうな。
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Angryの10インチ
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-21
昨日到着のはずが、仕事で帰宅が遅くなって当日再配達受付時間に間に合わず、本日の午前中指定で受け取った。ストーンズ(The Rolling Stones)の"Hackney Diamonds"と"Angry"のアナログ盤である。"Angry"の方は、何度か「発売日延期のお知らせ」メールが届いていたが9月の末にはリリースされていたはずだ。でも、ボクは、音源自体はYouTubeのMVで楽しめるので、"Hackney Diamonds"と一緒でいいやと、今日まで待っていた。"Hackney Diamonds"から聴こうか、"Angry"から聴こうか迷ったが、とりあえず、"Angry"の方をターンテーブルに載せた。いやぁ、アナログで聴くと格別だわ~カッティングは、メトロポリス・マスタリング(Metropolis Mastering)のマット・コルトン(Matt Colton)によって行われていて、送り溝に、=MATT@METROPOLIS=と手書きで刻まれている。(前半の=MATTの部分)(後半の@METROPOLIS=の部分)マット・コルトンも、ストーンズのレコードのカッティングなんて、力が入っただろうなぁ(笑)このレコードは片面のみ収録で、片面はロゴのエッチングになっている。もう一曲収録して欲しかった気もするが、これはこれでいい気もする。
The Rolling Stones
想也
2023-10-21T15:04:05+09:00
ストーンズ(The Rolling Stones)の"Hackney Diamonds"と"Angry"のアナログ盤である。
"Angry"の方は、何度か「発売日延期のお知らせ」メールが届いていたが9月の末にはリリースされていたはずだ。
でも、ボクは、音源自体はYouTubeのMVで楽しめるので、"Hackney Diamonds"と一緒でいいやと、今日まで待っていた。
"Hackney Diamonds"から聴こうか、"Angry"から聴こうか迷ったが、とりあえず、"Angry"の方をターンテーブルに載せた。
いやぁ、アナログで聴くと格別だわ~
カッティングは、メトロポリス・マスタリング(Metropolis Mastering)のマット・コルトン(Matt Colton)によって行われていて、送り溝に、=MATT@METROPOLIS=と手書きで刻まれている。
(前半の=MATTの部分)
(後半の@METROPOLIS=の部分)
マット・コルトンも、ストーンズのレコードのカッティングなんて、力が入っただろうなぁ(笑)
このレコードは片面のみ収録で、片面はロゴのエッチングになっている。
もう一曲収録して欲しかった気もするが、これはこれでいい気もする。
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「昭和ポップス」なら・・・Windsって憶えてる?
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-14
10月10日放送のTHE TRAD@TOKYO FMをタイムフリーで聴いていたら、前半のTODAY’S MUSIC RECOMMENDのコーナーは、「昭和ポップス特集」だという。「昭和歌謡」なら(あんまり厳格に定義を考えてないけど)ボクもよく使う言葉だが、「昭和ポップス」なんて言葉、聴いたことないぞ。ボクが知らなかっただけで、すでに一般的な言葉なのか?とりあえずググってみると、三番目に出てくるのが、THE TRADにゲスト出演していたさにーさんが運営するWEBサイト『あなたの知らない昭和ポップスの世界』(https://syowa-suki.com/)である。「このサイトのコンセプト」のページを読むと、「昭和ポップス」というのは、どうやらさにーさんの造語らしい。ボクが「考レコ学」なんて言葉を使うようなもんか(笑)それはともかく、「昭和ポップス」というのは、「『昭和』であり、かつ、洋楽の要素が融合した『ポップス』が中心だった時代の音楽」を指す言葉のようだ。ボクたち世代の感覚で言うと、職業作家(作詞家と作曲家)の手に成る楽曲を歌手が歌う「歌謡曲」に対して、楽曲制作から演奏・歌まで自分たちで行うシンガー・ソング・ライター=SSWやバンドというのが生まれ、当初はフォーク・ソングをメインに、やがてポップスやロックを取り込んで、当時「ニュー・ミュージック」と呼ばれた流れを作り上げたのが、70年代から80年代つまり昭和後期における日本のヒット音楽シーンだったのだが、「昭和ポップス」というのは、それらを総称するものということかな?個人的には、「昭和ポップス」という言葉には若干の違和感があるのだが、それはおそらく、平成生まれの若い人たちの「昭和感覚」と、昭和生まれのボクたち世代の「昭和感覚」が少し違っていることに起因しているような気がする。まぁ、でも、そもそも平成生まれの若い人たちに向けての言葉だから、ボクの違和感はどーでもいいか(笑)昭和後期のヒット・チャートを賑わせたような音楽を総称して「昭和ポップス」と呼ぶのには違和感があるのだが、その一方で、ボクの脳内で「昭和ポップス」という言葉と強烈に結びついた音楽がある。それはWinds(ウインズ)の音楽だ。Winds(ウインズ)といっても、ピンとこない方も多いかもしれない。1979年から1980年にかけてシングル4枚とアルバム1枚のみを残して消えたバンドなのだが、何を隠そう昭和を代表..
J-POP & J-ROCK
想也
2023-10-14T15:26:54+09:00
「昭和歌謡」なら(あんまり厳格に定義を考えてないけど)ボクもよく使う言葉だが、「昭和ポップス」なんて言葉、聴いたことないぞ。
ボクが知らなかっただけで、すでに一般的な言葉なのか?
とりあえずググってみると、三番目に出てくるのが、THE TRADにゲスト出演していたさにーさんが運営するWEBサイト『あなたの知らない昭和ポップスの世界』(https://syowa-suki.com/ )である。
「このサイトのコンセプト」のページを読むと、「昭和ポップス」というのは、どうやらさにーさんの造語らしい。
ボクが「考レコ学」なんて言葉を使うようなもんか(笑)
それはともかく、「昭和ポップス」というのは、「『昭和』であり、かつ、洋楽の要素が融合した『ポップス』が中心だった時代の音楽」を指す言葉のようだ。
ボクたち世代の感覚で言うと、職業作家(作詞家と作曲家)の手に成る楽曲を歌手が歌う「歌謡曲」に対して、楽曲制作から演奏・歌まで自分たちで行うシンガー・ソング・ライター=SSWやバンドというのが生まれ、当初はフォーク・ソングをメインに、やがてポップスやロックを取り込んで、当時「ニュー・ミュージック」と呼ばれた流れを作り上げたのが、70年代から80年代つまり昭和後期における日本のヒット音楽シーンだったのだが、「昭和ポップス」というのは、それらを総称するものということかな?
個人的には、「昭和ポップス」という言葉には若干の違和感があるのだが、それはおそらく、平成生まれの若い人たちの「昭和感覚」と、昭和生まれのボクたち世代の「昭和感覚」が少し違っていることに起因しているような気がする。
まぁ、でも、そもそも平成生まれの若い人たちに向けての言葉だから、ボクの違和感はどーでもいいか(笑)
昭和後期のヒット・チャートを賑わせたような音楽を総称して「昭和ポップス」と呼ぶのには違和感があるのだが、その一方で、ボクの脳内で「昭和ポップス」という言葉と強烈に結びついた音楽がある。
それはWinds(ウインズ)の音楽だ。
Winds(ウインズ)といっても、ピンとこない方も多いかもしれない。
1979年から1980年にかけてシングル4枚とアルバム1枚のみを残して消えたバンドなのだが、何を隠そう昭和を代表する職業作曲家・都倉俊一さんのバンドなんである。
しかし、Winds(ウインズ)については、Wikiでもまったく触れられていないどころか、都倉さんご自身のオフィシャルホームページでもまったく触れられていない。
なかったことにしたいのか?(笑)
シングル4枚は、3枚がドラマ主題歌、1枚がCM曲だったので、聴けば憶えているって人もそれなりにいるバンドだと思うのだが・・・
いずれにせよ、アルバム『SENSATION』(Tee 27AH 1074)は、ボクにとっては高校生の頃からの愛聴盤だ。
"Free Live!"みたいに封筒を模したジャケット(帯はいつのまにか失くしてしまった。)に、4枚の洒落た歌詞カード付きで、レコード会社の力の入れ具合がわかるのだが、あんまり売れなかったんだろうなぁ。
良いアルバムなんだけどな。
ボクは、『真夜中のヒーロー』というドラマの主題歌だった『ローズマリー』という曲が、とにかく好きで好きで・・・(ドラマの方はまったく憶えてないけど 笑)
近所のハードオフでシングル(Tee 06SH 743)の見本盤を見つけたときは歓喜したよね。
(美品のせいか、ジャンク・コーナーではなく、通常販売のコーナーにあったが、200円くらいだった。)
♪ その街へ 行くのなら
♪ 銀貨を三枚 頼まれてほしい
♪ 一枚目はチャイナローズ
♪ 死んだ恋人の好きだった花
冒頭のフレーズから、一気に、無国籍的な物語の世界にひきこまれてしまう。
その後、プロモシート付きの帯付き見本盤も手に入れた。
(こちらは、ヤフオクにて、ほとんどのオークションを500円均一で出品しているセラーから。もちろん、誰も競ってくる人はいなかった。)
そのぐらい好きなんである。
すっかり秋めいてきた土曜の午後、このレコードは、切なくて沁みるなぁ・・・
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Phoebe Snow, Phoebe SnowのUSオリジナル
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-13
紙ジャケ探検隊(真保安一郎氏と書くより、こっちの方がシックリくるので、このブログではこれまでどおりでいきます。)の言うとおり、曲良し、演奏良し、音質良し、と三拍子揃った名盤なので、今宵もこのレコードを聴いている。フィービ・スノウ(Phoebe Snow)が1974年にリリースしたファースト・アルバムのUSオリジナル(Shelter Records SR 2109)である。探検隊からアメリカ土産にもらった正真正銘の初盤だ。前の記事と同じ写真ではつまらないので、今日はAudio TechnicaのカートリッジAT33MLを主役にして撮ってみた。先週末に突如思い立って付け替えたのだが、AT33MLを使うのって3年ぶりぐらいじゃないだろうか。さて、このレコード、究極の鮮度感を味わいたいのなら、『初盤道』183頁以下を参考に正真正銘の初盤を探す必要があるが、まぁ、そこまでこだわらなくても、十分に良い音で楽しめる。クレジットはなく、確証までは得られない筆跡鑑定によるものなので、『初盤道』では言及されていないが、このレコードのカッティングはバーニー・グラインドマン(Bernie Grundman)の仕事だと思う。筆跡全体からもBGらしい筆跡だという印象を受けるが、B面のマトの冒頭の”5”をひっくり返したような”2”は彼の筆跡に間違いないだろう。BGの素晴らしい仕事を、AT33MLが、MCらしく繊細に表現してくれる。そして、フィービはやっぱり最高だと実感するのである。
Bernie Grundman(BG)の仕事
想也
2023-10-13T22:23:59+09:00
フィービ・スノウ(Phoebe Snow)が1974年にリリースしたファースト・アルバムのUSオリジナル(Shelter Records SR 2109)である。
探検隊からアメリカ土産にもらった正真正銘の初盤だ。
前の記事と同じ写真ではつまらないので、今日はAudio TechnicaのカートリッジAT33MLを主役にして撮ってみた。
先週末に突如思い立って付け替えたのだが、AT33MLを使うのって3年ぶりぐらいじゃないだろうか。
さて、このレコード、究極の鮮度感を味わいたいのなら、『初盤道』183頁以下を参考に正真正銘の初盤を探す必要があるが、まぁ、そこまでこだわらなくても、十分に良い音で楽しめる。
クレジットはなく、確証までは得られない筆跡鑑定によるものなので、『初盤道』では言及されていないが、このレコードのカッティングはバーニー・グラインドマン(Bernie Grundman)の仕事だと思う。
筆跡全体からもBGらしい筆跡だという印象を受けるが、B面のマトの冒頭の”5”をひっくり返したような”2”は彼の筆跡に間違いないだろう。
BGの素晴らしい仕事を、AT33MLが、MCらしく繊細に表現してくれる。
そして、フィービはやっぱり最高だと実感するのである。
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祝!ラジオ出演
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-12
もちろん、ボクがラジオに出演したわけではない。ラジオ出演したのは、先日書籍化された『初盤道』の著者、紙ジャケ探検隊隊員こと真保安一郎氏である。(画像をクリックするとAmazonにとびます。)InterFMで月曜ー木曜の13:30-15:55に放送されている「レコレール」という番組に、10月11日の14:00過ぎ頃に登場して30分くらい話をしていた。持参した初盤レコードもオンエアされたのだが、それが山下達郎さんの『Sparkle』とフィービ・スノウ(Phoebe Snow)の"Good Times"だったというのも嬉しかった。どちらも、ちょっとだけ、初盤解明にボクも貢献しているからである。山下達郎さんの『FOR YOU』については、直接初盤解明に関わったわけではないが、3年ほど前にビクターPMの謎を解いたことが間接的に貢献している。https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-08-31フィービ・スノウのファーストの方は、かなり直接的に関わっていて、初盤道裏話として紹介したことがある。https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-05-15さて、では、今宵は、フィービのファーストを聴いてから寝るとしましょうかね。次は、THE TRAD@TOKYO FMかなーハマ君、よろしく~
ラジオデイズ
想也
2023-10-12T01:46:07+09:00
ラジオ出演したのは、先日書籍化された『初盤道』の著者、紙ジャケ探検隊隊員こと真保安一郎氏である。
(画像をクリックするとAmazonにとびます。)
InterFMで月曜ー木曜の13:30-15:55に放送されている「レコレール」という番組に、10月11日の14:00過ぎ頃に登場して30分くらい話をしていた。
持参した初盤レコードもオンエアされたのだが、それが山下達郎さんの『Sparkle』とフィービ・スノウ(Phoebe Snow)の"Good Times"だったというのも嬉しかった。
どちらも、ちょっとだけ、初盤解明にボクも貢献しているからである。
山下達郎さんの『FOR YOU』については、直接初盤解明に関わったわけではないが、3年ほど前にビクターPMの謎を解いたことが間接的に貢献している。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-08-31
フィービ・スノウのファーストの方は、かなり直接的に関わっていて、初盤道裏話として紹介したことがある。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-05-15
さて、では、今宵は、フィービのファーストを聴いてから寝るとしましょうかね。
次は、THE TRAD@TOKYO FMかなー
ハマ君、よろしく~
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Maddy Prior & June Tabor, Silly Sisters
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-07
<たまぞうさんから、πについての情報をご提供いただいたので、追記しました。>(2023年10月8日19:00)前回の記事を書いた後、マディ・プライヤー&ジューン・テイバー(Maddy Prior & June Tabor)の"Silly Sisters"をヘビロテしている。日中はまだかなり気温があがるとはいえ(もっとも、今日は、3時過ぎに散歩に出かけたが、まったく汗をかかなかった。)、朝晩は寒いくらいに気温が下がるこの季節にはぴったりの音楽である。前の記事にも書いたとおり、うちにはこのレコードが二枚あるのだが、どちらもDiscogsには登録されていない。5年くらい前のことだったか、最初に買ったのは、UK盤だった。確かUKオリジナルと書いてあったと思うが、帰宅してDiscogsでチェックすると、マトが進んでいた。そもそも、DiscogsのUKオリジナルのところには、マトA3/B4しか登録されていない。ボクが買ったのは、マトA5/B4だったのである。B面のマトは同じ(もちろん、MASTERROOMと刻まれている。)だが、A面が進んでいるうえに、A5なんて登録さえされていない。(ちなみに、ブルー・レーベルの再発はフォノディスクでリカッティングされたA4/B4で、MASTERROOMカッティングのラッカーを承継していない。)それでも、A Porky Prime Cutならよかったのだ。B面だって4まで進んでいるんだから、A面に3と5が最初からあった可能性も残るからである。しかし、マトA5には、A Porky Prime Cutはない。ペカム(George Peckham)のカッティングじゃないのである。かわりに刻まれているのは、πである。πって誰よ?Master Roomにそんなエンジニアいたか?たまぞうさんから、X(旧Twitter)で、「πってPyeスタジオでのカッティングじゃなかったっけ?」というようなお返事をいただいた。そういえば、そんなことをどこかで読んだ気がする。ってことで、調べてみると、DiscogsのPye Studiosの項目に、"The π (Pi symbol) indicates a cut at Pye Studios."という記述があるではないか。たまぞうさん、ありがとーもうちょっと調べると、トニー・ブリッジ(Tony Bridge)というエンジニアが、76年前後にPye StudiosとMa..
TRAD
想也
2023-10-07T21:56:27+09:00
<たまぞうさんから、πについての情報をご提供いただいたので、追記しました。>(2023年10月8日19:00)
前回の記事を書いた後、マディ・プライヤー&ジューン・テイバー(Maddy Prior & June Tabor)の"Silly Sisters"をヘビロテしている。
日中はまだかなり気温があがるとはいえ(もっとも、今日は、3時過ぎに散歩に出かけたが、まったく汗をかかなかった。)、朝晩は寒いくらいに気温が下がるこの季節にはぴったりの音楽である。
前の記事にも書いたとおり、うちにはこのレコードが二枚あるのだが、どちらもDiscogsには登録されていない。
5年くらい前のことだったか、最初に買ったのは、UK盤だった。
確かUKオリジナルと書いてあったと思うが、帰宅してDiscogsでチェックすると、マトが進んでいた。
そもそも、DiscogsのUKオリジナルのところには、マトA3/B4しか登録されていない。
ボクが買ったのは、マトA5/B4だったのである。
B面のマトは同じ(もちろん、MASTERROOMと刻まれている。)だが、A面が進んでいるうえに、A5なんて登録さえされていない。
(ちなみに、ブルー・レーベルの再発はフォノディスクでリカッティングされたA4/B4で、MASTERROOMカッティングのラッカーを承継していない。)
それでも、A Porky Prime Cutならよかったのだ。
B面だって4まで進んでいるんだから、A面に3と5が最初からあった可能性も残るからである。
しかし、マトA5には、A Porky Prime Cutはない。
ペカム(George Peckham)のカッティングじゃないのである。
かわりに刻まれているのは、πである。
πって誰よ?
Master Roomにそんなエンジニアいたか?
たまぞうさんから、X(旧Twitter)で、「πってPyeスタジオでのカッティングじゃなかったっけ?」というようなお返事をいただいた。
そういえば、そんなことをどこかで読んだ気がする。
ってことで、調べてみると、DiscogsのPye Studiosの項目に、"The π (Pi symbol) indicates a cut at Pye Studios."という記述があるではないか。
たまぞうさん、ありがとー
もうちょっと調べると、トニー・ブリッジ(Tony Bridge)というエンジニアが、76年前後にPye StudiosとMaster Roomを行ったり来たりしている(Pye Studios(-74)→Master Room(75-76)→Pye Studios(77-)と移籍)。
そんなわけで、A5のカッティングは、トニー・ブリッジによるものかもしれない。
なにより、このUK盤、音がしょぼい。
トラッドは、もっと、こう、生々しく鳴って欲しい。
ってことで、ペカム・カッティングのUKオリジナル初盤なら、良い音で鳴るんだろうと探していたところ、1年後くらいに、もう一枚を見つけた。
ジャケットはUK製なので、UKオリジナルかと思って(確か、タグにもUKオリジナルと書いてあった気がする。)レジで検盤してみたら、なんとこういう代物だった。
アイルランド盤なんである。
Discogsにはアイルランド盤なんて登録されてないぞ。
マトはA-1△H/B-1△Hで、末尾の△Hが何を意味しているのか、アイルランド盤に詳しくないのでわからない(知ってる方、教えてください)。
それより、このサインを両面に見つけて、ボクの期待は一気に膨れ上がった。
これは、Carlton ProductionsのエンジニアTBのサインに間違いない。
クラナド(Clannad)のファースト・アルバムのアイルランド盤をカッティングしたエンジニアだ。
(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2017-05-20 をどうぞ。)
実際、帰宅して盤に針を下ろすと、しょぼいUKレイト・プレスとは比べものにならない素晴らしい音が、スピーカーから流れ出した。
デュエットする二人のボーカルの実在感といい、楽器とくにギターの音色のリアリティといい、こういう音で聴きたかった、という音で鳴る。
そんなわけで、すっかりアイルランド盤の音に満足してしまったボクは、いまだにペカム・カッティング盤は手に入れていない。
そのうちどこかで見つけたら買おうとは思ってるんだけどね。
それはそうと、アイルランド盤が入っていたUK製ジャケットには、こんなステッカーの剥がし痕があった。
どんなステッカーだったのか気になって仕方がない。
誰か知っている方、ぜひ教えてくださいませm(_ _)m
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ステレオ stereo 2023年10月号
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-10-03
なにやら界隈の人たちが取材したりされたりしているということで、ステレオ stereoの2023年10月号を買ってきた。近所の本屋では、最後の一冊だった。(画像をクリックするとAmazonにとびます。)Amazonでも「在庫あり」になってないんだけど、一時的なものかなぁ?売れてるのかしらん?「音楽愛好家のオーディオ」って良い特集だよねぇ。とりあえず界隈の人たちがらみの記事を楽しませてもらった。あと、パラパラとページをめくっていたら、なんだかすごーく惹かれたスピーカーがあったので、どこかで試聴できないかと考えている。しばらく前から、うちのJBL S4700は、片方のツイーターの調子が悪いんだよねぇ。修理に出そうかと思いつつ、オーディオ・マニアの方から雷の落ちそうな方法だが、何とか問題を解決してるので、先送りにしてしまっている。それに、「一目惚れならぬ一聴惚れするようなスピーカーに出逢えたら、買い替えるのもありか?」という思いもあるのだ。さて、あのスピーカーには一聴惚れするだろうか?ステレオ stereoを読んでいるときのBGMは、マディ・プライヤー&ジューン・テイバー(Maddy Prior & June Tabor)の"Silly Sisters"。何故このレコードを選んだかは、界隈の人ならわかる(笑)ちなみに、うちにある2枚、実は、どちらもDiscogsには登録されていない。トラッド系だと、案外、登録洩れって多そうだなぁ。一枚は、まぁ、ただのレイトだけど、もう一枚は、音質的にもなかなか気に入っているので、このレコードの話は、またあらためてすることにしよう。
オーディオ
想也
2023-10-03T21:31:59+09:00
近所の本屋では、最後の一冊だった。
(画像をクリックするとAmazonにとびます。)
Amazonでも「在庫あり」になってないんだけど、一時的なものかなぁ?
売れてるのかしらん?
「音楽愛好家のオーディオ」って良い特集だよねぇ。
とりあえず界隈の人たちがらみの記事を楽しませてもらった。
あと、パラパラとページをめくっていたら、なんだかすごーく惹かれたスピーカーがあったので、どこかで試聴できないかと考えている。
しばらく前から、うちのJBL S4700は、片方のツイーターの調子が悪いんだよねぇ。
修理に出そうかと思いつつ、オーディオ・マニアの方から雷の落ちそうな方法だが、何とか問題を解決してるので、先送りにしてしまっている。
それに、「一目惚れならぬ一聴惚れするようなスピーカーに出逢えたら、買い替えるのもありか?」という思いもあるのだ。
さて、あのスピーカーには一聴惚れするだろうか?
ステレオ stereoを読んでいるときのBGMは、マディ・プライヤー&ジューン・テイバー(Maddy Prior & June Tabor)の"Silly Sisters"。
何故このレコードを選んだかは、界隈の人ならわかる(笑)
ちなみに、うちにある2枚、実は、どちらもDiscogsには登録されていない。
トラッド系だと、案外、登録洩れって多そうだなぁ。
一枚は、まぁ、ただのレイトだけど、もう一枚は、音質的にもなかなか気に入っているので、このレコードの話は、またあらためてすることにしよう。
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Miss You 12インチのUKオリジナル
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-09-28
<X(旧Twitter)でのやりとりから、最初の仮説がどうやら間違っているようだという結論に達したので、追記しました。>(2023年9月30日)月曜に時間を作って町田DUまで『初盤道』を買いに行ったとき、滞在時間は20分ほどしかなかったが、わずかな時間でも必死でエサ箱を掘って、5枚ほど購入したので、そのうちの一枚を紹介しよう。ストーンズ(The Rolling Stones)が1978年6月にリリースした12インチ"Miss You"のUKオリジナル(Rolling Stones Records 12 EMI 2802)である。Jukeboyさんをして「ストーンズ史上最もカッコいいジャケットの部類に入る」と言わしめた(https://jukeboy-stones.com/entry/2022/02/27/143335)このレコード、実物を手にして買わずにいられる人がいるなんて信じられないカッコよさである。時間がなかったこともあって、新着コーナーだけチェックしたのだが、ちょうど店員さんが補充を終えたところだったから、もしかしたら、このレコードもまさにそこに投入された直後だったのかもしれない。ジャケットのカッコよさにくわえて、ピンク盤だというのにもそそられるじゃないか。マトは12 EMI 2802 +A/12+EMI+2802 +Bで、このマトの形式はオーレイクか?とレーベルを見ると、この中央のザラついた感じは、どうもオーレイクっぽい。Discogsを見ると、Side 1にOR、Side 2にOR-Oと刻印されたものもあるようで(どうやらマザーに刻印されたらしく、うちの盤には、そのような刻印はない。)、オーレイク・プレスで間違いないと思う。そういや、この時期のオーレイクは、ピクチャー盤やカラー盤のプレスをしてたんだった。それはともかく、このレコード、非常に奇妙な点がある。Side 1はSTERLINGのカッティングなのだが・・・Side 2はニック・ウェブ(Nick Webb)のサインがあるので、UK EMIのアビーロード・スタジオでのカッティングである。普通、こういう場合、片面はリカッティングなのだが、マトを見る限りはそれっぽくない。Discogsを見ても、リカッティングの証拠になりそうな情報は見つからない。ただ、Discogsには、Side 2にもSTERLING刻印があるようなことが書いてあるのだが、これは誤登..
The Rolling Stones
想也
2023-09-30T15:17:49+09:00
<X(旧Twitter)でのやりとりから、最初の仮説がどうやら間違っているようだという結論に達したので、追記しました。>(2023年9月30日)
月曜に時間を作って町田DUまで『初盤道』を買いに行ったとき、滞在時間は20分ほどしかなかったが、わずかな時間でも必死でエサ箱を掘って、5枚ほど購入したので、そのうちの一枚を紹介しよう。
ストーンズ(The Rolling Stones)が1978年6月にリリースした12インチ"Miss You"のUKオリジナル(Rolling Stones Records 12 EMI 2802)である。
Jukeboyさんをして「ストーンズ史上最もカッコいいジャケットの部類に入る」と言わしめた(https://jukeboy-stones.com/entry/2022/02/27/143335 )このレコード、実物を手にして買わずにいられる人がいるなんて信じられないカッコよさである。
時間がなかったこともあって、新着コーナーだけチェックしたのだが、ちょうど店員さんが補充を終えたところだったから、もしかしたら、このレコードもまさにそこに投入された直後だったのかもしれない。
ジャケットのカッコよさにくわえて、ピンク盤だというのにもそそられるじゃないか。
マトは12 EMI 2802 +A/12+EMI+2802 +Bで、このマトの形式はオーレイクか?とレーベルを見ると、この中央のザラついた感じは、どうもオーレイクっぽい。
Discogsを見ると、Side 1にOR、Side 2にOR-Oと刻印されたものもあるようで(どうやらマザーに刻印されたらしく、うちの盤には、そのような刻印はない。)、オーレイク・プレスで間違いないと思う。
そういや、この時期のオーレイクは、ピクチャー盤やカラー盤のプレスをしてたんだった。
それはともかく、このレコード、非常に奇妙な点がある。
Side 1はSTERLINGのカッティングなのだが・・・
Side 2はニック・ウェブ(Nick Webb)のサインがあるので、UK EMIのアビーロード・スタジオでのカッティングである。
普通、こういう場合、片面はリカッティングなのだが、マトを見る限りはそれっぽくない。
Discogsを見ても、リカッティングの証拠になりそうな情報は見つからない。
ただ、Discogsには、Side 2にもSTERLING刻印があるようなことが書いてあるのだが、これは誤登録だと思う。
どう考えても、ニック・ウェブのサインがあるところにSTERLING刻印はないだろー
もし、Side 2にもSTERLING刻印がある盤をお持ちの方がいらしたら、ぜひご報告をお願いします。
それにしても不思議である。
このレコード、いずれにしても、最初から、Side 1はSTERLINGカッティングで、Side 2はアビーロード・カッティングだったということになる。
しかし、そんなカッティングの依頼はありそうもない。
ってことは、UK盤はアビーロード・カッティングだったところ、Side 1がボツになり、リカッティングを依頼する代わりに、USからSTERLINGカッティングのラッカーを取り寄せたというところか。
何か情報をお持ちの方、ぜひ教えてくださいな。
<追記>
X(旧Twitter)で、紙ジャケ探検隊、Jukeboyさん、たまぞうさん、sentimentalfoolさんらと意見交換している中で、どうやらボクの最初の仮説は間違っているようだ、と考えるいたったので、追記である。
JukeboyさんのWebサイトを含めて、集まった情報を整理しておこう。
A面の"Miss You"には、4:48のアルバム・バージョン(AVer.と呼ぶことにする)、3:34のエディット・バージョン(EVer.と呼ぶことにする。)、8:26のロング・バージョン(LVer.と呼ぶことにする。)の三種がある。
B面の"Faraway Eyes"には、4:23のアルバム・バージョンと3:43のエディット・バージョンの二種類がある。
(Discogsを見ると、具体的な秒数が数秒違いでバラバラなので、ここではJukeboyさんのWebサイトに準拠する。)
まず、一番最初にリリースされた7インチの各国盤を見ておこう。
US盤
Side 1 : Miss You EVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes EVer. STERLING刻印
UK盤
Side 1 : Miss You EVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes EVer. STERLING刻印
仏盤
Side 1 : Miss You 不明 Pellé
Side 2 : Faraway Eyes 不明 Pellé
12インチの各国盤については、次の通りだ。
US盤プロモ
Side 1 : Miss You LVer. STERLING刻印
Side 2 : Miss You LVer. STERLING刻印
US盤
Side 1 : Miss You LVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes AVer. STERLING刻印
UK盤(ピンク盤)
Side 1 : Miss You LVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes EVer. NICK.W
仏盤(赤盤)
Side 1 : Miss You LVer. STERLING刻印
Side 2 : Faraway Eyes AVer. 刻印なし
ボクは、最初、UK盤12インチについて、両面ともアビーロード・カッティングだったが、Side 1がボツになり、急遽USからSide 1のラッカーを取り寄せたと考えた。
しかし、仏盤の12インチもSide 1のみSTERLINGということだから、ボクの仮説が正しいとすると、フランスでも同じことが起こったということになってしまう。
これは、ありえないとまでは言わないが、可能性としてはとても低いだろう。
ってことは、可能性は二つである。
第一の可能性は、両面ともUSからSTERLINGカッティングのラッカーが送られてきたが、Side 2がボツになり、急遽各国でカッティングしたというものだ。
第二の可能性は、もともとSTERLINGカッティングのSide 1のラッカーだけが送られてきて、Side 2については各国にお任せだったというものである。
第二の可能性はちょっと考えられないと思ったのだが、そもそも12インチ・シングルが一般化したのは80年代初頭で、このレコードがリリースされた78年では、初めてくらいの試みだったとすると(実際、このレコードも45回転ではなく33 1/3回転である。)、Side 1のラッカーだけ各国に送る(つまり、Side 1にロング・バージョンを収録するということだけが決まっていた。)ということも考えられないわけではない気もする。
逆に、初めてくらいの試みだからこそ、Side 1のラッカーだけ各国に送るって考えにくくない?とも思う。
第一の可能性の方はどうだろう?
Side 2が各国でそれぞれボツになったという可能性はきわめて低いと思う。
ただ、Side 2をどうするかという方針がそもそも不確定で、当初の方針が変わり、各国に送られたSide 2のラッカーについては破棄が指示されたという可能性は十分にあるんじゃないかと思う。
12インチでシングルを出すというのは、7インチには収まらないロング・バージョンのシングルを出したいというところから生まれたアイディアだろう。
だから、Side 1の内容は確定しているが、では、Side 2の方はどうするか。
7インチと同じ"Faraway Eyes"のEVer.でいいのか?
収録可能時間はたっぷりあるんだから、AVer.を収録した方がいいんんじゃないか?
どうせなら、"Miss You"のEVer.と"Faraway Eyes"のEVer.を両方収録するってのもありなんじゃ?
当初、最後の方針がとられていて、シングルのAB面を収録したSTERLINGカッティングのSide 2のラッカーが各国に送られていたとしたら・・・
「同じ曲をバージョン違いで収録?アホか。Side 2は、"Faraway Eyes"だけでいい。」という鶴の一声で、各国に送られたSide 2のラッカーは破棄されて、各国それぞれでカッティングすることになったとかさ。
えっ、妄想がすぎる?
いつものことじゃん(笑)
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土竜軍団に入りたかった
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-09-25
発売が三度も延期されてホントに出るのか?と周囲を不安にさせた紙ジャケ探検隊の『初盤道』だが、9月22日にようやく刊行された。いくつかの記事に協力していることもあり、うちには2日ほど前の20日に、献本という形で届いた。表紙の裏には、著者のサインもある。(そのサインの前に、〇〇様とボクの名前が入っているので写真は公開しない 笑)何故か、タワーレコード購入者先着特典の栞は同梱されていた。でも、ユニオン特典の『没ネタ編』は同梱されていなかったので、『通常版』をDUに買いに行ってきた(でも、時間がなかったので滞在時間は20分くらい)。献本は『見本版』だから、『通常版』も当然持ってないといけないと思っていたのだ。お気に入りのレコードだったら、見本盤と通常盤どころか各国盤にマト違いまで揃えるのだから、当然である(笑)Tシャツについては、最初はどうしようか迷っていたのだが、TLでのやりとりで土竜軍団(あるいは土竜一派もしくは土竜一味 笑)結成の機運が高まっていたので、この際だから二種とも買おうと思っていたのだが、なんと町田DUのレジのおねーさんに尋ねたところ、書籍だけでTシャツの入荷はないとのこと・・・Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン土竜軍団に入れないや・・・週末のイベントには、家庭の事情で行けないしなーでも、考えてみたら、ボクは、ロックTですらクラプトンのを一枚持っているだけだった。ほかにあるのは、プレゼントで当たったKITRIのTシャツぐらいだ。町田DUのTシャツ未入荷は神さまの思し召しだったのかもしれない(笑)ところで、献本には、たぶんサインのインク移りを防止するための薄紙が挿まれていたのだが、それを見たときに、思わずホワイト・アルバムのポートレートの保護紙を思い浮かべてしまった。Tシャツのターコイズは明らかにオマージュだけど、これにはそんな意図はないよねぇ?(笑)特典はないけど、『初盤道』は、Amazonでも当然売ってます。(画像をクリックするとAmazonにとびます。)
ETC
想也
2023-09-25T23:08:09+09:00
いくつかの記事に協力していることもあり、うちには2日ほど前の20日に、献本という形で届いた。
表紙の裏には、著者のサインもある。
(そのサインの前に、〇〇様とボクの名前が入っているので写真は公開しない 笑)
何故か、タワーレコード購入者先着特典の栞は同梱されていた。
でも、ユニオン特典の『没ネタ編』は同梱されていなかったので、『通常版』をDUに買いに行ってきた(でも、時間がなかったので滞在時間は20分くらい)。
献本は『見本版』だから、『通常版』も当然持ってないといけないと思っていたのだ。
お気に入りのレコードだったら、見本盤と通常盤どころか各国盤にマト違いまで揃えるのだから、当然である(笑)
Tシャツについては、最初はどうしようか迷っていたのだが、TLでのやりとりで土竜軍団(あるいは土竜一派もしくは土竜一味 笑)結成の機運が高まっていたので、この際だから二種とも買おうと思っていたのだが、なんと町田DUのレジのおねーさんに尋ねたところ、書籍だけでTシャツの入荷はない とのこと・・・
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
土竜軍団に入れないや・・・
週末のイベントには、家庭の事情で行けないしなー
でも、考えてみたら、ボクは、ロックTですらクラプトンのを一枚持っているだけだった。
ほかにあるのは、プレゼントで当たったKITRIのTシャツぐらいだ。
町田DUのTシャツ未入荷は神さまの思し召しだったのかもしれない(笑)
ところで、献本には、たぶんサインのインク移りを防止するための薄紙が挿まれていたのだが、それを見たときに、思わずホワイト・アルバムのポートレートの保護紙を思い浮かべてしまった。
Tシャツのターコイズは明らかにオマージュだけど、これにはそんな意図はないよねぇ?(笑)
特典はないけど、『初盤道』は、Amazonでも当然売ってます。
(画像をクリックするとAmazonにとびます。)
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THE ART OF ROBERT McGINNIS
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-09-13
特撮ピストルズさんに唆されて、つい買ってしまった。数々の映画ポスターやペーパーバックのカバーを手がけた伝説的イラストレーター、ロバート・マッギニス(Robert McGinnis)の作品集である。『ティファニーで朝食を』のポスターのイメージが強かった(というか、それしか知らなかった)ので、ちょっと吃驚。彼の描く女性の絵からは、噎せ返るほどの濃厚な色気が立ち昇ってくる。でも、みんな、とてもチャーミングだ。カフェモカを飲みながらパラパラとページをめくる。芸術の鑑賞とは一線を画すような猥雑さがあるのだが、それがなんだか妙に心地良い。これは確かに素晴らしい作品集である。唆されてよかった(笑)特さん、ありがと~(画像をクリックするとAmazonにとびます。)
ETC
想也
2023-09-13T00:30:40+09:00
数々の映画ポスターやペーパーバックのカバーを手がけた伝説的イラストレーター、ロバート・マッギニス(Robert McGinnis)の作品集である。
『ティファニーで朝食を』のポスターのイメージが強かった(というか、それしか知らなかった)ので、ちょっと吃驚。
彼の描く女性の絵からは、噎せ返るほどの濃厚な色気が立ち昇ってくる。
でも、みんな、とてもチャーミングだ。
カフェモカを飲みながらパラパラとページをめくる。
芸術の鑑賞とは一線を画すような猥雑さがあるのだが、それがなんだか妙に心地良い。
これは確かに素晴らしい作品集である。
唆されてよかった(笑)
特さん、ありがと~
(画像をクリックするとAmazonにとびます。)
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優里『レオ』
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2023-09-12
誰かのリポストで片岡凛という若い女優さんのつぶやきがTLに流れてきたのだが、なんだか妙におもしろくて、ついフォローして過去のつぶやきまで遡って読んでしまった。そこで知ったのが、彼女がMVに出演していた優里さんの『レオ』という曲。これは泣くよね・・・
J-POP & J-ROCK
想也
2023-09-12T19:23:25+09:00
そこで知ったのが、彼女がMVに出演していた優里さんの『レオ』という曲。
VIDEO
これは泣くよね・・・
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