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『シングル・マン』のオリジナル [RCサクセション]

<送り溝のMI-1373刻印の意味について、匿名さんに教えていただいたので、関連部分を修正しました。>(2021年5月2日22:00)

清志郎さんの命日である。

大好きなアルバム『シングル・マン』を聴くのである。


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カートリッジは、ortofonのCadenza Redにご登場いただく。

しばらく前に、ようやく手に入れたオリジナル盤だからである。


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奥が1980年の再発盤(Polydor MR 3236)で、手前が1976年のオリジナル(Polydor MR 5077)だ。

え?わからない?
だよね(笑)


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帯もないし、違いはこの右上のレコード番号表記だけだからねぇ。

でも、ほんと、ずっと欲しかったレコードだから、レーベルのMR 5077も、ボクには燦然と輝いて見えるのである(笑)


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このレコードの内容については、以前記事にしたことがある(https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2015-05-10-1)ので、そちらをご覧いただくとして、今日は、オリジナルと再発の音の違いに関する話題である。

結論から言うと、かなり音が違う。
というのも、再発はリカッティングされているからである。

再発盤の送り溝を見ると、MR-3236という刻印のほかに、MI-1373という刻印もあるので、後者はおそらくマスターテープ番号だろう
このMI 1373というのは、評論家の吉見佑子さんが中心となって立ち上げた「シングル・マン再発売実行委員会」によって当初自主制作限定300枚買い上げという形でリリースされた(最終的には1500枚売り上げたらしい)1979年の自主制作再発盤のレコード番号だとのこと。

だから、ボクは、オリジナルにはMI-1373という刻印だけがあって、オリジナルも再発もカッティングは同じなんじゃないかとと勝手に推測していた。
明らかに頓珍漢な推測をしていたわけだ(笑)

ところがオリジナルを入手してみると、送り溝にあるのはMR-5077の刻印のみで、MI-1373の刻印は見当たらない。当たり前である(笑)
つまり、カッティングが違うのである。

カッティングが違えば、当然、スタンパーの摩耗レベルではない音の違いがある。
このレコードのオリジナルの音は、まさに鮮度抜群の鮮烈な音なのだ。
再発でも十分に良い音なのだが、オリジナルの鮮烈さの前に霞んでしまうのは否めない。

ボクが入手したオリジナル盤のスタンパーは、Side 1はA-1-5だったが、Side 2はA-1-1だったので、かなりの初期スタンパーである。
PMはD6で、1976年4月プレスだ。

このレコードの発売日は、1976年4月21日なので、発売日当月プレスということになるが、予約枚数が多くなければ前月からプレスしなくても十分間に合うので、発売日に店頭に並んでいたものじゃないかと思う。

まぁ、このレコード、オリジナルのリリース時にはあんまり売れなかったから、オリジナルであればスタンパーは大差ないのかもしれないけど(笑)


R.I.P.

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不可解な穴 [アナログ・コレクターの覚書]

<「ジャケットの穴問題」は解決していないものの、「ジャケットのテクスチャー問題」には進展があったので追記しました。>(2021年5月2日00:15)
<「ジャケットのテクスチャー問題」に、さらに進展があったので追記しました。>(2021年5月2日12:00)

5月1日である。
GWである。
4月29日は仕事だったので(当然昨日も仕事だったので)、ボクのGWは今日からだ。
GW初日は、ゆるーく英国スワンプなんぞを聴いてみる。


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1970年にリリースされたマッギネス・フリント(McGuinness Flint)のファーストである。

ボクは、本国アメリカものも英国ものも、スワンプはあんまり詳しくないので、このバンドのことは良く知らなかったが、数年前のこと、紙ジャケ探検隊がアメリカ・レコ掘り旅行(「出張ついでにちょっと掘っただけで、遊びじゃなく仕事で行ったんです。」―本人談)のお土産に、ギャラガー&ライル(Gallagher & Lyle)"Willie And The Lapdog"を買ってきてくれて(アメリカ土産なので当然USオリジナル)、それがかなり気に入った関係で、そのときちょいと調べて、彼らが参加していたマッギネス・フリントのことも知った。

とはいえ、当時は、すぐにオリジナル(英国スワンプなんでUKオリジナル)を手に入れたいとも思わず、とりあえずWantlistに入れたまま放置していたのだが、先日、なんだか急に聴きたくなった。
この「聴きたい衝動」にかられたら、もう止まらない(笑)
Discogsで探してすぐに発注してしまう(レア盤ではないので、いくらでも出品されている)。
それが一週間ほど前に届いたのであった。
もちろんUKオリジナル(Capitol Records ‎EA-ST 22625)である。


表ジャケはテクスチャー加工されていて、なかなかの雰囲気だ。


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内ジャケはテクスチャー加工されていないのだが、「初盤は内ジャケもテクスチャー加工されてた」なんてことはないよねぇ?


この点がボクのTLで話題になって、「内側もテクスチャーのジャケット」の存在が確認された。
そのスタンパーは1GR/1Hということで、ボクの所有盤とほぼ同じだが、ほんの少し若い(Side 1だけ1若い)。
で、「初回ジャケットは外側も内側も両面テクスチャーだったのか?」と思いきや、その後、スタンパー1P/1Lの盤が二枚、1O/1Lの盤が一枚、いずれも「外側のみテクスチャー」であることが確認された。
ってことで、現時点の情報では、初回ジャケットは「外側のみテクスチャー」だった可能性が高そうである。
(2021年5月2日00:15追記)

その後、スタンパー1GR/1GMの盤が、外側だけでなく内側もテクスチャーのジャケットに入っていたという情報をいただいた。
これはかなり決定的な情報と思われ、どうやら、初回ジャケットは「外側のみテクスチャー」だったと断定してよさそうである。
(2021年5月2日12:00追記)

音を聴いてみると、かなり鮮度の高い音が飛び出してきてニンマリしていたのだが、ひっくり返してSide 2をかけると、さらに鮮度の高い音が飛び出してきた。

送り溝を見ると、マトが両面1U(つまりEMIプレス)は当然として、マザー/スタンパーが、Side 1では1GA、Side 2では1Hである。


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Side 1とSide 2の差は、この二桁スタンパー(といっても、GAってことは13)と一桁スタンパー(Hってことは7)の差なのか?
それとも、そもそも録音が少し違うのか?
まぁ、でも、微妙な差だし、Side 1も十分に鮮度の高い音である。

しかし、テキトーに買って、これだけ若いスタンパーの盤が届くってことは、このレコードあんまり売れなかったのかな?
でも、Discogsにはゴロゴロしてるけどなー

そう思ってちょっと調べてみると、ファースト・シングルの"When I'm Dead and Gone"が全英2位のヒットとなった関係で、このファースト・アルバムも全英5位のヒットを記録したとのこと。
ってことは、Side 2の一桁スタンパーはかなりラッキーだったのかな?
まぁ、ボクの場合、日頃の行いがいいからなー(笑)

それはそうと、ボクが手に入れたレコードのジャケットには不可解な所がある。
背表紙下部に四角く切り取られた穴があいているのだ。


20210501-5.jpg


この穴って、明らかに意図的に切り取られてあけられているんだが、どんな目的であけられたんだろう?
何かご存知の方、ぜひ教えてくださいませm(_ _)m

ちなみに、このレコード、UKオリジナルだが、デンマークのセラーから買ったので、「デンマークでプロモ用に使用されたものなのかな?」(つまり、不可解な穴は、デンマーク流プロモ・ホール)なーんて妄想を膨らませたりしていたのだが、さて?

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