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Wetton ManzaneraのUSオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

1月も今日で終わりである。
ついこの前、年が明けたと思ったら、もう1月も終りとは・・・
時の経つ速さに愕然としてしまう。

それはともかく、今日1月31日は、ジョン・ウェットン(John Wetton)の命日である。
ってことで、最近手に入れた、このレコードを聴いている。


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1987年にジョン・ウェットンがフィル・マンザネラ(Phil Manzanera)とコラボしたアルバム"Wetton Manzanera"のUSオリジナル(Geffen Records GHS 24147)である。

このレコード、さっき書いたように、最近手に入れたもので、しかも、それ以前にはそもそも聴いたことがなかったアルバムなので、まだ2~3回しか聴いていないのだが、割と気に入った。
ポップで聴きやすい佳曲がそろっているし、"Suzanne"なんて珠玉のバラードもおさめられている。
なかなか良いアルバムである。

それに、ジャケットが良い。
写真をイラスト風に加工したものなんだろうけど、ポップな感じがとても素敵だ。
でっかいポスターにして部屋に飾りたいくらいだ。

ジャケット表面が和紙のようにザラっとした感じのテクスチャーになっているのも良い。


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そんなわけで、これはアナログで持っていたいアルバムである。

「ジョン・ウェットンならUS盤ではなくUK盤がオリジナルなんじゃないの?」と思うかもしれないが、Geffenだし、US盤がオリジナルでいいと思う。

確かにUK録音ではあるのだが、Discogsを見ても、アナログではUK盤というものはなくて、ドイツ・プレスのEU盤のようだし、それもUSカッティングのようだ。

ジャケット裏にも、カリフォルニアのマスタリング・スタジオArtisan Sound Recordersでマスタリングされたことが明記されている(エンジニアは、Greg Fulginiti)。


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送り溝にも、"Circles and sticks."と呼ばれるArtisan Sound Recordersのシンボルが刻印されている。


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ちなみに、うちのは、西海岸の Allied Recordsでプレスされたもので、マトはSH2/SH3だ。
Disicogsにもこれしか載っていない(東海岸のSpecialty RecordsプレスだとSR1/SR2となる)が、もしかしたら、もっと若いのもあるのかもしれない。
でも、まぁ、ボクはこれでいいや。


そうそう、最初の写真で気づかれた方も多いかと思うが、ホイル包みは見栄えがよくないので、本日のカートリッジはSPU-GTだ。

ダブル・アームにしたときの記事で、「SPUを使うためには、有効長が変わる関係でアームの取り付け位置を変更しなければならないので、Cadenza Redをメインで使う以上、そのままではSPUは使えない」というようなことを書いたのだが、考えてみたら、うちのカートリッジはすべてシェルの先端に近いところに装着して、SPUを使った場合と有効長が変わらないようにしてあったんだった(笑)
だから、アームの取り付け位置は、もともとSPU対応だったのである。

それを、今回のV15 VxMRのノイズ問題と格闘しているときに思い出したのだった。
ってことで、同じくMM接続ということもあり、V15 VxMRをメインにしている間は、(見栄えの問題もあるし)SPU-GTもメインに使うのである。

タグ:John Wetton
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V15 VxMRをシールドせよ [オーディオ]

木製カンチレバーを持つ交換針『黒柿』を迎えるために、メインカートリッジをシュア(Shure)のV15 VxMRに変更したところ、モスキートノイズに悩まされることになったという話までは、前回書いた。

そしたら、ツイッター上で、「カートリッジをシールドしてみたら、効果があるかも?」というアドバイスをいただいた。

カートリッジをアルミホイルで包んでやればいいらしい。
これは手軽にできる。
ってことで、早速やってみたら、これが大正解。
モスキートノイズはきれいさっぱり消え去った。
持つべきものは知識豊富な友人である(^^)

ノイズが消え去ったのは良かったのだが、しかし、新たな問題が生じた。
まぁ、これは目を瞑れないこともない。
というか、目を瞑れば問題ない(笑)
そう見栄えの問題である。

カートリッジのホイル包みは、こんな見栄えになり果ててしまっている。


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目を瞑れば問題ないとはいえ、新調したシェルは黒檀製で、音への興味と同じくらい見た目も気に入ったのである。
できれば、ホイルで覆い隠したくない。

そんなわけで、他の対策がないかと考えていたら、「フェライトコアが効くかもしれない」とのアドバイスをいただいた。
フェライトコアというノイズフィルターを、フォノケーブルに装着すればいいらしい。
これでノイズが消え去れば、ホイル包みからも解放される。

フェライトコアは高いものではないので、早速発注してみた。


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直径13ミリのフェライトコアは、フォノケーブルにもピッタリと装着できた。
できたのだが、一つつけても、二つつけても、三つつけても、四つつけても、ちっともノイズは減らない。
ダメである。
これは効かない。

再びホイル包みに逆戻りだ。

後は、ノイズの発生源が家電製品の可能性があるので、それを特定して対策するぐらいしかなさそうだ。
このノイズ発生源の探索は、週末にでもするとしよう。

そうそう、『黒柿」だが、2月7日発送予定というメールが届いていた。
10日も後なのかいっ!

とりあえず、オリジナルの針と『黒柿』との比較をしてみるために選んだ(自分で選んだものとTLを参考にしたものがあります)このあたりのレコードから、一曲づつでもDSD録音しとこうかな。
(『黒柿』でも同じようにDSD録音して比較するのです。)


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ほかに、「こんなレコードも比較してみたら、おもしろいんじゃない?」というアドバイスがあったら、ぜひお願いしますm(_ _)m

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MMカートリッジのモスキートノイズ [オーディオ]

最近、ボクのツイッターのTLでは、JICOが発売した、『黒柿』という木製カンチレバーを持つ交換針(Shureカートリッジ用)が話題である。

詳しくは、下記Webサイトをどうぞ。

https://jico.online/2019/11/12/moritayokoku/


この交換針、「木製のカンチレバーをもったレコード針の音を聴いてみたくなった」というレコード針職人の思いから生まれたという。
木材加工職人の息子として生まれ、子供の頃から木材に囲まれて育ったボクとしては、なんだか妙に共感してしまい、ボクもまた、「木製のカンチレバーをもったレコード針の音を聴いてみたく」てたまらなくなってしまった(笑)

それに加えて、ツイッターでは、「このレコードは黒柿に合う」なんてつぶやきが定期的に流れてくる。
なんとなく、「黒柿」で聴いてみたいレコードが、ボクの頭にも思い浮かぶ。
もうボクに抵抗できるはずもない。
そんなわけで、金曜日の夜、JICOに発注してしまった。

そうは言っても、ボクがいまメインに使用しているステレオ・カートリッジはオルトフォン(ortofon)のCadenza Redだ。
黒柿を使うには、これをShureに交換してやらないといけない。

ということで、金曜の夜中に、カートリッジケースに眠っていたV15 VxMRを引っ張り出して、先日導入したメインアーム、オルトフォンのRS-212Dに搭載してみた。

搭載して気づいたのだが、Shureを取り付けてあるシェルは、確か1000円くらいで購入したどこのメーカーのものかもわからないやつだ。
せっかく黒柿を迎えて本格的にV15を活用しようというのだから、シェルも新調しようと思い立った。

木製カンチレバーの黒柿を搭載したV15なら、木製シェルなんておもしろいんじゃないか?
な~んて思いつきで、山本音響工芸のアフリカ黒檀製シェル(HS-1AHS-1A)を発注したのだが、これはAmazonに在庫ありだったので、昨日、速攻で届いた。

そんなわけで、ただいま、うちのメイン・カートリッジは、アフリカ黒檀製シェルのV15 VxMRになっている。


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ところが、このカートリッジ交換の過程で、ボクは問題に直面した。
14kHz~15kHzくらいの、「つーーーん」という、いわゆるモスキート音のようなノイズが、微弱ではあるものの出ているのである。
(ちなみに、17kHzのモスキートになると、もうボクにはまったく聴こえません 笑)

ボリューム10時を過ぎたあたりから感じられるようになるものの、微弱なんで最初は気づかなかったのだが、なんとなく違和感があったので、無音でボリュームをあげてチェックしてみたら、11時を過ぎたころからかなり耳障りなモスキートが出てくる。

一度気づくと、ボリュームを下げても、10時を過ぎたあたりから、静音部ではかすかではあるものの感じるようになってしまった。

最初はアフリカ黒檀製シェルのせいかとも思ったのだが、もう一つあるテクニクス製シェルに装着したMMカートリッジでも同じ症状が出るので、シェルの問題ではなく、うちのシステムでMMカートリッジを使った場合に出る症状のようだ。

フォノイコライザーを通さず、アンプのフォノ入力に差し込んでもまったく同じ症状が出る。
この際なので、手持ちのフォノイコライザー二台ほどで試してみたが、どちらも、さらに派手なモスキートが出る。

ちなみに、同じくMMで受ける高出力MCのモノラル・カートリッジやトランス内蔵のSPU-GTでは、まったく出ない(インピーダンスが低いからということらしいのだが・・・)。

どうやら、MMカートリッジに特有の現象らしい。

なんだこれ?


あれこれ付け替えているときに気づいたことなのだが、このモスキートノイズ、アームとカートリッジの接合部分を指で掴むとピタリととまる。
だから、アースを何か工夫すれば解決するのではないかと、あれやこれや試みていたのだが・・・

この週末は、この対策に悪戦苦闘していたのだが、結局、解決策は見いだせなかった。

誰か助けてくださいm(_ _)m


<解決編>
その1―V15 VxMRをシールドせよ
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-01-29

その2―ノイズの発生源を特定!
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-02-01

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David Bowie, Young AmericansのUKオリジナル [David Bowie]

全国的に寒い一日になった土曜日、ここ湘南でも一時雪がちらついたが、やがて雨にかわり、いまはその雨もあがっている。

でも、寒い。
寒いので、どこにも出かける気がせず、暖房であたたまった部屋の中で、のんびり音楽を聴いている。
まぁ、いつもの週末である(笑)

で、昨日買ってきたレコード・コレクターズ2月号なんぞを読みながら、いろいろ聴いていたのだが、当然のことながら、初盤道で取り上げられていたデビッド・ボウイ(David Bowie)の"Young Americans"もひっぱりだした。


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初盤道ではUKオリジナルの話は早々に切り上げられて、USオリジナル(RCA Victor APL1-0998)の話がメインだったのだが、あいにく、うちにはUKオリジナル(RCA Victor RS 1006)と思しきものが一枚しかない。
紙ジャケ探検隊が喝破している通り、このレコードについては、ボクも完全に後回しにしていたのである。

もっとも、このレコード、USオリジナルが良いと言われても、UKオリジナルに対してそれほど音に不満があった記憶もない。
で、とりあえず、ターンテーブルに載せて、針をおろしてみた。


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うん、悪くない。

確かに、高域は若干金属的に響く感じがしないわけではないが、それほど気になるものではないし、低域の量感はむしろ好みだ。
とはいえ、モータウンに近いソウル・マナーの音ではないし、低域に粘り気があるせいか、軽やかでもない。
そのうち、USオリジナルも(安く転がってれば)手に入れることにしよう。


それより気になるのは、うちのがUKオリジナルと言ってよいものなのかどうかだ。

ジャケットは、テクスチャー仕上げではないが、通常のジャケットよりもマットに仕上げられていて、それなりに雰囲気がある。
素っ気ないといえば素っ気ないが、手を抜いている感じではない。
(インナーがないのはいただけないけどね。)


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Discogsを見ると、若干光沢のあるジャケットもあるようだが、そっちのほうが安っぽい感じがする。

レーベルは、もちろん、オレンジである。


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ただ、使用されているのは、光沢のある紙ではなく、マットな紙だ。
ファースト・プレスがこのマットな紙のオレンジ・レーベルでいいのかどうかはわからない。

Stereo表記のないレーベルもあるが、これは”Station to Station”や"Low"のUKオリジナルがそうなので、その時期にプレスされたものである可能性が高い気がする。
いずれにせよ、ファースト・プレスのレーベルの特徴というわけではないだろう。


手持ちのマトは1E/3Eだ。


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(面倒なのでSide 1のみ 笑)



Discogsで確認すると、Side2には2Eがあるので、数字の若さで言えば1E/2Eが一番若いということになるのだが、Side 1の1Eと2E、Side 2の2Eと3Eは、最初から切られたラッカーの気がする。
音を聴いてみても、Side 1とSide 2で鮮度の差があるようには思えない。

ってことで、マト1E/3Eもファースト・プレスの仲間に入れてもいいんじゃないだろうか。

UKオリジナルのカッティングは、前年の1974年からロンドンのRCAスタジオのエンジニアになったピーター・ノーマン(Peter Norman)が担当している。
送り溝に刻まれたPNがその証拠だ。


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すでに書いたように、ボクはこの音にとくに不満はない。

まぁ、でも、USオリジナルを聴いたことがないんで、どっちが良いかというのは(好みの点でも)判断できないんだけどね(笑)


タグ:David Bowie
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井上陽水『招待状のないショー。』 [Bernie Grundman(BG)の仕事]

ボクは、井上陽水さんのファンというわけでもなく、レコードを数枚持っている程度なので、1976年にリリースされたこの『招待状のないショー。」(FOR LIFE RECORDS FLL-4002)というレコードのことも、その存在は知っていたものの、これまで聴いたことがなかった。


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買って聴いてみたのは、ほんとにただの気紛れである(笑)

しかし、聴いてみると、これが実に良いのだ。
どの楽曲もどの演奏も素晴らしい。
が、その素晴らしさについて語るのは、ボクはあまり適任ではないので、ファンの方に譲ろう。

ボクが取り上げたいのは、このレコードの音質である。

このレコードの音は、西海岸のロックの音なのだ。
そして、それが、ボクがこのレコードをとても気に入った理由の一つでもある。

「ちょっと待て。ロサンジェルス録音は前作『二色の独楽』だろう。」って声が聴こえてきそうだが、ボクの感触としては、音の質感は、前作よりも、この『招待状のないショー。』のほうが西海岸のロックなのだ。

それというのも、前作『二色の独楽』は確かに、ロサンジェルスのA&Mスタジオで、現地のミュージシャンも起用して録音されているが、最終的な音の仕上げ、つまりカッティングは日本で行われている。
それに対して、この『招待状のないショー。』は録音こそ日本だが、カッティングはアメリカなのである。

裏ジャケを見れば、ほら、「Cutting/A&M Studio」って書いてあるじゃないか。


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送り溝のマトだって、手書きである。


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それに、このクセのあるS。
最後がくるっと丸になっているのは、これはバーニー・グランドマン(Bernie Grundman)の筆跡に間違いない。
末尾のM2の2がグランドマンぽくないので、ここは別人が書いたのかもしれないが、カッティングはグランドマンで間違いないと思う。
A&M Studioでカッティングされてるわけだしね。

ボクが入手したものは、両面ともマトの末尾がM2だったが、このレコードはかなり売れたので、他のバリエーションもいろいろあるかもしれない。

マトが違う場合、音も違うのかそれとも大差ないのか、うちには一枚しかないのでわからない。

マト違いで聴き比べたことがある方がいたら、ぜひ教えてくださいな。
って、いないよね(笑)

あ~でも、さすがにオリジナルのマト違いの比較なんて狂気じみたことをやる人はいないとしても、一昨年だったか、デビュー50周年企画で、テッド・ジェンセン(Ted Jensen)のリマスター盤が出たので、それとオリジナルとの比較とかは、ファンの方はやってるかなぁ?

タグ:井上陽水
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