Toto, Toto(宇宙の騎士)のUSオリジナル [TMLの仕事]
今日9月2日はスティーヴ・ポーカロ(Steve Porcaro)の誕生日だというツイートがTLに流れてきて、Totoのファースト・アルバム(日本盤のタイトルは「宇宙の騎士」)のことを以前少し話題にしたことを思い出した。
1978年にリリースされたこのアルバムのUSオリジナルはColumbia JC 35317だ。
1980年代にはPC 35317というカタログ番号で再発されたが、当初は余っていたJC 35317盤をそのまま利用したようで、背表紙にPC 35317とあるジャケットの中に、レーベル上にはJC 35317とあるレコードが入っているものが相当数あったようなので、注意が必要である。
インナースリーブにも明記されているように、このレコードのマスタリングはTML(The Mastering Lab=Doug Saxが創設したマスタリング・スタジオ)で行われているのだが、エンジニアはMike Reese and Ron Hitchcockとなっている。
つまり、Doug Saxによるマスタリングではない。
だからってわけでもないかもしれないが、最初に手に入れたUSオリジナルは、悪くはないんだが、どうにもTotoって感じがしなかった。
重心が低めで中低域に厚みのある少しUK盤のような音なのだ。
こんな重厚な音でTotoを聴いてもなぁ・・・という気がしないでもなかったのである(笑)
この盤の特徴は、両面にTML-M刻印があり、Matrix末尾は両面2B、それにRhというイニシャル(Ron Hitchcockのサインかな?)が彫ってあることだ。
プレス工場は、西海岸のサンタマリアである。
Discogsを見てみると、このレコードのMatrix末尾には2の系統と3の系統があるが、2の系統はDくらいまでしかなさそうなのに対して、3の系統はABとかの2桁まであるようだ。
普通に考えれば、「2の系統はごく初期のみで、すぐに3の系統に切り替わって大量にプレスされた」ということになると思う。
<米ColumbiaのMatrixの読み方については、こちらhttp://sawyer2015.blog.so-net.ne.jp/2016-06-25をご覧ください。>
ってことで、3の系統の盤を買ってみた。
手前のステッカー付が新たに入手した3の系統の盤である。
ステッカーには、INCLUDES THE HIT SINGLE "HOLD THE LINE" AND "I'LL SUPPLY THE LOVE"とあるので、"I'LL SUPPLY THE LOVE"がリリースされた1979年3月以降、ヒットチャートをある程度賑わせた後のリリースであることがわかる。
"I'LL SUPPLY THE LOVE"のヒットの後、1979年中に"Georgy Porgy"もシングルカットされてそこそこヒットしたから、ステッカーに"Georgy Porgy"がないってことは、春から初夏頃のプレスってことだろう。
さて、この盤の特徴だが、両面にTML-M刻印があり、Matrix末尾は3E/3AD、Rhは彫られていない。
プレス工場は、中部のテレホートである。
で、肝心の音のほうは、まさにTotoの音だ。
低域は軽めで重心は高いが、ヌケがよくてさわやかに音が広がる。
実に気持ち良い。これぞAORの音である。
Totoはこういう音じゃなくっちゃねぇ。
さて、手持ちの2枚だが、レーベルはまったく同じである。
ジャケットもステッカー以外は同じなのだが、インナースリーブはずいぶん違う。
手前がMatrix末尾2B/2Bに付属していたもので、奥が3E/3ADに附属していたものだ。
ひっくり返すと裏もこんなに違う。
これまた、手前がMatrix末尾2B/2Bに付属していたもので、奥が3E/3ADに附属していたものだ。
おそらく、手前のほうがファーストプレスに付属していたインナースリーブだと思うが、確証はない。
何か情報を持っている方は、ぜひ教えてくださいな。
1978年にリリースされたこのアルバムのUSオリジナルはColumbia JC 35317だ。
1980年代にはPC 35317というカタログ番号で再発されたが、当初は余っていたJC 35317盤をそのまま利用したようで、背表紙にPC 35317とあるジャケットの中に、レーベル上にはJC 35317とあるレコードが入っているものが相当数あったようなので、注意が必要である。
インナースリーブにも明記されているように、このレコードのマスタリングはTML(The Mastering Lab=Doug Saxが創設したマスタリング・スタジオ)で行われているのだが、エンジニアはMike Reese and Ron Hitchcockとなっている。
つまり、Doug Saxによるマスタリングではない。
だからってわけでもないかもしれないが、最初に手に入れたUSオリジナルは、悪くはないんだが、どうにもTotoって感じがしなかった。
重心が低めで中低域に厚みのある少しUK盤のような音なのだ。
こんな重厚な音でTotoを聴いてもなぁ・・・という気がしないでもなかったのである(笑)
この盤の特徴は、両面にTML-M刻印があり、Matrix末尾は両面2B、それにRhというイニシャル(Ron Hitchcockのサインかな?)が彫ってあることだ。
プレス工場は、西海岸のサンタマリアである。
Discogsを見てみると、このレコードのMatrix末尾には2の系統と3の系統があるが、2の系統はDくらいまでしかなさそうなのに対して、3の系統はABとかの2桁まであるようだ。
普通に考えれば、「2の系統はごく初期のみで、すぐに3の系統に切り替わって大量にプレスされた」ということになると思う。
<米ColumbiaのMatrixの読み方については、こちらhttp://sawyer2015.blog.so-net.ne.jp/2016-06-25をご覧ください。>
ってことで、3の系統の盤を買ってみた。
手前のステッカー付が新たに入手した3の系統の盤である。
ステッカーには、INCLUDES THE HIT SINGLE "HOLD THE LINE" AND "I'LL SUPPLY THE LOVE"とあるので、"I'LL SUPPLY THE LOVE"がリリースされた1979年3月以降、ヒットチャートをある程度賑わせた後のリリースであることがわかる。
"I'LL SUPPLY THE LOVE"のヒットの後、1979年中に"Georgy Porgy"もシングルカットされてそこそこヒットしたから、ステッカーに"Georgy Porgy"がないってことは、春から初夏頃のプレスってことだろう。
さて、この盤の特徴だが、両面にTML-M刻印があり、Matrix末尾は3E/3AD、Rhは彫られていない。
プレス工場は、中部のテレホートである。
で、肝心の音のほうは、まさにTotoの音だ。
低域は軽めで重心は高いが、ヌケがよくてさわやかに音が広がる。
実に気持ち良い。これぞAORの音である。
Totoはこういう音じゃなくっちゃねぇ。
さて、手持ちの2枚だが、レーベルはまったく同じである。
ジャケットもステッカー以外は同じなのだが、インナースリーブはずいぶん違う。
手前がMatrix末尾2B/2Bに付属していたもので、奥が3E/3ADに附属していたものだ。
ひっくり返すと裏もこんなに違う。
これまた、手前がMatrix末尾2B/2Bに付属していたもので、奥が3E/3ADに附属していたものだ。
おそらく、手前のほうがファーストプレスに付属していたインナースリーブだと思うが、確証はない。
何か情報を持っている方は、ぜひ教えてくださいな。
タグ:TOTO
Aerosmith, Toys in the AtticのUSオリジナル [TMLの仕事]
いろいろ調査中のレコードはあるのだが、どうにも最後のピースが見つからない。
ってことで、この週末は、記事にすることもないなぁと思いながら、なんとなーくDiscogsをウロウロしていたら、このレコードの初期ジャケットの情報にぶつかったので、メモがわりの記事である。
エアロスミス(Aerosmith)にはそんなに思い入れがないので、こんな細かい違いのことまで知らなかったよ(笑)
1975年4月にリリースされた彼らのサードアルバムToys in the Attic(日本盤タイトルは『闇夜のヘヴィ・ロック』でしたね)のUSオリジナルはColumbia PC 33479だが、70年代後半にJC 33479のカタログ番号で再発された後、80年代にまたPC 33479のカタログ番号で再発されているからややこしい。
まぁ、80年代の再発は裏ジャケにバーコードがあるようなので、バーコードのないPC 33479を探せばいいんだが、ここからが細かい話だ。
Discogsには、裏ジャケ下部の"For further information write to"の後が"AEROSMITH FAN CLUB..."となっているのが初期プレスで、"Aerosmith Newsletter..."となっていたらレイト プレスだと書いてある。
Discogs掲載のプロモ盤やら明白なレイトプレスやらのジャケット写真で(解像度が低いのでかなり苦労して)確認してみると、確かにその通りのようだ。
ってことで、ひっくり返してみると・・・
ほっ
よかった(笑)
もっとも、テレホート工場産のMatrix末尾1E/1Eだったんで、エアロスミスに思い入れがあれば、ピットマン工場産の1A/1Aを探すべきところなんだろうけど、ボクはまぁこれでいいや(笑)
Doug Saxのマスタリングで、両面にしっかりTML-M刻印もあるしね。
ってことで、この週末は、記事にすることもないなぁと思いながら、なんとなーくDiscogsをウロウロしていたら、このレコードの初期ジャケットの情報にぶつかったので、メモがわりの記事である。
エアロスミス(Aerosmith)にはそんなに思い入れがないので、こんな細かい違いのことまで知らなかったよ(笑)
1975年4月にリリースされた彼らのサードアルバムToys in the Attic(日本盤タイトルは『闇夜のヘヴィ・ロック』でしたね)のUSオリジナルはColumbia PC 33479だが、70年代後半にJC 33479のカタログ番号で再発された後、80年代にまたPC 33479のカタログ番号で再発されているからややこしい。
まぁ、80年代の再発は裏ジャケにバーコードがあるようなので、バーコードのないPC 33479を探せばいいんだが、ここからが細かい話だ。
Discogsには、裏ジャケ下部の"For further information write to"の後が"AEROSMITH FAN CLUB..."となっているのが初期プレスで、"Aerosmith Newsletter..."となっていたらレイト プレスだと書いてある。
Discogs掲載のプロモ盤やら明白なレイトプレスやらのジャケット写真で(解像度が低いのでかなり苦労して)確認してみると、確かにその通りのようだ。
ってことで、ひっくり返してみると・・・
ほっ
よかった(笑)
もっとも、テレホート工場産のMatrix末尾1E/1Eだったんで、エアロスミスに思い入れがあれば、ピットマン工場産の1A/1Aを探すべきところなんだろうけど、ボクはまぁこれでいいや(笑)
Doug Saxのマスタリングで、両面にしっかりTML-M刻印もあるしね。
タグ:Aerosmith
Linda Ronstadt, Prisoner in DisguiseのUSオリジナル [TMLの仕事]
<ツイッターでいただいたホワイト・ラベル・プロモの情報を追記しました。7月26日21時>
2週間ほど前の記事で、所有盤がレイトプレスだったことを思い出させてもらったリンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)の"Prisoner in Disguise"だが、幸いなことに、早速オリジナル盤を入手することができた。
オリジナルの特徴は、表ジャケット右上の文字部分がエンボス加工されていることである。
実にはっきりとしたエンボス加工である。
素晴らしいっ!
しかも、表ジャケットの加工は、このエンボスだけではない。
リンダの写真の部分も凹加工がなされている。
シンプルなジャケットだが、この二つの加工だけで、ずいぶんと魅力的に変身するものだ。
さて、肝心の音のほうだが、これまた素晴らしいっ!
流石ダグ・サックス(Doug Sax)である。
ちなみに、今回ボクが手に入れたのは、西海岸のサンタマリア工場プレスの盤だった。
レーベル右側のレコード番号の下に(CSM)とあるのがわかる。
Columbia Records Pressing Plant, Santa Mariaだから、頭文字をとるとCSMってことなんだろう。
Matrix等のRunout情報は次の通りだ。
Side 1: 7E 1045-A 1 CSM TML-M
Side 2: 7E 1045-B-6 CSM TML-S RE
Side 2がB-6と進んでいてREがついているのが気になるが、まぁ、良しとしよう。
Discogsを見ると、このレコードのプレスは、レコード・クラブ盤をのぞけば、スペシャルティ・レコ―ズ工場(SP)、アライド・レコード工場(AR)、PRCレコーディングのコンプトン工場(PRC-W)、コロンビア系列でピットマン工場(CP)・テレホート工場(CTH)・サンタマリア工場(CSM)で行われている。
(各工場はレーベル上に括弧内に示した略号で示されている。)
このうち、AR工場が使われたのは1979年以降ではないかということは前に話題にした。
そのほかにも、PRC-W工場は1975年12月にオープンした工場なので、1975年9月リリースの"Prisoner in Disguise"の初盤には間に合わない。
ってことで、初期盤は、SP工場か、コロンビア系のCP工場・CTH工場・CSM工場でプレスされたものと考えられるが、Discogs上に示されているRunout情報を見る限り(これがあんまり信用できないのではあるが)コロンビア系はすべてCSM経由のマザー・スタンパーでプレスされているようなので、初盤道的には、さしあたりSP工場産とCSM工場産に絞ってよさそうな気がする。
アサイラムは西海岸の会社だし、とりあえずCSM工場産(両面TML刻印ありということとSide 1のMatrix末尾1は間違いないだろうが、Side 2のMatrix末尾については不明 笑)を初盤としておこう。
あなたのエンボスジャケ"Prisoner in Disguise"は、どこの工場産ですか?
ツイッターで、「CTH工場産のホワイト・ラベル・プロモ(WLP)のMatrixにCSMがついている」との情報をいただいた。 他工場産のWLPですでにCSMマトだとすると、コロンビア系については、すべてのラッカーがCSM工場向けに切られたと考えてよさそうだ。
2週間ほど前の記事で、所有盤がレイトプレスだったことを思い出させてもらったリンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)の"Prisoner in Disguise"だが、幸いなことに、早速オリジナル盤を入手することができた。
オリジナルの特徴は、表ジャケット右上の文字部分がエンボス加工されていることである。
実にはっきりとしたエンボス加工である。
素晴らしいっ!
しかも、表ジャケットの加工は、このエンボスだけではない。
リンダの写真の部分も凹加工がなされている。
シンプルなジャケットだが、この二つの加工だけで、ずいぶんと魅力的に変身するものだ。
さて、肝心の音のほうだが、これまた素晴らしいっ!
流石ダグ・サックス(Doug Sax)である。
ちなみに、今回ボクが手に入れたのは、西海岸のサンタマリア工場プレスの盤だった。
レーベル右側のレコード番号の下に(CSM)とあるのがわかる。
Columbia Records Pressing Plant, Santa Mariaだから、頭文字をとるとCSMってことなんだろう。
Matrix等のRunout情報は次の通りだ。
Side 1: 7E 1045-A 1 CSM TML-M
Side 2: 7E 1045-B-6 CSM TML-S RE
Side 2がB-6と進んでいてREがついているのが気になるが、まぁ、良しとしよう。
Discogsを見ると、このレコードのプレスは、レコード・クラブ盤をのぞけば、スペシャルティ・レコ―ズ工場(SP)、アライド・レコード工場(AR)、PRCレコーディングのコンプトン工場(PRC-W)、コロンビア系列でピットマン工場(CP)・テレホート工場(CTH)・サンタマリア工場(CSM)で行われている。
(各工場はレーベル上に括弧内に示した略号で示されている。)
このうち、AR工場が使われたのは1979年以降ではないかということは前に話題にした。
そのほかにも、PRC-W工場は1975年12月にオープンした工場なので、1975年9月リリースの"Prisoner in Disguise"の初盤には間に合わない。
ってことで、初期盤は、SP工場か、コロンビア系のCP工場・CTH工場・CSM工場でプレスされたものと考えられるが、Discogs上に示されているRunout情報を見る限り(これがあんまり信用できないのではあるが)コロンビア系はすべてCSM経由のマザー・スタンパーでプレスされているようなので、初盤道的には、さしあたりSP工場産とCSM工場産に絞ってよさそうな気がする。
アサイラムは西海岸の会社だし、とりあえずCSM工場産(両面TML刻印ありということとSide 1のMatrix末尾1は間違いないだろうが、Side 2のMatrix末尾については不明 笑)を初盤としておこう。
あなたのエンボスジャケ"Prisoner in Disguise"は、どこの工場産ですか?
ツイッターで、「CTH工場産のホワイト・ラベル・プロモ(WLP)のMatrixにCSMがついている」との情報をいただいた。 他工場産のWLPですでにCSMマトだとすると、コロンビア系については、すべてのラッカーがCSM工場向けに切られたと考えてよさそうだ。
Whitney Houston [TMLの仕事]
12時をまわってしまったが、2月11日はホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の命日だった。
特に熱心なファンというわけでもなかったので、LPを1枚、CDを2枚くらいしかもっていないが、ファーストアルバムについては、そこに収録されている曲の中に、青春時代の切ない思い出と結びつくものなんかもあったりして、そういう意味でとても思い入れがある。
ってことで、今夜は彼女のファーストアルバムを聴いていた。
そういえば、彼女の訃報に接した頃に旧ブログに書いた記事があるので、転載(少しだけ加筆修正)しておこう。
ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の訃報に接してから、もう10日になるんだなぁ・・・
ボクと同世代の人だってのは当然わかっていたけれど、訃報で初めて、同い年だと知った。
とても才能のある人だっただけに、若すぎる死が本当に悔やまれる。
特に熱心なファンだったわけでもないので、今頃になって、冥福を祈りつつ、彼女のレコードを聴いている。
日本盤では「そよ風の贈りもの」というタイトルがつけられたファースト・アルバムだ。
もっとも、聴いてるのは、名前のみが冠されたセルフタイトルの米盤アナログ(Arista AL 8-8212)のほうだけど(笑)
ちなみに、リリース当時に買った日本盤CDは、曲順がアナログB面のほうから始まる。つまり、CD最後の曲が、米盤アナログだとA面最後の"Nobody Loves Me Like You Do"になる。
この終わり方、なんとも日本人好みだ。
アルバム全体の印象も、この曲順一つでだいぶ変わるからおもしろい。
ホイットニーのこのデビュー・アルバム、いま聴いてもまったく色あせない。
まさしく超名盤なのである。
このアルバムがリリースされた当時、ボクは大学3年生で、まさに青春真っ只中・・・・
"All at Once""Greatest Love of All"あたりの切ないバラードや、ジャーメイン・ジャクソン(Jermaine Jackson)との珠玉のデュエット"Nobody Loves Me Like You Do"あたりを聴いていると、胸をきゅんきゅんと締め付ける思い出が鮮やかに甦る。
当時購入した日本盤CDは、米盤アナログとはジャケ違いだ(米盤アナログの裏ジャケで使われている写真が表ジャケを飾っているだけだけど)。
輸入米盤アナログが1500円くらいで売られていた時代で、倍以上の3200円もした。
<このCD裏ジャケに使われてる馬とのツーショット写真は、どうやら"All at Once"のEUシングルのPSに使われたもののようだ。>
それでも、「レコードよりもクリアな高音質が、永遠に劣化なく楽しめる」という触れ込みだったから、高くて当然・・・という感覚ではあった。
でも、ウソばっかり(笑)
CDの音は確かにクリアでノイズはない。でも、それだけである。
個々の楽器やボーカルの音色は、骨と皮ばかりの出がらしみたいな代物だし、左右に広がりはあっても前後の広がりがほとんどなくて、音場感にも乏しい。
それに比べると、何年か前にハードオフのジャンクコーナーで100円で拾ってきた米盤アナログの素晴らしさといったら!
なんと豊かな音色!
なんと豊かな音場感!
まぁ、1980年代半ば、まだまだ発展途上だったデジタル技術と、完成の域に近づいていたアナログ技術・・・考えてみたら、当然なのである。
最近のデジタル技術は進化しているので、ハイレゾ音源だとかなりアナログに肉薄するものもあるし、ものによっては超えている。
CDの最新リマスターも、アナログと比べさえしなければ、そんなに悪くはないんだけどね。
ちなみに、このホイットニーのファーストアルバム、米盤アナログのRunoutを見ると、両面にTML-Mの刻印がある。
ダグ・サックス(Doug Sax)本人の手によるものなのかどうかはクレジットがないのでわからないが、The Mastering Labによる高品位なマスタリング&カッティングであることは確かだ。
いまでも数百円で買えると思うので、どこかで見つけたら、試しに買って、聴いてみてくださいな。
特に熱心なファンというわけでもなかったので、LPを1枚、CDを2枚くらいしかもっていないが、ファーストアルバムについては、そこに収録されている曲の中に、青春時代の切ない思い出と結びつくものなんかもあったりして、そういう意味でとても思い入れがある。
ってことで、今夜は彼女のファーストアルバムを聴いていた。
そういえば、彼女の訃報に接した頃に旧ブログに書いた記事があるので、転載(少しだけ加筆修正)しておこう。
**********以下、転載**********
ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の訃報に接してから、もう10日になるんだなぁ・・・
ボクと同世代の人だってのは当然わかっていたけれど、訃報で初めて、同い年だと知った。
とても才能のある人だっただけに、若すぎる死が本当に悔やまれる。
特に熱心なファンだったわけでもないので、今頃になって、冥福を祈りつつ、彼女のレコードを聴いている。
日本盤では「そよ風の贈りもの」というタイトルがつけられたファースト・アルバムだ。
もっとも、聴いてるのは、名前のみが冠されたセルフタイトルの米盤アナログ(Arista AL 8-8212)のほうだけど(笑)
ちなみに、リリース当時に買った日本盤CDは、曲順がアナログB面のほうから始まる。つまり、CD最後の曲が、米盤アナログだとA面最後の"Nobody Loves Me Like You Do"になる。
この終わり方、なんとも日本人好みだ。
アルバム全体の印象も、この曲順一つでだいぶ変わるからおもしろい。
ホイットニーのこのデビュー・アルバム、いま聴いてもまったく色あせない。
まさしく超名盤なのである。
このアルバムがリリースされた当時、ボクは大学3年生で、まさに青春真っ只中・・・・
"All at Once""Greatest Love of All"あたりの切ないバラードや、ジャーメイン・ジャクソン(Jermaine Jackson)との珠玉のデュエット"Nobody Loves Me Like You Do"あたりを聴いていると、胸をきゅんきゅんと締め付ける思い出が鮮やかに甦る。
当時購入した日本盤CDは、米盤アナログとはジャケ違いだ(米盤アナログの裏ジャケで使われている写真が表ジャケを飾っているだけだけど)。
輸入米盤アナログが1500円くらいで売られていた時代で、倍以上の3200円もした。
<このCD裏ジャケに使われてる馬とのツーショット写真は、どうやら"All at Once"のEUシングルのPSに使われたもののようだ。>
それでも、「レコードよりもクリアな高音質が、永遠に劣化なく楽しめる」という触れ込みだったから、高くて当然・・・という感覚ではあった。
でも、ウソばっかり(笑)
CDの音は確かにクリアでノイズはない。でも、それだけである。
個々の楽器やボーカルの音色は、骨と皮ばかりの出がらしみたいな代物だし、左右に広がりはあっても前後の広がりがほとんどなくて、音場感にも乏しい。
それに比べると、何年か前にハードオフのジャンクコーナーで100円で拾ってきた米盤アナログの素晴らしさといったら!
なんと豊かな音色!
なんと豊かな音場感!
まぁ、1980年代半ば、まだまだ発展途上だったデジタル技術と、完成の域に近づいていたアナログ技術・・・考えてみたら、当然なのである。
最近のデジタル技術は進化しているので、ハイレゾ音源だとかなりアナログに肉薄するものもあるし、ものによっては超えている。
CDの最新リマスターも、アナログと比べさえしなければ、そんなに悪くはないんだけどね。
**********以上、転載終わり**********
ちなみに、このホイットニーのファーストアルバム、米盤アナログのRunoutを見ると、両面にTML-Mの刻印がある。
ダグ・サックス(Doug Sax)本人の手によるものなのかどうかはクレジットがないのでわからないが、The Mastering Labによる高品位なマスタリング&カッティングであることは確かだ。
いまでも数百円で買えると思うので、どこかで見つけたら、試しに買って、聴いてみてくださいな。
TMLのMとSとX [TMLの仕事]
そういえば、田中伊佐資著『オーディオそしてレコードずるずるベッタリ、その物欲記』で一つだけ気になったことがある。
TML(The Mastering Lab=ダグ・サックス(Doug Sax)が創設したマスタリング・スタジオ)のMとSとXの意味について、ボクが理解していたのとは違うことが、武田「アナログ音盤」編集長の言として書いてあるのだ。
ボクの知識は基本的にネット上で仕入れたものなのだが、下記Steve Hoffman Music Forumsによれば、TMLのMとSとXは、使用したカッティング・マシン(Cutting Lathe)を表すものだという(DiscogsのTMLの説明にも同じことが書いてある)。
http://forums.stevehoffman.tv/threads/tml-m-and-tml-s-in-dead-wax-whats-the-difference.211788/
TMLのスタジオには3台のカッティング・マシンがあり、M(Master)とS(Slave)はスカリー(Scully)製、X(Extra)はノイマン(Neumann)製だったらしい。
同じレコードの同じ面でTML-MとTML-Sの聴き比べ(TML-Xはあんまり見ない気がする)をしたことがないので音質的な違いがあるのかどうかは不明だが、少なくともボクは、TMLならMでもSでも(Xでも)基本的に高品位なカッティングだと思っている。
とはいえ、TMLも、エンジニアがダグ・サックスしかいなかったわけではないので、エンジニアによる違いというのも当然ある。
たとえば、このTOTOファーストのUSオリジナル(JC 35317―ちなみに手持ち盤のMatrix末尾は2B/2B)なんか、両面TML-Mの刻印はあるのだが・・・
悪くはないんだが、重心が低めで中低域に厚みのある少しUK盤のような音である。
TOTOなんだから、もう少し抜けが良くてさわやかに音が広がってもよさそうな気がする。
そう思って、インナースリーブを見たら、The Mastering Labのマスタリングではあるものの、エンジニアはMike Reese and Ron Hitchcockになっているではないか。
しかも、Runoutを見るとRhに読めるサインが・・・Ron Hitchcockがカッティングってことかなぁ?
Ron Hitchcockって誰だよ?知らないぞ~
それよりも、なんとなーく見てみたDiscogsでは、Matrixのヴァリエーションは、末尾2の系統の盤より末尾3の系統の盤のほうが多いじゃん!
コロンビアの場合、この数字は何回目のカッティングかではなく、マスターテープの番号を示すものだったよね?
しかも、WLPのMatrix末尾が3J/3Jって・・・
う~ん、これはMatrix末尾3の盤を買ってみないといけないなぁ・・・
こうしてうちには格安エサ箱盤のほうが圧倒的に増殖してゆくのでありました(笑)
増殖するのは、格安(価値に比較して値段が安いという意味)盤であって、単なる安レコじゃないよ(^_-)-☆
TML(The Mastering Lab=ダグ・サックス(Doug Sax)が創設したマスタリング・スタジオ)のMとSとXの意味について、ボクが理解していたのとは違うことが、武田「アナログ音盤」編集長の言として書いてあるのだ。
ボクの知識は基本的にネット上で仕入れたものなのだが、下記Steve Hoffman Music Forumsによれば、TMLのMとSとXは、使用したカッティング・マシン(Cutting Lathe)を表すものだという(DiscogsのTMLの説明にも同じことが書いてある)。
http://forums.stevehoffman.tv/threads/tml-m-and-tml-s-in-dead-wax-whats-the-difference.211788/
TMLのスタジオには3台のカッティング・マシンがあり、M(Master)とS(Slave)はスカリー(Scully)製、X(Extra)はノイマン(Neumann)製だったらしい。
同じレコードの同じ面でTML-MとTML-Sの聴き比べ(TML-Xはあんまり見ない気がする)をしたことがないので音質的な違いがあるのかどうかは不明だが、少なくともボクは、TMLならMでもSでも(Xでも)基本的に高品位なカッティングだと思っている。
とはいえ、TMLも、エンジニアがダグ・サックスしかいなかったわけではないので、エンジニアによる違いというのも当然ある。
たとえば、このTOTOファーストのUSオリジナル(JC 35317―ちなみに手持ち盤のMatrix末尾は2B/2B)なんか、両面TML-Mの刻印はあるのだが・・・
悪くはないんだが、重心が低めで中低域に厚みのある少しUK盤のような音である。
TOTOなんだから、もう少し抜けが良くてさわやかに音が広がってもよさそうな気がする。
そう思って、インナースリーブを見たら、The Mastering Labのマスタリングではあるものの、エンジニアはMike Reese and Ron Hitchcockになっているではないか。
しかも、Runoutを見るとRhに読めるサインが・・・Ron Hitchcockがカッティングってことかなぁ?
Ron Hitchcockって誰だよ?知らないぞ~
それよりも、なんとなーく見てみたDiscogsでは、Matrixのヴァリエーションは、末尾2の系統の盤より末尾3の系統の盤のほうが多いじゃん!
コロンビアの場合、この数字は何回目のカッティングかではなく、マスターテープの番号を示すものだったよね?
しかも、WLPのMatrix末尾が3J/3Jって・・・
う~ん、これはMatrix末尾3の盤を買ってみないといけないなぁ・・・
こうしてうちには格安エサ箱盤のほうが圧倒的に増殖してゆくのでありました(笑)
増殖するのは、格安(価値に比較して値段が安いという意味)盤であって、単なる安レコじゃないよ(^_-)-☆