REO Speedwagon, Hi InfidelityのUSオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]
久しぶりに(4カ月ぶり?)Cal De Rさんがブログを更新して、REOスピードワゴン(REO Speedwagon)"Hi Infidelity"(日本盤タイトルは『禁じられた夜』だった。)のUSオリジナル(Epic FE 36844)を取り上げていた(https://ameblo.jp/caldermusic/entry-12819308279.html)ので、ボクもレコード棚から引っ張り出してきて聴いている。
"Hi Infidelity"は、彼らの初めての全米ナンバーワン・ヒットとなったシングル"Keep on Loving You"を収録した1980年11月21日リリースの9作目のスタジオ・アルバムである。
アメリカ・レコード協会(RIAA)のWEBサイトによると、1986年11月には700万枚まで売り上げを伸ばし、2017年8月には1000万枚に達したという、まさにバカ売れしたアルバムだ。
バカ売れしただけに、ちょっと興味深いネタを提供してくれるレコードなので、Cal De Rさんの記事に触発されて、ボクも記事を書いてみることにしたのである。
マト1D/1Aで初期プレスかと思いきや、サンタマリア工場(1981年12月4日に閉鎖)で使用されていたスタンパーを引き取ったキャロルトン工場(1981年9月28日から稼働)でプレスされたレイト盤だったというCal De Rさんの盤もおもしろいが、うちの盤は更に興味深い。
うちの盤は、マト1D/1Dのサンタマリア工場プレスで、マトだけを見るとCal De Rさんの盤より(A面は同じだがB面は)進んでいるのだが、比較的初期のプレスだと思う。
比較的初期のプレスであることは、このステッカーが貼ってあることからわかる。
"Hi Infidelity"からは、先行シングルとして1981年11月4日に"Keep On Loving You"がリリースされた後、3月に"Take It on the Run"、5月に"Don't Let Him Go"、7月に"In Your Letter"と相次いでシングルカットされている。
ステッカー上にこれらの曲名は全て載ってはいるが、The Hit Singleとして取り上げられているのは"Keep On Loving You"のみで、他の曲はAlso Includesとしてにすぎない。
つまり、このステッカーは、まだ"Keep On Loving You"しかシングルカットされていなかった頃のものということだろう。
もっとも、"Keep On Loving You"は先行シングルといっても、2週間ぐらいしか先行していないから、初回プレスには、このステッカーは貼ってなかったかもしれない。
それより、興味深いのは、このレコードのマスタリングとカッティングである。
インナースリーブに明記されている通り、このレコードのマスタリングは、ケント・ダンカン(Kent Duncan)によって行われている。
もっとも、カッティングもケント・ダンカンによって行われたのはわからない。
KENDUNでのカッティングであることは、KENDUN刻印でわかる(使用スタジオによって、KENDUN-A、KENDUN-B、KENDUN-C、KENDAN-Dの四種類がある。)が、誰のカッティングであるかは、サインがないとわからない。
うちの盤は、A面については、KENDUN-C刻印なので、KENDUNでのカッティングであることはわかるが、誰のカッティングかは不明である。
B面については、末尾にABCDがないKENDUNのみの刻印だ。
この頃のKENDUNカッティングなら、使用スタジオによって、末尾にABCDがつくはずなのに不可解である。
その謎は、隣の刻印を見ると解ける。
何かが搔き消された隣にGFというサインがある。
このGFというサインは、当時ARTISANにいたグレッグ・フルギニティ(Greg Fulginiti)のものだ。
ってことは、掻き消されているのは、ARTISANマークか?
この拡大写真で、掻き消されたのがARTISANマークであることが、何となくわかるだろうか?
ARTISANマークというのはこのマークで、これは、やはりグレッグ・フルギニティがカッティングした1985年5月21日リリースのジョー・ウォルシュ(Joe Walsh)"The Confessor"のものだ。
つまり、B面のカッティングは、KENDUNからARTISANに外注されて、グレッグ・フルギニティが行ったのである。
KENDUNからARTISANへの委託なんて、初めて見たよ(笑)
こんなこともあったんだねぇ。
実に興味深いのである。
ところで、グレッグ・フルギニティといえば、つい先日、エイジア(Aisia)の"Astra"を取り上げた記事でも名前を出したエンジニアである。
"Astra"がリリースされた1985年11月には、彼はすでにMASTERDISKに移っていた。
彼がいつARTISANからMASTERDISKに移ったのかは、Discogsにも書かれていないのだが、1985年5月リリースの"The Confessor"がARTISANでカッティングされていることからすると、1985年5月から11月の間に移ったということになる。
Discogsにも書かれていない情報なので、メモしておくのである(笑)
"Hi Infidelity"は、彼らの初めての全米ナンバーワン・ヒットとなったシングル"Keep on Loving You"を収録した1980年11月21日リリースの9作目のスタジオ・アルバムである。
アメリカ・レコード協会(RIAA)のWEBサイトによると、1986年11月には700万枚まで売り上げを伸ばし、2017年8月には1000万枚に達したという、まさにバカ売れしたアルバムだ。
バカ売れしただけに、ちょっと興味深いネタを提供してくれるレコードなので、Cal De Rさんの記事に触発されて、ボクも記事を書いてみることにしたのである。
マト1D/1Aで初期プレスかと思いきや、サンタマリア工場(1981年12月4日に閉鎖)で使用されていたスタンパーを引き取ったキャロルトン工場(1981年9月28日から稼働)でプレスされたレイト盤だったというCal De Rさんの盤もおもしろいが、うちの盤は更に興味深い。
うちの盤は、マト1D/1Dのサンタマリア工場プレスで、マトだけを見るとCal De Rさんの盤より(A面は同じだがB面は)進んでいるのだが、比較的初期のプレスだと思う。
比較的初期のプレスであることは、このステッカーが貼ってあることからわかる。
"Hi Infidelity"からは、先行シングルとして1981年11月4日に"Keep On Loving You"がリリースされた後、3月に"Take It on the Run"、5月に"Don't Let Him Go"、7月に"In Your Letter"と相次いでシングルカットされている。
ステッカー上にこれらの曲名は全て載ってはいるが、The Hit Singleとして取り上げられているのは"Keep On Loving You"のみで、他の曲はAlso Includesとしてにすぎない。
つまり、このステッカーは、まだ"Keep On Loving You"しかシングルカットされていなかった頃のものということだろう。
もっとも、"Keep On Loving You"は先行シングルといっても、2週間ぐらいしか先行していないから、初回プレスには、このステッカーは貼ってなかったかもしれない。
それより、興味深いのは、このレコードのマスタリングとカッティングである。
インナースリーブに明記されている通り、このレコードのマスタリングは、ケント・ダンカン(Kent Duncan)によって行われている。
もっとも、カッティングもケント・ダンカンによって行われたのはわからない。
KENDUNでのカッティングであることは、KENDUN刻印でわかる(使用スタジオによって、KENDUN-A、KENDUN-B、KENDUN-C、KENDAN-Dの四種類がある。)が、誰のカッティングであるかは、サインがないとわからない。
うちの盤は、A面については、KENDUN-C刻印なので、KENDUNでのカッティングであることはわかるが、誰のカッティングかは不明である。
B面については、末尾にABCDがないKENDUNのみの刻印だ。
この頃のKENDUNカッティングなら、使用スタジオによって、末尾にABCDがつくはずなのに不可解である。
その謎は、隣の刻印を見ると解ける。
何かが搔き消された隣にGFというサインがある。
このGFというサインは、当時ARTISANにいたグレッグ・フルギニティ(Greg Fulginiti)のものだ。
ってことは、掻き消されているのは、ARTISANマークか?
この拡大写真で、掻き消されたのがARTISANマークであることが、何となくわかるだろうか?
ARTISANマークというのはこのマークで、これは、やはりグレッグ・フルギニティがカッティングした1985年5月21日リリースのジョー・ウォルシュ(Joe Walsh)"The Confessor"のものだ。
つまり、B面のカッティングは、KENDUNからARTISANに外注されて、グレッグ・フルギニティが行ったのである。
KENDUNからARTISANへの委託なんて、初めて見たよ(笑)
こんなこともあったんだねぇ。
実に興味深いのである。
ところで、グレッグ・フルギニティといえば、つい先日、エイジア(Aisia)の"Astra"を取り上げた記事でも名前を出したエンジニアである。
"Astra"がリリースされた1985年11月には、彼はすでにMASTERDISKに移っていた。
彼がいつARTISANからMASTERDISKに移ったのかは、Discogsにも書かれていないのだが、1985年5月リリースの"The Confessor"がARTISANでカッティングされていることからすると、1985年5月から11月の間に移ったということになる。
Discogsにも書かれていない情報なので、メモしておくのである(笑)
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