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Folk & Rackare, Rackbag [TRAD]

よく晴れた秋の日の午後には、北欧トラッド系の音楽がよく似合うと思う。

ってことで、このレコードを聴いている。


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スウェーデンのフォーク・ロック・バンドFolk & Rackareが1985年にリリースしたラスト・アルバム"Rackbag"(AMALTHEA AM 53)である。
Discogsを見ると、各国盤もなければCD化もされていない。
つまり、オリジナルしか存在しない。
まぁ、初盤かレイトかという違いは存在するんだろうが、そもそもそれほどプレスされていたわけではないだろうから、気にしなくてもいいんじゃないかと思う。

このレコード、先日、レコードの日に、町田のデア・レコーズに出かけたとき、帰りに立ち寄ったディスク・ユニオンで拾ってきた。
これで、Folk & Rackareのレコードは、全5枚中4枚が揃ったことになる。

4枚目を持っていないのだが、3枚目までと比べると、この5枚目、かなりバラエティに富んでいる。
メンバーが二人増えて、シンセサイザーとドラムが加わったのが大きいんだと思う。
フィドルやマンドリンはもちろん、古楽器なども使われていて、トラッド色は十分にあるのだが、New Waveなどの影響も受けて3枚目までよりポップになった印象だ。

そうそう、一曲だけだが、リチャード・トンプソン(Richard Thompson)が客演している。
一曲しか参加していないのに、この扱いである。


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彼らにとって、リチャード・トンプソンというのは、とても大きな存在なのだろう。

内容的にもとても気に入ったのだが、ついターンテーブルに載せたくなるのは、音がとても良いことも大きい。

"Special thanks to Richard Thompson"の下にクレジットされているが、カッティングはポーラー・スタジオのBjorn Engelmannで、プレスはLjudpressというところで行われている。
送り溝には、マトのほかに、手書きでBEとLPと刻まれているが、前者はBjorn Engelmannを、後者はLjudpressを表すものと思われる。
スウェーデンのエンジニアやプレス工場のことはまったくわからないが、音の良いレコードなので、とりあえずメモしておくことにしよう。

タグ:Folk & Rackare
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R.I.P. Margo Guryan [ROCK & POP]

11月8日に、マーゴ・ガーヤン(Margo Guryan)ーずっとガーリアンて読むんだと思ってた―が亡くなった。

彼女が1968年にリリースしたアルバム"Take a Picture"は、ジャケットも内容もとても好きなレコードなのだが、ボクがその存在を知ったときには、USオリジナル(Bell Records BELL 6022)はすでにかなりの高額廃盤になっていて、根性無しのボクは結局入手できなかった。
1万円くらいなら買ったんだけどなー

そんなわけで、うちには再発盤しかないので、追悼記事は書かないでおこうと思ったのだが、マーゴにしてみたら、大枚はたいて高額廃盤を買ってくれるより、再発盤を買ってくれたほうがありがたかったに違いない。

だから、胸を張って、再発盤を聴きながら、彼女の冥福を祈ろう。


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うちにあるのは、2006年にSandazed Musicからリリースされたオレンジ・クリア・ビニールの再発盤(LP 5195)である。
これが最初のアナログ再発かと思っていたら、Discogsを見ると、2000年にスペインでアナログ再発されてるのね。
まぁ、でも、ジャケットが違うから、知ってたとしても買わなかっただろうな。
やっぱり、このジャケットじゃないとねぇ。

オリジナル・ジャケットを使用した2006年のSundazed再発盤、音も悪くない。
カッティングは、 Nashville Record Productions=NRPのWes Garlandによって行われていて、送り溝にはWG/NRPと刻まれている。
Discogsによると、彼がNRPで働くようになったのが2006年で、そこでGeorge Ingramからカッティングを学んだということなので、"Take a Picture"のカッティングは、駆け出しのときの仕事ということになる。
それにしちゃ、良い仕事じゃないか。

このアルバム全部良いのだが、ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の『神のみぞ知る(God Only Knows)』にインスパイアされて書いたというB2”Think of Rain"から、切ないメロディに思わずキュンとするB3"Can You Tell”、バッハの『主よ、人の望みの喜びよ』を引用しつつ見事なポップスに仕上げた"Someone I Know"を経て、最後に、萩原健太さんの言葉を借りれば「アヴァンギャルドかつサイケデリックなジャズ・アプローチ」を見せるB5"Love"に圧倒されるSide 2が圧巻だ。

USオリジナルで聴いてみたいなー

R.I.P.

タグ:Margo Guryan
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