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ベイシー [オーディオ]

<『アイム・オールド・ファッション』の発売日が判明したので追記しました。>(2022年5月19日21:00)

2週間ほど前の記事の中で、オーディオ的な「とある理由」で、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)『ウィズ・ストリングス』の日本盤を聴いている、ということを書いた。

そのオーディオ的な「とある理由」とは、これである。


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JICOが発売したShure V15 TypeⅢ対応交換針のひとつで、ジャズ喫茶『ベイシー』のオーナー菅原正二さんが監修したVN35MRBⅡだ。
2020年2月に500本限定で発売されてすぐに完売した第一弾VN35MRBの後継機で、今回は1000本限定で発売されたものである。

MR針ではなく、無垢ダエン針を使用したVN35EBも同時発売されたが(現在はスペック変更でVN35EBNになっている)、こちらは数量限定ではなかったし、とりあえず、第一弾の後継機であるVN35MRBⅡのほうを手に入れたのであった。

第一弾のときにもかなり食指が動かされたのだが、結局購入しなかったのは、Shure V15については、VxMRしか持っていなかったからだ。
TypeⅢユーザーだったら、購入していただろうと思う。

あのときは、食指が動かされたといってもその程度だったのだが、この春になって、なんだか急に、ベイシーモデルの交換針の音が聴きたくで我慢できなくなってしまった。
理由はわからない。
ただの衝動である(笑)

とはいえ、そもそもShure V15 TypeⅢを持っていない。
ベイシーモデルを聴くためには、まずTypeⅢを手に入れるところから始めなければならない。
第一弾のときはここで思いとどまったのだが、今回の衝動は激しかった。

ヤフオクを見れば山ほど出品があるので、手に入れようと思えば簡単に手に入る。
ボクの目的はTypeⅢユーザーになることではなく、ベイシーモデルを聴くことだから、初期型の白文字鏡面モデルである必要もない。
後期型の黄文字モデルで十分だから(映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩』の予告編に登場するのだって黄文字モデルだよね?)、美品を探すのも苦労はないし、オリジナル針でなくてもよいとなれば、落札価格もあんまりあがらない(針なしなら、さらに安く落札できたかもしれないが、針なしだと黄文字モデルでも美品はなかなか見つからない)。

ってことで、衝動の赴くままに、黄文字モデルを手に入れ(シェルは、KENWOOD KP-800なんかに付属していたものがついていて、わりとしっかりした作りのようだったので、そのまま使うことにした)、ほぼ同時に、VN35MRBⅡも手に入れたのであった。

1000本限定なのでホルダー部分にはシリアル・ナンバーが刻まれている。


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516ってことはまだ半分くらい残ってるんだろうか?
それとも番号順に出荷されているとは限らないのか?


Shure V15 TypeⅢ+VN35MRBⅡを手に入れたのは、4月末のこと。
最初は少々硬い音だったのが、少しづつほぐれてきて、本来の音に近づいてきている気がする。

システムが違うので、ベイシーの音に近づいているわけではないんだろうが、ある種の猥雑さと独特の色気が、そこはかとなく漂ってくる音である。
この雰囲気は、うちにあるどのカートリッジにもない。
ただの日本盤が、独特の雰囲気を纏って鳴る。
これはこれで良いと思う。

あぁ、そうだ、渡辺貞夫さんを聴いてみよう。
ってことで、最初の写真の『アイム・オールド・ファッション』の登場となったわけだ。
背景でジャケットの一部がボケて映ってるだけだけど、わかったよね?

そんな紹介の仕方しかしないのには訳がある。
うちの盤は、フルコーティングの分厚いジャケットに帯付き美品のオリジナル(日本フォノグラム EAST WIND EW-8037)なのだが、ビクター・プレスのマトは両面とも111ではあるものの、スタンパーはA面16(※3つに点無しの+)/B面22(※4つに点1つの+)で、PMにいたってはC STVである。

『アイム・オールド・ファッション』は、発売日はよくわからない(1976年8月25日だと判明しました。)のだが、録音は1976年5月なので、PMのC STVというのは、おそらく、1976年7月に最初に使用され(Sは偶数年の7月)、8月・10月と使いまわされたスタンパーで、77年3月に(Cは奇数年の3月)プレスされたものと思われる。

まぁ、これだけ聴いていれば悪くないのだが、やっぱり、使いまわされたものではなく、かつ、若いスタンパーの盤で聴きたい。
そういう盤を手に入れたときに、ちゃんと紹介しようと思っているので、今回は、背景でジャケットの一部がボケて映ってるだけ、という紹介なのである(笑)


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ゼンハイザーのヘッドホン [オーディオ]

基本的にヘッドホンはあまり使わないので、そんなに高級なものは持っていない。
15年くらい前に買ったゼンハイザー(SENNHEISER)HD595を、ずっと使っていた。

たまに深夜に大音量で聴きたくなったときぐらいにしか使わないので、使用頻度はきわめて低いのだが、それでも15年も使っていると不具合が生じてくる。

まず、プラグとケーブルの接続部分に断線が起きた。
プラグの根元のところをクネクネさせると繋がったり繋がらなかったりする、よくある現象である。

HD595は抜き差しでケーブルが交換できるようになってないので、思い切って自分でノイトリック(NEUTRIK)のプラグに交換してみた。
これは1年くらい前のことである。


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何を思ったかミニプラグを選んでしまったのだが、これはすぐに後悔した。
だから、そのうち標準プラグに交換しようと思っていた。
でも、そんなに使わないので放置していた(笑)

そしたら先日、イヤーパッドが壊れてしまった。
接合部分が剥がれて、中のスポンジが丸見えの状態である。


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経年劣化のせいなのだろう。
接合部分の剥がれの大きさに多少の差はあるものの、左右両方のイヤーパッドが同時に壊れた。

もう15年使ったしなー
買い替えるかーと思って物色していたら、みょーに可愛いやつを見つけてしまった。
プリンカラーのゼンハイザーHD599だ。



(画像をクリックするとAmazonにとびます。)


プリン、好きなんである(笑)

で、衝動買いしてしまった。


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これが4日ほど前のことである。

これでHD595のほうは廃棄だなと思ったのだが、あんまり使っていないので、ユニットのほうはまったく問題なさそうである。
イヤーパッドの交換ができるなら、まだ十分使えるんじゃ?と思い直した。

調べてみると、どうやらイヤーパッド交換ができるようで、純正品の半額以下で互換品がいろいろ売られている。
レビューを見て、品質の良さそうなこれを使ってみることにした。



(画像をクリックするとAmazonにとびます。)


これが今朝届いたので、早速交換した。
交換は非常に簡単である。
クイッと外して、パチパチパチとはめるだけだ。
(実際やってみると、このオノマトペの適切さが実感できるかと 笑)


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こうして、HD595を蘇らせてみると、HD599はいらなかったかなーと思ったが、聴いてみると音の感じがかなり違う。
そりゃそうである。
当然のことながら、モデルチェンジごとに音だって進化しているのだ。
最終的な評価はエージングが済んでからじゃないとできないが、現時点でも、ボクはこの音、かなーり気に入ったのである。

さて、せっかく復活させたHD595のほうは、どう使おうかな~?

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バッハと聖歌とコルトレーン [オーディオ]

12月25日(土)放送のJAZZ TONIGHT@NHK FMで紹介された新譜の中に、とても興味を惹くものがあった。
岩崎良子さんと竹内直さんによる『メディテーション・フォー・オルガン&テナー・サックス(Meditation for Organ & Tenor Saxophone)』という作品である(この作品から"Naima"と"Crescent"がオンエアされた)。

岩崎良子さんが弾くのは、オルガンといってもハモンド・オルガンではない。
パイプ・オルガンである。
聖路加国際病院の礼拝堂で、そこにあるパイプ・オルガン(パイプ総数2077、ストップ数30、M.ガルニエ製)を使って録音されたという。

パイプ・オルガンとテナーのデュオで演奏されたコルトレーンが、礼拝堂の中で荘厳に響く。
これはもう、Radikoの貧相な音質ではなく、ちゃんとした音で聴きたい。

こんなとき便利なのがサブスクである。
Apple Musicで探してみると、なんとハイレゾロスレスで配信されているじゃないか。

ってことで、今宵は、この作品を堪能していた。


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"My Favorite Things"再生中に楽曲再生画面にしてみた。
中央下部にある”ハイレゾロスレス”にタッチすると解像度が表示される。


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24bit/96kHzだ。

ボリュームをあげて目を閉じれば、リビングが礼拝堂に。
パイプ・オルガンが荘厳に響くのは当然だが、同じくらいテナーも荘厳に響いている。
バッハや聖歌とコルトレーンが交互に登場する1時間。
まさに至福の1時間である。
音楽を楽しんだ1時間なのだが、同時に音を、響きを楽しんだ1時間でもあった。
オーディオが好きな方は、ぜひお試しあれ。

YouTubeに演奏の様子がわかる動画があったので、貼り付けておこう。





配信を聴かないという方は、CDで聴くしかないのだが、オーディオ・マニアの追い込んだCD再生システムなら、凄い音で鳴るのかな?



(画像をクリックするとAmazonにとびます。)

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Apple Musicを楽しむ [オーディオ]

Apple Musicの無料トライアルを始めたのが9月なので、12月から有料に切り替わったのだが、そのまま継続して利用している。
というのも、以前無料トライアルで使ってみたAmazon Music HDに比べると、ずいぶん使いやすいからである。

最近では、CDを購入した場合でも(ボクの場合、CDは、もはや若いミュージシャンを応援する意味で買うことがほとんどなので)、聴くのはApple Musicで聴く。
ハイレゾロスレスで聴ける場合はもちろん、通常のロスレスの場合でも、そうしている。
ミュージシャン側から見ると、買ったCDを聴いてもらうよりサブスクで聴いてもらった方がありがたいだろうと思うからだ。

ボクの場合、音楽はアナログで聴くことが多いのだが、それでも、最近では、サブスクで聴く割合がかなり高くなっている。
日によっては、サブスクしか聴いてないという日もあるくらいだ。

ただ、Apple Musicのハイレゾロスレスの再生(やロスレスの完全な再生)は、正直なところ、公式サポートのページを見てもわかりにくい。
恥ずかしながら、ボクも、無料トライアルを始めてしばらくの間は、ハイレゾロスレスは再生できていなかったし、ロスレス再生も不完全にしかできていなかった。
もちろん、ちゃんと再生できていなくても、音は出る。
ダウンコンバートされて出てくるからだ。

ボクのように、iPadやiPhoneからDACに繋ぐ形で利用する場合、あんがい思い込みでちゃんと再生できていない人って多いんじゃないだろうか?
公式サポートのページには、ハイレゾロスレスを聴くならDACに繋げとしか書いてないので、Lightning-USBケーブルでDACの正面についているiPod/iPhone用のUSB-A端子に繋げばいいと思っちゃう人って多いんじゃないかなぁ?(ボクだけ?)

もしかしたら、最近のDACだと、この繋ぎ方でもハイレゾロスレス再生(サンプリング・レートが48kHzを超える曲の再生)ができるのかもしれないが、うちのDACではできない。

うちのDACは、これである。


(画像をクリックするとAmazonにとびます。)

MaranzのHD-DAC1である。
このDACのフロントUSB-A端子は、48kHz/16bitまでしか対応していない。
つまり、それ以上の場合は、48kHz/16bitにダウンコンバートされて出てくるわけだ。

Apple Musicのロスレス再生は、ハイレゾロスレスなら最大192kHz/24bit、ロスレスなら最大48kHz
/24bitである。
ハイレゾロスレスなら必然的にダウンコンバートされるし、ロスレスでも24bitは16bitにダウンコンバートされるということになる。

たとえば、Kitriの最新シングル『ヒカレイノチ』はハイレゾロスレスで配信されている。


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フロントのUSB-A端子に接続した場合、ディスプレイにはこう表示される。


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この表示は、どんな音源を再生しても変わらない。
フロントUSB-A端子は48kHz/16bitまでしか対応していないから、ハイレゾロスレス音源も48kHz/16bitにダウンコンバートされて再生されているということになる。

じゃあ、ちゃんと再生するにはどうすればいいか?
これを使う。


(画像をクリックするとAmazonにとびます。)

Lightning-USBカメラアダプタである。
これでLightning端子がUSB-A端子(メス)になるので、DAC背面のUSB-B端子に繋いでいるケーブルを、PCやNASからこのアダプタのほうに差し替えてやればよい。

この接続で再生すると、『ヒカレイノチ』は96kHzで再生される。


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ビットレートの方は表示されないのだが、24bitである。
iPadを楽曲再生画面にして(上記のiPadの画面)ハイレゾロスレスとかロスレスとかをタッチすると、解像度が表示される(この曲の場合「24ビット/96kHz ALAC」と表示される)ので確認できる。
94kHz/24bitのハイレゾ音源としてしっかり再生されているわけだ。

では、通常のロスレスはどうか。

Kitriの最新アルバム『Kitrist II』収録の『パルテノン銀座通り』を再生してみよう。


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サンプリングレートは、こう表示される。


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44.1kHzである。
ビットレートの方は16bitだ。
つまり、CDとまったく同じということだ。

ただ、Apple Musicの場合、48kHz/24bitまでロスレスと呼ばれる。
ロスレスと表示されていても、CD以上の解像度で配信されている場合があるのだ。

たとえば、キンクス(The Kinks)の"The Kinks Are The Village Green Preservation Society"を再生してみよう。
この音源には、ロスレスの隣に、Apple Digital Masterの表示がある。


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サンプリングレートは、こう表示される。


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48kHzだ。
ビットレートは、楽曲再生画面で確認すると24bitなんである。

ロスレスと表示されていてもいろいろあるのだ。
『Kitrist II』のほうはCDと同等音源だから、フロントUSB-A端子に繋いでもダウンコンバートされずに再生されるが、"The Kinks Are The Village Green Preservation Society"のほうは、フロントUSB-A端子のほうでは、16bitにダウンコンバートされて再生されることになる。

サンプリングレートの違いという点では、ハイレゾロスレスもいろいろある。

レコード・コレクターズ2021年12月号(要するに前月号)の初盤道で取り上げられていたキンクスの"Muswell Hillbillies"を再生してみよう。
これはハイレゾロスレスで配信されている。


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この音源のサンプリング・レートは、こう表示される。


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88.2kHzである。
ビットレートは24bitだ。

最近聴いたものでは、ゴダイゴの『西遊記〜シン・ミックス〜』も88.2kHzだった。

まぁ、でも、こういった解像度の違いについては、DACの方で自動判別してくれるので、気にする必要はない。
以前、Amazon Music HDを無料トライアルしたときには、この自動判別ができなかったのだが、その後改善されたのだろうか?
もはや、身の回りにAmazon Music HDを使ってる人が誰もいないので、知らない(笑)

とにかく、ロスレス配信のApple Music、一度ちゃんと繋いでしまえば、ひじょーに便利である。

そうそう、Apple Musicといえば、Dolby Atmosの配信もある。
しかし、あれはApple TV 4Kを導入しないと聴けないので、まだ未体験だ。
Apple TV 4Kは、現時点ではハイレゾロスレスに対応してないんで、まだ導入してないのよね。

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何故J44A 7なのか? [オーディオ]

今日は夕方18:30から東京JAZZのライブ配信がある。
東京JAZZもちょうど20回目になるのだが、20回公演を記念して、「音楽で旅をしよう」をテーマに、名曲『処女航海』のスペシャル・パフォーマンスがあるのだという。

だったら、予習しとかないとね(笑)


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まぁ、うちのはオリジナル・モノ盤じゃなくて、リバティ再発のステレオ盤だけどさ。
しかも、前所有者の聴き方に問題があったのか、なんだか歪みっぽいので、あんまり聴く気の起きないレコードだったのだが、最近はもうほとんどメインというぐらいに活躍しているSHUREのM44-7は、ほとんど歪みを拾わない。
DJ用の針にして針圧4.5gくらいにしてやるとさらに拾わなくなるが、音的には通常針のほうが優位なので、そっちを選択する(針圧は2.8g)。


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もちろん、MCカートリッジの繊細な表現力には及ぶべくもないが、ロックやジャズを大音量でかけるときには、繊細な表現力よりも、いまのボクには、MMカートリッジの、とりわけM44-7のエネルギッシュな力強さのほうが魅力的に聴こえる。

溝に刻まれた情報を余すところなく拾い出そうとすれば、当然のことながら、歪みの原因となる溝の荒れも拾うことになる。
高性能のMCカートリッジを使えば、それは不可避な気がする。

M44-7は、確かに溝に刻まれた微細な情報を取り出すことはできないかもしれないが、同時に歪みの原因となる荒れも拾わない一方で、ロックやジャズのおいしいところは十分に拾い出してくれる。
そんなわけで、M44-7は、いま、とても気に入っているカードリッジなのである。

オリジナルの針が手に入らなかったので、挿している針はJICO社の交換針だ。
そのJICO社が、SHUREの音に挑戦して製品化したのが、M44Gに対抗するJ44Dと、M44-7に対抗するJ44A 7である。
そりゃ、聴いてみたいと思うでしょう。

JICO社のクリスマスプレゼント・キャンペーン、スペシャルカラーのJ44A 7、当たるといいなー

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