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The Rolling Stones, Love You Liveの謎 [STERLINGの仕事]

しばらくは毎日ストーンズ(The Rolling Stones)を聴くと決めたので、今日は、TLに誘われて、1977年にリリースされたライブ・アルバム"Love You Live"を聴いていた。


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ボクが持っているのはモナーク・プレスのUSオリジナル(Rolling Stones Records COC 2-9001)である。

このアルバムは、日本初回盤(P-6333-4S)も輸入メタル・マザーを使用しているので、日本盤でもよかったのだが(日本のプレス技術の高さやビニールの良質さを考えると、むしろ日本盤のほうがよいのかもしれないが)、たまたま最初に買ったのがUS盤で、その音にすっかり満足してしまったので、もう一枚何か買ってみるということもなく、今日まで来てしまった。
ということで、これしか持っていない。

とはいえ、このUSオリジナルには(輸入メタル・マザーを使用している日本初回盤も同じく)、一つ謎がある。

裏ジャケに記載されているように、このアルバムのマスタリングは、STERLINGのリー・ハルコ(Lee Hulko)によって行われていて、LHのサインはないものの送り溝にはSTERLINGの刻印があるのだが、Side 2だけSTERLING刻印がないのである。

うちの盤のマトはBB/AA/AA/AAなので、「Side 2のマトAにはSTERLING刻印がない」ということになる。
日本初回盤のSide 2もマトAなので、やはりSTERLING刻印はないはずだ。

もちろん「単に刻印を押し忘れただけ」の可能性もあるし、あるいは、「刻印はされているものの刻印された場所が内側すぎてレーベルの下に隠れてしまっている」という可能性もあるかもしれない。
しかし、そうではない可能性も捨てきれない。

というのも、この盤つまりモナーク・プレスのUSオリジナルには、もう一つとても不思議な点があるからである。
周知のように、モナーク工場では、スタンパー製造などのメッキ処理が行われた場合に独自の処理番号がふられ、△数字という形で送り溝に刻まれる。
通常はSide 1とSide 2は同時にメッキ処理がされるようで、Side 2はSide 1の番号の後ろに-Xを追加したものになる。

実際、この"Love You Live"も、二枚目はこの法則に合致していて、次のようになっている。

Side 3 : ST-RS-773939-AA △22628(4) STERLING
Side 4 : ST-RS-773940-AA △22628-X(1) STERLING

ところが一枚目はこの法則に合致していないのである。
送り溝には次のように刻まれているのだ。

Side 1 : ST-RS-773937-BB △22678(7) STERLING
Side 2 : ST-RS-773938-AA △22627(7)

Side 2のメッキ処理番号の後に-Xがついていないだけでなく、Side 1とは番号が違っている。
しかも、50以上離れている。
で、Side 3&4のメッキ処理番号と連続しているのは、Side 2のほうである。

この50以上メッキ処理番号が離れているのがSTERLING刻印のないSide 2だったら、「STERLING刻印がないのはSTERLINGでマスタリングされたのではないからだ」という仮説の有力な根拠になるかもしれないが、そうでないのが悩ましい。

とはいえ、一枚目のSide 1とSide 2のメッキ処理番号が違っていて、Side 2の方のメッキ処理番号の末尾に-Xがついていないということは、何か特別な事情があったことを推測させる。

では、それはどんな事情だったのか?
皆目見当がつかない(笑)

特別な事情の見当はつかないが、しかし、Side 2にSTERLING刻印がないことは、単に刻印の押し忘れとかで済まされるものではないんじゃないかと思うのである。

それにしても、このレコード、音量あげると、ものすごい音で鳴るよねぇ。

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