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The Rolling Stones, Love You Liveの謎 [STERLINGの仕事]

しばらくは毎日ストーンズ(The Rolling Stones)を聴くと決めたので、今日は、TLに誘われて、1977年にリリースされたライブ・アルバム"Love You Live"を聴いていた。


20210905.jpg


ボクが持っているのはモナーク・プレスのUSオリジナル(Rolling Stones Records COC 2-9001)である。

このアルバムは、日本初回盤(P-6333-4S)も輸入メタル・マザーを使用しているので、日本盤でもよかったのだが(日本のプレス技術の高さやビニールの良質さを考えると、むしろ日本盤のほうがよいのかもしれないが)、たまたま最初に買ったのがUS盤で、その音にすっかり満足してしまったので、もう一枚何か買ってみるということもなく、今日まで来てしまった。
ということで、これしか持っていない。

とはいえ、このUSオリジナルには(輸入メタル・マザーを使用している日本初回盤も同じく)、一つ謎がある。

裏ジャケに記載されているように、このアルバムのマスタリングは、STERLINGのリー・ハルコ(Lee Hulko)によって行われていて、LHのサインはないものの送り溝にはSTERLINGの刻印があるのだが、Side 2だけSTERLING刻印がないのである。

うちの盤のマトはBB/AA/AA/AAなので、「Side 2のマトAにはSTERLING刻印がない」ということになる。
日本初回盤のSide 2もマトAなので、やはりSTERLING刻印はないはずだ。

もちろん「単に刻印を押し忘れただけ」の可能性もあるし、あるいは、「刻印はされているものの刻印された場所が内側すぎてレーベルの下に隠れてしまっている」という可能性もあるかもしれない。
しかし、そうではない可能性も捨てきれない。

というのも、この盤つまりモナーク・プレスのUSオリジナルには、もう一つとても不思議な点があるからである。
周知のように、モナーク工場では、スタンパー製造などのメッキ処理が行われた場合に独自の処理番号がふられ、△数字という形で送り溝に刻まれる。
通常はSide 1とSide 2は同時にメッキ処理がされるようで、Side 2はSide 1の番号の後ろに-Xを追加したものになる。

実際、この"Love You Live"も、二枚目はこの法則に合致していて、次のようになっている。

Side 3 : ST-RS-773939-AA △22628(4) STERLING
Side 4 : ST-RS-773940-AA △22628-X(1) STERLING

ところが一枚目はこの法則に合致していないのである。
送り溝には次のように刻まれているのだ。

Side 1 : ST-RS-773937-BB △22678(7) STERLING
Side 2 : ST-RS-773938-AA △22627(7)

Side 2のメッキ処理番号の後に-Xがついていないだけでなく、Side 1とは番号が違っている。
しかも、50以上離れている。
で、Side 3&4のメッキ処理番号と連続しているのは、Side 2のほうである。

この50以上メッキ処理番号が離れているのがSTERLING刻印のないSide 2だったら、「STERLING刻印がないのはSTERLINGでマスタリングされたのではないからだ」という仮説の有力な根拠になるかもしれないが、そうでないのが悩ましい。

とはいえ、一枚目のSide 1とSide 2のメッキ処理番号が違っていて、Side 2の方のメッキ処理番号の末尾に-Xがついていないということは、何か特別な事情があったことを推測させる。

では、それはどんな事情だったのか?
皆目見当がつかない(笑)

特別な事情の見当はつかないが、しかし、Side 2にSTERLING刻印がないことは、単に刻印の押し忘れとかで済まされるものではないんじゃないかと思うのである。

それにしても、このレコード、音量あげると、ものすごい音で鳴るよねぇ。

コメント(6) 

コメント 6

koss

このレコード最高ですね。
私は、リアルタイムで日本盤を購入しました。
その時の帯が中学生の私には衝撃でした。「感激!偉大なるライブ」
今ではUK盤しか持っていませんが、あの帯だけでも欲しいと思います。色・字体が絶妙にマッチしていて。
で、ついこの前、Sticky FingersのUS盤を手に入れたのですが、US盤の音の良さにビックリしました。US盤もいいもんですね。

STERLINGの仕事で、
Cyndi Lauper "She's So Unusual"を最近購入したのですが、
P AL 38930 G1H aura
P BL 38930-IE STERLING で、B面のみ STERLINGでチョット残念でした。こんなことはよくあるのでしょうか?
この記事を読むまで、気にしなかったのですが・・・

時間が経ってきて、Charlieのことが現実なんだと 思い沈んでおります。




by koss (2021-09-06 20:29) 

想也

kossさん

このレコード、ホント最高です(^^)
確かに、初回盤の帯も魅力ですよねー
US盤は、桁違いにプレス枚数が多いだけに、どうしても個体差が大きいんですが、良い盤にあたるとホントよく鳴ります。

片面STERLINGというのは80年代のレイトでは多いですよ。
"She's So Unusual"は初回は両面STERLINGですから、高いレコードでもないですし、ぜひ探してください。

by 想也 (2021-09-07 00:38) 

koss

この記事から失礼します。
Cindy Lauper"She's So Unusual"やっと両面STEARLINGを入手しました。幅10mm弱でした。
AL-38930-1A A̵L̵-̵3̵8̵9̵3̵0̵-̵1̵A̵ NO-ONE STERLING P
BL-38930-1B STERLING 0 HI BOO YOU GOT IT AGAIN P
聴き比べると、やはり違いました。迫力が違いました。

で、一つ不思議なことがありまして、もしおわかりなら…
ジャケの背の文字色が、両面STEARLINGは、
CYNDI LAUPERが白、タイトルの"SHE'S SO UN"が黄色
片面TEARLINGは
SCYNDI LAUPERが黄色、タイトルの"SHE'S SO UN"が赤色
裏面のバーコード面はどちらも黄色です。
どちらもピットマンプレスですが、不思議です。
ジャケの入れ替わりか、印刷工場のちがいか?
想也さんの知識、または推理でも…と思いまして。

それにしてもこの"Love You Live"マトが若いですね。
私もUS盤を探していますが、B,A,E,Aのくみあわせばっかりです。

お暇な時でいいので、またよろしくお願いします。

by koss (2022-09-18 18:17) 

想也

kossさん

"She's So Unusual"の両面STERLING盤の入手、おめでとうごさいます(^^)

お尋ねの件ですが、仕様としては、背表紙の文字については、CYNDI LAUPERが黄色、タイトルの"SHE'S SO UNUSUAL"が赤色で、裏面のバーコード部分は黄色だと思います。

背表紙の文字が、CYNDI LAUPERが白色、タイトルの"SHE'S SO UNUSUAL"が黄色というのは、おそらく日焼けによる退色だと思います。

赤は日焼けで綺麗に消えますし、うちのをよく見るとタイトルの赤の下の地色が黄色になっているので、赤が消えて地色の黄色が出てきたんじゃないかと。
もともと黄色だったCYNDI LAUPERは、赤の退色と同時に退色していって白になったのかなと。

背表紙の文字って、背表紙の他の部分があんまり日焼けしているよううに見えなくても、日焼けで退色してたりするんですよね。

by 想也 (2022-09-18 20:09) 

koss

想也さん
ありがとうございます。
確かに、タイトルの背景の色は薄いブルーになっています。
謎が解けて気分がスッキリしました。
凄い着眼点ですね。きれいにラックに収めていても背は日焼けしやすいですよね。
また、色々と質問させていただくかもしれませんが、よろしくお願いします。
今日は気分よく寝れそうです。ありがとうございました。
by koss (2022-09-18 20:48) 

想也

kossさん

いえいえ、お役に立ててよかったです(^^)
背表紙の文字の色の違いは、もちろん、仕様の変更の場合もあるんですが、日焼けによる退色で説明できることが多いのです。
ということを、印刷会社にお勤めだった方から教えてもらいました(笑)


by 想也 (2022-09-19 00:29) 

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