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ショーケン [アナログ・コレクターの覚書]

3月26日だから、もう20日近く前のこと、ショーケンこと萩原健一さんが亡くなった。

ショーケンと言えば、思い出すのは「太陽にほえろ!」のマカロニ、それから「傷だらけの天使」の修だ。
個人的には、この二つの印象が飛びぬけて強烈に、記憶に焼き付けられている。
1970年代前半の昭和の風景といっしょに。

とはいえ、DVDやBlu-rayを持っているというほどのファンではないので、日本映画専門チャンネルが追悼特別編成を組んで、3月30日(土)の深夜に「傷だらけの天使」第1話~第8話を放送してくれたのはうれしかった。

GWには、5月5日(日)の深夜から6日(月)にかけて、第26話までの全話を放送してくれるとのこと。
実に楽しみなのである。

テレビを観ていて、いまでもどこかでアウトロー的な生き方に憧れている自分をふっと感じたのだが、それは思春期の頃に「傷だらけの天使」を観た影響なのかもしれない(笑)

そんなわけで、つい先日、レコードショップでこのレコードを見つけたときには歓喜した。


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帯をみればわかるように、「太陽にほえろ!」とのカップリングで、A面が「太陽にほえろ!」でB面が「傷だらけの天使」のサントラになっているのだが、帯に掲載されている「傷だらけの天使」と「太陽にほえろ!」の順序が、表裏で逆になっている。
「太陽にほえろ!」のジャケットのほうでは、帯でも「太陽にほえろ!」が先になる。


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つまりは、両A面的な扱いなのだろう。

レーベルは、よく見る赤いポリドールだ。


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付属品が二つあり、一つは、片面が井上堯之バンドのポスターで、片面は解説とドラマの登場人物の写真で構成されている見開きインサートである。


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このポスターもすこぶるかっこいい。

裏面に掲載された修(萩原健一)と亨(水谷豊)のドラマからのカットもすこぶるかっこいい。
もう一つの付属品である楽譜といっしょに撮ってみた。


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このレコード、音も良い。


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高域が少々きつめではあるものの、鮮度の高い音が飛び出してくる。
Trebleを少ししぼりながらボリュームをあげて、スタジオでアンプから出すのと同じくらいの音量にしてやると、なんだかスタジオにいるような気持になる。

昭和の終わりごろ、毎週のようにスタジオに集まって、仲間と楽器を鳴らしていたころを思い出す。
まぁ、ボクらはまったく下手くそだったから、あくまで雰囲気だけの話だけどね(笑)


R.I.P.

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Songbird [アナログ・コレクターの覚書]

RECORD STORE DAYである。
ボクのツイッターのTLは、朝からお祭り参加のツイで賑わっている。
しかし、例年通り、家庭の事情&仕事の事情でボクはまったく蚊帳の外なのである。

RSDのアイテムって、個人的には「欲しいといえば欲しいが、どうしても欲しいかといえばそうでもない。」というものなので、まぁいいんだけどね。

で、レコード・コレクターズ5月号の初盤道を読みながら、これを聴いている。


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フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)"Rumours"のUS盤(Warner Bros. Records BSK 3010)だ。
どこまでをオリジナルと言っていいかわからないが、一応バーバンク・レーベルだし、テクスチャー・ジャケだし、厚紙インサートだし、ケン・ペリー(Ken Perry)カッティングだし、うちのもオリジナルの仲間入りをさせてもっていいと思う。
でも、初盤かどうかというところでは、かすりもしていない(笑)

初盤についての詳細は初盤道を読んでいただくとして、ボクの持っているものは、初盤からは遠く離れすぎて、初盤道の中ではまったく触れられてもいないのである(涙)

まぁ、これについては、初盤道を読む前からわかっていたことではある。

このレコード、いわゆる工場マト(WW1とかJW1とかLW1とかプレス工場別のマト)とカッティング・マト(Fと数字で表されるもの)の両方がRunoutに記されているのだが、うちにあるのは、カッティング・マトがF42/F41というのはともかくとして(それでも進みすぎだろーと思っていたが 笑)、工場マトがM2/LW15なんである。

MR刻印があるし、△22664と刻まれてもいるので、工場はモナークで間違いない。
A面のM2はモナーク工場向けに切られたラッカーから作られたスタンパーだろうが、B面は、キャピトルのロサンジェルス工場向けに追加で切られたラッカーから作られたスタンパーを使って(もしくは、ロサンジェルス工場で使用されていたがまだ元気だったスタンパーを持ってきて)、モナーク工場でプレスされたものなのである。

初盤からはかなりかけ離れたものであることは明らかなのであった。

"Rumours"についてはこうして悲しい結末となったのだが、実はこの情報、別のとあるレコードの初盤探しにおいて、きわめて貴重な証拠となった。
そういう意味で、うちの"Rumours"、証拠的に貴重なレコードなのである。
でも、そのレコードの話は、かなーり長い話になるので、いつかまた気が向いたときに(笑)

で、うちの"Rumours"だが、音はそんなに悪くはない。
ただ、大好きな曲"Songbird"は最内周だけに音質的にかなり不利なのは否めない。
初盤に近ければ、もうちょっとシャキッとするのか、あるいは、日本盤がいいのか、そのあたりは、まぁボチボチ確認しようと思う。

というか、”Songbird"というと、ボクはこちらのカバーのほうがオリジナルより好きなんである。


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ほぼ無名だった(よね?)エヴァ・キャシディ(Eva Cassidy)が、死の4年後、BBCが「虹の彼方に(Over the Rainbow)」 を紹介したことをきっかけにイギリスで再評価されたとき、アルバム・チャートのトップになったのが、「虹の彼方に」が収録されている、この"Songbird"というアルバムだった。

アナログだと、"Songbird"はA面ラストで、ここでも最内周なんだが・・・


聴いたことがない人は、YouTubeで聴けるのでぜひ。





アルバムでは、"Songbird"、"Over the Rainbow"のほか、"Fields of Gold"、"Autumn Leaves"、"People Get Ready"なんかも聴ける。



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Begin Again [Norah Jones]

すっかり忘れていたのだが(最近、多いなぁσ^_^;)、今日がノラ・ジョーンズ(Norah Jones)の新譜"Begin Again "の発売日だった。

ついさっき気づいたので、速攻で発注した。
もちろん、アナログである。



<画像をクリックするとAmazonにとびます。>


全7曲が収録されているが、そのうち4曲がYouTube上でフルで聴ける。














正直なところ、"Wintertime"以外はピンとこないのだが、アルバム単位で聴いてみたらまた印象が変わるかもしれないし、とりあえず届くのを待って、じっくり聴いてから判断するとしよう。

タグ:Norah Jones
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Friday Night in San Franciscoの日本盤とUS盤 [Bob Ludwig(RL)の仕事]

昨日の記事に引き続いて、ボブ・ラディック(Bob Ludwig)がマスタリングを手掛けたレコードをとりあげよう。
アル・ディ・メオラ(Al Di Meola)、ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)、パコ・デ・ルシア(Paco De Lucia)という3人のスーパー・ギタリストによるライブ・アルバム、” Friday Night in San Francisco”である。


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(日本盤とUS盤だが、表側はほとんど違わないので、日本盤のほうに帯がないと、こうやって並べてもどっちがどっちかわからない 笑)


内容については、ボクなんぞが何か言うまでもない大名盤だ。
3人のスーパー・ギタリストによるスリリングでエキサイティングな白熱のライブ演奏には、ひたすら圧倒される。
問題は、「音」である。

このライブ・アルバム、大名盤なんで、一家に一枚はあると思うが(笑)、まぁだいたい日本盤だろう。
例にもれず、うちにあったのも日本盤(CBS/Sony 25AP 2035)だった。

しかし、このレコード、裏ジャケットに明記されているように、ラディックがマスタリングを手掛けているのである。


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(裏ジャケットには”Mastered at Masterdisk, N.Y. by Bob Ludwig”と明記されている。)


ラディックのマスタリングとなれば、USオリジナル(Columbia FC 37152)が聴きたくなる。
ってことで、ずっとRLカットのUSオリジナルを探していたのだが、見つからない。
見つけたUS盤はすべて、MASTERDISK刻印の横に、RLではなくBKとサインされていた。
つまり、ラディックではなく、ビル・キッパー(Bill Kipper)がカッティングしたものだったのである。

そうこうするうちに、ボクのツイッターのTLに、「このアルバムは日本盤が最強の音質」みたいな情報が流れてきた。
USオリジナルの音はダメだという。


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(最強とされる日本盤は、見開きインサート(裏は解説)付き)


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(日本盤のレーベル。手持ちのMatrix末尾はA1/B1で、ついでにスタンパーは1-A-9/1-A-10だった。)


確かに、日本盤の音も悪くない。
いや、むしろ、かなり良い。
とはいえ、US盤はラディック・マスタリングである。
RLカッティング盤が存在するかどうかわからないが、BKカッティング盤であっても、ラディック親分がマスタリングしたものを、キッパーが台無しにするとも思えない。

しかし、「日本盤最強」と言われてしまうと、BKカッティング盤はあまり買う気になれない(笑)
で、あるのかないのかわからないRLカッティング盤を探していたのだが、しばらく前に思い立ってDiscogsで調べてみたら、Matrix末尾1AですでにBKカッティングなのである。
RLカッティング盤が存在する可能性は、すごーく低い気がしてきた。

そんなわけで、安レコだということもあり、つい先日、とりあえず見つけたBKカッティングのUS盤(Matrix末尾は1H/1Eで、サンタマリア工場産)を買ってみたのだった。


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(MASTERDISK BK刻印)


で、早速聴き比べてみたのだが、「日本盤最強」といわれるのが理解できた。
ボクには、US盤も、鮮度感や立体感はそんなに悪くないと思ったのだが、いかんせん日本盤に比べてギターの音色がひどい。
胴鳴りで増幅される低域がないので、アコギらしい音色で鳴らないのである。
それに対して、日本盤は低域が豊かで、ちゃんとアコギらしい音色で鳴る。
こりゃ、確かに日本盤の圧勝だ。

名匠ラディックがやっちまったのか?
それとも、やっちまったのはキッパーのほうか?

しかし、考えてみれば、どっちかがやっちまったとしても、製品化される前にチェックが入るだろう。
このUS盤のマスタリング/カッティングだって、テスト・プレスを聴いたうえで、プロデューサーやアーティストがゴーサインを出したはずだ。
ってことは、このUS盤の音こそが、狙った音なのか?

そう思ったら、US盤の音の狙いを見極めたくなった。
方法は簡単だ。
音量をあげればいい。
それ以外に考えられない。

先日、US盤を手に入れたときの比較でも、そこそこの音量で聴いたのだが、今日はさらに音量をあげて聴いてみた。

で、音量をあげていくとどうなるか。
US盤は、やっぱり化ける(笑)

もともと、US盤も低域が入っていないわけではなく、絞られているだけなので、音量をあげればそれなりに出てくる。
そして、ある程度の音量から、アコギらしい鳴り方になってくる。
アコギらしく鳴りだすと、3人のギターのそれぞれの音色の違いが、実に明快だ。

それに対して日本盤は、ある程度の音量から低域が少し邪魔になってくる。
低域が必要以上に膨らんで、3人のそれぞれのギターの音色の違いが曖昧になってしまう。

音量をあげたときの音場の違いも激しい。
日本盤は、小さなライブハウスでかぶりつきで聴いている印象だが、US盤はホールの響きだ。
このライブ・アルバムが収録されたのは、サンフランシスコのウォーフィールド劇場(The Warfield Theatre)というところで、2300席ほどの劇場らしいが、日本盤ではどんなに音量をあげてもその空間の感じは出ない。

というか、日本盤は音量をあげていくと、少なくともうちのシステムでは、そのうちバランスが崩れて破綻する。
で、その日本盤が破綻するあたりからが、US盤の本領発揮なのである。


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(US盤は、インナースリーブ付き。裏側は、アル・ディ・メオラとジョン・マクラフリンがコロンビアから出しているアルバムがそれぞれ4枚づつ掲載されている。)


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(US盤のレーベル。)


つまり、「大きな部屋で大音量で鳴らしたとき、コンサートホールのような音場が現れ、3人のギターの音色の違いがはっきりとわかるように鳴る」というのが、US盤の狙っている音なのだろう。
ただ、そうだとしても、低域は絞りすぎの気がするけど。

しかし、まぁ、このUS盤の狙いを日本の再生環境で実現しようって人はあんまりいないだろうなぁ・・・
日本盤の音作りで大正解だと思う。

さて、この記事を読んで、US盤にチャレンジしようって人はあまりいないと思うが、もしその気になったときには注意が必要である。
鮮度感や立体感はレイトなら当然鈍るが、レイトかどうかはMatrix末尾だけでは判断できないからだ。

このレコードではないのだが、つい最近、同時期のUSコロンビアのレコードで、Matrix末尾が1C/1Fの盤と1F/1Cの盤で鮮度感や立体感がまるで違うという経験をしてしまった。
二枚の盤には、Matrix末尾がAB面逆ということ以外に一つだけはっきりとした違いがあったので、それで初期盤とレイト盤を区別できそうな気はしているのだが、このあたりの話は、まだ確信がもてないところもあるし、また今度ということで(笑)

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Simple Minds, Street Fighting YearsのUSオリジナルとUKオリジナル [Bob Ludwig(RL)の仕事]

このブログには珍しく、ここのところJ-POPのCDの話が続いていたが、今日はこのブログらしく、アナログ盤の話題である。

1989年5月にリリースされたシンプル・マインズ(Simple Minds)のアルバム"Street Fighting Years"だ。

ボクは、とくに彼らのファンというわけではないのだが、このアルバムは大好きで、よく聴いた。
もちろん当時は、日本盤CDで。

ちなみに、この日本盤CD、どちらもウソが書いてある(笑)
帯や裏面にAADとあるのだが、アルバムのブックレットには正しく書いてあるように、これらのCD、DAD(デジタル録音、アナログ・ミックス、デジタル・マスタリング)である。


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<アルバム"Street Fighting Years"(Vergin VJD-32202)とマキシ・シングル"Ballad of the Streets"(VirginVJD-15501))


ルー・リード(Lou Reed)がボーカルで参加した"This Is Your Land"もいいが、なんといっても、"Mandela Day"、"Belfast Child"、"Biko"と続くラスト3曲(CDには、この後、コーダみたいに2分ほどのインスト曲"When Spirits Rise"がくっついてるけど、アナログは"Biko"で終わる)が素晴らしい。

このアルバム、ボクは、UKオリジナルとUSオリジナルを持っている。


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手前のグリーンが淡いのがUK盤(Virgin MINDS1)で、奥のグリーンが濃いのがUS盤(A&M Records SP 3927)だ。
色味が違うというだけでなく、UK盤は見開きジャケットなのに対して、US盤はシングル・ジャケットである。
UK盤の見開き内部の写真とクレジットは、US盤ではインナースリーブの表裏になっている。
(UK盤のインナースリーブは真っ黒のプレーンなもので、内側にポリがはってある。)


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(上がUK盤のジャケットを開いたところで、下がUS盤のインナースリーブ)


UK盤のレーベルはそっけない白。


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US盤のレーベルは、当時のA&Mの黒レーベル。


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このアルバム、マスタリングはMASTERDISKでボブ・ラディック(Bob Ludwig)が行っている。


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(UK盤ではジャケットの見開き内側、US盤ではインナースリーブのクレジット)


UK盤もUS盤も、Runoutには手書きでMASTERDISKと彫られているが、RLというサインはない。


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(UK盤のRunout)


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(US盤のRunout)


UK盤もUS盤も、MASTERDISKと彫ってあるのはA面のみだが、手持ちのUS盤のMatrix末尾は両面SH1だし、DMMでメタルに手書きするのは面倒だったらしいので、この当時は、もはやMASTERDISKの手書きでさえ片面にしか掘っていなかったんじゃないかと思う。
(両面ともラディックがカットしていながら刻印は片面のみRLってのは以前からあったが、両面ともMASTERDISKでカットしていながら片面のみMASTERDISKというのは以前にはなかった。)

さて、UK盤もUS盤もMASTERDISKカッティングなら、音はあんまり変わらないんじゃないかと思いきや、これがけっこう違う。

US盤は、グイグイと前に出てくるキレッキレな音で、いかにもラディックらしいが、UK盤のほうはそうでもない。
もしかして、US盤のほうはアナログ・カッティングまでラディックがやったものの、UK盤のほうのアナログ・カッティングは弟子に任せちゃったんだったりして(笑)

Discogsを見ると、UK盤のMatrix末尾にはいろいろあるようなのだが、ボクの持っている2U/3U以外はRunoutにMASTERDISKという手書き文字がないらしいので、1Uという若い数字のものもあるのだが、それが先かというとどうも怪しい気がする。

ってことで、このアルバムについては、US盤のほうが良さそうだ。

ただ、"Belfast Child"、"Mandela Day"、"Biko"の3曲を聴くなら、UK盤12インチ"Ballad Of The Streets"(Virgin ‎SMXT 3)という手もある。


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こちらは、MASTERDISKではなく、TOWNHOUSEなので英カッティングである。


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12インチらしい音圧で、なかなか素晴らしい。


おっと、忘れていた。
この時期のA&Mなので、US盤は・・・

お約束ですが(笑)


タグ:Simple Minds
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