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Pink Floyd, The Wallの日本盤見本盤 [国内盤研究]

今日11月30日は、ピンク・フロイド(Pink Floyd)が1979年にリリースしたアルバム”The Wall”が英本国でリリースされた日らしく(DiscogsによるとUSでは12月8日リリースで、日本でも12月8日リリースらしい)、TLを眺めていると、みんなこのレコードをターンテーブルに載せている。
ってことで、ボクもつられて、ターンテーブルに載せた(笑)


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UKオリジナル(Harvest SHDW 411)でもなければ、USオリジナル(Columbia PC2 36183)でもない。
日本盤(CBS/Sony 40AP 1750~1)である。

この"The Wall"の日本盤、アメリカの権威あるオーディオ雑誌The Absolute Sound(通称TAS)で、ハリー・ピアソン(Harry Pearson)のスーパーLPリストに載ったことがある(2014年)。
つまり、オーディオ的に良い音であることはお墨付きなんである。

個人的には、UKオリジナルやUSオリジナルのTMLカッティングも嫌いではないのだが、確かにオーディオ的には日本盤の方が良い気もする。

まぁ、ボクの印象は、TMLカッティングのアーリー・プレスは聴いたことがなくて、うちにある日本盤が、この通り見本盤だということも影響しているのかもしれない。


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ただ、うちの見本盤、Side 1こそマザー/スタンパー1 A 1なのだが、ほかの面がねぇ・・・(マトは、オール1しかないと思う。)

ちなみに、うちの見本盤のマザー/スタンパーは次の通りだ。

Side 1: 1 A 1
Side 2: 1 A 15
Side 3: 1 A 15
Side 4: 1 A 13

Side 2以降が何故こんなに進んでんだろ?
もしかして、オール1 A 1の第一見本盤なんてのが存在したりするのかしらん?

P.S.
「第一見本盤て何だよ?」と思った方は、下記記事をごらんくださいませ。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-10-12

タグ:Pink Floyd
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ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン [George Harrison]

11月29日はジョージ(George Harrison)の命日である。
ビートルズ(The Beatles)にしても、ジョージのソロにしても、何かと聴く機会があるので、ふだんはあんまり聴かないレコードを引っ張り出して聴いていた。


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1976年にリリースされたベスト盤『ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン』である。
見ての通り、帯付きの日本盤(Odeon EAS-80720)だ。
まぁ、いろいろ思い入れもあるレコードなので、命日に聴くにはいいよね。

そういや、"Bangla Desh"のシングル・バージョンて、このアルバムでしか聴けないんだったよな。
って、シングルで聴かなきゃダメよね。
シングルもちゃんと集めなきゃ・・・
ごめん、ジョージ・・・


『ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン』は、日本では、1976年12月20日にリリースされた。
もしかしたら、見本盤は発売日前月プレスかもしれないが、発売当月プレスでも最初期プレスだろう。


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PMは6-Zだから、1976年12月プレスで、合格である。

おまけに、Side 1のマト&スタンパーはこれだ。


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わ~い、1S 1だ~
って、こんなベスト盤のスタンパーにこだわる人はいないやね(笑)

それより、興味深かったのは、Side 2のスタンパーである。


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1S2はごく普通だが、スタンパーが、これ、A19である。
Aスタンパーといえば、以前、ユーミン(荒井由実)の『14番目の月』に関する記事で取り上げたことがある。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-07-22

一応仮説を提示はしたが、まったく根拠薄弱な仮説で、実質的にはまったく謎のままだ。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-07-23

ただ、『14番目の月』は1976年11月リリースで、うちのAスタンパー盤のPMも6-Yだった。
この『ベスト・オブ・ジョージ・ハリスン』は1976年12月リリースでPMも6-Zだ。
もしかして、Aスタンパーって、1976年の年末頃のごく限られた時期にしか使用されていなかったんだったりして・・・

R.I.P.

タグ:George Harrison
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Blackmore's Rainbow, Rainbow RisingのUKオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

<マト3のMD刻印を確認させてもらったので、追記しました。>(2022年12月9日22:30)

発売日からすでに2週間ほど経ってしまったが(発売日に買ったんですけどね)、レコード・コレクターズ2022年12月号の初盤道が取り上げているのは、レインボー(当時の正式名称はBlackmore's Rainbow)の"Rainbow Rising"である。

前後編に分かれていて、前編の今回は、UKオリジナル初盤の話は出てくるが特に目新しい話ではなく(こんなところで目新しい話をされても困るが)、UK盤のほかのマト1の話は興味深かったが、全体的には、「USカッティングの謎」と「NYCミックスとLAミックスの経緯の謎」に迫る後編の前置きのような趣だった。
ってことで、次回が非常に楽しみなんである。

ところで、うちにも"Rainbow Rising"のUKオリジナル(Polydor 2490 137)はあるのだが、初盤道ではまったく触れられていないところで、このブログ的に重要な発見があったので報告しておこう。


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UK盤のジャケットは、US盤や日本盤と違って、Rainbowの文字がちょっと赤味を帯びている。
比較のために、US盤と並べて写真を撮ってみたのだが、かなりはっきり違うでしょ?
このあたりのジャケ違いの経緯にも興味があるのだが、それよりももっと興味深いことを送り溝に発見したのである。

うちのUKオリジナルは、出版社表記がCopyright Controlになっている両面マト1でMASTERDISK G. K.カッティングの正真正銘の初盤だ。


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注目すべきは、この初盤の送り溝のココである。


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ピンときた方はいるだろうか?

A//1の後の0は、前にも話題にしたことがある。
そう、エリック・クラプトン(Eric Clapton)”Slowhand”のUKオリジナルである。

詳しくは下記記事を読んでいただきたいのだが、要するに、この0は、まだイニシャルが確定していないマスタリング・スタジオでのカッティングであることを示す、というのがボクの仮説だ。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-10-16

Phonodisc Ltd.プレスでは、外部カッティングのときには、どこでカッティングされたかを、この0が刻印された位置に、イニシャルで示す。
たとえば、TRIDENTカッティングならT、STERLINGカッティングならSTと刻印される。

MASTERDISKカッティングならMDなのだが、”Slowhand”がリリースされた1977年11月25日時点ではまだイニシャルが決まっていなかったから、0なのだと思うのだ。

”Slowhand”の記事を書いたときには、”Slowhand”で初めてMASTERDISKカッティングのラッカーを使ったのかと思ったのだが、"Rainbow Rising"のリリースは1976年5月17日なので、1年半ほど前に使用したことはあったわけだ。
とはいえ、その後も、あまり使うことがなく、”Slowhand”の頃まで、イニシャル未定だったのだろう。

さて、うちにはないのだが、"Rainbow Rising"のUK盤には、マト3のMASTERDISKカッティング盤というのも存在する。
その盤はどうなっているのかとDiscogsで確認すると、ちゃんとMDと刻印されているらしい。
(マト3盤をお持ちの方に、画像でMD刻印を確認させていただきました。)
ボクの仮説が正しければ、マト3は、少なくとも1978年以降に、Phonodisc Ltd.にラッカーが持ち込まれたものだということになる。

以上、小さな発見なのだが、個人的には非常に興味深い発見なのであった。

タグ:rainbow
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Jimi Hendrix, The Cry of LoveのUSオリジナル [Bob Ludwig(RL)の仕事]

FIFAワールドカップの日本vsコスタリカ戦は0-1で敗戦。
ブログを書く気も起きなくなったのだが、ここのところ毎日欠かさず書いているので、がんばって書くのである。

それに、今日11月27日はジミ(Jimi Hendrix)の誕生日だ。
お祝いに聴くのに引っ張り出した"The Cry of Love"のUSオリジナル(Reprise Records MS 2034)には、ちょっとした特徴があった。


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レーベルは、ツートン・レーベルから切り替わった直後の最初のタン・レーベル(要するに、まだリムにワーナー・ロゴが入ってないもの。)で、これがファースト・プレスのレーベルでいいはずである。


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しかし、マトが、31184-2/31185-1つまりマト2/1なんである。
薄いPの刻印が確認できるので、プレスはピットマン工場で行われたことがわかるのだが、Discogsで確認すると、ピットマン工場プレスには、マト1/1しか登録されていない。
マト2ってレアなのか?
いや、そういう問題ではなく、マト2じゃ、もはやファースト・プレスではないのか?

さらに追い討ちをかけるように、悲しい事実がボクを襲う(大袈裟だっちゅうの)。

マト1のSide 2の方には、このようにSTERLING刻印とその隣にRLのサインがあるのだが、マト2のSide 1の方にはないのである。


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RLのサインがないだけではない。
STERLING刻印自体がないのである。

ってことは、マト2はRLカッティングじゃないだけでなく、STERLINGカッティングでもないってことなのだろうか?

たぶん、そうではないと思う。


Discogsを確認すると、サンタマリア工場でも1Aと1Bのマトが確認できるのでサンタマリア工場向けにラッカーは二枚切られている。
どちらにもSTERLING RL刻印があるようだ。

テレホ―ド工場でも1-1と1-2のマトが確認できるのでテレホート工場向けにラッカーは二枚切られている。
これまたどちらにもSTERLING RL刻印があるようだ。

ピットマン工場向けにもラッカーが二枚切られたと考えたほうが自然じゃないか。


それに、うちの盤、Side 1のマトの筆跡とSide 2のマトの筆跡が同一人物のもののように見える。

まず、STERLING RL刻印があるSide 2のマトの筆跡はこうだ。


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Side 1の方のマトの筆跡はこうである。


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ね?
微妙に違うといえば違うので断定はできないのだが、一応、同一人物の筆跡に見えるでしょ?

ってことで、STERLING刻印の位置が内側すぎてレーベルの下に隠れてしまったか、それとも単なる刻印忘れにすぎないんじゃないかと思うのだ。

音の方は、マト2のSide 1も、ラディック(Bob Ludwig)らしく豪快に鳴るのである。

タグ:Jimi Hendrix
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The Dave Brubeck Quartet, Time OutのUSオリジナルMONO [アナログ・コレクターの覚書]

昨日11月25日はポール・デスモンド(Paul Desmond)の誕生日だったので、彼が作曲した最も有名な曲"Take Five"が収録された、デイヴ・ブルーベック・カルテット(The Dave Brubeck Quartet)"Time Out"のUSオリジナルMONO(Columbia CL 1397)を聴いていた。


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写真でわかるように、ジャケットには"FEATURING THE SENSATIONAL BRUBECK HIT take five"というステッカーが貼ってあるが、シングルの”Take Five”は、1959年12月14日にリリースされたアルバム"Time Out"に3カ月ほど先行して9月21日にリリースされているので、すでにシングルが大ヒットしていたとすれば、"Time Out"の初回プレスにこのステッカーが貼ってあった可能性もある。

マトは、一瞬1Aと見間違えてぬか喜びしたが、1AL(Side 1ーSide 2は1AF)でかなり進んでいる。
しかし、先行シングルの"take five"が大ヒットしていたとすると、初回プレスのマトがここまで進んでいた可能性もないわけではない。


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まぁ初回プレスとまでは言えなくても、少なくとも初回ジャケットで初回レーベルだから、堂々とオリジナルと呼ぶのである。

ちなみに、ジャケットは、60年か61年かそのぐらいに、タイトルの"Take Out"がオレンジ色の大きな文字になり、隣に"Featuring TAKE FIVE"という文字が挿入されたデザインに変更される。

うちにある日本再発盤がそのデザインなので参考までに載せておこう。


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レーベルについては、6 EYEなのはもちろんだが、1961年には上部のCOLUMBIAの下にCBSと入る。
うちのは入っていない。


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ただ、一つだけ気になるのは、すでにマトの写真で気づいた方もいるかもしれないが、うちのはコロンビア工場でのプレスではなく、委託プレスなんである。

1959年というと、東部では、ピットマン工場はまだ操業しておらず(1961年から稼働)コネチカット州のブリッジポート工場(1964年に閉鎖)でプレスが行われていた。
中部のテレホート工場はすでに稼働していたが、西部のサンタマリア工場はまだ操業しておらず(1963年の終り頃から稼働)ハリウッド工場(1964年にサンタマリア工場の稼働に合わせて閉鎖)でプレスが行われていた。

つまり、オリジナルのコロンビア工場プレスとしては、ブリッジポート工場プレス、テレホート工場プレス、ハリウッド工場プレスが存在していたはずである。

うちのはそのいずれでもない。
RCAのインディアナ工場プレスなんである。
それは、マトの画像の1ALの隣に刻印してあるIによって判定できる。

また、CSも、コロンビアのCSではなく、RCAのLiving Stereoを大々的に宣伝するCSがついていた。


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この時代の委託プレスでは、しばしば委託先のCSが利用されていたので、その点でも、うちの盤がRCAのインディアナ工場プレスであることがわかる。

ただ、音は素晴らしい。
ピアノは実に瑞々しく、アルトは実に色っぽく、鮮度抜群で鳴る。

「RCA委託プレスのくせに」なのか、それとも、「RCA委託プレスだから」なのかは、コロンビア工場プレスを聴いたことがないので知らない(笑)

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