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Blackmore's Rainbow, Rainbow RisingのUKオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

<マト3のMD刻印を確認させてもらったので、追記しました。>(2022年12月9日22:30)

発売日からすでに2週間ほど経ってしまったが(発売日に買ったんですけどね)、レコード・コレクターズ2022年12月号の初盤道が取り上げているのは、レインボー(当時の正式名称はBlackmore's Rainbow)の"Rainbow Rising"である。

前後編に分かれていて、前編の今回は、UKオリジナル初盤の話は出てくるが特に目新しい話ではなく(こんなところで目新しい話をされても困るが)、UK盤のほかのマト1の話は興味深かったが、全体的には、「USカッティングの謎」と「NYCミックスとLAミックスの経緯の謎」に迫る後編の前置きのような趣だった。
ってことで、次回が非常に楽しみなんである。

ところで、うちにも"Rainbow Rising"のUKオリジナル(Polydor 2490 137)はあるのだが、初盤道ではまったく触れられていないところで、このブログ的に重要な発見があったので報告しておこう。


20221128-01.jpg


UK盤のジャケットは、US盤や日本盤と違って、Rainbowの文字がちょっと赤味を帯びている。
比較のために、US盤と並べて写真を撮ってみたのだが、かなりはっきり違うでしょ?
このあたりのジャケ違いの経緯にも興味があるのだが、それよりももっと興味深いことを送り溝に発見したのである。

うちのUKオリジナルは、出版社表記がCopyright Controlになっている両面マト1でMASTERDISK G. K.カッティングの正真正銘の初盤だ。


20221128-02.jpg


注目すべきは、この初盤の送り溝のココである。


20221128-03.jpg


ピンときた方はいるだろうか?

A//1の後の0は、前にも話題にしたことがある。
そう、エリック・クラプトン(Eric Clapton)”Slowhand”のUKオリジナルである。

詳しくは下記記事を読んでいただきたいのだが、要するに、この0は、まだイニシャルが確定していないマスタリング・スタジオでのカッティングであることを示す、というのがボクの仮説だ。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-10-16

Phonodisc Ltd.プレスでは、外部カッティングのときには、どこでカッティングされたかを、この0が刻印された位置に、イニシャルで示す。
たとえば、TRIDENTカッティングならT、STERLINGカッティングならSTと刻印される。

MASTERDISKカッティングならMDなのだが、”Slowhand”がリリースされた1977年11月25日時点ではまだイニシャルが決まっていなかったから、0なのだと思うのだ。

”Slowhand”の記事を書いたときには、”Slowhand”で初めてMASTERDISKカッティングのラッカーを使ったのかと思ったのだが、"Rainbow Rising"のリリースは1976年5月17日なので、1年半ほど前に使用したことはあったわけだ。
とはいえ、その後も、あまり使うことがなく、”Slowhand”の頃まで、イニシャル未定だったのだろう。

さて、うちにはないのだが、"Rainbow Rising"のUK盤には、マト3のMASTERDISKカッティング盤というのも存在する。
その盤はどうなっているのかとDiscogsで確認すると、ちゃんとMDと刻印されているらしい。
(マト3盤をお持ちの方に、画像でMD刻印を確認させていただきました。)
ボクの仮説が正しければ、マト3は、少なくとも1978年以降に、Phonodisc Ltd.にラッカーが持ち込まれたものだということになる。

以上、小さな発見なのだが、個人的には非常に興味深い発見なのであった。

タグ:rainbow
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