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許されない愛 [ジャケ買い倶楽部]

「ジャケ買い?それを知らないわけないだろ~」って声が聴こえてきそうだが、知らなかったんだから仕方ない。

沢田研二さんのソロになって二枚目のシングル『許されない愛』(Polydor DR 1679)である。


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このシングルがリリースされたのは1972年3月だ。
歌詞の内容からいっても、当時9歳だったボクが興味をもつはずもないじゃないか(笑)

前にも書いたことがあるが、『時の過ぎゆくままに』は、ボクにとって楽曲的にもジャケット・アート的にも昭和歌謡における不動のナンバー・ワンではあるのだが、だからといって沢田研二さんの熱心なファンかと言えば、そういうわけでもないのである。

知らなくても当然なのだ(完全に開き直る 笑)

それにしても、このシングルのジャケットは良い。
日本のシングルにしては珍しく、スリーブの形(つまり袋状)になっている。

ひっくり返せば、ほらこの通り、折り返しが見える。


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さらに、特筆すべきは、(すでに上の写真でわかったかもしれないが)テクスチャー加工がされている点である。
テクスチャーがはっきりわかるように、もう少し近づいてみよう。


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いやぁ、ホントに素晴らしいっ!

しかも、このシングル、ロンドン録音である。
なんだか昭和時代のロンドンの空気がパッケージされている気がする(笑)

楽曲自体も悪くないが、ボクはアレンジがすごく気に入った。
左チャンネルで鳴っているオルガンが、実に効果的でかっこいいのである。

レコードを聴きながら、「許されない愛」という言葉にリンクしてふっと甦る記憶をたどる。


     ♪ 忘れられないけど 忘れようあなたを
     ♪ めぐり逢う時が 二人遅すぎた


「めぐり逢う時」自体は、遅すぎたわけじゃない気がするなぁ・・・

タグ:沢田研二
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Billy Taylor Trio: My Fair Lady Loves Jazz [ジャケ買い倶楽部]

先日、久しぶりに(2か月ぶり、いや3か月ぶりくらいかな?)レコード・ショップに行ったとき、一目惚れしてしまったレコードがある。

ビリー・テイラー・トリオ(Billy Taylor Trio)の"My Fair Lady Loves Jazz"(Impulse! AS-72)だ。


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ビリー・テイラーなんて、名前ぐらいは聴いたことあるようなないような・・・程度(つまり演奏は聴いたことはない 笑)だったから、もちろん、このレコードのことは知らなかった。

でも、このジャケットである。
フォントの色使いも含めて、これほど素敵なレコード・ジャケットは、そうそうないんじゃないだろうか。

しかも、このジャケット、アートワークそれ自体がとても素敵だというだけでなく、60年代Impulse!らしい厚手のコーティングに覆われていて、実に美しい。

さらに、内容だって、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の楽曲を演奏したものなのだ。
クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)のアレンジによるバンドがバックをつとめているし、少なくとも、聴いてガッカリということはなさそうじゃないか。

レーベルだって、艶有りのオレンジ・レーベルである。


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気になるレーベル下部のクレジットは、"A PRODUCT OF ABC-PARAMOUNT RECORDS, INC."で、裏ジャケットと一致している。


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送り溝を見れば、”VAN GELDER"刻印だってはっきり確認できるのである。


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「正真正銘のオリジナルだぜ~」と思ったのも束の間・・・


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「てくにかりー・おーぐめんてっど?」って何だよ?
これは、要するに、疑似ステレオってことか?
ってことは、モノラルのオリジナルがあるってことじゃないかー

で、調べてみると、オリジナルは、Impulse!がこのジャケットで再発した1965年から遡ること8年、1957年にABC-Paramountからリリースされているのがわかった。
しかし、オリジナルは、ジャケットがまったく違うのだ。

ボクはジャケットに惚れたんである。
だから、この再発でいいんである。
しかも、ボクには、疑似ステ相手なら、強い味方がいる。
そう、SPU-MONOだ。

このカートリッジ、CG 25 Diと違ってステレオ盤が再生できる。
ステレオ再生すると何だか違和感がかなり大きい疑似ステレオだが、SPU-MONOで再生するとあら不思議、かなり奥行きがはっきり出て、なかなか気持ち良いモノラル再生をしてくれるのである。

もう、これでいいやーと思ったのだが、なんとなくヤフオクで検索してみたら、ちょい難ありということで、オリジナルのモノラル盤が格安の即決で出品されているではないか。

疑似ステをSPU-MONOで聴くなんてのは、アボカドをわさび醤油で食べて「トロみたいだ~」と悦に入っているようなもんで、ホンモノのトロに敵うわけはない。

再発のジャケを見ながら、オリジナルのモノラルを再生すればいいんである。
それが完璧な楽しみ方じゃないか(そうか? 笑)

で、これがABC-Paramountから1957年にリリースされたオリジナル(ABC-177)である。


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コーティングされたジャケットは、デザインも含めて、決して悪くはないと思う。
しかし、再発のジャケットが圧倒的なのだ。

まぁ、音は、やっぱり、オリジナルのモノラルが良いんだけどね。
RVG録音ではないので、オリジナルにRVG刻印はないのだが・・・

レーベルはこんなデザインで、これがオリジナル・レーベルでいいんじゃないかと思う。
DiscogsにはMatrix末尾のある盤が出ているが、うちのはABC-177-A/ABC-177-Bで終ってて末尾はないしね。


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内容については、ボクはとても気に入った。
クインシー・ジョーンズのなんともセンスの良いアレンジが光っているし、ビリー・テイラーのピアノもとても品が良くて心地よい。
Impulse!の再発ジャケットを眺めながら聴けば、至福の時間が過ごせるのである。

タグ:Billy Taylor
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羊の声で [音楽が奏でる情景]

”あなたでも本気で怒ることってあるの?”

お酒が入って少し陽気になった彼女がそう訊いた。

”そりゃ、僕だって怒るときは怒るさ。でも、狼の血筋じゃないから、吠えるとしても羊の声でだけどね。”

”なにそれ?”

なにやらツボにはまったようで、彼女はケラケラと笑い出した。

僕と彼女は「Mr.Childrenが好き」というので意気投合したのがきっかけで親しくなった。
だから、当然通じると思ったのだが、どうやら『SUPERMARKET FANTASY』はあまり聴きこんでいないらしい。

”ミスチルに、「羊、吠える」って曲があるんだけど、知らない?”

”どんな曲だっけ?”

僕はポケットから取り出したiPodで「羊、吠える」を再生して、彼女に渡した。
彼女はイヤホンを耳に挿し込んで、じっと聴いている。
ときどきクスリと笑いながら。

聴き終えた後、まっすぐに僕の目を見ながら、彼女は笑った。

「馬鹿みたい」
ではなく、
「あなたらしい」
と言ながら。





♪「音楽が奏でる情景」は、好きな音楽にインスパイアされて書きとめた(たぶん 笑)フィクションです♪

タグ:Mr.Children
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向井秀徳:サーカスナイト [七尾旅人]

もうホントにどうしようもなく好きな曲というのがいくつかある。

たとえば、ギルバート・オサリバン(Gibert O'Sullivan)の"Alone Again(Naturally)"。

たとえば、玉置浩二さんの「メロディー」。

そして、七尾旅人さんの「サーカスナイト」。

今夜は、向井秀徳さんのカバーで聴こう。





魔法にかかったように特別だったあの夜のことを思い出す。


     ♪ Tight rope dancing
     ♪ Baby 今夜だけ
     ♪ 辿り着きたい ピエロ


辿り着けそうな気がしたんだけどな・・・

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帯付き美品の憂鬱~OFF COURSE『JUNKTION/ジャンクション』 [オフコース]

ツイッターでEXPRESS/東芝EMIのファースト・プレス判定方法を教えていただいたので、追記しました。(2019年10月27日21:30)

さて、考レコ学クイズ8の解答編である。

二つのレーベル、AとBの違いは、下記画像に示したように、上部リム部分(下部リムにも真ん中に一つあるけど)にある。
Aは★が三つ、Bは●が三つだ。



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EXPRESS/東芝EMIレーベルのこの上部リム部分、70年代は●で80年代は★になる。
手持ちの盤やネット上の画像で確認してみると、正確には1979年に★にかわったんだと思う。
(それぞれ、●リム(ドットリムと読む)、★リム(スターリムと読む)と呼ぶことにしよう。)

ってことで、1977年9月5日リリースの『JUNKTION/ジャンクション』のファースト・プレスは、●リムのBの方だということになる。

一応Matrixでも確認しておこう。
Aの★リムの方のMatrixは1S2 6/2S2 31、Bの●リムの方のMatrixは1S 28/1S 24だった。
(Bの画像ではRunoutに1Sが確認できるので、そこからBがファースト・プレスと考えた人もいたかもしれないが、Aの方も実は1Sだった 笑)

Matrixの読み方は、Sのすぐ後の数字の意味がよくわからない(たぶん1はなく2から始まるし、マザー番号だとすると一枚のマザーから何十枚もスタンパーをとっていることになるので、マザー番号ではない可能性もあると思う。)が、Sの前がラッカー番号、少し離れて薄い字で打たれているのがスタンパー番号だというのは間違いないのではないかと思う。

そうだとすると、Aのほうはマト1/2で、Bのほうは両面マト1だ。
MatrixからもBがファースト・プレスということで間違いない。

EXPRESS/東芝EMIの場合、さらに確実なファースト・プレス判定法があることを教えてもらったので追記である。
Side1のほうだけだが、メインのMatrixを6時に置いたときに12時方向(概ね12時方向にあるかと思いますが、ずれてることもあります)に、たとえば、7 - 8 というような数字をハイフンで結んだ刻印がある。
これは、年 - 月を意味していて、77年8月という製造年月を表しているというのだ。
つまり、この刻印が発売日の前月を示していたら、それはファースト・プレスだということになる。
では、手持ちの『JUNKTION/ジャンクション』はどうだったか?
残念ながら、7 - 8 ではなく、7 - Y だった。
EXPRESS/東芝EMI盤の送り溝を30枚くらい見てみたが、10以上がなくその代わりXYZがあるので、おそらくX=10、Y=11、Z=12だ。
ということは、7 - Y というのは77年11月なわけで、ファースト・プレスからは3か月遅れである(涙)
かくして、手持ち盤はファースト・プレスからセカンド・プレスへと格下げになったのであった(号泣)
Cal De Rさん、貴重な情報、ありがとうございましたm(_ _)m

さて、問題は、1979年のいつ頃に、●リムから★リムに変わったかである。

1979年10月20日リリースの『Three and Two』(ETP-80107)は、もう変更後で、ファースト・プレスも★リムでいいんだろうか。
とりあえず、手持ちは★リムである。


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しかし、この盤、Matrixは1S4 23/1S 45とかなり微妙だ。
確かに、前作『FAIRWAY』(ETP-80040)はそこそこヒットしたし(オリコン順位8位を記録している)、何より本格的ブレイクのきっかけとなったシングル「愛を止めないで」(ETP-10524)が1979年1月20日にリリースされているので、初回から相当数がプレスされたものと思われる。
それでも上記のMatirxが初回のときのものかというと、これはやはり相当にあやしい(とくに、1S4の4がねぇ・・・)。

ちなみに、この盤の12時は、2 - 7 であった。
82年7月だから、もう全然ダメである。

それでも、ネット上の画像を探しまくっても『Three and Two』で●リム・レーベルは見つからなかったので、レーベル的には★リムがファースト・プレスでいいんだと思う。

状況証拠がもう一つ。
たまたま持っていたダウンタウンブギウギバンドの編集盤『Ballad of D.T.B.W.B.』が、正確な発売日がわからないのだが、レコード番号がETP-80102と『Three and Two』より少し若い。
手持ち盤のMatrixは1S2 9/1S 19でおそらくファースト・プレスだろう。
これが★リムである。

この盤の12時は、9 - 9 だった。
79年9月なら、ドンピシャである。


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これより前だとボクが持っているのは松任谷由実『OLIVE』(ETP-80085)まで遡る。
『OLIVE』のリリースは1979年7月20日だ。当然●リムである。

この盤の12時は、9 - 7 だった。
79年7月ということは、(79年6月もあるかもしれないが)ファースト・プレスでいいだろう。
これで、●リムから★リムへの切り換えは、79年8月か9月というところまで特定された。


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「当然」と書いたが、実は、価格改定後レコード番号が変わっての1981年の再発ETP-90083が★リムだというだけではなく、すでにオリジナルのETP-80085にも★リム盤がある。
ヤフオクの出品画像で地引網調査をしてみると、ETP-80085でも帯付き美品だとかなりの確率で★リム盤があるので注意が必要である。

まぁ、ユーミンの場合、初回から相当数プレスされている。
帯付き美品の●リム盤もゴロゴロしていて販売価格も変わらない。
うっかり★リム盤を買ってしまったという方は、●リム盤を買いなおしておください(笑)
このあたりの日本盤も、比べると、初期プレスとレイトでは相当に音が違うので。

そう、初期プレスとレイトでは、相当に音が違うんである。
(ちなみに、「秋の気配」は、Amazon Music HDに24bit/192kHzのハイレゾがあったので聴いてみたが、うちのシステムで聴く限り、最内周のくせにアナログのほうが良かった。まぁ、最内周はさすがにSPUでは厳しいのでオーディオ・テクニカのAT33MLで聴いたんだけど。)

ボクの場合、オフコースでもリアルタイムで買ったのは『We are』(ETP-90038)以降で、『Three and Two』以前のものはレンタル・レコードでカセットに録音して聴いていたから、レコードを手に入れたのは、アナログ・レコードを集め始めた20年くらい前のことだ(アナログ時代のユーミンなんかは全部このパターンだ)。
当時は日本盤の音の違いなんぞ気にしていなかったので、とにかく帯付き美品を揃えた。
安いしね(笑)

で、ここ最近、初期プレスとレイトとのあまりの音の違いに愕然として、手持ち盤を確認したら、ほぼ撃沈である。
帯付き美品を前に、憂鬱になるのである(笑)

まぁ、美品にこだわらなければ、ハード・オフのジャンク・コーナーに100円で転がってる盤なので、盤が綺麗なのを見つけて耳を満足させ、ジャケや付属物についてはレイトの帯付き美品で目を満足させればいいかと思ってるんだけどね。


最後に、今回レーベルに登場してもらったレコードたちの集合写真です(笑)


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