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えっ?EPICで?~Stevie Ray Vaughan & Double Trouble, Live AliveのUSオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

<関連の過去記事について、ちょっと追記しました。>(2022年8月29日18:30)

さて、考レコ学クイズ14の解答編である。

EPICのレコードは、COLUMBIAの工場でプレスされていた。
1987年というと、すでにサンタ・マリア(Santa Maria)工場もテレ・ホート(Terre Haute)工場も閉鎖されていて(サンタ・マリアは1981年12月、テレ・ホートは翌1982年に閉鎖)、当時稼働していたCOLUMBIAのプレス工場は、ピットマン(Pitman)工場とキャロルトン(Carrollton)工場のみだ。

では、このレコードも、そのいずれかでプレスされたものかといえば、そうではない。


20220828-2.jpg


ピットマン工場プレスでも、キャロルトン工場プレスでも、レーベルに刻まれる円は大きく、直径70mmほどあるが、このレコードの中心にある円の直径は26mmほどで、非常に小さい。
したがって、このレコードは、COLUMBIAの工場でプレスされたものではない。

では、どこでプレスされたものなのか?

それは、送り溝の刻印から推測可能だ。
"Precision"の刻印を6時としたときに、4時くらいのところに"I"の刻印がある。
この"I"は、US盤を集めているコレクターには非常に馴染みのある刻印だ。
RCAのインディアナポリス(Indianapolis)工場を表す刻印である。

出題ではマトは明示しなかったのだが、うちの盤のマトは1J/1H/1H/1Gで、DiscogsにRCAインディアナポリス工場プレスとして登録されている盤のマトとほぼ同じ(Discogsに登録されているものは1H/1H/1H/1GでSide 1がちょっと違うだけ)だ。
どうやら、このあたりのラッカーがインディアナポリスに送られたようだ。
出題でマトを明示しなかったのは、Discogsで調べると、RCAインディアナポリス工場プレスであることが、すぐにわかってしまうかと思ったからだ。

では、「EPICには珍しいこのレコードの特徴」というのは、「RCAインディアナポリス工場プレス」ということなのかというと、実は、さらに先がある(笑)



なんと、このレコード、透けるんである。


20220828-3.jpg


Hall & OatesのUS盤などを見ても、RCAインディアナポリス工場プレスの盤が一般に透けるわけではないと思う。
ただ、この時期だと、A&Mのレコードは基本的に透ける。
そして、A&Mは、RCAインディアナポリス工場にもプレスを依頼していた。
そのことは、このブログでは、ポリス(The Police)の"Synchronicity"でお馴染みだ。

ボクが初めて買った"Synchronicity"のUSオリジナルは残念ながら半透明盤ではなかったが、次に買った"Synchronicity"のUSオリジナルは、RCAのインディアナポリス工場プレスで半透明盤だったことは下記記事に書いた。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2016-12-18

もっとも"Synchronicity"の場合は、KC-600という高音質ビニール使用を謳っていたし、基本的にはパープルとかバイオレットの青紫半透明盤で、ちょっと特殊である。

もっと普通の例がなかったかと探したら、下記記事を見つけた。
ブライアン・アダムス(Bryan Adams)"Reckless"のUSオリジナルに関する記事で、"Live Alive"と同じようにブラウンに透けるRCAインディアナポリス工場プレスの盤を紹介している。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-09-21

RCAのインディアナポリス工場は、当時、A&Mから半透明盤でのプレスを依頼されていたのだと思う。

では、EPICも同じように半透明盤でのプレスを依頼したのかと言えば、そうではないと思う。
おそらく、工場の方で、A&Mからの発注と重なったとかで、間違えて半透明盤にしてしまっただけなんじゃないだろうか。
そうだとすると、RCAインディアナポリス工場プレスだからといって、必ず半透明盤だというわけでもないかもしれない。

それにしても、EPICのレーベルで透けるのは萌えるなぁ(笑)

あなたの家の"Live Alive"は透けますか?

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