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Give 'Em Enough RopeのUKオリジナル [The Clash]

8月21日は、ジョー・ストラマー(Joe Strummer)の誕生日である。

ってことで、ザ・クラッシュ(The Clash)が1978年11月10日(日本語版Wikiでは「10月10日」になっているが、間違いである。)にリリースしたセカンド・アルバム"Give 'Em Enough Rope"(日本盤タイトルは『動乱(獣を野に放て)』だった。)のUKオリジナル(CBS – S CBS 82431)を聴いていた。


20230821-01.jpg


何故セカンドなのかといえば、セルフ・タイトルのファースト(日本盤タイトルは『白い暴動』)とサードの『ロンドン・コーリング』については、すでに記事にしているからである。

セルフ・タイトルのファーストについては、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-12-23

サードの『ロンドン・コーリング』については、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-12-15

セカンドについて記事がないのは気持ち悪いじゃないか。
ブログの記事を書くために聴くレコードを選ぶなんて動機が不純だが、いいのである(笑)


では、"Give 'Em Enough Rope"のUKオリジナルの話に入ろう。

周知のように、UKオリジナルといっても、このレコードのファースト・プレスはUSカッティングである。
マトA1/B1の送り溝には両面にUSマトも刻まれている。

ではUS盤がオリジナルだとか、US盤のほうが良いのかといえば、それは違うと思う(ので、実は、US盤は持っていない 笑)。

まず、UKに送られたラッカーの方が先にカッティングされ(UKには、Side 1が末尾1Bと1Cと1D、Side 2が末尾1Aと1Cと1Dが送られている。ちなみに、うちのは1C/1Dだ。)、UKに送られたラッカー由来のスタンパーは、基本的に、USプレスでは使用されていない。

おもしろいことに、このUK盤は、末尾の違うUSマトもすべて、UKマトとしてはA1/B1が刻まれている。
つまり、複数のラッカーから製造されたマザーが一括してUKに送られ、一括して送られてきたマザーにはすべてA1/B1のUKマトが刻まれたのだろう。

ところで、マザーが送られたのであれば、すべてのマザーを送らず、一部を残しておいて、USでのプレスに使用することも可能だったはずなのに、そうはしていない。
USプレスには、原則として、UKに送られたラッカーより後にカッティングされた(つまりアルファベットが進んだ)ラッカーが使用されているのである(一枚、Side 2のマトが1Dの盤がDiscogsに登録されているが、常に例外はあるものなので、気にしない 笑)。

さらに、USでのカッティングは刻印から見てCOLUMBIAのスタジオで行われたのだと思われるが、EPICはCOLUMBIAとは違ってレコード番号がそのままマスター番号になるので、US盤のマトは、COLUMBIAで刻印されたマトが消されて、EPICのマトが刻印されている。
つまり、UKには、そのようなマトの修正が施されることなく製造されたマザーが、送られたのである。

ってことで、USカッティングなんだけど、最初にUK向けのが誂えられているわけだから、このレコードはUK盤がオリジナルでいいんである(たぶん 笑)。

タグ:The Clash
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