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Tears For Fears, Songs from the Big Chairの日本盤 [アナログ・コレクターの覚書]

<初回盤のPM情報をいただいたので、ちょっと追記しました。>(2021年12月5日14:20)

まずは日本盤(Mercury 25PP-157)である。


20211204-02.jpg


日本盤には、UK盤のインナースリーブの表裏を外側にした見開きインサートが付属する。


20211204-03.jpg


インサートの内側は、左側に大貫憲章さんの解説、右側に歌詞が掲載されている。
対訳はない。

売れたレコードだけあって、この帯付き日本盤、そのへんにゴロゴロしている。
で、ボクは、この帯しか見たことがなかった。

ところが最近、違う帯が存在することを知った。
ボクは持っていないが、Discogsで画像が見られるので確認してほしい。

https://www.discogs.com/release/4318734-Tears-For-Fears-Songs-From-The-Big-Chair

CMタイアップの"Shout"が収録されていて、最初から売れたアルバムだと思っていたので、ボクが持っている(そのへんにゴロゴロしている)黄色帯が初回帯だと思っていたのだが、どうやら、このピンク文字の帯が初回帯っぽい。

デザイン的にも落ち着いていて初回帯っぽいが、帯に書かれた煽り文句からも初回帯であることが推測できる。
Discogsに登録されている画像では解像度が低くて確認できないかもしれないが、ピンク文字のほうは、「全英を制覇したフレッシュ・デュオ!/待望の第2弾アルバム!!」なのだが、黄色帯のほうはこんな煽り文句なのだ。


20211204-22.jpg


「全英を制覇!そして今、全米を急襲中!!/フレッシュ・デュオ、ティアーズ・フォー・フィアーズ」って、「その後」感がハンパないじゃないか(笑)
しかも、「オレ・タチ・T.F.F.」のコピーには、いかにも売れ始めたんでいっちょ帯でもかえてテコ入れしてやろうかってイケイケ感が漂う。

"Shout"が使われていたカルタスのCMには舘ひろしさんが登場して、「オレ・タチ・カルタス」というダジャレ・キャッチコピーを披露してたよねぇ。
そのダジャレをさらにもじって「オレ・タチ・T.F.F.」ってさぁ・・・
でも、まぁ、そういう時代だったよね(笑)

この黄色帯には、T.F.F.という略称を浸透させようという意図も読み取れる。
確かに、「ティアーズ・フォー・フィアーズ」はちょっと憶えにくかったかもしれない。

ってことで、帯自体からも、黄色帯がセカンド帯であることが推測できるのだが、さらに盤の方にも状況証拠を見つけることができる。
このレコードはビクタープレスなので、PMでプレス年月がわかるのだ。

Discogsを見ると、ピンク文字帯ジャケの盤はマトが112*/111**でPMはDのようだ。
Dは奇数年の4月を意味する。
"Songs from the Big Chair"の英本国でのリリースは1985年2月25日とされている。
日本盤の発売日がいつだったかわからないのだが、大貫憲章さんの解説に脱稿日が85年2月18日と明記されているから、4月頃だったんじゃないだろうか。
PMと符合するじゃないか。

初回帯の盤で、マト111*/111*でPMがCという盤が存在するという情報をいただいた。
Cは奇数年の3月を意味するから、初回プレスが3月ということは、おそらく、日本盤発売日は3月下旬か4月上旬で間違いないと思う。
(2021年12月5日14:20追記)

一方、ボクの持っている黄色帯ジャケの盤はマトが113***/113**でPMはHIである。
HIは奇数年の8月と9月を意味する。
つまり、85年8月に一度使用されたスタンパーで、9月にプレスされた盤ということになる。

5月~8月のどの時点で帯が切り換わったのかわからないが、黄色帯の数の多さから言って、かなり早い段階で切り換わったんじゃないかと思う。

このあたりの話は、知ってる人には「何をいまさら・・・」って話だろうけど、再発ってわけでもなく発売の数か月後に帯の切り換えが行われるのってわりと珍しいよねぇ?


日本盤には、もう一つ、大きな特徴がある。

このアルバム、Side 2の3曲目"Head Over Heels"の後にライブバージョンの"Broken"がくっついてる関係で、レーベル上のクレジットが5曲になっているのだが、実質的には4曲なので(ジャケットやインナースリーブは4曲表記)、UK盤もUS盤も(もちろんオランダ盤も)Side 2のバンドは4つにしか区切られていない。

しかし、日本盤は、ちゃんと5つに区切られているのである。


20211204-04.jpg


日本盤すごーい!
と思ったのも束の間、区切ってる場所が違うやないかいっ!
5曲目"Listen"のど真ん中で、バンドが2つに区切られているのである。
バンドが区切られてるだけで、もちろん、音的なブランクはないんだけどね。

この間違いのせいで、Discogsの日本盤LPのところでは曲の長さもおかしなことになっている。

こんな間違いが起こったのも、Side 2のレーベル・クレジットがややこしいからに違いない。
で、このややこしさの影響は、実はUK盤にもあったんじゃないかと推測しているのだが、その話は、UK盤の初盤判定のところですることにしよう。


ちなみに、音質のほうは、ビクター・カッティングのビクター・プレスであるからして、日本盤らしい優等生的な音である。


ところで、お約束ですが、この盤はビクタープレスなので・・・


20211204-05.jpg


透けます(笑)

タグ:Tears For Fears
コメント(2) 
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コメント 2

duranduranblogjapan

深堀すごく興味深く拝見しております。
当方マトには疎いのですが、当方所有の初回盤のマトは、A面111* Cで、B面111*でした。
日本での「シャウト」と「ルールザワールド」のシングル盤のリリースのタイミングが短かったのと、USでは「ルール~」が大ヒットなどが帯の変更にも影響したのかもしれませんね。
by duranduranblogjapan (2021-12-05 12:51) 

想也

duranduranblogjapanさん

こちらへもコメントありがとうございます(^^)
そのマトでPMがCとすると、おそらく、日本盤発売日は3月下旬か4月上旬でしょうね。
貴重な情報、ありがとうございました。

帯は、初回帯のほうがデザイン的には良いですが、セカンド帯のほうが絶対に目立ちますよね(笑)

by 想也 (2021-12-05 14:10) 

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