WARNERのCBS SONYプレスー柳ジョージ&レイニーウッド『Woman and I』 [国内盤研究]
先日、Cal De RさんがWARNERのCBS SONYプレスのことを話題にしていたが、しばらく前に、ボクもCBS SONYプレスのWARNER盤を見つけて、これはネタになるなーと思ったのである。
まぁ、そんな小ネタは山ほどあるので、すっかり忘れてしまっていたのだが(笑)、良い機会なので記事にしておくことしよう。
発見はこのレコードだった。
柳ジョージ&レイニーウッド『Woman and I OLD FASHIONED LOVE SONGS』(Atlantic L-6305-6A)である。
Atlanticに移籍後第一弾となった渾身の二枚組大作だ。
柳ジョージさんについてはヒット曲ぐらいしか知らなかったボクは、『青い瞳のステラ、1962年夏・・・』が聴きたくなって手に入れたのだが、『娘よ・・・』とか『アフリカの夢』あたりにもやられた。
"A Change Is Gonna Come"や"You've Really Got A Hold On Me"といったカバーも秀逸だし、なかなか良いアルバムである。
って、中身の話はボクなんかじゃ不適任だよね(笑)
では、本題のCBS SONYプレスの話に入ろう。
最初に送り溝を見たとき、ボクはすぐにはCBS SONYプレスだとは気づかなかった。
AtlanticなんでWARNER製造なのだが、WARNERは東芝EMIプレスか東洋化成プレスだと思い込んでいたからである。
それに、CSという刻印もない。
しかし、東芝のものでも東洋化成のものでもないが、PMらしき刻印はある。
『Woman and I』は、1980年7月25日リリースだから、0S7はPMと考えて辻褄が合う。
『Woman and I』といっしょに、柳ジョージさんのソロ『George』と『タバコ・ロード』も手に入れたのだが、どちらにもSをはさんだ刻印があって、発売日と照合した結果、これはPMに間違いないと判断した。
でも、Sってなんだ?
ネットで調べてみたもののよくわからない。
わからなかったのは、送り溝ばっかり見てたからだ。
レーベル形状(特にセンターの円の大きさ)に気づけば、CBS SONYプレスだと推測がつく。
ただ、もう一つ、このレコードの送り溝には判断を迷わす刻印があった。
Side 1は、謎の1が前についていることを除けば、CBS SONYのマザー/スタンパー刻印とみてよさそうなのだが(Side 3も同じ)・・・
Side 2のマザー/スタンパー刻印(Side 4も同じ)は実に不可解なのである。
確かに、A-23というCBS SONYっぽい刻印はあるのだが、その前に111**とあるのだ。
これはVICTORプレスをあらわすんじゃ?
ちなみに、4面の送り溝の刻印は次の通りだ。
Side 1 1 1-E-9
Side 2 111** A-23
Side 3 1 2-B-9
Side 4 111** A-22
これをどう読むかだが、まずは何故VICTOR刻印が混じっているのかの解明が必要だ。
解明の手掛かりは、内ジャケにあった。
かっこいーーー
って、そうじゃない(笑)
このクレジットである。
そう、このレコード、VICTORのエンジニア、小鐵徹さんがカッティングしているのだ。
調べてみると、そもそも柳ジョージ&レイニー・ウッドのレコードは、Bourbon Record@徳間音工時代から、ずっと小鐵さんがカッティングしている(ただし、盤が透けないのでプレスはVICTORではないと思う)。
Atlanticに移籍しても、カッティングは小鐵さんにってところは譲らなかったのだろう。
しかし、VICTORカッティング盤のプレスは、東芝EMIも東洋化成も受け入れてくれなかった。
そこで、CBS SONYへのプレス委託という事態が生じたのではないかと推測する。
Bourbon Record@徳間音工時代の盤の送り溝を見ると、完全にVICTORプレスである。
しかし、レーベル形状や半透明盤でないことを考えるとVICTORプレスではなさそうだ。
つまり、どこにプレス委託をしていたのかは現時点では不明だが、少なくとも、カッティングだけではなく、メッキ処理つまりスタンパー製造までVICTORで行われ、プレスのみが他の工場で行われたんじゃないかと思う。
だから、Atlanticに移籍後初のこのレコードも、小鐵さんがカッティングした後、スタンパー製造までVICTORで行われていた。
しかし、その途中で、「いやスタンパー製造はCBS SONYのほうでやるから」ってことが判明したんじゃないだろうか。
それで、それまで作ったスタンパーをマザーといっしょにまとめてCBS SONYに渡した。
だから、こんなごちゃごちゃな送り溝の刻印になっているんじゃないかと思うのだ。
ってことで、送り溝の刻印の読み方もVICTOR方式を前提とすればいいんじゃないかと思う。
Side 1は、VICTOR方式には見えないが、最初の1は特別なことがない限り1が割り当てられるので、1になっているだけで、次の1-E-9の最初の1がラッカー(つまりマト1)、次のEがマザー、次の9がスタンパーだろう。
Side 2は、VICTOR方式で111**なので、二番目の1がラッカー(つまりマト1)、次の1がマザー、**がスタンパーとなる。
これはCBS SONY方式に変換しないと工場の人間が読めないので、1は最初のマザーなのでAに、**を23に変換した(ここは適当に数字をふっていったんじゃないかと思う)。
Side 3は、最初の1は無視して、2-B-9の最初の2がラッカー(つまりマト2)、次のBがマザー、次の9がスタンパーだろう。
Side 4は、VICTOR方式で111**なので、二番目の1がラッカー(つまりマト1)、次の1がマザー、**がスタンパーとなり、CBS SONY方式に変換してA-22とした。
ちなみに、『George』や『タバコ・ロード』になると、もちろん、こんなゴチャゴチャした送り溝ではなくなる。
『George』(82年6月発売)の送り溝は"2S6 1 1-B-1/1 1-B-1"だし、『タバコ・ロード』(85年5月発売)の送り溝は"5S5 1-A-4/2-A-3"で、最初のあまり意味のない1も消えている。
以上、WARNERのCBS SONYプレスについていろいろ推理を重ねてきたわけだが、さて、真相やいかに?
まぁ、そんな小ネタは山ほどあるので、すっかり忘れてしまっていたのだが(笑)、良い機会なので記事にしておくことしよう。
発見はこのレコードだった。
柳ジョージ&レイニーウッド『Woman and I OLD FASHIONED LOVE SONGS』(Atlantic L-6305-6A)である。
Atlanticに移籍後第一弾となった渾身の二枚組大作だ。
柳ジョージさんについてはヒット曲ぐらいしか知らなかったボクは、『青い瞳のステラ、1962年夏・・・』が聴きたくなって手に入れたのだが、『娘よ・・・』とか『アフリカの夢』あたりにもやられた。
"A Change Is Gonna Come"や"You've Really Got A Hold On Me"といったカバーも秀逸だし、なかなか良いアルバムである。
って、中身の話はボクなんかじゃ不適任だよね(笑)
では、本題のCBS SONYプレスの話に入ろう。
最初に送り溝を見たとき、ボクはすぐにはCBS SONYプレスだとは気づかなかった。
AtlanticなんでWARNER製造なのだが、WARNERは東芝EMIプレスか東洋化成プレスだと思い込んでいたからである。
それに、CSという刻印もない。
しかし、東芝のものでも東洋化成のものでもないが、PMらしき刻印はある。
『Woman and I』は、1980年7月25日リリースだから、0S7はPMと考えて辻褄が合う。
『Woman and I』といっしょに、柳ジョージさんのソロ『George』と『タバコ・ロード』も手に入れたのだが、どちらにもSをはさんだ刻印があって、発売日と照合した結果、これはPMに間違いないと判断した。
でも、Sってなんだ?
ネットで調べてみたもののよくわからない。
わからなかったのは、送り溝ばっかり見てたからだ。
レーベル形状(特にセンターの円の大きさ)に気づけば、CBS SONYプレスだと推測がつく。
ただ、もう一つ、このレコードの送り溝には判断を迷わす刻印があった。
Side 1は、謎の1が前についていることを除けば、CBS SONYのマザー/スタンパー刻印とみてよさそうなのだが(Side 3も同じ)・・・
Side 2のマザー/スタンパー刻印(Side 4も同じ)は実に不可解なのである。
確かに、A-23というCBS SONYっぽい刻印はあるのだが、その前に111**とあるのだ。
これはVICTORプレスをあらわすんじゃ?
ちなみに、4面の送り溝の刻印は次の通りだ。
Side 1 1 1-E-9
Side 2 111** A-23
Side 3 1 2-B-9
Side 4 111** A-22
これをどう読むかだが、まずは何故VICTOR刻印が混じっているのかの解明が必要だ。
解明の手掛かりは、内ジャケにあった。
かっこいーーー
って、そうじゃない(笑)
このクレジットである。
そう、このレコード、VICTORのエンジニア、小鐵徹さんがカッティングしているのだ。
調べてみると、そもそも柳ジョージ&レイニー・ウッドのレコードは、Bourbon Record@徳間音工時代から、ずっと小鐵さんがカッティングしている(ただし、盤が透けないのでプレスはVICTORではないと思う)。
Atlanticに移籍しても、カッティングは小鐵さんにってところは譲らなかったのだろう。
しかし、VICTORカッティング盤のプレスは、東芝EMIも東洋化成も受け入れてくれなかった。
そこで、CBS SONYへのプレス委託という事態が生じたのではないかと推測する。
Bourbon Record@徳間音工時代の盤の送り溝を見ると、完全にVICTORプレスである。
しかし、レーベル形状や半透明盤でないことを考えるとVICTORプレスではなさそうだ。
つまり、どこにプレス委託をしていたのかは現時点では不明だが、少なくとも、カッティングだけではなく、メッキ処理つまりスタンパー製造までVICTORで行われ、プレスのみが他の工場で行われたんじゃないかと思う。
だから、Atlanticに移籍後初のこのレコードも、小鐵さんがカッティングした後、スタンパー製造までVICTORで行われていた。
しかし、その途中で、「いやスタンパー製造はCBS SONYのほうでやるから」ってことが判明したんじゃないだろうか。
それで、それまで作ったスタンパーをマザーといっしょにまとめてCBS SONYに渡した。
だから、こんなごちゃごちゃな送り溝の刻印になっているんじゃないかと思うのだ。
ってことで、送り溝の刻印の読み方もVICTOR方式を前提とすればいいんじゃないかと思う。
Side 1は、VICTOR方式には見えないが、最初の1は特別なことがない限り1が割り当てられるので、1になっているだけで、次の1-E-9の最初の1がラッカー(つまりマト1)、次のEがマザー、次の9がスタンパーだろう。
Side 2は、VICTOR方式で111**なので、二番目の1がラッカー(つまりマト1)、次の1がマザー、**がスタンパーとなる。
これはCBS SONY方式に変換しないと工場の人間が読めないので、1は最初のマザーなのでAに、**を23に変換した(ここは適当に数字をふっていったんじゃないかと思う)。
Side 3は、最初の1は無視して、2-B-9の最初の2がラッカー(つまりマト2)、次のBがマザー、次の9がスタンパーだろう。
Side 4は、VICTOR方式で111**なので、二番目の1がラッカー(つまりマト1)、次の1がマザー、**がスタンパーとなり、CBS SONY方式に変換してA-22とした。
ちなみに、『George』や『タバコ・ロード』になると、もちろん、こんなゴチャゴチャした送り溝ではなくなる。
『George』(82年6月発売)の送り溝は"2S6 1 1-B-1/1 1-B-1"だし、『タバコ・ロード』(85年5月発売)の送り溝は"5S5 1-A-4/2-A-3"で、最初のあまり意味のない1も消えている。
以上、WARNERのCBS SONYプレスについていろいろ推理を重ねてきたわけだが、さて、真相やいかに?
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