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あいが始まる前~Colosseum II, Strange New FleshのUKオリジナル [Gary Moore]

<いろいろ情報をいただいて、新たにわかったことがあるので、追記しました。>(2023年4月9日19:00)

あいが始まる前は恋である。
きゅん。
って、違う。そうじゃない。

「あいが始まる前」でピンときた貴方は、すでに病状がかなり進行している。
もはや諦めた方がいいかもしれない。
ボクはもう諦めている(笑)

では、考レコ学クイズ17の解答編である。

他力本願児さんから、②だという解答があった。
セカンド・プレスは歌詞等付インサートに仕様変更されていて、カスタム・インナースリーブというのがファースト・プレスの証じゃないかというわけだ。
なるほど、実際にそのような仕様変更があったとすると、(非常にありそうな仕様変更ではあるし)その前後でファースト・プレスとセカンド・プレスを区別することには合理性がある。

しかし、Discogsの登録からはそのような仕様変更はわからない。
UKオリジナルが2枚登録されているが、いずれも厚紙インナースリーブ(Cardboard Inner Sleeve)とされている。
(汎用インナースリーブ+歌詞等付きインサート仕様のものを、他力本願児さんは、実際にお持ちだということで、さらに、TLで、まっつんさんから画像を見せてもらい、ボクも実在することを確認しました。)

それに、仮に、インナースリーブ→インサートの仕様変更があったとしても、インナースリーブの時期でもファースト・プレスとセカンド・プレスが区別できるんじゃないかというのが、ボクの出題の意図なんである。

他のインナースリーブの仕様変更(厚紙から薄紙になったとか、角のカットの仕方や取り出し口のカットの仕方が変わったとか)があったとしても、同じことが言える。

ってことで、正解は②ではない。


TLでは、路傍の石さんやxxxeizoooxxxさんから、①または③からIsland配給であることがわかるが、Island配給ならファースト・プレスということじゃないかという解答があった。

確かに、Bronzeは、1977年にIslandからEMIに、さらに1980年にはPolydorに配給が変わる。
ただ、Discogsを見ても、EMI時代やPolydor時代の再発は登録されていない。
それに、仮に、EMI時代やPolydor時代の再発があったとしても、Island時代にすでに、ファースト・プレスとセカンド・プレスが区別できるんじゃないかというのが、ボクの出題の意図なんである。

①については、クレジットの違いではなく、ジャケットの色味の違いという点に注目する人もいたかもしれない。
実際、ボクがこのレコードを購入したとき、お店には3枚のUKオリジナルが置いてあって、緑っぽいものが一枚と青みの強いものが二枚だった。
で、実物を比較したとき、緑っぽいものが初回盤ぽい感じがしたことも、このレコードを初回盤だと判断して購入した一つの理由だったのである(でも、緑っぽいことは、青みの強いものと並べてみないとわからないよね)。


20230404-06.jpg


しかし、色味の違いは個体差の可能性もあり、決定的な証拠にはならない。
初回盤は緑っぽかったんじゃないかと思ってはいるが、断定はできないと思っている。

③については、TLで、ノイさんから、外周に隆起がある(CBSプレスだとわかる)レーベル形状のものがファースト・プレスで、フラット・レーベルがセカンド・プレスということじゃないかという解答があった。

確かに、Discogsにはフラット・レーベルというのが登録されている。
しかし、それが登録されているところにフラット・レーベルと説明されているわけではなく、外周隆起レーベルのところに、「あっちはフラット・レーベル」みたいな書き方だ。
ってことで、あのフラット・レーベルは、ホントにフラットなのかあやしいと思う。

うちの外周隆起盤も、写真の撮り方次第では、こんな風に見える。


20230404-07.jpg


フラット・レーベルなんて存在しないんじゃないだろうか。
少なくとも、ボクは、そこでファースト・プレスとセカンド・プレスが区別できるとは思っていないんである。

ってことで、①と③も正解ではないことになるから、正解は④である。

「マトが両面1Eとか、そんな初歩的なもん、出題するなよなー」と思った貴方!
もちろん、そんな初歩的な問題ではない(笑)
そもそも、このレコード、マトは両面1Eしか存在しないだろう。

着目すべきは、「あいが始まる前」である。

1976年のIsland配給のCBSプレスなので、このレコードも、メッキ処理は、Gedmal Galvanic Ltd.で行われている。
送り溝には、Eddy Goreckiによるメッキ処理であることを示すEGサインもある。


20230404-08.jpg


1976年のEGメッキといえば、以前、ジェスロ・タル(Jethro Tull)"Too Old To Rock 'N' Roll: Too Young To Die!"のUKオリジナルに関連して、話題にしたことがある。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-11-20

"Too Old To Rock 'N' Roll: Too Young To Die!"は1976年4月23日リリースなので、"Strange New Flesh"とは僅か4日違いである。
送り溝からのファースト・プレスの判断方法も、同じはずだ。
つまり、注目すべきは、一番先頭の2ということになる。


20230404-05.jpg


この2はスタンパー・ナンバーだと思われるが(スタンパー・ナンバーが2って、EMIならR、DeccaならUで、コレクター感激の若さだ)、ファースト・プレス用に何枚スタンパーを作ったかわからないので、数字の大きさからファースト・プレスとセカンド・プレスを区別することはできない(ちなみに、マザー・ナンバーは、EGサインの画像のところに映っている1だと思う)。

決定的なのは、この2というスタンパー・ナンバーの前に”Iー”がついていないことだ。
「あいが始まる前」がファースト・プレスで、「あいが始まった後」はセカンド・プレスだと考えられるのである。

Discogsの登録を見ると、少なくともスタンパー・ナンバー20からは”Iー”が付いている。
いくつから”Iー”が付くようになるのかわからないが、Discogsの登録では、14ではまだ付いていないようだ。

Side 1とSide 2を区別せずに見ていたが、その後寄せられた情報では、Side 1には”Iー”付きスタンパー・ナンバーの報告がなかったので、”Iー”付きが存在するのはSide 2のみなのかもしれない。
Discogsを見ると、Side 1のほうは、14や15でも”Iー”無しのようだ。
一方、Side 2のほうは、12ですでに”Iー”付きがあるようだ。
もっとも、12には”Iー”無しも存在するようで、このあたりは端境期の産物だと思うのだが、ちょっと不可解である。

いずれにせよ、ファースト・プレスの特徴としては、「両面とも”Iー”無し」に訂正する必要があるだろう。

ってことで、うちのSide 2の送り溝である。


20230409-01.jpg


Side 2も、一番先頭に刻まれているのは、2のみで”Iー”は付いていない。


いずれにせよ、”Iー”付きになったところで、少なくとも、追加で二回目のメッキ処理が行われたことを示すわけで、ここからセカンド・プレスと言っていいと思うのである。

Discogsには、”Iー”付きは”Iー20”の一枚しか登録されていないが、ボクがこのレコードを購入したとき、数字までは憶えていないが、購入したもの以外の2枚は”Iー”付きだった。
それで、「あいが始まる前」のファースト・プレスは案外少ないんじゃないかと思っていたのだが、考えてみれば、偶々ということもありうるよね。
ってことで、「あいが始まった後」のセカンド・プレスもけっこう存在するのか、あんまり存在しないのかについては、よくわからない。

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