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騙された・・・~『My Dear Life』のオリジナル [渡辺貞夫]

さて、考レコ学クイズ15の解答編である。

お題は、二枚目の『My Dear Life』のレーベルのウソだ。


20230208-01.jpg


一枚目が帯無しだったので、二枚目は帯付きで欲しかったところなのだが、何しろ初めて見たレーベルだったんだから仕方がない。
それに、まぁ、どうしても欲しい帯でもない(笑)

出題の画像は次のようなものだった。


20230207-01.jpg


どこにウソがあるのかと言えば、ここである。


20230208-02.jpg


このFLD-6001-Aというのは、マスターテープを表すものだろう。

出題の画像の上部を見ると送り溝のマトが確認できるが、天地逆になっていてわかりにくいので、ひっくり返して拡大してみよう。


20230208-03.jpg


222※である。

二番の2は2回目のカッティングであること(つまりマト2)を、三番目の2は二番目のマザーであること(つまりマザー・ナンバー2)を、最後の※は点が一つなのでスタンパー・ナンバーが2であることを意味していることは、このブログを読んでくださっている方々には常識だろう(よくわからないという方は、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-04-17 をどうぞ)。

問題は最初の2である。
ビクターの三連ナンバーの最初はほとんど1なので気にする必要がないと思っていたのだが、2が見つかってしまった。
この2が何かといえば、ラッカーより前なわけだから、リミックス等でマスターテープの変更があったということだろう。
US盤でよく見かけるREと同じような意味なんだと思う。

そして、それは、レーベル上の表記にも反映する。


20230208-04.jpg


ボクが最初に手に入れた盤は、FLD-6001-A 2になっているのである。
送り溝の刻印は、出題レーベルの盤と同じ222※だ。
Side 2も同じで、送り溝の刻印は222※、レーベルはFLD-6001-B 2になっている。

つまり、出題レーベルでは、送り溝に刻印された三連ナンバーの最初が2である以上、レーベル上もA 2となっていなければならないのに、なっていないのである。
FLD-6001-Aのみで最後に2が付いていないのは、ウソと言わざるをえない。


一枚目の『My Dear Life』を購入したとき、送り溝の刻印が222でレーベル上のマスターテープを示すと思われるクレジットが"A 2"となっている(Side 2は"B 2"となっている)ことに気づいて、おそらくオリジナル・ミックスが存在するのだろうと推測した。

気になったのは、「そのオリジナル・ミックスがどのようなもので何故リミックスが行われたのか?」ということと、「オリジナル・ミックス」の市販品は存在するのか?」ということだった。

だから、マスターテープを示すと思われるクレジットが"A 2"ではなく”A”となっているレーベルを発見したとき、ボクはすべての謎が解明されると期待したのである。
三連ナンバーの最初が1の盤が届くものだと信じていたのだ。
しかし、届いたマスター表記"A"レーベル盤の送り溝の刻印は、両面とも222※(スタンパー・ナンバーが2であることも同じ)だった。
オリジナル・ミックスではなかったのである。

また、PMは、刻印が薄くてはっきりしないのだが、おそらくHIで、1977年8月に一度使用されたスタンパーを使って翌9月にプレスされたものだと思う(ビクターのPMについては、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-08-31 をどうぞ)。
オフィシャル・サイトのディスコグラフィーを見ると、『My Dear Life』のリリースは1977年8月25日になっているから、それが正しいとすると、発売翌月プレスということになる。
ってことは、オリジナル・ミックスの市販品が存在する可能性だって、まだ否定されていないのだ。

ただ、リミックスによるマスター差替えがあったとすると、発売延期になった可能性もある。
1977年8月25日というのは当初の発売予定日で、実際には9月または10月リリースだったとすると、オリジナル・ミックスの市販品は存在しないかもしれない。
実際、この数か月、思い出すたびにヤフオクでチェックしていたのだが、ボクが手に入れたもの以外では、"A 2"表記レーベルしか見たことがない。

ちなみに、うちの二枚、送り溝の刻印はまったく同一、つまり同一スタンパー使用で、PMまで同じである。
これはかなり奇跡的な一致だと思うのだが、案外こういうことって起こるのよね(笑)
ただ、音の方はかなり違っていて、"A"表記レーベル盤のほうが、"A 2"表記レーベル盤よりも、かなり音が立っていて、スタンパーが新鮮であることをヒシヒシと感じることができる。

ってことで、音質的には十分満足してるから、もういいかー

いや、でも、気になるな・・・

もし、オリジナル・ミックス盤をお持ちの方がいらしたら、ぜひ教えてくださいませm(_ _)m

タグ:渡辺貞夫
コメント(2) 
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コメント 2

ナベブタ

レコード持っていたので見てみたら

FLD-6001-A 2で2 2 1

FLD-6001-B 2で2 2 2 でした


by ナベブタ (2023-02-14 01:38) 

想也

ナベブタさん

情報ありがとうございます(^^)

マザー1でも、A 2表記でしたか。

by 想也 (2023-02-14 22:28) 

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