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Bad Company『バッド・カンパニー』(日本盤)を聴きながら~カッティングの謎 [アナログ・コレクターの覚書]

12月17日はポール・ロジャース(Paul Rodgers)の誕生日である。

フリー(Free)を聴こうかバッド・カンパニー(Bad Company)を聴こうか迷ったが、バッド・カンパニーの方を聴くことにした。
ポール・ロジャース色がより色濃く出ている気がしたからである。

ターンテーブルに載せたのは、ファースト・アルバムの日本盤(東芝EMI ILS-80057)だ。


20221217-01.jpg


「UKオリジナルじゃないんかいっ!」って声が聴こえてきそうだが、日本盤しか持ってないんだから仕方がない。
日本盤も、UKからの輸入メタル使用だから、いいんである。


20221217-02.jpg


ほらね。
送り溝にも、UK盤と同じマトが刻印されている。
しかも、両面とも末尾は1Uだ。

もっとも、この盤の場合、「輸入メタルだから、ビニール品質やプレス品質を考えれば、日本盤が一番音が良い。」という法則が成り立ちそうにないのではあるが。

というのも、このアルバム、英本国でのリリースが1974年6月26日だったのに対して、日本盤リリースは同年10月20日である(Discogsに登録されている見本盤レーベルで確認した)。
4か月も後なんである。

日本に送られたのは、もちろん、ラッカーではない。
なにしろ英本国のリリースからしばらく経ってのことだから、日本に送られたのは、おそらく、すでにかなりのスタンパーをとった後の使い古しのマザーだったんじゃないかと思う。

そんなわけで、「輸入メタルだから、ビニール品質やプレス品質を考えれば、日本盤が一番音が良い。」という法則が成り立ちそうにないんである。

まぁ、それでも、この日本盤、まったく不満はないぐらい素晴らしい音で鳴るんだけどね。
でも、UKオリジナルのアーリー・プレスは、もっと良い音で鳴るんじゃないかと思うのである。

それはさておき、このレコードについては、ひとつ不可解なことがある。
裏ジャケットに、"CUT AT THE MASTERING LAB LOS ANGELES"と明記されているのだが、送り溝には、どこにもTML刻印がないんである。
Discogsで確認すると、日本盤と同じカッティングのUK盤はもちろん、US盤の送り溝にも、TML刻印はないようだ。

詳しくは下記記事を見ていただきたいのだが、1974年5月(6月リリースなら前月カッティングとすると5月になる。)だと、まだTML-MとTML-Sの刻印は使われていないが、すでにTML刻印は使用されていたはずだ。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2022-03-13

これはどういうことなんだろう?

1974年頃には、まだTMLを刻印しないことがあったってことなんだろうか?
それとも、実はTMLカッティングはボツになってしまって、密かに他でカッティングされたラッカーが使用されたということなんだろうか?

謎なのである。

タグ:Bad Company
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