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Rickie Lee Jones, Piratesをめぐるあれこれ [Rickie Lee Jones]

Kaori Eさんから日本盤発売日について情報を提供していただいたので、それに関連する追記をしました。(2022年11月10日12:00)

さて、夕べは眠くて書けなかった、リッキー・リー・ジョーンズ(Rickie Lee Jones)"Pirates"をめぐるあれこれについての話である。

ボクは、このレコードを4枚もっている。


20221109-01.jpg


といっても、特に深掘りしたわけではない(そもそも4枚ぐらいじゃ深掘りとは言わない 笑)。

最初に買った日本盤の帯を(たぶん高校生か大学生の頃)捨ててしまったので、帯付きを買い足して、日本盤が二枚になった。

帯付き日本盤を買う前にUS盤を手に入れていたが、マトがS2/S2だったので、マト1S/1Sの盤を発見したときに買い足して、US盤が二枚になった。

4枚になったのはそういう理由である。

アナログ・コレクターが気になるのは、おそらく、マトS1とS2に音の違いがあるのかということだろう。
うちのはどちらも西海岸のアライド工場プレスだが、大きな違いはないと思う。
どちらも、とても良い音で鳴る。

日本盤を持っているアナログ・コレクターが気になるのは、日本盤とUS盤では、どっちの音が良いかということだろう。
オリジナルはUS盤なんだから、そりゃ、当然US盤だろうと思いきや、このレコード、日本盤もUSカッティングなんである。


20221109-02.jpg


日本盤の送り溝にも、手書きでBSK-1-3432/BSK-2-3432と刻まれている(写真はA面)。
ただし、A面にはJPN-1、B面にはJPN-4とあって、おそらく日本向けカッティングだと推測される。
このオリジナルのマトに呼応して、日本マトおよびマザー/スタンパーは、1L-A-9/4L-B-1となっている。
オリジナルのマトがA面はJPN-1なので1Lに、B面はJPN-4なので4Lにしてあるのは、いかにも律儀な日本人らしい。

日本盤はビニールの材質が高品質なうえにプレス技術も高いから、ラッカーやマザーを輸入してプレスしている場合、オリジナルよりも高音質だったりする。
このレコードだって、その可能性があるのだ。

もっとも、USカッティングだからといって、US盤と同じエンジニアがカッティングしているとは限らない。
このレコードは、インナースリーブに明記されているとおり、ワーナースタジオのリー・ハーシュバーグ(Lee Herschberg)のカッティングなのだが、日本向けカッティングまで彼がやったとは限らないのである。

ってことで、筆跡鑑定をしてみると・・・


20221109-03.jpg


まぁ、あんまり特徴的ではないのだが、日本盤とUS盤の送り溝の筆跡は、一応同じ筆跡だと判定できそうだ。
これは、日本盤最強かもしれないぞ。

しかーし、世の中、そんなに甘くないのである(笑)
聴き比べてみると、やっぱり、USオリジナルのほうがずっと良い音で鳴る。
何より鮮度感が違う。

このレコード、本国アメリカでの発売は、Wikiによると1981年7月15日のようだが、日本盤のリリースはいつだったのか?
解説インサートの解説者の脱稿月が1981年7月になっているから、リリースは9月か、どんなに早くても8月だろう。

Kaori Eさんに日本盤の発売日を教えてもらいました。
8月8日とのこと。
Kaori Eさん、ありがとうございました!

リリース日のズレは24日なのでひと月弱だ。
思っていたよりも近かったが、それでも、カッティングがUS盤よりひと月弱後でも間に合ったということを意味している。


うちの日本盤はCBS SONYプレスだから、PMでも確認できる。
PMは、1S78である。
スタンパーの若さから考えて初回プレスだろうから、1981年8月か9月のリリースで辻褄が合う。

PMの1S78は、1981年7月に一度使用されたスタンパーを使って8月にプレスされたことを示すから、残念ながら、発売日の前月プレスではなかったということになる。
7月におけるスタンパーの使用はテストプレスとか見本盤プレスのためと勝手に思い込んでいたが、通常盤のために使用された可能性も十分に考えられるので、ボクの日本盤に対する評価は、もしかしたらスタンパーの摩耗に由来する部分もあるかもしれない。

ってことは、本国アメリカより1~2か月遅れのリリースだったわけだ。
カッティングも、遅れて行われたに違いない。

その証拠が、これである。


20221109-04.jpg


USオリジナルの送り溝には、マトS1にもマトS2にも、この"ANDREA DORIA"の文字が両面に刻まれている。
ANDREA DORIAというのは、おそらく1956年にニューヨークに向かう途中で衝突事故のため転覆・沈没したイタリア・ラインの客船のことだと思うのだが、どういう意味合いがあるのかはわからない。
わからないが、リッキー本人か、もしくはプロデューサーが書いたんじゃないかと思う。
つまり、この落書きには、「この音でオッケー」という承認の意味も含まれているんだと思うのである。

日本盤には、"ANDREA DORIA"の文字は刻まれていない。
やっぱり、日本向けのカッティングは、USオリジナルよりもちょっと遅れて行われたんだと思うなー

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