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コロンビア・カーブ [アナログ・コレクターの覚書]

ひと月ほど前に、唐突にアナログ・レコードのDSD録音を試したくなり(まぁ、ほかにも理由はいくつかあるのだが)、KORGのDS-DAC-10RというDACを衝動買いした。

DS-DAC-10RにはAudiogate4というオーディオ録音/再生ソフトがついてくる(正確にいうと、DLしてインストール後、DS-DAC-10Rを接続した状態で起動すれば、ライセンス認証(アクティベーション)が自動で完了して使えるようになる)のだが、このソフト、6種類のフォノEQカーブ(RIAA、RIAA+IEC、NAB、COLUMBIA、FFRR、AES)を選べる機能がついているという優れものである。

適切なEQカーブをかけて録音することもできるが、適切なEQカーブがわからない場合には、EQをオフにして録音したあと、再生するときにEQカーブを選ぶこともできる。

とはいえ、EQカーブがRIAAに統一されたのは1955年頃ということだから、うちにあるレコードのほとんどはRIAAカーブなわけで、せいぜいジャズの10インチ盤が適切なEQカーブで聴けるようになったという程度のことだった(まぁ、それはそれで凄いことなのだが・・・聴いたらビックリするよ 笑)。

そのはずだったのだが・・・

どうやら、その程度ではすまない話らしいのである。

友人の話によれば、ボブ・ディラン(Bob Dylan)の60年代にリリースされたモノラル盤は全部、RIAAカーブじゃなくてCOLUMBIAカーブらしいのである。

1967年の"John Wesley Harding"でさえ、COLUMBIAカーブで聴いたほうが良いというのだ(もっともボクは、このレコードからはステレオ盤しか持っていないが・・・)。

これは大問題である。
だって、ディランだけが特別だったわけじゃないだろうから、60年代の米コロンビアのモノラル盤は全部(少なくとも、レコード盤に刻まれた音を最大限に引き出して再生するためには)COLUMBIAカーブで聴かなきゃいけないってことになってしまう(マイルスも!!!)。

ってことで、友人を信用しないわけではないのだが、実は半信半疑だった。
そもそも、「1955年ころにRIAAに規格が統一された」というのは、周知の事実なのである。

半信半疑のまま、ディランの手持ち米オリジナル・モノラル盤からセカンドの”THE FREEWHEELIN'"を選んで、フォノEQオフで一曲目「風に吹かれて」を録音し、RIAAカーブとCOLUMBIAカーブで聴き比べてみた。


20160605-1.jpg


ごめんなさい。
疑ったボクが愚かでした。
ひと言でいえば、COLUMBIAカーブで聴いたほうが「焦点が合っている」のである。
どうせ聴くなら、確かにこっちで聴く。

それにしても不思議なのは、何故RIAA統一後もCOLUMBIAは自社カーブにこだわったのかである。

ふっと思ったのは、ハードの普及の問題である。
RIAAに統一といっても、RIAA補正しかできないハードの普及には時間がかかる。
当時のオーディオは高級品だし、そうそう買い替えが進むとも思えない。

昔のオーディオでずっと聴いている人がほとんどだとしたら、COLUMBIAカーブでも全然困らないし、むしろ同じコロンビアのレコードなのに発売時期によってカーブを切り替えなきゃならないのは面倒である。

米コロンビアが少なくともモノラル盤については自社カーブにこだわったとしても、十分に理由のあることだと思えた。

まぁ、単なる妄想だけどね(笑)

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