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「ジャージーな音質」って何さ? [国内盤研究]

4月7日は、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)の誕生日である。

トランぺッターのフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)やホール&オーツのジョン・オーツ(John Oates)も誕生日だが、先月から、映画『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at Emerson's Bar & Grill』が公開されていて、何かと話題になっているし、今年は、彼女のレコードを聴くことにした。

もっとも、ボクは、彼女のレコードはこれしか持っていない。


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1979年にキング・レコードからリリースされた『奇妙な果実』という日本盤タイトルが冠された編集盤(K23P-6611)なのだが、帯の説明によると、「ジャズ史上最初のジャズ専門レーベル、コモドアに残された歴史的名演の数々を世界で初めて体系的に編集した決定盤」だそうだ。

帯の謳い文句といえば、こんなことも書いてある。


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「オリジナルSP盤の、ジャージーな音質も、見事に再現」とあるのだが、「ジャージーな音質」って何さ?
ジャージャージージーいってる音質か?(違)
「Jazzyな音質」以外には考えられないのだが、じゃ、それって、どんな音質なの?
ちょっと意味不明なのである。

それはそうと、いつものクセで送り溝をのぞいて、ボクは一瞬小躍りした(笑)


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111+(点なしなのでスタンパー・ナンバーも1)である。
紛うことなきビクターのファースト・スタンパーだ。

しかし、そんな喜びも一瞬で消えた。


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PMが、PVXBって何だよ?
これは、偶数年の4月に最初に使用されたスタンパーが、10月、12月と繰り返し使用された後、年を越して奇数年の2月にプレスされたことを示す。

紛うことなきファースト・スタンパーが、どうしてこんな使われ方をするんだ?

ここで、ボクは重大なことに気づく。
キング・レコードが1979年にビクター・プレスなわけないじゃん!

キング・レコードがビクター・プレスになるのって、1984年頃のはずだ(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-02-24 をどうぞ)。
ってことは、うちの盤は、ビクター・プレスになった後の1985年2月プレスということか。
リリースから5年後の追加プレスだから、数百枚単位(あるいは数十枚か?)で、何度も追加プレスが行われたんだろう。
ちぇっ・・・

でも、考えてみれば、1979年の初回盤だって、オリジナルのSP盤からすりゃ、35年とか40年とか経っている(そこから、現在は、さらに40年以上経っているということにも吃驚してしまうが)。
もともと盤起こし(板起こしとも言う)なんだし、鮮度もへったくれもない。
どっちが良いかは、カッティング・エンジニアの腕とかプレス技術次第だろう。
キング・プレスも悪くないが、ビクター・プレスの方が良いってこともあるかもしれない。

それに、ビクター・プレスだと透ける(笑)


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でもなー
ビリーは、いつかSPで聴きたいなー

タグ:Billie Holiday
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