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MJQとスイングル・シンガーズ『ヴァンドーム』~衝撃の日本初回盤 [国内盤研究]

『はなればなれに』を読むときのBGMに最適なんじゃないかと思ったレコードとは、これである。


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1966年にリリースされたMJQとスイングル・シンガーズ(The Swingle Singers perform with The Modern Jazz Quartet)のコラボ作品『ヴァンドーム』(Place Vendome)だ。

アメリカのジャズバンドであるMJQがフランスのヴォーカル・グループであるスイングル・シンガーズとともに作り上げた作品なので、ゴタールのフランス映画の原作であるアメリカの犯罪小説を読むときのBGMに最適じゃないかというわけである。

それに、RC-DJ100のキラキラとした明るい音色が、MJQの音楽を新鮮に響かせて、実に心地良いのだ。

うちにある『ヴァンドーム』は独自ジャケットの日本盤で、(Discogsを見ると、US盤でも、70年代のMercury再発ー登録は1966年になっているが、レーベルが1972-4年のもの―で一度使用されたことがあるようだが)CDでは採用されたことのないジャケットなので、わかる人はいないだろうと思っていたのだが、ツイッターの方でsentimentalfoolさんに見破られてしまった(お見事!)。

日本盤のアナログは4回リリースされているが、フィリップスからリリースされたもの(Philips SFX-7070)―うちにある盤ーが初回盤のはずである(Discogsでは再発になっているが)。

うちの盤には帯がついていないが、Discogsで見てみると、上部に「MJQ結成15周年」とある。
モダン・ジャズ・カルテットの結成は1952年だから15周年なら1967年である。
その前身であるミルト・ジャクソン・カルテット(Milt Jackson Quartet)の結成は前年の51年なので、そこから数えれば1966年だ。
つまり、1966年か67年にリリースされたものであることがわかる。

フィリップスということはビクター・プレスなのでPMが存在する。
うちの盤は、この通り、111※(※の点が2つだから、スタンパー・ナンバーは3)で、マト1のサード・スタンパーだから、PMから発売日が推測できる。


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最初のPMはWだったから、偶数年の11月だ。
つまり、このフィリップス盤のリリースは1966年の11月か12月だったということになる。
このレコード、録音が1966年9月らしいから、うちの盤は、どう考えても初回盤である。

もっとも、うちの盤が初回盤だというのは、再発盤ではないという意味にすぎない。
というのも、うちの盤の送り溝には、衝撃のPMが刻印されているからである(笑)


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PMは、WXEGHIWADJKLだ。
なんと12個も刻印されているんである。
新記録だぜ(全然嬉しくない 笑)

1966年11月に最初に使用されたスタンパーは、数10枚から100枚ぐらいの単位でのプレスに合計12回にわたって繰り返し使用され、最終的に1969年12月にプレスされたのが、うちの盤なのだ。

60年代は、まだ、二巡目も普通にアルファベットPMを使ってたのね・・・

まぁ、でも、69年12月プレスでも、初回盤は初回盤である。

フランス盤もUS盤もシングル・ジャケットなのに対して、見開きジャケットで、開いたときのデザインもなかなか素敵だ。


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内ジャケからそこはかとなく漂う昭和感にも好感が持てる。


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最後に、お約束だが、ビクター・プレスなので・・・


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透ける(笑)



(画像をクリックするとAmazonにとびます。)

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