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Steely Dan, AjaのUSオリジナル [Bernie Grundman(BG)の仕事]

2月20日は、ウォルター・ベッカー(Walter Becker)の誕生日である。

ってことで、このレコードをターンテーブルに載せた。


20230220-01.jpg


スティーリー・ダン(Steely Dan)が1977年9月にリリースした6作目のアルバム"Aja"のUSオリジナルである。

ジャケットには金文字で"DEMONSTRATION NOT FOR SALE"というスタンプがあるプロモ盤だが、盤自体はWLPではなく、通常盤と同じだ。
このレコードのWLPは見たことがないので、プロモ盤はこのタイプしか存在しないんじゃないかと思う(たぶん)。

レコード番号は、もちろんAB-1006である。


20230220-02.jpg


このレコード、AA-1006の盤が非常に多いが(ボクも2枚持っている)、それには理由がある。

Discogsには、発売からおおよそ2週間後に価格改定(LPの価格が1ドル上がった。)があって、レコード番号がAA-1006に変更になったというようなことが書いてある。
AB-1006の背表紙には価格表示がないのに対してAA-1006の背表紙には0798という価格表示があるので、価格改定があったのは確かなようだ。
また、翌月の1977年10月発売のLevon Helm & the RCO All-Starsのレコード番号はAA-1017しか存在しない(AB-1017は存在しない)。
つまり、”Aja”がAB-1006のレコード番号で売られていた期間は、どんなに長くても1カ月くらいのものだったということだ。
AA-1006がわんさか存在するわけである。

ただ、そんな短期間での切り換えなので、初盤というのにこだわらなければ、AA-1006の盤でも初盤と遜色ない音の盤は存在するはずである。
まぁ、プレス時期を特定する方法がないので、聴いてみるしかないのだが(笑)

あと、注意が必要なのは、初回盤も4つの工場でプレスされているという点である。

西部は、コロンビアのサンタマリア工場で、ここでプレスされた盤は、マトの末尾が1Aとか1Bとかになる。
中部は、コロンビアのテレホート工場で、ここでプレスされた盤は、マトの末尾が-1とか-2とかになる。
東部は、キール(Keel Mfg. Corp.)とコロンビアのピットマン工場で、キール・プレスはマトの末尾がない(ユニオンジャックが刻印されているのが通常だが、ないものもあるかもしれない。)が、ピットマン工場プレスは、マトの末尾がP1とかP2とかになっているようだ。

レココレ今月号の初盤道でも指摘されているように、工場による音の違いは、場合によってはかなり大きかったりする。
しかも、このレコードの場合、マトの末尾の違いから明らかなように、工場によって送られたラッカー自体が違う。
アトランティックのように、同じラッカーからとったマザーを各工場に配る場合には、純粋に工場による音の違いだけだが、ラッカー違いだと、名匠バーニー・グランドマンが同じようにカッティングしていたとしても、人間なのでそれなりに違いはあるわけで、工場による音の違いとカッティングによる音の違いの相乗効果で、かなりの違いが出てきそうだ。

まぁ、その中から好みの音の盤を探し出すってのも、アナログ盤収集の醍醐味だよね(笑)

ちなみに、うちのプロモ盤は、サンタマリア工場のマト末尾1A/1Aだ。
タイトでこのうえなくクールな音を奏でてくれるのである。

タグ:Steely Dan
コメント(6) 
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コメント 6

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ウチにもAB-1006のAjaが2枚ありました。
1枚目は、プロモで、盤は通常盤、マトの末尾は、ナシ/-2でした。
(A面のマトからちょっと離れてT3の刻印があります。)
両面ともTの刻印があるのでテレホート・プレスでしょうか。
2枚目は、通常盤で、ナシ/ナシでユニオンジャックもナシでした。
こちらは、キール・プレスですかね。
残念ながら、聴き比べたことはありません。
by お名前(必須) (2023-02-23 15:55) 

想也

匿名さん

一枚目はテレホートで間違いありませんが、テレホートでも、末尾なしってあるんですね。
キールからスタンパーを取り寄せたんでしょうかね?

二枚目はキールの可能性が高いと思いますが、断定はできません。
KとかKMCとか、あと鍵穴みたいなマークとか、そういうのがあれば、キールだと断定できるんですが。

by 想也 (2023-02-23 20:04) 

お名前(必須)

「匿名」です。
二枚目を改めて見てみました。
両面ともにうっすらP があるようなのでもしかしたらピットマンなんですかね。
by お名前(必須) (2023-02-24 20:01) 

想也

匿名さん

ピットマン・プレスのことはDiscogs情報だけで書いているので、実物を見たことがないのです。
ピットマンのあの小さくて薄いPが確認できるのなら、それはピットマンに間違いないと思います。
肉眼で見えにくい場合には、スタンドとかで明るくしてルーペで確認すると、はっきり判別できることもありますよ。

by 想也 (2023-02-24 21:11) 

Koss

[Bernie Grundman(BG)の仕事]で、こちらで失礼します。
Robert Crayの"Strong PersuaderでUS.UK盤のどちらもジャケ裏面に"Mastered at Bernie GGrudman"の記載はあるのですが、あきらかにUS盤の方がいいんです。音の伸びというか?きりっとした音なんです。ただ、筆跡の特徴が2も3も違うんです?
ちなみにMatは422-8305681-A c-1 G1 B5
       422-83056 81-BS c-1∞ G1 B5のCarrollton Pressと思うのですが。どうなんでしょう…
また、お暇な時にご教授お願いします。

いつも楽しい記事ありがとうございます。
by Koss (2023-03-12 19:19) 

想也

Kossさん

ブルース系まではなかなか手が回らなくて、Robert Clayは持ってないんですよ。
ってことで、よくわかりませーん。
一般論として、ジャケットにクレジットがあって、オリジナル(US盤)がBGカッティングでも、UK盤は輸入ラッカー(またはマザー)を使用していない限り、BGカッティングじゃないと思います。
その場合でも、UK盤のクレジットは通常そのままです。

by 想也 (2023-03-13 00:30) 

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