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The Band, Music from Big PinkのUSオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

昨日12月10日は、ザ・バンド(The Band)のベース、リック・ダンコ(Rick Danko)の命日だった。

昨日はジェット・ブラックの追悼モードだったので、一日遅れだが、今日、このレコードを引っ張り出した。


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ザ・バンドのファースト・アルバム"Music from Big Pink"のUSオリジナル(Capitol Records SKAO 2955)である。

このレコードのファースト・プレスは、周知の通り、ジャケットに[コピーライト]B.D.1968がないものだ。


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わかりやすいように、[コピーライト]B.D.1968があるジャケットと並べてみた。
もちろん、上側がファースト・プレスのジャケットである。

ちょっと調べてみたところ、どうやらかなり初期の段階でジャケットに[コピーライト]B.D.1968が入れられたようで、[コピーライト]B.D.1968がないジャケットであれば、中身の入れ替えがない限り、盤の方もファースト・プレスで間違いないと思う。

盤については、ファースト・プレスは、こんなレーベルである。


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一般にレインボーと呼ばれるレーベルだが、レインボー・レーベルは4種類あって(80年代の復活レインボーを除く)、これは、1962年から1968年まで使用されたとされる第三世代のレインボーである。

1968年から1969年まで使用された第四世代のレインボーはこちらで、"Music from Big Pink"ではセカンド・レーベルということになる。


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下部のリムに、A SUBSIDIARY OF CAPITOL INDUSTRIES, INC.が加えられて、長くなっているのが特徴だ。

ってことで、ファースト・ジャケット([コピーライト]B.D.1968なし)とセカンド・ジャケット([コピーライト]B.D.1968あり)、ファースト・レーベル(第三世代レインボー)とセカンド・レーベル(第四世代レインボー)があるので、その組み合わせで、ファースト・プレス、セカンド・プレス、サード・プレスに区別できる。
どうやら、レーベルの変遷よりジャケットの変更の方が先行したようなので、次のようなるんだと思う。

ファースト・プレスー[コピーライト]B.D.1968なしジャケットで第三世代レインボー
セカンド・プレスー[コピーライト]B.D.1968ありジャケットで第三世代レインボー
サード・プレスー[コピーライト]B.D.1968ありジャケットで第四世代レインボー

マトも変遷する。
たぶん、初回カッティングは、A1/A1、B2/B2、A3/A3の3組だと思う。
この3つには、マトの冒頭に、最初STと書いてそれを消した痕跡があるからだ。

Capitolのマト末尾のアルファベットは、使用したカッティング・レースを示していて、AとBは、西部のハリウッド・スタジオのスカリー製レースだ。
このハリウッド・カッティングのラッカーが、東海岸の初回プレスでも使用されている。

うちにあるファースト・プレスは、東部のスクラントン工場プレスで、マトはA1/A1である。
どうも、東部のスクラントンにはA1/A1とB2/B2のラッカーが、西部のロサンゼルスにはA3/A3のラッカーが送られたようだ。

その後、ハリウッド・スタジオではB4/B4というラッカーが切られるが、東部のニューヨーク・スタジオでも何枚かカッティングされたようで、W2、W4、W5、W6、W7、X6、X7、X8といったマトがDiscogsで確認できる。
WとXは、ニューヨーク・スタジオのスカリー製レースを使用したことを示している。
もっとも、この東部カッティングのラッカーに由来するマザーまたはスタンパーは西部には送られなかったようで、ロサンゼルス工場はグリーン・レーベルになっても、ずっとA3マトのようだ。

以上のマトの変遷については、Discogsの登録を眺めていて推測したものなので、確証はない。
Discogsを見ていても、ごちゃごちゃしててわかりにくいので、自分がわかりやすいように、ちょっと整理してみただけである。

間違い等を見つけたら、お知らせくださいませ。

全然命日らしくない記事だが、まぁ、いつものことよね(笑)

R.I.P.

タグ:The Band
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