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The Modern Jazz Quartet , European ConcertのUSオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

夕べのTLに誘われて、今日はこれを聴いていた。


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モダン・ジャズ・カルテット(The Modern Jazz Quartet)―通称MJQ―"European Concert"のUSオリジナルだ。
1960年リリースなので、当然のことながらモノラル盤(Atlantic 2-603)も存在するが、ボクの持っているのはステレオ盤(Atlantic SD 2-603)である。

1960年4月にスウェーデン(ストックホルムとヨーテボリ)で行われたコンサートの模様をおさめたライブ・アルバムだが、MJQの演奏で有名な曲が目白押しで、Jazzらしいスリリングな演奏が展開されていて、まさに名盤だと思う。
録音もとても良い。

古いステレオ盤は、やはりある程度の針圧をかけて聴きたい。
ってことで、カートリッジは、オルトフォンのSPU-GTを選択する。


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うちの盤は、風邪ひきというほどひどくはないが、弱音部では少しサーフィスノイズが気になったりするコンディションなので、なおのことSPU-GTで聴きたくなる。
音量をあげて目を閉じれば、1960年のスウェーデンに瞬間移動だ。

ちなみに、ボクの持っているのは、USオリジナルと言っても、ファースト・プレスではない。
セカンド・プレスである。
ジャケットはファースト・プレスと同じものだが、レーベルがセカンド・レーベルなのだ。

このレコードのUSオリジナルは、売れたこともあっていろいろあるので、整理しておこう(間違いがあったらご指摘くださいませm(_ _)m)。

手持ちのセカンド・プレスも、ジャケットはファースト・プレスと同じである。
表側がラミネート・コーティングされた、なかなか美しいジャケットだ。


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(表も裏も)外側はモノラル盤と共用で、レコード番号にもSDがついていない。
でっかく「STEREOと書いてあるから共用じゃないだろー」と思った方もいるかと思うが、これ、印刷ではなく、あとからスタンプしたものなのである。


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しかし、内側は、モノラル盤とステレオ盤では違っている。


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ステレオ盤のジャケットでは、見開き向かって左側の右上部に、大きくSTEREOとあり、レコード番号の前にもSDがついている。

レーベルについては、ステレオ盤のファースト・プレスでは、ブルー・グリーンで、一般にホワイト・ファンと呼ばれるレーベルが使われていた。
1960年から62年まで使用された、向かって右側のファンが白いレーベルである。

1962年からは、ブルー・グリーンだが、ファンが黒くなり、ファンの横に縦書きでATLANTICと入るブラック・ファン・レーベルが使用される。
その後、60年代半ばには、同じくブラック・ファンだがATLANTICがファンの下に横書きで入るレーベルに変わる。
ブラック・ファン・レーベルが二種類あるので、最初のをファースト・ブラック・ファン、次のをセカンド・ブラック・ファンと呼ぶことにしよう。

ボクの持っているのは、ファースト・ブラック・ファン・レーベルである。


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ということで、セカンド・プレスなわけだ。

とはいえ、うちのはセカンド・プレスとしては相当初期のプレスである。

所詮セカンド・プレスなんだから、初期だろうが後期だろうがどっちでもいいだろーと思われるかもしれないが、そうでもないのである。

60年代初頭といえば、まだ主流はモノラルだったから、ステレオ盤はプレス枚数が少なかったはずで、そうだとすると、初期のセカンド・プレスはファースト・プレスと大差ない可能性が高いのだ。

で、セカンド・プレスとわかった時点で、プレス時期を探るわけだが、幸いボクの手持ち盤にははっきりとした手がかりが残されていた。
カンパニースリーブである。


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アトランティックのカンパニースリーブは、リリースされているレコードのカタログになっている。
このカンパニースリーブに出ている最新のレコードは、1380の"Herbie Mann At The Village Gate"である。
これは1962年にリリースされたレコードだ。


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また、"European Concert"にしても、当初は二枚組でリリースされたものの1962年にはVolume 1とVolume 2にわけて一枚づつばら売りされたのだが、そのレコード番号は1385と1386で、このカンパニースリーブにはまだ掲載されていない。

要するに、ボクの持っているセカンド・プレスは、1962年中、しかもわりと早い時期にプレスされたものだと推測されるのである。

さっきも書いたが、この頃はまだモノラルが主流だった。
カンパニースリーブの一部をアップした写真のところに掲載されている価格はモノラル盤の価格であり、それに対して、ステレオ盤は1ドルほど高い(二枚組なら2ドルほど高い)価格設定だったのである。
同じカンパニースリーブの右下隅にステレオ盤の価格が示されている。


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この価格差から考えても、当時のステレオ盤のプレス枚数は相当に少なかっただろう。
そうだとすると、セカンド・プレスとはいえ、初期のものであれば、ファースト・プレスと音質的には大差ないと考えてよさそうでしょ?

な~んてことを考えながら、さて、2枚目を聴こうかと、ターンテーブルに載せたところで、ボクの目はそのレーベルにくぎ付けになった。


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「ホワイト・ファン・レーベルじゃんっ!」

そう、二枚目はファースト・プレスのレーベルだったのである。
うちの盤て、まさにレーベル・デザインの切り替え時期のものだったのね(笑)

そんなわけで、最後に訂正である。
うちの盤は、半分ファースト・プレスでありました(笑)

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