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The Doors, The DoorsのUSオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

<オリジナル工場について、考えが変わったので、追記しました。>(2023年8月8日23:00)

さて、考レコ学クイズ2の解答編である。

正解は2で、Monarch Record(西海岸)産のセカンド・プレスだ。
順を追って説明しよう。


20190105.jpg


画像で、向かって左側のRunout上に△9991という数字が確認できるが、この△〇〇〇〇という数字はMonarch工場でメッキ処理が行われる際に書かれるもの(詳しくは、レコード・コレクターズ2017年6月号初盤道第二回「つづれ織り~Mの悲劇をご覧ください)である。
Allentown工場産の場合には、ARC 8/18/7というようにメッキ処理された日付(1967年8月18日にメッキ処理が行われたということ)が書かれる(DiscogsのAllentown Record Co. Inc.の項をみると、必ず書かれるわけでもないようだが)。
つまり、このレコードはMonarch工場産である。

画像でレーベル上5曲目”Alabama Song (Whisky Bar)”の下にあるクレジットが”(Weill-Brech) Harms Co. (ASCAP)”となっているが、ファースト・プレスはこの部分のクレジットが、"(Weill-Brecht, Witmark ASCAP)"である。
したがって、このレコードはセカンド・プレスである。

ってことで、正解は2で、Monarch Record(西海岸)産のセカンド・プレスということになるのである。


先日、ツイッターのボクのTLで、このレコードのUSモノラル盤が話題になっていた。
ボクもこのレコードは大好きで、USオリジナルのモノラル盤とステレオ盤の両方を持っていたので、そのとき引っ張り出して見てみた。
ところが、なにせ20年近く前、オリジナル盤を集め始めた頃に手に入れたものなので、モノラル盤はかろうじてファースト・プレスだったものの、ステレオ盤のほうはセカンド・プレスだったのである(涙)。

せっかくなので聴き比べてみると、ボクの音の好みとして(あるいは、システムとの相性か?)は、ステレオのほうが良い。
そうなると、ステレオのファースト・プレスが欲しくなってくる。

「ステレオが良い」というのは、実は好みだけの問題とも言えない。
というのも、ボクの持っているのはモノラル盤もステレオ盤もMonarchプレスだったのだが、Runoutのメッキ処理番号を見ると、モノラル盤が△10046であるのに対し、ステレオ盤は△9991と若い。
つまり、ステレオ盤のほうが先に、メッキ処理が行われているのである。
レコード会社もミュージシャンも、ステレオ・ミックスのほうに力を入れていたんじゃないだろうか。
そう思うと、さらにステレオのファースト・プレスが欲しくなる。

こうして陥った「ステレオ盤ファースト・プレス欲しい欲しい病」(笑)をさらに深刻なものとする事情もあった
ボクの持っているセカンド・プレスのステレオ盤は、落書きの嵐なのである。

表側のほどよいヴィンテージ感は好ましいのだが、CSは表も裏も落書きだらけである。


20190106-1.jpg
<ジャケット表側と落書きだらけのCS。>



まぁ、CSなんていくら落書きだらけでもいいのだが・・・
ジャケット裏側のこれはひどい(号泣)


20190106-2.jpg
<ジャケット裏側のあまりにもひどい落書き。>



というわけで、もうどうしてもファースト・プレスが欲しくて欲しくてたまらなくなったのである(笑)
そこにちょうどタイミングよく良い出物があったので、迷わず入手したのであった。

こうして、わが家のドアーズ(The Doors)ファースト・アルバムのUSオリジナルは、モノラル盤ファースト・プレスが一枚とステレオ盤ファースト・プレスとセカンド・プレスで、合計三枚になった。


20190106-3.jpg
<向かって左から、ステレオ盤ファースト・プレス、セカンド・プレス、モノラル盤。今回入手したステレオ盤ファースト・プレスが、いちばんジャケットの状態が良い。>


さっきも書いたように手持ちのモノラル盤はファースト・プレスだった。


20190106-4.jpg
<モノラル盤ファースト・プレスのレーベル。>



5曲目”Alabama Song (Whisky Bar)”の下にあるクレジットが、ちゃんと"(Weill-Brecht, Witmark ASCAP)"である。

今回入手したステレオ盤のファースト・プレスのレーベルはこうなっている。


20190106-5.jpg
<Witmarkクレジットのステレオ盤ファースト・プレスのレーベル。>



レーベルのたたずまいが違うのは、生産工場の違いである。

モノラル盤のほうは、ステレオ盤セカンド・プレスと同じMonarch工場産であるのに対し、今回手に入れたステレオ盤ファースト・プレスはAllentown工場産なのだ。

Elektra Recordsはニューヨークで設立された会社なので、Monarch(西海岸)とAllentown(東海岸)のどちらがオリジナル工場かといえば、Allentownの気がする※。

そうすると、モノラル盤のファースト・プレスもAllentown産のものが欲しくなる。
でも、このレコード、モノラル盤はかなり高くなってるんだよねぇ・・・

<追記>(2023年8月8日23:00)
その後、このレコードのオリジナル工場がホントにAllentown(東海岸)なのか疑問を持つにいたった。
確かにElektra Recordsはニューヨークで設立された会社ではあるのだが、1967年から1968年にかけてロサンジェルスにElektra Sound Recordersというレコーディング&マスタリング・スタジオを作っている。
つまり、その時点で、西海岸にスタジオを作るぐらいには、拠点があったということだろう。
それに、ドアーズは西海岸のバンドだし、このレコードもハリウッドのSunset Sound Recordersで録音されている。
Elektra Recordsが西海岸にも拠点があったとしたら、マスタリングまで西海岸で行い、Monarchでプレスされたテスト盤で、最終的な音の確認を行った可能性が高い気もするんである。
そんなわけで、いまは、このレコードのオリジナル工場は、Monarchだと考えている。


※東海岸では、ほかに、コロンビアのPitman工場産もあるのだが、なんとなくオリジナル工場ではない気がしている。勘だけど(笑)。
ちなみに、あまりに字が小さくて読めないが、うちのMonarch産やAllentown産の盤には、エンジニアのものらしいミジンコぐらいサインがある。
Runout上のMatrixの筆跡も同一人のもののように見えるので、同じ場所でラッカーが切られたんだと思う。
Pitman工場産についてはそのあたりの情報がDiscogsからは読み取れないのでわからない。もし、Pitman工場産を持っている方がいらしたら、ぜひ情報提供をお願いしますm(_ _)m

タグ:The Doors
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