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20年目に明かす真実~ファーストのUKオリジナル [Led Zeppelin]

1月9日はジミー・ペイジ(Jimmy Page)の誕生日である。

今年は、うちで一番音が良いレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のファースト・アルバムを聴くことにしよう。


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リリースはUSが先行で1969年1月12日、UKでは2カ月半ほど後の3月31日にリリースされたので、オリジナルはUS盤といったほうがいいのかもしれないが、このアルバムについては、ボクはUK盤の音の方が好きだ。

そんなわけで、これはUKオリジナル(Atlantic 588171)である。

「一番音が良いっていうからターコイズかと思ったのに違うのかよ。」と思った貴方、ターコイズはある意味限定ジャケットなので、確かにターコイズならファースト・プレスと言えるだろうが、ターコイズでなければファースト・プレスではないとも言えない。
Discogsでも、オレンジのファースト・プレスの存在を認めている。

もっとも、うちにあるのは、Discogsではセカンド・プレス扱いされているものなのだが、Discogsにはまったく登録されていない際立った特徴を持っている。

実は、このレコード、ファースト・プレスと言われているターコイズ・ジャケットに入ったSuperhype Musicレーベル盤と聴き比べたことがあるのだが、少なくともボクの耳には、このレコードの方が良い音に聴こえた。

紙ジャケ探検隊のWEBサイトにある「比較検証:レッド・ツェッペリンPART2 その1」という2003年の記事の中で、「今回何枚か聴き比べたが、refugeeさんがお持ちのWarner修正あり1/1のB面がけっこう音がたっていてラウドだった。」という記述があるが、このrefugeeというのはボクのことで、つまりは、このときに、探検隊が持っていたターコイズ盤等と聴き比べたんである。

探検隊的には、必ずしもラウドだから良いというわけでもないということで、全面的にうちの盤の方が音が良いと思ったわけではないようだが、ボクにはうちの盤が断然良い音に聴こえた。
まぁ、単なる主観なのだが、そうすると、もう、価格が10倍とかするターコイズを買おうという気が起きなくなってしまったんだよねぇ・・・

それに、うちの盤には、さっきもちょっと触れたのだが、際立った特徴があるのだ。
この特徴のことは、20年前にはまったく気づいていなかった。
気づいたのは数年前のことだ。
その特徴のことを、探検隊の記事から20年目の新年に、明らかにしようというわけだ。
ジミーの誕生日に相応しい話じゃないか(そうか? 笑)

ジャケットは、さきほどの写真でわかる通り、オレンジ文字である。
オレンジ文字ジャケットにも二種類あって、初期には、ボトムにグレーのストライプが入ったものがあるのだが、うちのはそれだ。


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ただ、レーベルのパブリシャーはWarner Bros. / 7 Arts.で、一行クレジットのものだ。


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Discogsではセカンド・プレス扱いのレーベルである。

もっとも、Superhype Musicがミス・クレジットだとすると、修正の入った時期によっては、工場違いでどちらも同時にプレスされていた可能性もあり、Warner Bros. / 7 Arts.だからセカンド・プレスとも限らないような気もするのだが、まあ、それはどっちでもいいや(笑)
Superhype Music→Warner Bros. / 7 Arts.→Superhype Musicと変遷したこと自体は間違いないと思うし。

さて、問題の際立った特徴である。


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588の最後の8が修正された(これはマザーの段階で、いったん7と修正し、さらに修正して8にもどしたと考えられる。)マトだが、これは一般に修正マトと呼ばれるもので、特に際立った特徴ではない。


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マトの次にあるのはマスター段階で刻印される凸の数字で通常1だし、その後のマザーを示す凹の数字が2というのも、ごく普通である。


問題はその後だ。

確認のために動画で見てもらおう。





確認していただけただろうか?

そう、スタンパー・ナンバーが存在しないんである。

同じようにスタンパー・ナンバーが存在しない盤の登録があるかとDiscogsの登録を片っ端から見てみたのだが、見つからなかった。

これで、レーベルがテクスチャーだったりすると、「Orlakeプレスか?」って思うのだが、このレーベル形状でOrlakeプレスの可能性はないだろう。


Side 2も同じである。


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修正マトだが、これと同じ修正がされてるものを持ってる人がいたら教えてほしい。

なぜなら、このマトのマザーは、こうなってるんである。


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凸の1の後は、凹の01なんである。
写真だと凸っぽく見えるが、ルーペで確認したところ、間違いなく、凹で01だった。
01なんてマザー・ナンバー、これ以外に見たことがないぞ。
そして、Side 2もやはり、この後にスタンパー・ナンバーは存在しないんである。

これは、やっぱり、Orlakeのようにスタンパーを刻印しないプレス工場に委託されたものなんだろうか?
それとも、スタンパー・ナンバーを刻印しない、特別なスタンパーによるプレスなんだろうか?
って、それがどんなもんか、まったく想像もつかないんだけどさ。

やっぱり、うちには変な盤が集まるのかな?(笑)

タグ:Led Zeppelin
コメント(6) 
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コメント 6

キタカツ

はじめましてキタカツと申します。

いつもSTRAWBERRY FIELDSさんのブログ
楽しく拝見させて頂いております。

さて今回のLed Zeppelinファースト
わたくしもジャケット含めて同じ盤を持っておりました。

ターコイズ盤は高額すぎて手が出ませんでしたし
音的にまったく問題なかったので満足しておりましたが
今回の情報を得てまだまだ知らないことがあるなと
STRAWBERRY FIELDSさんの考察には
毎回感心して楽しませて頂いております。
ありがとうございます。

取り急ぎ同じ盤を持っていることだけですが
コメントさせていただきました。
by キタカツ (2023-01-10 11:33) 

想也

キタカツさん、はじめまして(^^)

いつもお読みいただいているとは、ありがとうございます!
同じ盤をお持ちなんですね。

スタンパー・ナンバーの刻印がないというだけでも珍しいのに、「マザーが01てなにさ?」って感じの不思議盤ですし、Discogsにも登録がありませんから、お互い、大事にしましょう(^_-)-☆

by 想也 (2023-01-10 13:07) 

キタカツ

コメント返信ありがとうございます。

個人的にこの盤は、数十年ぶりにレコード復活した際して
オリジナル盤収集を始めた頃に入手したものなので
今回の不思議版という内容にさらに愛着が出てきました。

ブログ記事では特にマスタリングエンジニアの記事を
楽しく拝読させて頂いてます。
自分も同じ盤を持っていと見比べたりしています。

で、こちらのコメントから不躾なのですが
ひとつご質問がありまして
実は、RAINBOWの"Rising"の記事を見て自分の盤と見比べてところ
オリジナル盤ではなくクラブエディション盤でした。
このクラブエディションのAudio Culb Of Britainとは
ご存知でしょうか?

もしご存知でしたら幸いです。

今後も楽しく記事を拝読させていただきます。
長文で失礼いたしました。

キタカツ

by キタカツ (2023-01-10 14:15) 

想也

キタカツさん

Audio Club of Britainは、UKのレコード・クラブですね。
ハードロック系では、シン・リジィの『脱獄』とか、イアン・ギラン・バンドの『チャイルド・イン・タイム』とかもあったかと。
フォノディスクの独自カッティングで、両面マト1だったりしますが、オリジナルとはかなり違う音のようです。
知り合いでオリジナルと両方持っている方がそう言っていました。

by 想也 (2023-01-10 22:18) 

キタカツ

ご返答いただきありがとうございます。

新たな情報をいただき感謝致します。
"Rising"については好きなアルバムなのでオリジナルも入手して聴き比べをしてみたいと思います。

今後もブログを楽しく拝読させていただきます。
お忙しいところご対応して頂きありがとうございました。
by キタカツ (2023-01-11 11:17) 

想也

キタカツさん

いえいえ。
ぜひ、レココレの初盤道も参考に、UKオリジナル(マスタリング・スタジオ識別記号0のやつ)とUSオリジナル(RE-2のほう)を入手されてみてください。
全部違っていて楽しめると思います。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いしますね。

by 想也 (2023-01-11 12:38) 

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