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メッキ処理回数とプレス回数が音質に与える影響について~久保田早紀『夢がたり』 [国内盤研究]

久保田早紀『夢がたり』(CBS SONY 25AH 919)については、以前、記事にしたことがある。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-07-28

マトはA1/B1だったのだが、マザー/スタンパーが1 J 9/1 H 4ととんでもなく進んでいることに吃驚して書いた記事だった。
当然、もっと若いマザー/スタンパーの盤が欲しいと思っていた。

で、高いレコードではないし、2枚ほど追加で買ってみた。


20220130-1.jpg


2枚買った理由については、「とりあえずある程度若いマザー/スタンパーの盤を見つけて買ったものの、その後もっと若いマザー/スタンパーの盤を見つけたのね」と思ったかもしれないが、実は、追加で買った2枚の盤のマザー/スタンパーはメッキ処理回数的に非常に近い。

いずれもマトはA1/B1だが、最初に追加で買った盤のマザー/スタンパーはこうなっている。


20220130-2.jpg


1 A 16 +である。
これはSide 1で、Side 2のほうは、1 A 20だ。

次に追加で買った盤のマザー/スタンパーはこうなっている。


20220130-3.jpg


1 B 15である。
これはSide 1で、Side 2のほうは、1 A 21だ。

Side 2のほうがメッキ処理回数が1しか違わないことはすぐにわかるが、Side 1のほうはメッキ処理回数で考えるとどちらも17回で同じなのである。
1 A 16はマザー製造の際に1回とスタンパー製造の際に16回で計17回、1 B 15はマザー製造の際に2回とスタンパー製造の際に15回で計17回だからである。

ほぼ同じ若さのマザー/スタンパーが2枚、両者の音質に違いがあるとすれば、それはスタンパーの摩耗による音質劣化(プレスを重ねることに伴う音質劣化)に起因するものと考えられる。

しかも、最初に持っていた盤とはマザーの若さがかなり違っているので、3枚を聴き比べると、マザーが進むことによって生じる音質劣化とスタンパーの摩耗による音質劣化の違いというのが、なんとなくわかりそうな気がした。

とはいえ、メッキ処理を重ねることに伴う音質劣化とプレスを重ねることに伴う音質劣化とは複雑に絡み合うので、単純に、区別できるものでもないだろう。
こういう比較を実際にいろいろしているうちに、なんとなくイメージががつかめるかなぁ?という程度の試みである。

で、今回の結果だが、Side 1で比較したところ、はっきりと音質の違いが感じられた。
音質の差は、1 A 16盤と1 B 15盤はそれほど大きくないが、この2枚と1 J 9盤とはかなりの差がある。
1 J 9盤は個々の楽器やボーカルの輪郭がぼやけて肥大化している。
それに対して、1 A 16盤と1 B 15盤の音像はタイトで肥大化は感じられない。

しかし、1 A 16盤と1 B 15盤にも違いがあって、後者のほうが個々の楽器やボーカルの輪郭がより明確でキレがある。
キリっとしてシュッとしている感じ?

そういえば、1 A 16盤のほうにはスタンパー刻印の後ろに+がついてたんだった。
もしかして、これって、再利用を示すものなのかな?
東芝にしてもビクターにしても、PMを刻印する場合スタンパーの再利用は二重刻印になるのですぐにそれとわかる。
CBS SONYにはPMはないが、スタンパー再利用については、それとわかるように+を追い打ちしていたとか?
+なんて刻印は、いかにもそんな感じがするよねぇ?
まぁ、妄想だけどね(笑)

タグ:久保田早紀
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