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大栄電線製赤黒スピーカーケーブルの実力を測る! [オーディオ]

2週間ぐらい前のことだったか、ツイッターのボクのTLでは、「ケーブルはオカルトだと思う。」という話の流れで、「mあたり100円もしない大栄電線製の普通の赤黒スピーカー・ケーブルが非常に良い。」「これでいい、じゃなく、これがいい。」なんてことを言いだす人が現れた(笑)

いや、でも、その人は、もう20年ぐらい付き合いのある人で、しかもオーディオに関しては、ボクの100倍くらい造詣が深い人なんである。

俄かには信じられないが、かといって、一笑に付すこともできない。
しかも、mあたり100円もしないとなれば、試さないという選択肢もない。

というわけで、今年の夏休みの自由研究(小学生かっ! 笑)のテーマは、「大栄電線製赤黒スピーカーケーブルの実力を測る!」に決めた(笑)

まずは、物の購入である。
幸いヤフオクにリーズナブルな価格の出品があった。
10mで820円の即決、送料が360円なので、合計1180円だ。
mあたり100円を微妙に超えるが、どこかに買いにいく手間や交通費を考えれば安い。

ということで、無事、物を手に入れることはできた。
10mなので、2.5mが4本とれる。


20190817-01.jpg


赤黒スピーカーケーブルといってもいろいろあるようで、赤黒ケーブルだからといって大栄電線製とは限らない。
大栄電線製には、赤いほうにDAIEIの文字とともに品番や製造年等が印刷してある。
この文字の向きと信号の向きを合わせるのがコツだそうだ。


20190817-02.jpg


どのスピーカーで実験するかだが、さすがにJBL S4700で実験するのは気が引けた。
やはり、釣り合いというものがあるだろう(笑)
それに、現状にまったく不満もないのである。

ってことで、SONUS FABERのMINIMAオリジナルに実験台になってもらうことにした。


20190817-04.jpg


JBL S4700の上に横向きに載っけてあって、オーディオマニアの方には激怒されそうだが、置き場所がないんだから仕方がないσ^_^;

MINIMAちゃん、専用スタンドに載せて映画鑑賞部屋のサラウンドシステムに組み込んだところまったく良い結果が得られず、押し入れに眠ることになったのだが、ふと思い立って、こうしてJBLの上に横向きに載せてみたら、本領発揮とは言えないとしても、そこそこ実力を発揮してくれたのであった。

女性ボーカルやストリングスなどでは、JBLで鳴らすのとは違う独特の艶があって、このスピーカーで聴きたくなるアルバムというのもあるのだ。
それに、最近気づいたことなのだが、MINIMAちゃんてば、アメリオ録音のCDをとてつもなく甘美に鳴らしてくれるのである。

そんなわけで、試聴用には、この3つを選んだ。


20190817-03.jpg
(下から、イタリアのピアニストが率いるカルテットの2016年作品、スウェーデンのピアニストと女性ボーカリストのデュオによるカバー集、ドイツの弦楽四重奏団によるベートーベン集)


CDをとっかえひっかえは面倒なので、NASに次の3曲を送って比較した。

1. SKYSCAPES - ROBERTO OLZER QUARTET, FLOATIN' IN
2. A SONG FOR YOU - STEVE DOBROGOZ & ANNA CHRISTOFFERSSON, COVERS
3. 弦楽四重奏曲第14番第1楽章 - GEWANDHAUS QUARTETT, LUDWIG VAN BEETHOVEN DIE STREICHQUARTETTE


第一段階は、現在の音の確認だ。
スピーカーケーブルは、TARA LABS Prism OMNI-8Nというやつだ。
20年近く前に買ったものなので価格もあんまり覚えていないが、確かmあたり2500円くらいの買値だったんじゃないかと思う。
シングルワイヤーで接続している。

メインはJBLだとはいえ、MINIMAもたまに鳴らしているから、音を出したらすぐに現在の音は思い出した。

それに、先日、アメリオ録音を大音量で堪能したばかりだ。
SONUS FABERとSTEFANO AMERIOはイタリア的美学という点で通底している気がする。
MINIMAオリジナルでも、とてつもなく甘美にアメリオ録音が鳴る。
最近のELEKTA AMATOR IIIやMINIMA AMATOR IIだったら、どんなことになってしまうんだろう?
って、話がずれた(笑)


第二段階は、TARA LABSを大栄電線に交換しての視聴だ。
赤線上の文字の向きと信号の向きを合わせて、シングルワイヤーでつなぐ。
逆向きを最初に試そうかと思ったが、このあとさらに二段階あるのでやめた(笑)

音を出した瞬間からビックリ!
ものすごい情報量だ。

高域の出方とか低域の出方とかには、そんなに差があるわけではない。
ただ、左右にも前後にもぐーんと音空間が広がるのである。
音の出ていない空間を再現する情報が、おそらくほとんど欠落していない。
これはアメリオ録音を再生したときに顕著だ。
とてつもなく甘美な音空間が、さらに10倍増しになる。

それに比べて、女性ボーカルやストリングスは、5倍増し程度だ。
これは、女性ボーカルやストリングスとこのケーブルの相性というより、録音の差がよりはっきり現れているんじゃないかと思う。
それに、5倍増しだったら、十分すぎるほど十分だ。

いや、まぁ、5倍増しとか10倍増しとかは、大袈裟に言ってるんだけどね(笑)


さて、第三段階である。
ケーブルを一度取り外し、赤黒の平行線を赤と黒に裂いて分離してから、繋ぎなおす。
この方が、より良い結果が得られるというのだ。

ところが、これについては、ボクにはほとんど差がわからなかったσ^_^;
少し良くなった気もするが、まったく変わらない気もしないでもない。
まぁ、悪くなったということはないので、これはこれでいいか。

最後の第四段階は、バイワイヤー接続だ。
片方だけ裂くというのもバランスが悪いので、両方裂いて赤と黒を分離し、バイワイヤー接続してみる。
最終的に、MINIMAちゃんの背面は、こんな具合になった。


20190817-05.jpg
(燦然と輝くHANDCRAFTED IN ITALYの金文字を見ると、「手放せないな」と思うだけでなく、「押入れにしまっておきたくない」という気持ちも湧き上がってくる。)


さて、音はどうなったか?
これは、明らかに変わった。
低域の量感が豊かになって、上下の空間が広がったのだ。

普通、バイワイヤー接続では高域が伸びるようになるんじゃないかと思うが、高域より低域の出方の違いのほうが大きいと思う。
ただ、これは、このケーブルの特性から生じたわけではなく、MINIMAのバイワイヤー接続の特性と、特殊なセッティング(JBLの上に横置き)とがあいまって生じたものかもしれない。

いずれにせよ、音空間は前後左右上下にだいぶ広がった。
音空間が広がれば、細部の小さな音まで、きれいに分離して聴こえてくるようになる。
聴き慣れたCDがこれまでとは違った音を奏でてくれる。

mあたり100円ほどのスピーカーケーブルで、こんな音が手にはいるとは・・・
ケーブルはやっぱりオカルトかもしれない(笑)

もっとも、ボクは、大栄電線の赤黒ケーブルが、これまで使っていたTARA LABSのケーブルよりも優れていると思っているわけでもない。

確かに、音は劇的に良くなった。
しかし、TARA LABSのケーブルは20年選手である。
取り外した端末部分も明らかに酸化している。
被膜内部はある程度大丈夫かもしれないが、それでも20年も経てば、若干変化があるかもしれない。
優劣は、新品同士を比べてみなければわからないと思う。

とはいえ、mあたり100円もしないのであれば、このケーブルを使って頻繁に新品に交換するというのも一手だ。
少なくとも、MINIMAちゃんには、そういう対応でいこうと思っている(笑)
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