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PMとスタンパーの微妙な関係 [オフコース]

ここに2枚のオフコース『Three and Two』(EXPRESS/東芝EMI ETP-80107)がある。
正確に言えば、このレコード、5枚持っているのだが、そのうちの2枚だ。


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1枚のPMはこうなっている。


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9-9、すなわち1979年9月プレスということだ。
このレコードの発売日は1979年10月20日だから、9月プレスということは発売日の前月プレスで、正真正銘の初回プレスである。

このレコードのSide 1のスタンパーはこうなっている。


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スタンパーナンバーの3が薄くてちょっとボケているが、1S4 3である。
最初に切られたラッカー(1S)の4番目のマザーから作られたナンバー3のスタンパーということになる。
ちなみに、Side 2のマトもまったく同じ1S4 3だった。


では、もう1枚のほうを見てみよう。
PMはこうなっている。


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9-X、すなわち1979年10月プレスである。
つまり、発売日の当月プレスということになる。
ちなみに、この盤、珍しいことに、Side 2のほうにも9-Xという同じPMが打たれている。
両面にPMのある盤というのは初めて見た。

さて、では、スタンパーのほうはどうなっているかというと・・・


20201031-05.jpg


なんと、1S 1なんである!
これはSide 1のほうで、Side 2のほうは1S 10ではあるのだが。

スタンパー製造からプレスにいたる工程の詳細はわからないのだが、おそらく、製造されたスタンパーが次々とプレスにまわされるというよりは、初回プレス枚数から逆算した必要なスタンパー数+アルファをまず製造し、それらはまとめてプレス工程にまわされたんじゃないかと推測する。

そうだとすると、プレスのほうでは、いちいちスタンパーナンバーをチェックして順番通りに使うなんて面倒なことはしないので(その必要もないし)、スタンパーナンバーが進んだもののほうが先にプレスにまわされる、ということも起こるわけである。


さて、問題は音である。

PMが若いほうが音が良いのか、それとも、スタンパーが若いほうが音がいいのか。

もちろん初回プレスの間の差なので大差があるわけではないが、比べればわりとはっきりと違いがわかる。
要するに気のせいレベルの違いではない。

1S 1の盤のほうが、歪み感がまったくないからである。
1S4 3の盤は、ほんのわずかに歪み感を感じることがたまにあるのだ。
いや、まぁ、比べなきゃ絶対わからないレベルの話ではあるんだが(笑)

もっとも、これは、このレコードに限った話かもしれないので、すぐに一般化できるわけではないが、少なくとも音質に関する限り、ボクはPMが発売日前月プレスであることより、スタンパーが若いほうが有利な気がしている。

いや、でも、よい子はこんなこと気にしちゃいけませんよ(笑)


このレコード、個人的な思い入れはものすごく強い。
中学時代に出逢ったジョン・レノンの"Imagine"と、高校時代に出逢ったオフコースの「生まれ来る子供たちのために」は、その後のボクのものの見方や考え方に、ものすごく影響を与えたような気がする。


     ♪ ひろい空よ 僕らは いまどこにいる?
     ♪ 生まれ来る子供たちのために
     ♪ 何を語ろう?


久しぶりに完全休養がとれた週末、子供たちにどんな未来を残すべきなのか、そんなことを考えながらこのレコードを聴くのである。


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WLPクオリティで「秋の気配」を聴く [オフコース]

相変わらず日中は暑いが、朝晩はだいぶ涼しくなってきた。

オフコース(OFF COURSE)の「秋の気配」が聴きたくなる季節である。

そして、ボクの手許には、「秋の気配」を聴くにはうってつけのレコードがある。


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オフコース『JUNKTION/ジャンクション』(EXPRESS/東芝EMI ETP-72269)

もしかしたら、ボクにとってはこのレコードが、先日のハードオフでの最大の収穫だったかもしれない。

見ての通り帯付き美品であるが、レーベルだってこの通りだ。


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重要なのはもちろん美品だということではなく、上部リムが★でなく●であることだ。
(詳しくは、https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2019-10-27をご覧ください。)

もっとも、●リムってだけなら、(ちょっとボロかったけど)以前から持っていた。
だから、●リムにくわえて、これが重要なのである。


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PMが7-8なのだ。
これは、つまり、1977年8月プレスであることを示している。

『JUNKTION/ジャンクション』の発売日は1977年9月5日だから、発売前月プレスなわけで、これはもう完全に初回プレスである。

それだけではない。

なんと!


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Side 1のスタンパーが1S 1なのである。

Side 2のスタンパーは1S 5だったが、「秋の気配」はSide 1に収録されているんだから、いいんである。

1S 1/1S 5スタンパーなんて、WLPクオリティと言っても過言ではないだろう。

WLPクオリティで聴く「秋の気配」はまた格別なのである。

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OFF COURSE:SONG IS LOVE [オフコース]

再びEXPRESS/東芝EMIのファースト・プレスの話である。

EXPRESS/東芝EMI盤の送り溝には製造年月が記されているから、リリースの前月(リリースが月初めの場合。リリースが月末に近ければ当月の場合もあると思う。)製造の盤は確実にファースト・プレスだとわかる。

しかし、最初から大量にプレスされた盤なら簡単に前月製造盤も見つかるだろうが、ブレイク前のアルバムのように、レイトが大量にプレスされている一方で初回プレスの数が相当に少ないと推測される場合、前月製造盤なんぞ、そう簡単には見つからない。

オフコース(OFF COURSE)の『SONG IS LOVE』(ETP-72212―1976年11月5日リリース)もそんな一枚である。


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「眠れぬ夜」(1975年12月20日)のスマッシュ・ヒットがあったとはいえ、それは必ずしもブレイクにはつながらず、オフコースの本格的なブレイクといえば「愛を止めないで」(1979年1月20日)のスマッシュ・ヒットに続く「さよなら」(1979年12月1日)の大ヒットの時点だろう。

つまり、1979年以前にリリースされたアルバムは、79年以降にプレスされた盤が圧倒的に多く、79年以前にプレスされた盤は相対的に少ないのである。
『SONG IS LOVE』も79年以前にプレスされた盤は相対的に少ないのだ。

リリース前月製造盤を見つけるのが難儀なこういうアルバムの場合、どこまでをファースト・プレスとみなすかが重要になる。
ボクなんぞ、『SONG IS LOVE』については、●リムならファースト・プレスでいいんじゃないかとさえ思っているのだが、それにはやはり乗り越えなければならない高い壁がある(大袈裟だっちゅうの 笑)。
そう、Matrixだ。
そして、いまのボクは、このMatrixの高い壁を乗り越えられたのかどうか、実に微妙なのである。

少し詳しく話をしよう。

『SONG IS LOVE』も例に漏れず、20年くらい前に帯付き美品で手に入れたものはしっかり★リムのレイトだった。


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送り溝を見ると、1-8とある。
つまり、1981年8月製造である。


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1981年8月といえば、翌月にはベスト盤『SELECTION 1978-81』(ETP-90106)がリリースされている。
つまり、このベスト盤のリリースに合わせての追加プレスである。
こんな風に、ブレイク後は、新譜がリリースされるたびに、過去作も追加プレスされたに違いない。

リリースから5年も経った後の追加プレスだから、Matrixも悲惨である。
Side1の2S4 22というのはともかく、Side2の2S2 70には目が点になった。


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このアルバム、全体が大好きだが、ボクは、Side2の「冬が来るまえに」から「歌を捧げて」への流れが特に好きなのだ。
「冬が来るまえに」のアレンジなんか、絶対ユーロロックやプログレを参考にしてるよね。
「歌を捧げて」だって、ハモンドオルガン使ってるし。
このSide2最後の流れは、個人的に悶絶ものなのである。

だから、Side2のスタンパー・ナンバーが70というのは、これはもう耐えられないわけだ。
ってことで、とにかく●リム盤を探したのだが、これがホントにない。
ハードオフだけでなく、ディスク・ユニオンとかでも、最近は見かけるたびに確認していたのだが、★リムばっかりである(たまたまかもしれないが・・・)。

それでも何とか一枚、ハードオフのジャンクの中から●リム盤を掘り出すことができた。


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送り溝には、7-5とある。
つまり、1977年5月製造である。
リリースの半年後だ。
悪くない。


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もうこれもファースト・プレスでいいんじゃないかと思ったのだが、話はそう簡単ではない。
Matrixが、2S 27/2S2 1だったのである。


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(見にくいが、2S2と〄のちょうど中間あたりに1と刻印されている。)



★リム盤に比べると、スタンパーがかなり若いので、そのぶんだけ鮮度の高い音はするが、盤の状態がいまひとつということもあって、これ以上の音はないだろうとも言えないような気がする。

それに、スタンパー・ナンバーが微妙である。
ブレイク前でそれほどプレスされていなかったとすれば、リリースの半年後にこのMatrixということは、初回盤もMatrixは2S/2Sだった可能性もないわけではないと思う。
しかし、同じくらいの可能性で1S/1Sが存在するんじゃないかとも思う。
で、1S/1Sが存在するのなら、やはり2S/2Sをファースト・プレスと言ってはいけないだろう。

果たして、1S/1Sは存在するんだろうか?
気になって気になって夜も眠れないのである(ウソです、夜はよく眠ります 笑)。

ご存知の方は、ぜひ教えてくださいませm(_ _)m

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帯付き美品の憂鬱~OFF COURSE『JUNKTION/ジャンクション』 [オフコース]

ツイッターでEXPRESS/東芝EMIのファースト・プレス判定方法を教えていただいたので、追記しました。(2019年10月27日21:30)

さて、考レコ学クイズ8の解答編である。

二つのレーベル、AとBの違いは、下記画像に示したように、上部リム部分(下部リムにも真ん中に一つあるけど)にある。
Aは★が三つ、Bは●が三つだ。



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EXPRESS/東芝EMIレーベルのこの上部リム部分、70年代は●で80年代は★になる。
手持ちの盤やネット上の画像で確認してみると、正確には1979年に★にかわったんだと思う。
(それぞれ、●リム(ドットリムと読む)、★リム(スターリムと読む)と呼ぶことにしよう。)

ってことで、1977年9月5日リリースの『JUNKTION/ジャンクション』のファースト・プレスは、●リムのBの方だということになる。

一応Matrixでも確認しておこう。
Aの★リムの方のMatrixは1S2 6/2S2 31、Bの●リムの方のMatrixは1S 28/1S 24だった。
(Bの画像ではRunoutに1Sが確認できるので、そこからBがファースト・プレスと考えた人もいたかもしれないが、Aの方も実は1Sだった 笑)

Matrixの読み方は、Sのすぐ後の数字の意味がよくわからない(たぶん1はなく2から始まるし、マザー番号だとすると一枚のマザーから何十枚もスタンパーをとっていることになるので、マザー番号ではない可能性もあると思う。)が、Sの前がラッカー番号、少し離れて薄い字で打たれているのがスタンパー番号だというのは間違いないのではないかと思う。

そうだとすると、Aのほうはマト1/2で、Bのほうは両面マト1だ。
MatrixからもBがファースト・プレスということで間違いない。

EXPRESS/東芝EMIの場合、さらに確実なファースト・プレス判定法があることを教えてもらったので追記である。
Side1のほうだけだが、メインのMatrixを6時に置いたときに12時方向(概ね12時方向にあるかと思いますが、ずれてることもあります)に、たとえば、7 - 8 というような数字をハイフンで結んだ刻印がある。
これは、年 - 月を意味していて、77年8月という製造年月を表しているというのだ。
つまり、この刻印が発売日の前月を示していたら、それはファースト・プレスだということになる。
では、手持ちの『JUNKTION/ジャンクション』はどうだったか?
残念ながら、7 - 8 ではなく、7 - Y だった。
EXPRESS/東芝EMI盤の送り溝を30枚くらい見てみたが、10以上がなくその代わりXYZがあるので、おそらくX=10、Y=11、Z=12だ。
ということは、7 - Y というのは77年11月なわけで、ファースト・プレスからは3か月遅れである(涙)
かくして、手持ち盤はファースト・プレスからセカンド・プレスへと格下げになったのであった(号泣)
Cal De Rさん、貴重な情報、ありがとうございましたm(_ _)m

さて、問題は、1979年のいつ頃に、●リムから★リムに変わったかである。

1979年10月20日リリースの『Three and Two』(ETP-80107)は、もう変更後で、ファースト・プレスも★リムでいいんだろうか。
とりあえず、手持ちは★リムである。


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しかし、この盤、Matrixは1S4 23/1S 45とかなり微妙だ。
確かに、前作『FAIRWAY』(ETP-80040)はそこそこヒットしたし(オリコン順位8位を記録している)、何より本格的ブレイクのきっかけとなったシングル「愛を止めないで」(ETP-10524)が1979年1月20日にリリースされているので、初回から相当数がプレスされたものと思われる。
それでも上記のMatirxが初回のときのものかというと、これはやはり相当にあやしい(とくに、1S4の4がねぇ・・・)。

ちなみに、この盤の12時は、2 - 7 であった。
82年7月だから、もう全然ダメである。

それでも、ネット上の画像を探しまくっても『Three and Two』で●リム・レーベルは見つからなかったので、レーベル的には★リムがファースト・プレスでいいんだと思う。

状況証拠がもう一つ。
たまたま持っていたダウンタウンブギウギバンドの編集盤『Ballad of D.T.B.W.B.』が、正確な発売日がわからないのだが、レコード番号がETP-80102と『Three and Two』より少し若い。
手持ち盤のMatrixは1S2 9/1S 19でおそらくファースト・プレスだろう。
これが★リムである。

この盤の12時は、9 - 9 だった。
79年9月なら、ドンピシャである。


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これより前だとボクが持っているのは松任谷由実『OLIVE』(ETP-80085)まで遡る。
『OLIVE』のリリースは1979年7月20日だ。当然●リムである。

この盤の12時は、9 - 7 だった。
79年7月ということは、(79年6月もあるかもしれないが)ファースト・プレスでいいだろう。
これで、●リムから★リムへの切り換えは、79年8月か9月というところまで特定された。


20191026-07.jpg


「当然」と書いたが、実は、価格改定後レコード番号が変わっての1981年の再発ETP-90083が★リムだというだけではなく、すでにオリジナルのETP-80085にも★リム盤がある。
ヤフオクの出品画像で地引網調査をしてみると、ETP-80085でも帯付き美品だとかなりの確率で★リム盤があるので注意が必要である。

まぁ、ユーミンの場合、初回から相当数プレスされている。
帯付き美品の●リム盤もゴロゴロしていて販売価格も変わらない。
うっかり★リム盤を買ってしまったという方は、●リム盤を買いなおしておください(笑)
このあたりの日本盤も、比べると、初期プレスとレイトでは相当に音が違うので。

そう、初期プレスとレイトでは、相当に音が違うんである。
(ちなみに、「秋の気配」は、Amazon Music HDに24bit/192kHzのハイレゾがあったので聴いてみたが、うちのシステムで聴く限り、最内周のくせにアナログのほうが良かった。まぁ、最内周はさすがにSPUでは厳しいのでオーディオ・テクニカのAT33MLで聴いたんだけど。)

ボクの場合、オフコースでもリアルタイムで買ったのは『We are』(ETP-90038)以降で、『Three and Two』以前のものはレンタル・レコードでカセットに録音して聴いていたから、レコードを手に入れたのは、アナログ・レコードを集め始めた20年くらい前のことだ(アナログ時代のユーミンなんかは全部このパターンだ)。
当時は日本盤の音の違いなんぞ気にしていなかったので、とにかく帯付き美品を揃えた。
安いしね(笑)

で、ここ最近、初期プレスとレイトとのあまりの音の違いに愕然として、手持ち盤を確認したら、ほぼ撃沈である。
帯付き美品を前に、憂鬱になるのである(笑)

まぁ、美品にこだわらなければ、ハード・オフのジャンク・コーナーに100円で転がってる盤なので、盤が綺麗なのを見つけて耳を満足させ、ジャケや付属物についてはレイトの帯付き美品で目を満足させればいいかと思ってるんだけどね。


最後に、今回レーベルに登場してもらったレコードたちの集合写真です(笑)


20191026-09.jpg

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