Coda日本盤で妄想が爆発 [Led Zeppelin]
妄想を爆発させながら、今日も、レッド・ツェッペリン(Led zeppelin)"Coda"日本盤(ワーナー・パイオニア P-11319)の見本盤を聴いている(笑)
事の発端は、先日の記事に反応して、紙ジャケ探検隊が、送り溝を確認して報告してくれたことだ。
やはりPMはLK2Pだという。
ボクは、K2PというPMでプレスされたのはテスト・プレスで、見本盤はLが追加されたLK2Pのものしか存在しない(つまり、11月にプレスされたのはテスト・プレスのみで、見本盤は12月に入ってからプレスされたものしかない)と信じたいので、PMがLK2Pだったという報告は大歓迎である(笑)
そんなやりとりの中、探検隊から、「マトがLではじまってるから輸入ラッカー使用ってこと?」というような問いかけが・・・
それ、ボクも、謎だったのだ。
確かにマトは2Lではじまっている。
Discogsにも2Lしか出ていないし、2L-1-1はファースト・スタンパーだろう(ちなみにSide 2は2L-2-1)。
で、Lではじまっているマトは、輸入ラッカー使用だったはずだ。
通常、輸入ラッカーを使用した場合には、送り溝に、手書きのレコード番号やらマスター番号やらエンジニアのサインやらの痕跡がはっきり残されている。
しかし、このレコードには、まったくそういった痕跡がない。
送り溝には、マトのほかに、当時のポリドール盤と同じ字体で刻印されたレコード番号があるのみだ(ほかに3という数字の刻印はある)。
このアルバム、UK盤もUS盤も、トライデント・スタジオ(Trident Studios)にいたエンジニア、レイ・スタッフ(Ray Stuff)がカッティングしたようで、Side 1の送り溝に"RAYS"というサインがある(つまり、UKカッティングである)。
輸入ラッカーを使用したんだとすれば、"RAYS"のサインはないといけないんじゃ?
実に不可解なのである。
Lではじまるマトなのに、これは輸入ラッカー使用ではないのか?
そこで、ボクはあることに気づいた。
JISマークが刻印されていないんである。
これはやっぱり輸入ラッカー使用なのか?
だとしたら、いったい誰のカッティングなんだ?
送り溝には、何の手がかりもない。
万事休すである。
頼みの綱は妄想力だけだ。
そこでボクは、妄想を爆発させた(笑)
Lではじまるマトで、送り溝には輸入ラッカー使用の痕跡がまるでなく、しかし、JISマークもないレコード・・・
どっかで見たことあるぞ。
そうだ、井上堯之『WATER MIND』(ATLANTIC/WARNER-PIONEER K-10001A)だ。
下記記事の後半で紹介しているレコードである。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-11-08
送り溝にまったく痕跡はないが、ジャケットに記載された情報から、ハリウッドにあるワーナー・スタジオのエンジニア、ボビー・ハタ(Bobby Hata)のカッティングであることがわかる。
つまり、少なくともハリウッドのワーナー・スタジオでカッティングされたラッカーは、送り溝にまったく痕跡を残さずに日本に送られてくることがありうるのだ。
ってことは、この"Coda"日本盤用のラッカーも、ハリウッドのワーナー・スタジオでカッティングされたんじゃ?
当時の状況を妄想する。
UKから送られてくるはずのラッカーが送られてこない。
ラッカーを送る約束だから、マスターテープは来ていない。
つまり、日本でカッティングはできない。
困ったワーナー・パイオニアは、「余ってるマザーでいいから送ってくれー」と、アメリカの親会社に泣きつく。
しかし、ツェッペリンである。
アメリカの親会社だって、余っているマザーなんてない。
しかし、スワン・ソング・レコード(Swan Song Records)にはアメリカ支社もあるから、マスターテープはまわしてもらえそうだ。
ってことで、アメリカの親会社のワーナーは、自分とこのエンジニアにカッティングさせて、日本にラッカーを送った。
こうして、送り溝に輸入ラッカーの痕跡がまるでない(でもJISマークもない)Lではじまるマトの盤ができあがったのであった。
いや、だから、妄想ですよ、妄想(笑)
事の発端は、先日の記事に反応して、紙ジャケ探検隊が、送り溝を確認して報告してくれたことだ。
やはりPMはLK2Pだという。
ボクは、K2PというPMでプレスされたのはテスト・プレスで、見本盤はLが追加されたLK2Pのものしか存在しない(つまり、11月にプレスされたのはテスト・プレスのみで、見本盤は12月に入ってからプレスされたものしかない)と信じたいので、PMがLK2Pだったという報告は大歓迎である(笑)
そんなやりとりの中、探検隊から、「マトがLではじまってるから輸入ラッカー使用ってこと?」というような問いかけが・・・
それ、ボクも、謎だったのだ。
確かにマトは2Lではじまっている。
Discogsにも2Lしか出ていないし、2L-1-1はファースト・スタンパーだろう(ちなみにSide 2は2L-2-1)。
で、Lではじまっているマトは、輸入ラッカー使用だったはずだ。
通常、輸入ラッカーを使用した場合には、送り溝に、手書きのレコード番号やらマスター番号やらエンジニアのサインやらの痕跡がはっきり残されている。
しかし、このレコードには、まったくそういった痕跡がない。
送り溝には、マトのほかに、当時のポリドール盤と同じ字体で刻印されたレコード番号があるのみだ(ほかに3という数字の刻印はある)。
このアルバム、UK盤もUS盤も、トライデント・スタジオ(Trident Studios)にいたエンジニア、レイ・スタッフ(Ray Stuff)がカッティングしたようで、Side 1の送り溝に"RAYS"というサインがある(つまり、UKカッティングである)。
輸入ラッカーを使用したんだとすれば、"RAYS"のサインはないといけないんじゃ?
実に不可解なのである。
Lではじまるマトなのに、これは輸入ラッカー使用ではないのか?
そこで、ボクはあることに気づいた。
JISマークが刻印されていないんである。
これはやっぱり輸入ラッカー使用なのか?
だとしたら、いったい誰のカッティングなんだ?
送り溝には、何の手がかりもない。
万事休すである。
頼みの綱は妄想力だけだ。
そこでボクは、妄想を爆発させた(笑)
Lではじまるマトで、送り溝には輸入ラッカー使用の痕跡がまるでなく、しかし、JISマークもないレコード・・・
どっかで見たことあるぞ。
そうだ、井上堯之『WATER MIND』(ATLANTIC/WARNER-PIONEER K-10001A)だ。
下記記事の後半で紹介しているレコードである。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-11-08
送り溝にまったく痕跡はないが、ジャケットに記載された情報から、ハリウッドにあるワーナー・スタジオのエンジニア、ボビー・ハタ(Bobby Hata)のカッティングであることがわかる。
つまり、少なくともハリウッドのワーナー・スタジオでカッティングされたラッカーは、送り溝にまったく痕跡を残さずに日本に送られてくることがありうるのだ。
ってことは、この"Coda"日本盤用のラッカーも、ハリウッドのワーナー・スタジオでカッティングされたんじゃ?
当時の状況を妄想する。
UKから送られてくるはずのラッカーが送られてこない。
ラッカーを送る約束だから、マスターテープは来ていない。
つまり、日本でカッティングはできない。
困ったワーナー・パイオニアは、「余ってるマザーでいいから送ってくれー」と、アメリカの親会社に泣きつく。
しかし、ツェッペリンである。
アメリカの親会社だって、余っているマザーなんてない。
しかし、スワン・ソング・レコード(Swan Song Records)にはアメリカ支社もあるから、マスターテープはまわしてもらえそうだ。
ってことで、アメリカの親会社のワーナーは、自分とこのエンジニアにカッティングさせて、日本にラッカーを送った。
こうして、送り溝に輸入ラッカーの痕跡がまるでない(でもJISマークもない)Lではじまるマトの盤ができあがったのであった。
いや、だから、妄想ですよ、妄想(笑)
タグ:Led Zeppelin
第4の委託先~Codaの日本盤 [Led Zeppelin]
自社工場を持たないワーナー・パイオニアが、東芝や東洋化成にプレスを委託していたことは、以前、さだまさしさんのレコードがらみで記事にしたことがある。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-04-24
東芝や東洋化成以外に、CBS SONYにもプレス委託することがあったことは、柳ジョージさんや上田知華さんのレコードがらみで記事にしたことがある。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-07-04
そして、今回、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)"Coda"の日本盤(ワーナー・パイオニア P-11319)で、第4の委託先を発見したので、報告することにしたい。
このアルバム、ボクはUS盤しか持っていなかったのだが、先日、掘り出し物がよく見つかる近所のブックオフで日本盤の見本盤に遭遇した。
帯無しでジャケットが黄ばんでいるせいか、「見本盤」と明記されていながら、価格は税込み980円である。
盤のほうを確認すると、まったく聴いた形跡がなく、新品同様だ。
高いんだが安いんだか適正なんだかよくわからなかったが、980円なら買うよね(笑)
送り溝に刻まれたPMはこうなっている。
LK2Pである。
月をアルファベットで表すPMにはビクターやポリドールがあるが、ビクターのPMではKやLは奇数年で使われるものなので、ポリドールの方だと推測される。
それに、月を表すアルファベットと年を表す数字の組み合わせというのは、まさにポリドールPMの形式だし、何より最後についているPというのはポリドールのことだろう。
ポリドールPMでは、Kは11月、Lは12月だ。
つまり、LK2Pは、ポリドールの工場で1982年11月に最初に使用されたスタンパーが、12月に再度使用されて製造されたものという意味になる。
"Coda"は、USでは1982年11月19日、UKでは1982年11月21日にリリースされたようだが、日本盤のリリースは、12月18日だ。
見本盤なので、レーベル上に明記されている。
ってことは、発売日前月の11月下旬に最初の見本盤が作られて、ボクが手に入れたものは、発売日当月の12月に追加で作られた見本盤ということだろうか?
この見本盤はポリドール・プレスに間違いないと思うが、確認のために、同時期のポリドール・プレスの盤とレーベル形状を比較してみよう。
沢田研二さんの『MIS CAST.』が1982年12月10日リリースだ。
中心付近の円の大きさを計ると、どちらもちょうど直径30mmである。
ちなみに、このレーベル中央の円の直径は、東芝EMIでは35mm、CBS SONYでは24mmだ。
東洋化成はポリドールとほぼ同じぐらいだが、29mmと微妙に小さい(なお、78年くらいからは、36mmのものが現れる)。
レーベル形状的にも、ポリドール・プレスで間違いないと思う。
1982年になると、ワーナー・パイオニアは、ポリドールにもプレス委託してたんだねぇ。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-04-24
東芝や東洋化成以外に、CBS SONYにもプレス委託することがあったことは、柳ジョージさんや上田知華さんのレコードがらみで記事にしたことがある。
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2021-07-04
そして、今回、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)"Coda"の日本盤(ワーナー・パイオニア P-11319)で、第4の委託先を発見したので、報告することにしたい。
このアルバム、ボクはUS盤しか持っていなかったのだが、先日、掘り出し物がよく見つかる近所のブックオフで日本盤の見本盤に遭遇した。
帯無しでジャケットが黄ばんでいるせいか、「見本盤」と明記されていながら、価格は税込み980円である。
盤のほうを確認すると、まったく聴いた形跡がなく、新品同様だ。
高いんだが安いんだか適正なんだかよくわからなかったが、980円なら買うよね(笑)
送り溝に刻まれたPMはこうなっている。
LK2Pである。
月をアルファベットで表すPMにはビクターやポリドールがあるが、ビクターのPMではKやLは奇数年で使われるものなので、ポリドールの方だと推測される。
それに、月を表すアルファベットと年を表す数字の組み合わせというのは、まさにポリドールPMの形式だし、何より最後についているPというのはポリドールのことだろう。
ポリドールPMでは、Kは11月、Lは12月だ。
つまり、LK2Pは、ポリドールの工場で1982年11月に最初に使用されたスタンパーが、12月に再度使用されて製造されたものという意味になる。
"Coda"は、USでは1982年11月19日、UKでは1982年11月21日にリリースされたようだが、日本盤のリリースは、12月18日だ。
見本盤なので、レーベル上に明記されている。
ってことは、発売日前月の11月下旬に最初の見本盤が作られて、ボクが手に入れたものは、発売日当月の12月に追加で作られた見本盤ということだろうか?
この見本盤はポリドール・プレスに間違いないと思うが、確認のために、同時期のポリドール・プレスの盤とレーベル形状を比較してみよう。
沢田研二さんの『MIS CAST.』が1982年12月10日リリースだ。
中心付近の円の大きさを計ると、どちらもちょうど直径30mmである。
ちなみに、このレーベル中央の円の直径は、東芝EMIでは35mm、CBS SONYでは24mmだ。
東洋化成はポリドールとほぼ同じぐらいだが、29mmと微妙に小さい(なお、78年くらいからは、36mmのものが現れる)。
レーベル形状的にも、ポリドール・プレスで間違いないと思う。
1982年になると、ワーナー・パイオニアは、ポリドールにもプレス委託してたんだねぇ。
タグ:Led Zeppelin
Led Zeppelin IIをめぐる考レコ学 [Led Zeppelin]
レコード・コレクターズ掲載の初盤道Zep編も、今月号で完結である。
いやぁ、深いなぁ。
しかーし、IIIはともかく、IIのRLカットUS初盤はいまやバカ高くなってしまって、ホントの初盤の特徴をおしえてもらったところでもはや手が出ないのである。
幸いMO(西海岸のモナーク工場)産のMatrix末尾C(RLカット)は持っているので、ボクはもうこれでいいや。
っていうか、ボクはUS初期盤(レーベル上の住所表記が"1841 BROADWAY"となっている1973年までにプレスされたものを便宜上初期盤としておく)を3枚持っているのだが、音質的にはRLカット盤がとにかく飛びぬけている。
この差に比べたら、RLカット盤相互の違いなんて、「気のせい」程度の差に違いない。
うん、きっとそうに違いない。
ってことで、初盤については紙ジャケ探検隊の初盤道におまかせして、ボクはセカンド・プレスからサード・プレスあたりの気になることについて、ちょっと考えてみようと思うのである。
写真の一番手前がMOプレスのRLカット盤だが、今回の主役は背後の二枚だ。
まずはRIAAゴールド・ディスクのステッカー付の向かって左側の盤である。
この盤は、裏側に曲目ステッカーも貼付されている。
このステッカー、あんまり見ない気がするんだけど、そこそこレアなのかな?
レアといえば、このレーベルはレアである。
価値があるかといえば、まったくないとは思うが(笑)
まさに間違い探しのようだが、このブログに興味を持つ方ならみんな即座に気づくよね。
Side表記が逆のミスレーベルなのだ。
反対側もミスレーベルなので、このレコードしかもってない人は混乱する(笑)
まあ、内ジャケと裏のステッカーを見れば、レーベルのほうがが間違いだとわかるだろうが。
さて、もう一つ、この盤がRLカット廃棄騒ぎ直後のセカンド・プレスだとすると、一つおかしなことがあるのだが、気づくだろうか?
逆に言えば、このレーベル上には、この盤が1972年12月1970年6月以降にプレスされたものであることを示す確たる証拠があるのだ。
もっとも、スタンパー自体は70年頃に製造されたものである。
RunoutにLW刻印があるからだ。
このLW刻印はLongwear Plating社でメッキ処理がおこなわれた証拠だが、70年10月にリリースされたIIIにはLW刻印がないので、Longwear Plating社でメッキ処理が行われていたのはそれより前ということになる。
メッキ処理は確かに69年か70年に行われているのであるが、そうして作られたスタンパーでいつプレスされたかはわからない。
Matrix末尾のほうを見てみよう。
Side 1(レーベル上はSide Twoとなっているが、ホントはSide Oneのほうね。あーややこしい 笑)のMatrix末尾は"N"である。
いじわるをして見にくく撮っているわけではなく、腕が悪いだけなので、あしからず。
もう一度言おう。
Matrix末尾は"N"である。
"NNN"ではなく、"N"なのである。
ちなみに、Side 2(レーベル上はSide Oneとなっているが、ホントはSide Twoのほうね。あーややこしい 笑)のMatrix末尾は"R"である。
こちらも"RRR"ではなく、"R"なのである。
そう、RI工場(PRC Recording Company, Richmond, IN)産のくせにMatrix末尾がアルファベット一つで終ってしまっているのだ。
これがどういうことなのかを考えてみて、一つの仮説にたどりついた。
RI工場は長い歴史をもつ古い工場だが、PRC Recording Companyと名乗るようになるのは1972年の12月1972年の4月からである。
アトランティックの中部メイン工場となり、RIという略称を使うことになったのも、そのときからではないか。
それ以前はどうだったかというと、1966年から1970年6月までは Mercury Record Manufacturing Company、1970年6月から1972年4月まではPhilips Recording Co. Inc、1972年4月(12月という説もある)からPRC Recording Companyと名乗るようになったという。
アトランティックの中部メイン工場となり、RIという略称を使うようになったのは、1970年6月のPhilips Recording Co. Incへの改称のときからではないか。
ってことでDiscogsを探してみると、Matrix末尾N/Rの盤が見つかった。しかも、ME工場である。
Discogsには、「ME工場なんて調べてもわからんかった」みたいなことが書いてあるが、MErcueyのMEなんじゃ?
つまり、こういうことだ。
RLカット廃棄騒ぎで、大量のプレスを短期間に行わなければならなくなったアトランティックは、当時からメイン工場だった東のPR工場や西のMO工場以外にもプレスを外注せざるをえなくなった。
その一つが、リッチモンドにあるマーキュリーの工場で、LW工場でメッキ処理をしたMatrix末尾N/Rのスタンパーを送った。
こうしてME工場産のMatrix末尾N/Rの盤が産まれた。
1972年12月1970年6月にME工場は、PRC Recording CompanyPhilips Recording Co. Incに名前が変わりRIという略称を用いるようになった。
この時点でアトランティックの中部メイン工場になったのかはわからないが、Zep IIのプレスについては、ME工場時代から使っているスタンパーでプレスした。
スタンパーはそのまま使ったが、レーベルは作り直さざるをえず、その作り直しで大チョンボのエラーレーベルが産まれたと、まぁ、こんなところなんじゃないかと。
さて、Matrix末尾については、ほかにも不可解なことがある。
Discogs上で確認するとアルファベットがかなり飛んでいるが、これは単に発見されていないだけということではなさそうなのである。
というのも、ボクの持っているもう一枚のUS初期盤はMO工場産のMatrix末尾L/Lというものなのだ。
よく見てほしい。
これははっきりわかる。
”L"である。
"LL"ではなく"L"なのである。
しかも、RunoutのどこにもLW刻印はない。
Matrix末尾MやNやRの盤にはLW刻印があるのに、何故Lの盤にはないのだ?
素直に考えれば、Lのほうが後でカッティングされたってことだろう。
実際、この末尾Lの盤は、末尾N/Rの盤よりも、さらに少し眠い音になる。
それに、CSを見ても、どうも後のプレスっぽい(まぁ、CSは入れ替わってる可能性もあるが)。
RLカットのMOプレス盤についていたCSはこれだ。SD8170番台までしか載っていない。
末尾N/RのRIプレス盤についていたCSはこれだ。SD8210番台まで載っている。
末尾LのMOプレス盤についていたCSはこれなんである。IVまで出てる(笑)
そんなわけで、末尾Lが末尾NやRより後にカッティングされたんだとすると、カッティング順にアルファベットがふられたわけではないということになる。
RLカットの末尾ABCは、おそらくアルファベット順にカッティングされたんだろう。
しかし、廃棄騒ぎの後のカッティングは、どうも違うルールでアルファベットを決めていたような気がするのだ。
そうは言っても、それがどんなルールかはまったく見当がつかないんだけどね(笑)
いやぁ、深いなぁ。
しかーし、IIIはともかく、IIのRLカットUS初盤はいまやバカ高くなってしまって、ホントの初盤の特徴をおしえてもらったところでもはや手が出ないのである。
幸いMO(西海岸のモナーク工場)産のMatrix末尾C(RLカット)は持っているので、ボクはもうこれでいいや。
っていうか、ボクはUS初期盤(レーベル上の住所表記が"1841 BROADWAY"となっている1973年までにプレスされたものを便宜上初期盤としておく)を3枚持っているのだが、音質的にはRLカット盤がとにかく飛びぬけている。
この差に比べたら、RLカット盤相互の違いなんて、「気のせい」程度の差に違いない。
うん、きっとそうに違いない。
ってことで、初盤については紙ジャケ探検隊の初盤道におまかせして、ボクはセカンド・プレスからサード・プレスあたりの気になることについて、ちょっと考えてみようと思うのである。
写真の一番手前がMOプレスのRLカット盤だが、今回の主役は背後の二枚だ。
まずはRIAAゴールド・ディスクのステッカー付の向かって左側の盤である。
この盤は、裏側に曲目ステッカーも貼付されている。
このステッカー、あんまり見ない気がするんだけど、そこそこレアなのかな?
レアといえば、このレーベルはレアである。
価値があるかといえば、まったくないとは思うが(笑)
まさに間違い探しのようだが、このブログに興味を持つ方ならみんな即座に気づくよね。
Side表記が逆のミスレーベルなのだ。
反対側もミスレーベルなので、このレコードしかもってない人は混乱する(笑)
まあ、内ジャケと裏のステッカーを見れば、レーベルのほうがが間違いだとわかるだろうが。
さて、もう一つ、この盤がRLカット廃棄騒ぎ直後のセカンド・プレスだとすると、一つおかしなことがあるのだが、気づくだろうか?
逆に言えば、このレーベル上には、この盤が
もっとも、スタンパー自体は70年頃に製造されたものである。
RunoutにLW刻印があるからだ。
このLW刻印はLongwear Plating社でメッキ処理がおこなわれた証拠だが、70年10月にリリースされたIIIにはLW刻印がないので、Longwear Plating社でメッキ処理が行われていたのはそれより前ということになる。
メッキ処理は確かに69年か70年に行われているのであるが、そうして作られたスタンパーでいつプレスされたかはわからない。
Matrix末尾のほうを見てみよう。
Side 1(レーベル上はSide Twoとなっているが、ホントはSide Oneのほうね。あーややこしい 笑)のMatrix末尾は"N"である。
いじわるをして見にくく撮っているわけではなく、腕が悪いだけなので、あしからず。
もう一度言おう。
Matrix末尾は"N"である。
"NNN"ではなく、"N"なのである。
ちなみに、Side 2(レーベル上はSide Oneとなっているが、ホントはSide Twoのほうね。あーややこしい 笑)のMatrix末尾は"R"である。
こちらも"RRR"ではなく、"R"なのである。
そう、RI工場(PRC Recording Company, Richmond, IN)産のくせにMatrix末尾がアルファベット一つで終ってしまっているのだ。
これがどういうことなのかを考えてみて、一つの仮説にたどりついた。
RI工場は長い歴史をもつ古い工場だが、PRC Recording Companyと名乗るようになるのは
それ以前はどうだったかというと、1966年から1970年6月までは Mercury Record Manufacturing Company、1970年6月から1972年4月まではPhilips Recording Co. Inc、1972年4月(12月という説もある)からPRC Recording Companyと名乗るようになったという。
アトランティックの中部メイン工場となり、RIという略称を使うようになったのは、1970年6月のPhilips Recording Co. Incへの改称のときからではないか。
ってことでDiscogsを探してみると、Matrix末尾N/Rの盤が見つかった。しかも、ME工場である。
Discogsには、「ME工場なんて調べてもわからんかった」みたいなことが書いてあるが、MErcueyのMEなんじゃ?
つまり、こういうことだ。
RLカット廃棄騒ぎで、大量のプレスを短期間に行わなければならなくなったアトランティックは、当時からメイン工場だった東のPR工場や西のMO工場以外にもプレスを外注せざるをえなくなった。
その一つが、リッチモンドにあるマーキュリーの工場で、LW工場でメッキ処理をしたMatrix末尾N/Rのスタンパーを送った。
こうしてME工場産のMatrix末尾N/Rの盤が産まれた。
この時点でアトランティックの中部メイン工場になったのかはわからないが、Zep IIのプレスについては、ME工場時代から使っているスタンパーでプレスした。
スタンパーはそのまま使ったが、レーベルは作り直さざるをえず、その作り直しで大チョンボのエラーレーベルが産まれたと、まぁ、こんなところなんじゃないかと。
さて、Matrix末尾については、ほかにも不可解なことがある。
Discogs上で確認するとアルファベットがかなり飛んでいるが、これは単に発見されていないだけということではなさそうなのである。
というのも、ボクの持っているもう一枚のUS初期盤はMO工場産のMatrix末尾L/Lというものなのだ。
よく見てほしい。
これははっきりわかる。
”L"である。
"LL"ではなく"L"なのである。
しかも、RunoutのどこにもLW刻印はない。
Matrix末尾MやNやRの盤にはLW刻印があるのに、何故Lの盤にはないのだ?
素直に考えれば、Lのほうが後でカッティングされたってことだろう。
実際、この末尾Lの盤は、末尾N/Rの盤よりも、さらに少し眠い音になる。
それに、CSを見ても、どうも後のプレスっぽい(まぁ、CSは入れ替わってる可能性もあるが)。
RLカットのMOプレス盤についていたCSはこれだ。SD8170番台までしか載っていない。
末尾N/RのRIプレス盤についていたCSはこれだ。SD8210番台まで載っている。
末尾LのMOプレス盤についていたCSはこれなんである。IVまで出てる(笑)
そんなわけで、末尾Lが末尾NやRより後にカッティングされたんだとすると、カッティング順にアルファベットがふられたわけではないということになる。
RLカットの末尾ABCは、おそらくアルファベット順にカッティングされたんだろう。
しかし、廃棄騒ぎの後のカッティングは、どうも違うルールでアルファベットを決めていたような気がするのだ。
そうは言っても、それがどんなルールかはまったく見当がつかないんだけどね(笑)
タグ:Led Zeppelin