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Decca70年CSへの切り替え時期 [アナログ・コレクターの覚書]

前の記事で6-70と印刷された70年CSのことを見落としたのには、わけがある。

"Get Yer Ya-Ya's Out!"がリリースされたのは1970年9月4日だから、普通に考えれば、ファーストプレスについているのは70年8月製造のCSだろうし、ストーンズなんで初回出荷数が多くて早めに出荷準備を始めなければいけなかったとしても、使われたのは、せいぜい70年7月製造のCSまでだろうと思ったのである。

そう思い込むと、70年6月製造のCSは、「後で入れ替えられたものに違いない」としか思えなくなる。
ってことで、「見落とした」というより、実は、「無視した」んである。

しかーし、ストーンズのDecca盤情報満載の下記ページのインナースリーブの項目のところを見ると、70年CSの製造年月について、執筆者が確認している限りで一番早いのが70年6月のようである。


https://www.stonesondecca.com/


で、その70年CSの上、"Through The Past, Darkly"用の八角形CSを飛ばしてその上の68年CSの画像を見ると、確かに拡大写真では10-69となっているが、その上のステレオのほうの右下にあるコードは5-70に読める(よね?)。

ってことは、70年CSが初めて製造されたのが、70年6月?
そうだとすると、初回ということでかなり大量に作ったという可能性もあるんじゃないか?
そのため、8月ぐらいまで残っていたと。

だとすると、70年6月製造のCSも、必ずしも後で入れ替えられたものとはいえず、無視してはいけないんじゃないかと考え直したのであった。

とはいえ、掲載されている写真の解像度的に、確証が得られないところなので、5-70の68年CSをお持ちの方がいらしたら、ぜひ教えてくださいませm(_ _)m

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Get Yer Ya-Ya's Out!のUKオリジナル・ファーストプレス [The Rolling Stones]

<ちょっと気になって再度Disicogsの情報をチェックしていたら、見落としていたものが一つあったので、それと矛盾がないように、若干修正しました。修正箇所は赤字で追記されている部分(それにともなって取り消し線で消されている部分)です。>(2019年6月30日13時追記)

先日、ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のオフィシャル・フォトグラファーである有賀幹夫さんが” Get Yer Ya-Ya's Out!”のUKオリジナル(Decca SKL 5065)のテストプレスを入手したとツイートされていた。
もうひたすら羨ましかったのだが、そのときつられてうちの英盤を引っ張り出してみたらMatrix末尾が3W/1Wで、聴いてみると明らかにA面の音質が落ちているのがわかった。

調べてみると、確かに3W/1Wとか1W/3Wとかの組み合わせも多いが(もちろん、3W/3Wの組み合わせもある)、1W/1Wという盤も特にレアというわけでもなく、わりと普通に存在しているようだ。

で、調べているときに、運よく状態の良さそうな1W/1Wが売られているのも発見した。
このレコードにしては若干高めの価格設定だった(相場より高いと買うのをためらうよね)が、まもなくボーナスが支給されるはずである。
頭に「ボーナス」という言葉が浮かんだ瞬間には、発注ボタンを押していた(笑)

そのレコードが2日ほど前に届いた。


20190629-01.jpg
(以前から持っていた3W/1W盤と今回届いた1W/1W盤)



以前からうちにあった3W/1Wと比べると、いろんなところが違っている。
さらに、Discogsに登録されている29バージョンの英Decca盤情報(2019年6月29日現在―全部で213バージョンの登録があるが、そのうちの29バージョンが英Decca盤だった)も含めて考察すると、いろいろな発見があった。
ってことで、このレコードのファーストプレス判定方法に関する報告である。

すでにストーンズ・コレクターの間では明らかになっていることなのかもしれないが、Discogsにはハッキリ書かれていない(バリエーション違いの指摘はあるが時間的前後関係は明示されていない)ので、ボク的には新発見なのであった。

まず、Matrix末尾である。
1W/1W以外に、3W/1W、1W/3W、3W/3Wが存在していることからすると、最初からこの4バージョンが存在していたという見方もあるかもしれない(1W/2Wというのもあるようなので5バージョンか)。
でも、この推理はたぶん間違っている。

というのは、A面で言えば、1WのほうはXZAL-10076-1Wであるのに対し、3WのほうはXZAL-10076P-3Wとなっていて、メインMatixの最後というか末尾の前というか、そこにPがついているからである。
末尾のWはデッカ・スタジオのエンジニアだったHarry Fisherのカッティングであることを示すものだが、Pが何を意味しているのかはわからない。
わからないが、余分なものがついているのは、別の機会にカッティングが行われたことを推測させる。
(ちなみに2WにはPがついていないようなので、1Wといっしょにカッティングされたものかもしれない。)

さらに、3W/1Wや1W/3Wの盤で、後述のファースト・ジャケットに入っているものは確認できなかったし、後述のファースト・レーベルが使用されているものも確認できなかった。

ってことで、ファーストプレスはMatrix末尾1W/1Wでなければならないということになる。
(1W/2Wも可能性がないわけではないが、後述するように、1W/1Wであることはファーストプレスの必要条件ではあっても十分条件ではないことに注意する必要がある。)

次はインナースリーブである。
インナースリーブについては、入れ替えられている可能性もあるので、それがセカンドプレス時のものだったとしても、盤やジャケットがファーストプレスということはありうる。
ただ、完品という意味では、発売日の1970年9月時点で使用されていたDeccaのCSが付属していなければならないとは言えるだろう。

DeccaのCSは、68年頃から赤字印刷のMONOと青字印刷のSTEREOのものになるが、70年6月にはデザイン変更があり、STEREOのCSは次のものになる。
つまり、” Get Yer Ya-Ya's Out!”がリリースされた70年9月時点で使用されていたCSはこれである(便宜上70年CSと呼ぶ)。


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このCSには年月日が印刷されているので、8-70や7-70なら、初回プレスのときのCSと言えるだろうか。
ボクが今回入手した盤が入っていたCSには、8-70と印刷されていた。


20190629-03.jpg


72年の初めにはMONOのプレスがなくなったようでCSもSTEREOのみとなると同時に、次の画像のような「モノラル録音は疑似ステだよ」ってことが書かれたものに変わる(便宜上72年CSと呼ぶ)。


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20190629-05.jpg


ちなみに、うちの3W/1W盤が入っていたCSは、6-72と印刷されていた。


20190629-06.jpg


問題はジャケットである。
表裏ともにラミネート・コーティングされたもの(便宜上両面コートと呼ぶ)と、表のみラミネート・コーティングされたもの(便宜上片面コートと呼ぶ)が存在するが、ジャケットの印刷を行った会社が3社ある(さらに印刷会社が明記されていないジャケットもある)のに対して、ラミネート・コーティングを行った会社はずっとBritish Celanese Limited.であることからすると、最初からどちらもあったというわけではなく、はっきりと時間的前後関係があったと考えるべきだと思う。


20190629-07.jpg
(手前が裏もラミネート・コーティングされているジャケットで、奥が裏はラミネート・コーティングされていないジャケット。)


では、どちらが先だったか。

印刷会社は、Robert Stace、Upton Printing Group、Clout & Baker Ltd.の3社だが、どの会社のジャケットにも両面コートのジャケットが存在する。
ただし、両面コートのジャケットは概ねRobert Stace社製かUpton Printing Group社製であって、Clout & Baker Ltd.社製は珍しいものである一方、片面コートのジャケットはすべてClout & Baker Ltd.社製である。

1W/1Wの盤であれば、概ね両面コートのジャケットに入っているし、70年CSであれば、やはり、概ね両面コートのジャケットに入っている。

ただ、8-71と印刷された70年CSに入った1W/1W盤が、片面コートのClout & Baker Ltd.社製ジャケットに入っているというアイテムが登録されている。

このあたりの情報を踏まえると、ファースト・ジャケットは、Robert Stace社製かUpton Printing Group社製の両面コートで、のちにClout & Baker Ltd.社製の両面コート、さらにClout & Baker Ltd.社製の片面コートへと変遷したと考えるのが合理的だと思う。
(もっとも、Disicogsに6-70と印刷のある70年CSとClout & Baker Ltd.社製の両面コートの組み合わせで登録されているものがあるので、Clout & Baker Ltd.社製の両面コートもファースト・ジャケットであった可能性がないわけではない。)

今回、ボクが入手した1W/1W盤のジャケットは、Robert Stace社製の両面コートだった。


20190629-08.jpg


以前から持っていた3W/1W盤のジャケットは、もちろん、Clout & Baker Ltd.社製の片面コートである。

20190629-09.jpg


さて、ここまで無事クリアしてきた方も、レーベルの関門をクリアするのは少し難儀かもしれない(もっとも、CSの印刷年月8-70をクリアしていれば、入れ替えがない限り、ほぼクリアできるとは思う)。

まず、72年までのDeccaのレーベルでは出版年表記がレーベル下部にあるが(72年の途中からレーベル中央右のカタログ番号の上に変わるようだ)、当初は、曲ごとに出版年を分けて表記していた(これも後述のように少なくとも二種類ある)のが、レイトではⓅ1970のみになる。

1W/1Wの盤であれば、概ね出版年を分けて表記するレーベルだが、Ⓟ1970のみの場合もあるし、71年プレスと思われる1W/1W盤には、A面が出版年を分けて表記するレーベル、B面がⓅ1970のみのレーベルというものも確認できる。
逆に3W/1Wや1W/3Wの盤は、概ねⓅ1970のみのレーベルであって、1W/3Wの盤に一枚例外が確認できただけである。
ここから、Ⓟ1970のみのレーベルのほうがレイトだと判断できる。


20190629-10.jpg
(出版年表記がⓅ1970のみのレイト・レーベル)


また、出版年を分けて表記するレーベルには、A面で言うと、Ⓟ1970 Ⓟ1969-1,5. Ⓟ1968-3.という形の表記(便宜上、曲番号型と呼ぶ)と、曲名のほうにアステリスクをつけておいて、Ⓟ1970, 1969*, 1968**という形の表記(便宜上、アステリスク型と呼ぶ)がある。

ファーストプレスのレーベル判定に重要な要素がもう一つある。
B3”LITTLE QUEENIE”のパブリシャーだ。
B3のパブリシャーは、Tristan Musicになっているものと、Jewel Musicになっているものがあるが、出版年がⓅ1970のみのレーベルは例外なくJewel Musicであることからすると、当初Tristan Musicだったものが、どこかの時点でJewel Musicに変わったと考えるのが合理的である。


20190629-14.jpg
(Ⓟ1970のみのレーベルのB面。B3のパブリシャーはJewel Musicである。)


で、出版年を分けて表記するレーベルのうち、曲番号型のほうはTristan Musicのものしか確認できなかった。
それに対して、アステリスク型のほうはTristan Musicのものがほとんどとはいえ、Jewel Musicの存在も確認できる。
しかも、アステリスク型でB3がJewel Musicのレーベルが使用されているのは1W/3W盤である。

これらの情況証拠からのもっとも合理的な推理は、①曲番号型(B3は必ずTristan Music)→②アステリスク型(B3がTristan Music)→③アステリスク型(B3がJewel Music)→Ⓟ1970のみのレーベル(B3は必ずJewel Music)という順に変遷したと考えることだろう。
もっとも、①と②は、ファーストプレスの工場違いで、時間的前後関係がない可能性はある。
実際、Discogsには、②レーベルの盤と6-70と印刷された70年CSの組み合わせが登録されている。
CSが入れ替えられた可能性がないわけではないが、さしあたりの結論としては、アステリスク型でB3がTristan Musicというレーベルもファーストプレスのレーベルということにしておきたい。
つまり、ファーストプレスのレーベルとしては、B3のパブリシャーがTristan Musicであればよいということになる。

というわけで、こちらがファーストプレスのレーベルのうちの一つということになる。


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(出版年を分けて表記するもののうち①の曲番号型のレーベル。②や③のレーベルは、Discogsでご確認ください。)


思いっきりごちゃごちゃしているので、最後にわかりやすくまとめておこう。
” Get Yer Ya-Ya's Out!”のファーストプレスの特徴は次の通りである。

1 Matrix末尾は1W/1Wである。
2 インナースリーブは、Deccaの70年から使用されたCSで、8-70かそれより前である。
3 ジャケットは、Robert Stace社製かUpton Printing Group社製の両面ラミネート・コーティングである(Clout & Baker Ltd.社製の両面コートもファースト・ジャケットの可能性はある)。
4 レーベルは、B3のパブリシャーがTristan Musicである。、下部に曲番号で分けて出版年を表記しているものである(下部にアステリスクで分けて出版年を表記しているものも、B3のパブリシャーがTristan Musicであれば、ファーストプレスの可能性はある)。


いろいろ推論を織り交ぜての結論なので、どこかで間違っているかもしれません。
お気づきの点がございましたら、ご指摘くださいm(_ _)m


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チャプターマークを付ける [J-POP & J-ROCK]

Blu-rayレコーダーのHDDがいっぱいになったので整理していたら、録画したまま観るのを忘れて放置していたAugusta Camp 2018を発見したので、観てみた。

この手のイベントやフェスの場合、録画を保存しておくにしても、思い出してまた観たくなる演奏というのは限られているので、ボクはチャプターマークの機能を利用している。

で、秦基博「鱗」、スキマスイッチ「奏」、山崎まさよし「One more time, One more chance」あたりにチャプターマークを付けたのだが、ほかに全く知らなかったアーティストの演奏でボクの琴線にひっかかったものが二つあった。

ひとつは、HaiRi「未来のつぼみ」である。
YouTubeにMVのショートバージョンがあるので貼り付けておこう。





なんだか高校時代を思い出して、ちょっと胸がキュンとするのである。
この切なさの正体はなんだろう?(笑)


Spotifyにフルバージョンがあるので、これも貼り付けておこう。





もうひとつは、松室政哉「海月」だ。
YouTubeにMVのショートバージョンがあるので貼り付けておこう。





サビがいいよねぇ。

   ♪ 君が流した涙の海に 浮かぶ僕は海月


そういや、新江の島水族館にクラゲを見に行こうって約束したなぁ。
実現しなかったけど(笑)

なーんてことをふっと思い出した。

これもSpotifyにフルバージョンがあるので貼り付けておこう。





最後にもう一度観たくなるのは、やっぱり、山崎まさよし「One more time, One more chance」だ。
YouTubeにMVのフルバージョンがあるので貼り付けておこう。





YouTubeがフルバージョンなので、Spotifyは必要ないといえば必要ないけど、一応貼り付けておこう。





   ♪ これ以上何を失えば 心は許されるの?
   ♪ どれほどの痛みならば もう一度君に逢える?


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エド・シーランでほっこり [Ed Sheeran]

さっき気づいたのだが、3か月ほど前から、エド・シーラン(Ed Sheeran)の"Supermarket Flowers"のMVが公開されている。





このMVを手がけた漫画家のほしよりこさんのことはまったく知らなかったが、思わずほっこりした。

エド・シーランのオフィシャル・チャンネルではなく、Warner Music Japanのオフィシャル・チャンネルで公開されているところからすると、4月の来日に合わせた、日本の独自企画なんだろうか。

こういう企画、いいよね。


とりあえず、"Supermarket Flowers"が収録されたサード・アルバム"Divide"のアナログを引っ張り出して聴く。


20190624.jpg


エド・シーランもアナログで聴きたいアーティストだよね。



<画像をクリックするとAmazonに飛びます。>

タグ:ED sheeran
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Happy Birthday, Mr. Mraz♪ [Jason Mraz]

本日6月23日は、ジェイソン・ムラーズ(Jason Mraz)の誕生日だそうだ。

ジェイソン・ムラーズといえば、そういや、最近、レネ・ドミニク(Reneé Dominique)ーYouTube上でウクレレの弾き語りをしているのを何度か観たことがあるが、それ以上のことはまったく知らない―とコラボした動画をアップしていた。





うん、悪くない。
というか、かなり好きだ。

ついでに、昨年リリースされた"Know"収録曲のMVがいくつかYouTubeにアップされているので、はりつけておこう。














さて、では、誕生日のお祝いに、現時点では一番新しいアルバム"Know"のアナログを聴こっと。


20190623-8.jpg


ところで、このレコード、Matrix末尾が2A/1Bなんだが、これでいいんだろうか。
予約していたものが未入荷で一方的にキャンセルされたあと、しばらくして他のサイトで普通に売られていたのを買ったという経緯があるので、少し心配なのである。

まあ、オランダ・プレスでプレス品質も良く、音も良いんで、いいっちゃいいんだけどね(笑)



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