FOONのPAUL～YES, Going for the ONEのオランダ盤 [アナログ・コレクターの覚書]
＜Paulカッティングの真相について、紙ジャケ探検隊からもらった情報をきっかけに調べて考察したことを追記しました。＞（2022年6月13日2:30)
先日、アラン・ホワイト(Alan White)を追悼して発注した"Going for the One"のオランダ盤(Atlantic ATL 50379)が届いた。
表ジャケットのタイトルと融合したYESロゴ横にはっきりとしたひっかき傷があるので、ジャケットVG+というグレーディングには疑問がないではないが、まぁ、あんまりうるさく言うのはよそう。
インナースリーブが英盤と違ってペラペラだったのは残念だったが、YESロゴの色が、英盤や日本盤と違って黄色なのは、なんとなく所有する喜びを感じさせてくれるものだった。
（日本盤（手前）と比べると、色の違いがはっきりわかる。）
ちなみに、内ジャケのYESロゴの色も黄色である。
さらに言えば、裏ジャケの下にあるAtlanticロゴも黄色（英盤や日本盤では青）である。
レーベルは特に違いはないが、"Made in Holland"と明記されているので、間違いなくオランダ盤だ。
送り溝には、Side Aは50379 A 19106、Side Bは50379 Bと手書きで刻まれていて、ほかにマザーあるいはスタンパーを表すものと思しき数字が刻印されているが、マト（つまりラッカー・ナンバー）を表すと思われるような刻印はない。
しかし、Discogsの登録を見ると、Side Aに"EIMP SD 19106"と刻まれているものがあったり（うちのは"19106"だけ）、Side Bに50379 Bにくわえて”SD 19106”と刻まれているものがあったり（うちのは50379 Bだけ）するのでラッカーは一組だけではなくて、二組以上はあったと推測する。
そして、Discogsの登録情報によれば、そのいずれについても、カッティング・エンジニアを表す刻印はこれである。
これは、FOONの創設者Paul van der Jonckheydのサインで間違いないだろう。
やはり、オランダ盤だけは、親分がカッティングしたんである。
ちなみに音の方は、日本盤とはずいぶん違う。
音圧は低めだが、日本盤よりも前後の奥行きが感じられる。
鮮度感も、日本盤より高いんじゃないかと思う。
ボリュームをグーンとあげてゆくと、日本盤は若干高域がきつめでうるさく感じられるようになるが、オランダ盤はナチュラルでうるさく感じない。
ってことで、ボクは、オランダ盤が好みだ。
オランダ盤がオリジナルだと言うつもりはないが、スタジオFOONで最初にカッティングしたのは、やっぱりPaul van der Jonckheydだったんじゃないかと思うのである。
紙ジャケ探検隊から、Sean Davisに関する興味深い情報をいただいた。
Discogsによれば、Sean Davisが1977年にFOONにいたのは、FOONがI.B.C.Studiosから買ったカッティング・レースについてスタッフを教育するためだったというのだ。
SeanがI.B.C.にいたのは1965年までで1977年当時はフリーランスだったのだが、FOONが買ったカッティング・レースのことをよく知っているということで、教育係として雇われたのだろう。
FOONのことをマスタリング・スタジオと紹介していたが、調べてみると、Paul van der Jonckheydが最初につくったのはモバイル・レコーディング・スタジオだったらしい。
Paulの関心がマスタリングの方に移っていって、1979年にマスタリング・スタジオがLierに建てられたとのことだ。
つまり、1977年というのは、FOONがマスタリング・スタジオへと変わる転換期だったということになる。
そんなわけで、I.B.C.からカッティング・レースを買って、その機材の使い方を熟知しているSeanに来てもらい、いろいろ教えてもらっていたというわけだ。
とすると、Paulは確かに雇い主という意味では親分かもしれないが、マスタリング＆カッティングに関しては、むしろSeanがPaulの師匠ということになるんじゃないかと思う。
こうした状況から考えると、YESが"Going for the One"のマスタリングをFOONに依頼したのも、FOONに依頼したというよりは、Seanに依頼したという方が適切かもしれない。
SeanとPaulのマスタリングの違いも、機材を熟知しているSeanの攻めたマスタリングと、まだ慣れないPaulの控え目なマスタリングという違いなんじゃないか。
そう思って聴くと、そう聴こえる（笑）
攻めたマスタリングは、好みに合えば素晴らしいものに感じるが、合わなければ鼻につくから、ボクがPaulのマスタリングの方が好みだったのは、単にそれだけのことだったんだろう。
まぁ、でも、好みのカッティングの盤が手に入ったんだから、結果オーライだよね（笑）
先日、アラン・ホワイト(Alan White)を追悼して発注した"Going for the One"のオランダ盤(Atlantic ATL 50379)が届いた。
表ジャケットのタイトルと融合したYESロゴ横にはっきりとしたひっかき傷があるので、ジャケットVG+というグレーディングには疑問がないではないが、まぁ、あんまりうるさく言うのはよそう。
インナースリーブが英盤と違ってペラペラだったのは残念だったが、YESロゴの色が、英盤や日本盤と違って黄色なのは、なんとなく所有する喜びを感じさせてくれるものだった。
（日本盤（手前）と比べると、色の違いがはっきりわかる。）
ちなみに、内ジャケのYESロゴの色も黄色である。
さらに言えば、裏ジャケの下にあるAtlanticロゴも黄色（英盤や日本盤では青）である。
レーベルは特に違いはないが、"Made in Holland"と明記されているので、間違いなくオランダ盤だ。
送り溝には、Side Aは50379 A 19106、Side Bは50379 Bと手書きで刻まれていて、ほかにマザーあるいはスタンパーを表すものと思しき数字が刻印されているが、マト（つまりラッカー・ナンバー）を表すと思われるような刻印はない。
しかし、Discogsの登録を見ると、Side Aに"EIMP SD 19106"と刻まれているものがあったり（うちのは"19106"だけ）、Side Bに50379 Bにくわえて”SD 19106”と刻まれているものがあったり（うちのは50379 Bだけ）するのでラッカーは一組だけではなくて、二組以上はあったと推測する。
そして、Discogsの登録情報によれば、そのいずれについても、カッティング・エンジニアを表す刻印はこれである。
これは、FOONの創設者Paul van der Jonckheydのサインで間違いないだろう。
やはり、オランダ盤だけは、親分がカッティングしたんである。
ちなみに音の方は、日本盤とはずいぶん違う。
音圧は低めだが、日本盤よりも前後の奥行きが感じられる。
鮮度感も、日本盤より高いんじゃないかと思う。
ボリュームをグーンとあげてゆくと、日本盤は若干高域がきつめでうるさく感じられるようになるが、オランダ盤はナチュラルでうるさく感じない。
ってことで、ボクは、オランダ盤が好みだ。
オランダ盤がオリジナルだと言うつもりはないが、スタジオFOONで最初にカッティングしたのは、やっぱりPaul van der Jonckheydだったんじゃないかと思うのである。
紙ジャケ探検隊から、Sean Davisに関する興味深い情報をいただいた。
Discogsによれば、Sean Davisが1977年にFOONにいたのは、FOONがI.B.C.Studiosから買ったカッティング・レースについてスタッフを教育するためだったというのだ。
SeanがI.B.C.にいたのは1965年までで1977年当時はフリーランスだったのだが、FOONが買ったカッティング・レースのことをよく知っているということで、教育係として雇われたのだろう。
FOONのことをマスタリング・スタジオと紹介していたが、調べてみると、Paul van der Jonckheydが最初につくったのはモバイル・レコーディング・スタジオだったらしい。
Paulの関心がマスタリングの方に移っていって、1979年にマスタリング・スタジオがLierに建てられたとのことだ。
つまり、1977年というのは、FOONがマスタリング・スタジオへと変わる転換期だったということになる。
そんなわけで、I.B.C.からカッティング・レースを買って、その機材の使い方を熟知しているSeanに来てもらい、いろいろ教えてもらっていたというわけだ。
とすると、Paulは確かに雇い主という意味では親分かもしれないが、マスタリング＆カッティングに関しては、むしろSeanがPaulの師匠ということになるんじゃないかと思う。
こうした状況から考えると、YESが"Going for the One"のマスタリングをFOONに依頼したのも、FOONに依頼したというよりは、Seanに依頼したという方が適切かもしれない。
SeanとPaulのマスタリングの違いも、機材を熟知しているSeanの攻めたマスタリングと、まだ慣れないPaulの控え目なマスタリングという違いなんじゃないか。
そう思って聴くと、そう聴こえる（笑）
攻めたマスタリングは、好みに合えば素晴らしいものに感じるが、合わなければ鼻につくから、ボクがPaulのマスタリングの方が好みだったのは、単にそれだけのことだったんだろう。
まぁ、でも、好みのカッティングの盤が手に入ったんだから、結果オーライだよね（笑）
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