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LIBERTYレーベルの真実~Herbie Hancock, Maiden Voyage [Rudy Van Gelder(RVG)の仕事]

ハービー(Herbie Hancock)の『処女航海』スペシャル・パフォーマンス@東京JAZZ、実に美しい演奏で、素晴らしかったなぁ・・・
映像もとても美しくて良かったよね。


さて、前の記事にも書いたように、うちにある"Maiden Voyage”はLIBERTYレーベルの再発ステレオ盤(BLUE NOTE BST 84195)である。


20211128-3.jpg


画像にも映っているように、送り溝には、もちろんVAN GELDER刻印はあるが(UAレーベル再発の最初の頃まである)、耳マークはない。

前の記事にも書いたように、うちの盤はちょっと歪みっぽいので、そのうちオリジナルのモノ盤が欲しいなぁとは思っていたのだが、内容的にものすごく好きなのに、すぐにでも手に入れようと血眼になるようなことがなかったのには理由がある。

”Maiden Voyage”のオリジナルがNEW YORKレーベルなのはわかっていたが、BLUE NOTEがLIBERTYに売却されたのは1965年である。
”Maiden Voyage”も1965年のリリースだ(リリース日が不明なのだが、65年3月17日に録音されているので、65年中にリリースされたのは確実だと思う)。
つまり同じ年なのである。
ってことは、確かにNEW YORKレーベルがオリジナルではあるものの、すぐにLIBERTYレーベルに切り換わったとすると、セカンド・レーベルとはいえ、音質的には大差ないのではないかと思った。

しかも、うちのはステレオ盤である。
1965年~66年といえば、まだモノ盤が主流で、ステレオ盤のプレス枚数はそれほど多くなかったんじゃないかと思う。
だとすると、LIBERTYレーベル初期のステレオ盤は、音質的には「大差ない」どころか「ほとんど変わらない」可能性さえあると思った。

しかし、ボクはひとつ、大きな勘違いをしていた。
どうやら、NEW YORKレーベルからLIBERTYレーベルへの切り換えは、1965年にLIBERTY傘下に入ってすぐに行われたわけではないようなのである。

世間一般には1966年に切り換えが行われたように言われていたので、1966年初頭から切り換えられたと思い込んでいたのだが、初頭どころか66年中でさえなく、もしかしたら、67年になってからかもしれない。

小川隆夫さんの『ブルーノート・コレクターズ・ガイド』(初版)によると、NEW YORKレーベルは4253まで(と4256)で、4255から(4254は80年代までリリースされなかった)LIBERTYレーベルに切り換わったとされている(改訂版で修正されてたらごめんなさい)。


20211128-5.jpg


実際、Discogsでも、(4256や4253や4251では確認できないが)4252や4250のNEW YORKレーベルの存在を確認することができる。
これらはいずれも1967年リリースである。
つまり、NEW YORKレーベルは、67年初頭まで使用されていたのだ。

ってことは、やっぱり、LIBERTYレーベルへの切り換えは、67年初頭だったんじゃないかと思うのである。

さて、では、うちのLIBERTYレーベルのステレオ盤はいつ頃のプレスだったのかというと、どうやら切り換わったばかりの頃のプレスのようだ。


20211128-4.jpg


うちのは直輸入盤に解説を付けて国内販売されたもののようだが、LIBERTYのCSに掲載されているブルーノートのレコードは、4250のホレス・シルヴァー(Horace Silver)"The Jody Grind"までだからである。

66年初頭のプレスじゃないかという期待は木端微塵に砕け散ったが、67年初頭のLIBERTY切り換え時のプレスではありそうで、ちょっとほっとしている。

実際、M44-7で歪みなく再生すれば、LIBERTY再発盤とはいえ、うちの盤、ホント、素晴らしい音で鳴るんだよ。

タグ:Herbie Hancock
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