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The Rolling Stones No.2のUKオリジナル [The Rolling Stones]

昨夜引っ張り出したのだが、ちょっと久しぶりに聴くので、今夜もこれでチャーリー追悼である。


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"The Rolling Stones No.2"のUKオリジナル(Decca LK 4661)だ。
一聴したところでは地味で渋い印象だが、ファースト・アルバム以上にかっこいいジャケット(個人の見解です 笑)につられて繰り返し聴いていると、どんどん味わい深くなってくるアルバムである。

曲によって音の質感が違っているのは、シカゴのチェス(Chess)スタジオ、ハリウッドのRCAスタジオ、ロンドンのリージェント・サウンド(Regent Sound)スタジオの三か所で録音されているからで、スタジオによる音の質感の違いを味わえるのも、このアルバムの醍醐味だ。

各曲がどこでいつ録音されたかは次の通り。

A1.Everybody Needs Somebody To Love(2/11/64 RCA)
A2.Down Home Girl(2/11/64 RCA)
A3.You Can't Catch Me(28-29/9/64 Regent Sound)
A4.Time Is On My Side(8/11/64 Chess)
A5.What A Shame(8/11/64 Chess)
A6.Grown Up Wrong(28-29/9/64 Regent Sound)
B1.Down The Road Apiece(10-11/6/64 Chess)
B2.Under The Boardwalk(2/9/64 Regent Sound)
B3.I Can't Be Satisfied(10-11/6/64 Chess)
B4.Pain In My Heart(2/11/64 RCA)
B5.Off The Hook(2/9/64 Regent Sound)
B6.Suzie-Q(28-29/9/64 Regent Sound)

RCAスタジオで録音された3曲については音質が良くないという人もいる。
確かに響きがソフトなのでシステムや音量あるいはスタンパーの摩耗具合によってはベールを一枚かぶったように聴こえるのかもしれないが、音の違いは違いとして(響きがソフトなので相対的にクリアさに欠けるところはある)、ボクには特に音が悪いという印象はない。


このレコードは一枚しか持っていないが、ボクのコレクションには珍しく頗る美品である(笑)
マトは1A/1Aなので、ファースト・プレスのマトに間違いない(ファースト・プレスには、1A/2A、2A/1A、2A/2Aもあったかもしれないが、ボクには関係ない 笑)。
スタンパーは2B BC/2B UCで、それほど若いスタンパーではないが、10週にわたってチャート1位を記録したアルバムだし、まぁ、こんなもんだろう。

ジャケットはフリップバックで、もちろん、裏ジャケットには問題となった"blind man"の文章がそのまま記載されているファースト・ジャケットである。


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ジャケットは、後に、ファースト・ジャケットに"blind man"の文章を削除した裏ジャケを貼り付けたDiscogs上でPasted Coverと呼ばれているもの(セカンド・ジャケット)に変わり、さらに、"blind man"の文章を削除した裏ジャケで作り直したサード・ジャケットに変わる。

そういや、このレコードのレーベルについて気になることがあったんだった。


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これがうちの盤のレーベルなのだが、問題はこの部分だ。


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DECCAロゴの上のリムが"MADE IN ENGLAND"だけなのである。

この上部リムは、"MADE IN ENGLAND・THE DECCA RECORD CO. LTD."が一般的である。

"MADE IN ENGLAND"だけのものをショート・リム、"THE DECCA RECORD CO. LTD."付きのものをロング・リムと呼ぶことにしよう。

ストーンズで言うと、ファーストはロング・リムで、サードの"Out Of Our Heads"もロング・リムだ。
つまり、セカンドの"No.2"にのみショート・リムが現れる。
ということは、ショート・リムは"No.2"のリリース前後のごく短期間のみ使用されたものだということである。

仮に、”No.2"がリリースされるちょっと前から使用され始めたのだとすると、"No.2"のファースト・プレスはショート・リムだということになる。
そうではなく、"No.2"がリリースされた後に使用され始めたのだとすると、"No.2"のファースト・プレスはロング・リムだということになる。
(もちろん、ショート・リムとロング・リムが並行的に使用されたとすると、どちらもファースト・プレスには存在したことになるが、その可能性は低いと思う。)

これは、初盤道場門下生的には大問題だ。
いくら初盤判定に甘いボクでも、発売日に使われていなかったレーベルのものを初盤だと言うわけにはいかない。

ってことで、先日発見したサイトの"No.2"のページで確認してみた。

https://www.stonesondecca.com/the-60s-decca/rolling-stones-no-2/

どうやらファースト・プレスにはショート・リム・レーベルが使われていたとしているようなのだが、その根拠が明示されていないので、断定はできない。

それどころか、これまた根拠を明示せずにVersion 1を最初期レーベルだとしているのは、ひじょーにモヤモヤする(笑)
うちのレーベルがVerison 2だからというわけではない。

Version 2のみレーベル下部のThe Rolling Stonesの下にプロデューサーとか録音場所の詳細が記載されていて、ロング・リム時代になっても、さらには、BOXED DECCAの時代になっても、この記載があるものはないからだ。
普通に考えれば、最初はプロデューサーとか録音場所の詳細まで載せてみたものの、不要だと考えてセカンド・レーベルからは載せなかったと考えたほうが合理的な気がするのである。

まぁ、どちらが合理的な推論かという話なので、たとえば、マト1A/1Aでスタンパー1B/1Bの盤のレーベルがVersion 1だったんだとすれば、黙るしかないのだが(笑)

同じように、明確な根拠が示されていないので、ひじょーにモヤモヤしたのは、ジャケットの印刷会社である。

うちの盤の印刷会社は、James Upton Ltd.だ。


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しかし、上記のサイトには、"Upton sleeves were probably used already during 1965 but the MacNeill sleeves are probably used for the first pressings. "とある。
"probably"なんで断定はしてないんだが、せめて根拠を示せー

ということで、このレコードのマト1A/1Aスタンパー1B/1B(とまではいかなくても一桁の)盤をお持ちの方、ぜひレーベル情報とジャケット情報をお寄せくださいm(_ _)m

コメント(2) 
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コメント 2

koss

Charlie 安らかに。

想也 さん
私も確認しました。
1A/2A、スタンパーは2B K7/KG?、"THE DECCA RECORD CO. LTD."付きのロング・リム、"blind man"あり、ジャケットはフリップバック仕様ではありません、印刷会社は、James Upton Ltd.でした。
ショート・リムは今回この記事で初めて知りました。
これが、おそらく本当の初盤だと思いますよ。


by koss (2021-09-02 05:48) 

想也

kossさん

情報ありがとうございます(^^)
ストーンズは数が出てるだけに、ファースト・プレス確定はなかなかたいへんです。
UK盤もレーベル見ると、BIEMとかNCBとかがあって、広くヨーロッパに輸出されていたようなので、それもどのぐらいあるんだか・・・

by 想也 (2021-09-02 22:33) 

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