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The Beach Boys, Endless SummerのUSオリジナル [アナログ・コレクターの覚書]

室田夏海『ザ・ビーチ・ボーイズ』に触発されて、ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)を聴いていた。


20210801-01.jpg


ベスト盤"Endless Summer"のUSオリジナル(Capitol Records SVBB-11307)である。
当時すでに、ビーチ・ボーイズは Reprise Recordsに移籍していたが、古巣のCapitol Recordsがヒット曲を集めて1974年6月24日にリリースしたものだ。

Capitol Records時代のベスト盤と言っても、"Pet Sounds"以降の楽曲は選曲されていない。
"Pet Sounds"より前の、ひたすら明るくて爽やかな楽曲のみをこれでもかと詰め込んだものである。

この戦略は成功した。
"Endless Summer"はビルボートのアルバム・チャートになんと155週もとどまった(最高位は1位)し、300万枚以上を売り上げ、まさに大ヒット・アルバムとなった。

実際、とても聴きやすい良いレコードである。
このレコードに中学生の頃に出会っていたら、ボクの人生少し違っていたかもしれない(笑)
それは冗談としても、ホント、中学生ぐらいの頃に出会いたかったレコードだ。

このレコード、ベスト盤だが音も良いと思う。
それに、USオリジナルでも安い(笑)
ボクは何年か前に650円とかで買った。
まぁ、うちのは値段相応に少々くたびれているが、レコードの方は徹底的に洗浄したらほとんどノイズ・レスで聴けるようになったので、満足である。
初回盤についていた(初回盤だけでなくレイト・プレスにもついてたようです。いつまでついてたかはわかりませんが。)ポスターも付属していなかったが、幟というかペナントというかそんなものを引っ張る軽飛行機のポスターなので、いらない 笑)

それに、このレコード、バカ売れしたのでレイトの数も多いが、うちのは少なくともレイトではない。

というのも、レーベルがこれだからである。


20210801-02.jpg


72年頃から78年頃まで使われたレーベル・デザインなのだが、途中75年に、一部がちょっと変わる。
変わるのは、上部リムのこの部分だ。


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変更前は、このように、"MFD. BY CAPITOL RECORDS INC., A SUBSIDIARY OF CAPITOL INDUSTRIES, INC. U.S.A. Capitol(ロゴ)MARCA REG."となっている。

これが、変更後は、"MFD. BY CAPITOL RECORDS INC., A SUBSIDIARY OF CAPITOL INDUSTRIES-EMI, INC. U.S.A.. CAPITOL(ロゴではない)MARCA REG.. ALL RIGHTS RESERVED. UNAUTHORIZED DUPLICATION IS A VIOLATION OF APPLICABLE LAWS"となる。
つまり、"CAPITOL INDUSTRIES, INC"が"CAPITOL INDUSTRIES-EMI, INC”に変わり、Capitolはロゴではなくなり、"ALL RIGHTS RESERVED."以下が追加される。
上部リムがやたら長くなる(もはや上部ではなく下の方から上をまわって下まで達している)ので、一目瞭然である。

で、何が言いたいかというと、74年にリリースされた"Endless Summer"は、当初は上部リム変更前のレーベルでリリースされたのだが、75年になると変更後のレーベルでリリースされるようになる。
二枚組なので、過渡期には一枚が変更前で一枚が変更後なんてことも起きている。

そんなわけで、二枚とも変更前のレーベルならUSオリジナルでいいんじゃないかと思うのである。


送り溝には4面全部にこの刻印があって、Capitolのマスタリング・スタジオでマスタリング&カッティングが行われたことを示す。


20210801-04.jpg


マトは次のようなものである。
(レコードは、1枚目がSide 1とSide 4、2枚目がSide 2とSide 3になっている。)

Side 1: 1-11307-J-9 ・・
Side 4: SVBB-4-11307-F5・・Wly
Side 2: SVBB-2-11307-F4・・Wly
Side 3: SVBB-3-11307-J-9・

Side 1だけ、SVBB-をつけるのを忘れている(笑)

ちなみに、マトの前についているアルファベットのFとかJとかは、カッティング・レースを示しているそうだ。
1974年当時では、Discogsによると、FはハリウッドのTower Masteringで使用されていたノイマン製のカッティング・レースを意味するようなのだが、Wlyという刻印はCapitol MasteringのWally Traugottがカッティングしたサインなので、ちょっと意味がわからない。


20210801-05.jpg
Wally Traugottのサインの”Wly"



Tower MasteringがCapitol Masteringの下請けみたいなところで、そこにWally Traugottが出張で行ってカッティングしたってことだろうか?
ちなみに、当時のCapitol Masteringのハリウッド・スタジオにあったノイマン製のカッティング・レースに割り当てられたアルファベットは、Gである。

HとJは、Capitol Masteringのハリウッド・スタジオにあったスカリー製のカッティング・レースに割り当てられたアルファベットだという。

アルファベットの後の数字がラッカー・ナンバーを表すが、たぶんこれは通し番号だろう(つまり、F1が存在すればJ1は存在しない)。
あっ、でも、これはまだ検証してないので、間違ってたらごめんなさい。

マトがやたら進むCapitolのUS盤で一桁マトなら上出来だ。

プレスはロサンジェルス工場。


20210801-06.jpg
Capitolのロサンジェルス工場プレスを表す*マーク



ビーチ・ボーイズはやっぱりカリフォルニアの音で聴きたいよね(笑)

コメント(2) 
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コメント 2

koss

私も持っていたので確認しました。
75年のセカンドプレスで、リムが3/4ぐらい永いです。
SVBB-1-11307 H-10 MASTERED BY CAPITOL • ━◁
SVBB-2-11307 G17 • ━◁ MASTERED BY CAPITOL
SVBB-3-11307 H12#5 MASTERED BY CAPITOL • ━◁
SVBB-4-11307 J10 #5 MASTERED BY CAPITOL • ━◁
でした、2桁マトで残念です。が、確かにいいレコードですよね。

ポスターがなぜかついていましたが、いらないと思います。プロペラ機で空を飛んでいる写真とタイトルとグループ名が印刷されているだけです。
by koss (2021-08-03 20:09) 

想也

kossさん、どうも(^^)

ご確認ありがとうございます。
ウインチェスターの75年もののようですね。
2桁マトの中では若い方のような。
Discogs見てたら、G48とかありました(笑)

Discogsに「初回盤にはポスターがついてた」みたいな記述があったんで初回盤だけかと思ったんですが、違うんですね。
あらためてDiscogsで確認してみたら、75年ものでもポスター付きで登録されてるのがありました。
修正しときます~
ありがとうございました。

by 想也 (2021-08-04 00:27) 

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