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財津和夫『Wake Up』の過酷な現実 [国内盤研究]

財津和夫『Wake Up』(EXPRESS/東芝EMI ETP-10663)には過酷な現実がある。


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Cal De Rさんが、両面マト1(つまり1S/1S)の初回透明盤(PMは当然9-Yで発売日(1979年12月20日)前月プレス)を手に入れたものの、スタンパーが47/50で「そりゃないゼー・・・財津さん」と叫んでいたが(詳しくはhttps://ameblo.jp/caldermusic/entry-12688090585.htmlをご覧ください)、発売日前月プレスの初回透明盤でそこまでスタンパーが進んでいるってことは、発売当月や発売翌月プレスには、どんな過酷な現実が待っているか想像できようというものだ。

まぁ、うちにある初回透明盤は、Cal De Rさんのところのものほど過酷ではない。


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PM9-Yの両面マト1は当然として、スタンパーは両面27である。
両面27でも、発売日前月プレスとしてはずいぶん進んでるなーと思っていたが、ささも教授の持っている初回透明盤の見本盤(当然PMは9-Yでマトは1S/1S)でも、スタンパーは23/24だそうで、うちと大差ない。


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(画像提供:ささも教授)



同年夏にはチューリップの『虹のスニーカーの頃』が大ヒットしていたことにくわえ、セイコーとのタイアップが決まっていて、おそらく前年の甲斐バンド『Hero(ヒーローになる時、それは今)』同様にセイコー側で自社製品の販促のために非売品(セイコー盤と呼ぶことにする。こちらのレコード番号は4RS-963になるが、使用されているスタンパーは同じである。)を配りまくることも決まっていただろうから、当初から大量のプレスが予定されていたんじゃないかと思う。

ちなみに、ささも教授からいただいたセイコー盤の送り溝情報は、PMが9-Zでマトが2S/2S、スタンパーは4/24である。


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(画像提供:ささも教授)



発売当月プレスの段階で、両面マト2が存在していることがわかる。
マト2のせいか、スタンパーはそこまで進んでいない。
とはいえ、必ずしもマト2がセイコー盤にまわされたというわけでもないようで、うちにあるセイコー盤は両面マト1だし、うちにある市販盤のレイトにあたる黒盤の一枚は片面マト2である。

うちにあるセイコー盤と市販盤黒盤が出てきたところで、いよいよ、過酷な現実の話だ。

うちにある市販盤黒盤の一枚は、確かにSide 2はマト2(つまり2S)でスタンパーは11とあまり進んでいないのだが、Side 1はマト1で、スタンパーはこの有り様である。


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0の前の1が見えにくいかもしれないが、103と刻印したあと、3を消して2を刻印している。
つまり、スタンパー・ナンバーは102なのである。
ちなみに、PMは0-1で、1980年1月のプレスだ。
発売日前月にすでに50に達していたスタンパー・ナンバーは、発売日翌月に至って100を超えてしまった・・・
これはダメだろー

いくらなんでも、流石にこれ以上はないよね?


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えっ?
ひゃく じゅう ご?

これは、うちにあるセイコー盤のSide 2である。


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PMは0-3で1980年3月のプレス。
この頃まで、セイコーは販促でセイコー盤を配りまくってたのね。
まぁ、考えてみれば、高校入学とか大学入学のときに腕時計買ってもらったもんなー
新社会人にも腕時計を贈るってありそうだし、2月3月はセイコーにとっちゃ書き入れ時よね。

それにしても、スタンパー・ナンバー115って・・・
「もう無理ー」と悲鳴をあげるマザーの声が聴こえてきそうである(笑)
過酷だなぁ・・・


しかし、もちろん、若いスタンパーの盤だって存在するのである。


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マザー・ナンバー3とはいえ、なんとスタンパー・ナンバー1である。
Side 2は、1S3 5だったが、十分だろう。

しかし・・・
PMがない・・・

そのかわりに、V刻印がある。
そして、Lと刻印されている。


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ビクター・プレスやないかーい!

ビクター・プレスでPMがLというと、1979年12月プレスということになる。
12月段階でビクターにプレス委託するほどの状況だったのね・・・

でも、ビクターのプレス品質はとても良い。
スタンパーも若い。
ってことで、このレコードは、初回透明盤よりも音が良い。

『Wake Up』の過酷な現実からボクを救ってくれたのは、ビクターだったのである(笑)

タグ:財津和夫
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