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佐野元春『BACK TO THE STREET』をめぐるあれこれ [アナログ・コレクターの覚書]

日本盤に付属する帯の定位置は向かって左端である。

しかし、その定位置に帯があると、ジャケット・デザインが台無しになるレコードもある。

佐野元春さんのデビュー・アルバム『BACK TO THE STREET』(EPIC/SONY 25・3H-19)は、間違いなくそういうレコードだ。

CDサイズでは我慢できず、どうしてもアナログで欲しくなるような、とても素敵なジャケットのレコードなのだが、ジャケットの左端に元春さんが写っているので、左端に帯があると元春さんが隠れてしまう。

さらに、左上にはエンジ色でタイトル等が書かれていて、モノクロのジャケットの中でとても良いアクセントになっているのだが、左端に帯があると、このタイトル等も部分的に隠れてしまって、アクセントの意味が薄まってしまう。

したがって、このレコードの場合、帯は右端が正解である。


20210528-1.jpg


ほらね、これが正解でしょ?


このレコードには歌詞インサートが付属しているのだが、一つ気になっていることがある。
『情けない週末』の歌詞で、「もう他人同志じゃないぜ」と歌われているところが、「もう他人同志じゃないんだ」になっているのだが、これは単なる誤植なのだろうか?

この『情けない週末』という歌、元春さんが15、16歳の頃に書いたものらしいのだが、当初は「もう他人同志じゃないんだ」だったのが、どこかの時点で「もう他人同志じゃないぜ」にかわったために、古いバージョンが掲載されてしまった、というような間違いなのかもと思ったり。
(ちなみに、83年リリースの初のベスト・アルバム『No Damage』の歌詞インサートでは、歌われている通り、「もう他人同志じゃないぜ」とされている。)

何かご存知の方、ぜひ教えてくださいm(_ _)m

試しに検索してみたら、歌詞サイトや歌詞を(部分的に)載せているWEBサイトやブログでも、やはり「もう他人同志じゃないぜ」としているものが多かったが、「もう他人同志じゃないんだ」としているものもあって、案外ノーチェックなんだなぁ。
「もう他人同志じゃないんだぜ」という合わせ技も見つけたが、これは明らかに混乱している(笑)


この時期のSONYの音は、ちょっと硬質で、ボクは少々苦手だ。
しかし、そんな苦手な音の盤も、JICOの交換針「黒柿」を装着したShure V15 VxMRで再生すると、ほどよくまろやかに変化して、苦手な部分がまったく消え失せてしまう。
低域が豊かになるところも、好印象だ。


20210528-2.jpg


80年代のレコードで苦手な音に遭遇したとき、「黒柿」は、ボクにとっては強い味方である。

この「黒柿」、一時期「牛殺」とともに買えなくなっていたが、現在は普通に買えるようになっている。
が、しかーし、価格が倍になってしまった・・・
まぁ、カンチレバーの加工に要する職人さんの手間とかを考えればやむを得ない価格設定なのかもしれないが、ちょっと気軽に試せない。

ってことで、JICOの木製カンチレバー交換針、販売再開されたら、Shure M44G用に「黒柿」と「牛殺」を調達しようと思っていたのだが、まだ買えていない。

タグ:佐野元春
コメント(2) 
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コメント 2

koss

想也 さん
私も手持ちのレコードの歌詞カードを確認しました。
確かに、「もう他人同志じゃないんだ」になっています。
鋭い観察力に感服いたします。

帯もそう言われるとそうですよね。
このジャケ Dylanの"Street Regal"ぽいとずーと思っていました。

このレコのMatは 1gA1/1gB2ですが、1g?って何か意味があるのでしょうか?

いつもいつも楽しい記事ありがとうございます。
by koss (2021-06-01 21:10) 

想也

kossさん

言われてはじめて気づきました!
確かに、"Street Regal"っぽい!

マトのAやBの前は、1gではなくて、19です。
25-3H-19がレコード番号なんで、その最後の19ですね。
9が掠れて消えかかったのか手書きでなぞられていて、gみたいに見えるので、なんか意味ありげに見えちゃいますよね。

by 想也 (2021-06-02 00:20) 

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