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『やさしさにさようなら』すると・・・ [国内盤研究]

<mat-mat-matさんからの情報に基づいて、修正の必要が生じたので、追記しました。>(2021年4月25日19:00)

『やさしさにさようなら』すると、当然、やさしくなくなるのである。
つい最近手に入れた、この二枚のレコードも、ボクに厳しい現実を突きつけた(大袈裟だっちゅうの 笑)やさしくないレコードなのだ。


20210425-1.jpg


東芝EMI見本盤についてCal De Rさんがまとめられていた(https://ameblo.jp/caldermusic/entry-12670197230.html)ように、1978年12月頃を境に、それまでの見本盤のPMにはKやWやGがつくが、
それ以降の見本盤のPMにはつかない。

具体的には、78年7月20日発売の『あなたのすべて』(オフコース)の見本盤は8-6G、78年8月2日発売の『LADY』(甲斐バンド)の見本盤は8-7Wまたは8-7WG、78年10月20日発売の『約束』(チューリップ)の見本盤は8-XWとWやGがつくが、78年12月20日発売の『HERO(ヒーローになる時、それは今)』(甲斐バンド)の見本盤は8-Y、79年1月20日発売の『愛を止めないで』(オフコース)の見本盤は8-ZとWやGがついていない。

PMにKやWやGがつくのが川口工場プレスだとすると、見本盤にKWGがつかなくなったのは、78年11月頃には川口工場は閉鎖されて、12月リリースの見本盤からは、御殿場工場のみでプレスされるようになったからだと、ボクは思っていた。

ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイドというサイト(https://ameblo.jp/bp-jrg/entry-12504720764.html?frm=theme)の推測でも、「79年4月発行の『東芝の洋楽番号順総目録』巻末の事業所一覧には御殿場工場しか掲載されていません。従って、77年から79年までの間に閉鎖されたと推測できます。」とされていた。
川口工場の閉鎖を78年11月と考えて、何の矛盾もない。

しかし、『やさしさにさようなら』の通常盤には、こんなPMが刻まれているのである。


20210425-2.jpg


09-YG1というのは、まず9-YGというPMで79年11月にプレスにまわされたスタンパーが、再度80年1月に使用されてプレスされたものであることを表している。

つまり、PMにGが付いているのが川口工場プレスだとすれば、川口工場は、少なくとも79年11月までは稼働していたことになる。
仮説を覆す厳しい現実を突きつける『やさしさにさようなら』通常盤なのである。

やさしくないなー(笑)

もっとも、ボクの知る限り、78年12月発売のシングルの見本盤からはWやGがつかなくなるのは事実なので、78年11月から、川口工場は休眠状態(稼働させようと思えば稼働できるが、通常は稼働していない状態)になった可能性はある。


『やさしさにさようなら』は、通常盤のみならず、見本盤もやさしくない。
この見本盤には、PMがないからである。

『やさしさにさようなら』は、『愛を止めないで』の二つ前のシングルで、78年4月5日に発売された。
見本盤は、当然、78年3月にプレスされたものと思われる。

PMのない見本盤が御殿場工場プレスだとすると、少なくとも78年3月までは、御殿場工場では見本盤にはPMを刻印していなかったことになる。
上述したように、78年11月のプレスからは見本盤にもWやGがつかないPMが刻印されるようになる(甲斐バンドの『HERO』)ことから、御殿場工場でも見本盤にPMを刻印するようになったと考えられるのだが、問題は、それがいつからだったのかということだ。

Cal De Rさんの記事の後、ツイッター上でいろいろ情報交換をしたのだが、そのとき、ささも教授が、『そばかすの天使』(77年9月5日発売)のマト1S1見本盤にはPMがあって、7-8と刻印されているという情報を提供してくれた。
画像も提供してくれたので、掲載しておこう。


そばかすの天使見本盤PM.jpg


PMにKやWやGが付いていないのが御殿場工場プレスだとすると、77年8月時点で、御殿場工場でも見本盤にPMを刻印していたということになる。

この情報に触れたときには、ボクは、そういや甲斐バンド『氷のくちびる』(77年5月5日発売)の見本盤にはPMがなかったなということしか思い出せなかった。
その後、オフコース『秋の気配』(77年8月5日発売)の見本盤にもPMがなかったことを思い出した。
これのプレスは、77年7月だろう。

以上の情報を総合すると、御殿場工場で、見本盤にはPMを刻印しないという運用だったのは77年7月までで、77年8月からは、御殿場工場でも、見本盤にもPMを刻印するようになったということになる。

あースッキリしたー

と、思ったのも束の間・・・

所有盤のデータベースを眺めていたら『やさしさにさようなら』の見本盤の情報を発見してしまったのであった。
上述したように、『やさしさにさようなら』は、78年4月5日に発売されたものだから、その見本盤は、当然、78年3月にプレスされたものと思われるわけで、そうすると、これにPMがないということは、御殿場工場では、78年3月時点でもまだ、見本盤にはPMを刻印していなかったということになる。

辻褄が合わないだろー

この矛盾を解消するためには、①『やさしさにさようなら』の見本盤は御殿場工場プレスだが、PMを刻印しなきゃいけないことになっていたのに忘れてしまったか、あるいは、②ささも教授の『そばかすの天使』は、実は川口工場プレスだが、WやGの刻印を忘れてしまったかしか考えられない気がする。

①であれば、御殿場工場で、見本盤にもPMを刻印するようになったのは77年8月で矛盾しない。
②であれば、御殿場工場で、見本盤にもPMを刻印するようになったのは78年4月以降(はっきりと言えるのは78年11月以降)で矛盾しない。

※mat-mat-matさんから、78年10月5日発売のオフコース『FAIRWAY』の見本盤がPM8-9だよーという情報をいただいた。
これは持ってないのだが、発売日が同じ甲斐バンド『誘惑』の見本盤は持っている。これまた、PM8-9だ。
ってことは、②であれば、御殿場工場で、はっきりと見本盤にもPMを刻印するようになったと言えるのは78年9月以降ということになり、2か月ほど遡ることになる。
mat-mat-matさん、ありがとうございましたー

どちらが真相なのか、あるいは、真実は他にあるのか、ボクにはまだわからない。

さらに厳しい現実を突きつけた『やさしさにさようなら』見本盤なのであった。

やさしくないなー(笑)

タグ:オフコース
コメント(6) 
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コメント 6

阪蔵

見本盤のPMも謎が多いですよね。
ちなみに自分の持っている見本盤の中には、74年6月20日発売で4-5や75年9月5日発売で5-8といったPMのものもあります。
これらは単にKやWやGの打ち忘れなのでしょうか?
そもそもK、W、G、WGの違いって何なんでしょう??
是非とも解明をお願いしたいところです(笑)。
by 阪蔵 (2021-04-26 14:47) 

想也

阪蔵さん

74年や75年で見本盤にPMがついているというのは大事件ですー
タイトルを教えてくださいませm(_ _)m

K、W、Gの違いについては、考えていることはあるんですが、もう少しサンプルを集めないと何とも言えません。

by 想也 (2021-04-26 19:41) 

阪蔵

PMが打たれているのはアリスの「二十歳の頃」、「今はもうだれも」の見本盤です。
by 阪蔵 (2021-04-26 22:49) 

想也

阪蔵さん

ありがとうございます。
その二枚、見本盤をみかけたら、チェックしてみますね。

東芝EMIが一般的に見本盤にPMを刻印するようになったのは、この記事に書いたように、早くても77年8月だと思うので、きわめて興味深い例外です。
アリスのほかの見本盤にはPMは刻印されてないんですよね?

by 想也 (2021-04-26 23:18) 

阪蔵

アリスの76年までの他のシングルにPMはありません。

甲斐バンドの見本盤だと『この夜にさよなら』は7-9、『サーカス&サーカス』は8-2のPMがありました。
by 阪蔵 (2021-04-26 23:55) 

想也

阪蔵さん

おぉ!
『この夜にさよなら』と『サーカス&サーカス』の見本盤PMには、KやWやGはついていないのですよね?
そうすると、いろいろ考えなおさないといけませんね。
貴重な情報、ありがとうございました(^^)

by 想也 (2021-04-27 12:29) 

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