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『眠れぬ夜』のプレス時期を特定せよ [国内盤研究]

さて、考レコ学クイズ10の解答編である。

選択肢は次のA~Dの4つだった。

A.1975年12月20日リリースの初回盤。
B.1977年秋頃の再発初回盤。
C.1979年12月リリースの『さよなら』が大ヒットしたときの追加プレス。
D.1980年12月リリースの西城秀樹バージョンがヒットしたときの追加プレス。


まず、Aの初回盤ではないことは、最初の画像1ですぐにわかる。


20210312-1.jpg


この緑色のCSは1977年頃から使用されるものだからである。
初回盤に付属のCSはこちらだ。


20210313-1.jpg


それに、画像2ではレコード番号が映し出されている。
このETP-10301というレコード番号は、1977年の再発盤のものだ。


20210312-2.jpg


初回盤のレコード番号は、ETP-20214である。

では、Bの1977年秋頃の再発初回盤かというと、そうではない。
なぜなら、画像3に映し出されているレーベルは、1977年にはまだ使用されていないものだからである。
この★が三つ並んでいるレーベルは、1977年時点ではまだ使われていない。


20210312-6.jpg


1977年に使用されていたレーベルでは、★ではなく●になっている。


20210313-2.jpg


これはレコード番号ETP-20214の初回盤のレーベルで、1975年プレスのものだが、1977年でもまだこのレーベルである。

ってことで、CとDにしぼられたのだが、ここからが問題である。

以前、この●リムから★リムへのレーベルの変遷について調べたことがあった。
下記の記事である。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2019-10-27

この記事では、少なくとも1979年9月には●リムから★リムへと変更されたとという結論を導いている。

しかも、画像4に映し出されているスタンパーは、1S 19でかなり若い。


20210312-4.jpg


これだけの情報だと、Cという結論を導きたくなる。

しかし、『眠れぬ夜』はスマッシュ・ヒットであって、大ヒットではない。
下記サイトを見ると、『眠れぬ夜』の売上は4.6万枚にすぎない。

http://www7a.biglobe.ne.jp/~yamag/single2512/offcose.html

スタンパー1枚あたり2500枚プレスできるとすると、4.6万枚なら19枚あれば足りる。
1S 19が最後のスタンパーでも大丈夫なんである。

それに、●リムから★リムへの変更時期だが、LPとシングルで同じとは限らない。
実際、シングルはずっと遅れて、1980年の3月に変更になったようだ。
少なくとも、1980年3月5日発売の『生まれ来る子供たちのために』の初回盤は●リムである。


20210313-3.jpg


3月20日発売の甲斐バンド『ビューティフル・エネルギー』が★リムなので、このあたりが境目のようだ。

とすると、『さよなら』の大ヒットに合わせての追加プレスは、1980年1月おそくても2月だろうから、まだ●リムのはずである。

つまり、Cでもない。
ということは、Dである。

PMで確認しておこう。


20210312-5.jpg


0-68XYZって、「どんだけ使いまわすんじゃいっ!」ってPMだが、1980年12月のプレスであることがわかる。

ってことで、正解はDで、出題のレコードは、1980年12月リリースの西城秀樹バージョンがヒットしたときの追加プレスなのである。

●リムから★リムへの変更がLPとシングルで違うことはつい最近気づいたのだが、そんなこと、最初はまったく考えもしなかったよ・・・

タグ:オフコース
コメント(6) 
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コメント 6

阪蔵

「眠れぬ夜」の再発盤は買ったことがありませんが、84年に「秋の気配」を買い直したとき、[新月]?リムが★リムに変更されていることに気付いてしまいガッカリしました。
「眠れぬ夜」のオリジナル盤も最初に入手したものは白のCSの角が丸いタイプで初回盤ではありませんでした。この時期だと東洋化成プレスも存在するのでしょうか?
by 阪蔵 (2021-03-14 02:33) 

想也

阪蔵さん

『秋の気配』は残念でしたねぇ。

白のCSの角の有無って、東芝音工のが角で、東芝EMIのが丸という認識しかなかったんですが違うんですかね?
(なので、『眠れぬ夜』は丸)

オフコースで東洋化成プレスは『さよなら』以降しか知りませんが、どうなんでしょうね?
おそらく80年代初頭までは、東洋化成にプレス委託したのは、爆発的に売れて自社プレスでは対応できなくなったときだけだと思いますが。

by 想也 (2021-03-14 10:02) 

阪蔵

オフコースだと「ひとりで生きてゆければ」の初回盤までは白のCSの角があるタイプで、丸くなるのは76年頃からだと思います。
EMIの白のCSだけでも3種類あるので注意してみると面白いかもしれませんね。

75〜76年の売れていないシングルで東洋化成プレスをよくみかけるので「眠れぬ夜」にもと思ったのですが??
ちなみにブレイク前の76年頃プレスの『ワインの匂い』はソニー委託盤(?)まで存在しますよね。
by 阪蔵 (2021-03-14 14:04) 

想也

なるほど、そうでしたか。
でも、『眠れぬ夜』については、うちのはPMが5-YZと6-2でしたが、どちらも角が丸いタイプでした。
まぁ、入れ替えの可能性もありますが、2枚とも入れ替えってのもちょっと腑に落ちないので、少なくとも75年12月段階ですでに角が丸いタイプになってたんじゃないでしょうかねぇ?
75年11月の前月プレスは、角があるタイプだったかもしれませんが。
ちなみに、箱を漁っても、角のあるEMI白はPM5-8のが一枚しか発見できませんでしたー
EMI白CSの三種類目は、取り出し口の切り込みがちょっと大きくなったやつですよね?
いずれにしろ、白CS時代のシングルって、うちにはまだあんまりないんで、ボチボチ集めながら整理してみます~
情報ありがとうございました(^^)

東洋化成プレスについては、まぁソニー委託もそうですが、外注に出すのは、自社生産が間に合わない場合でしょうから、タイミング的にそういう事情があればいつでも可能性はありますよね。

ただ、東芝の場合、ワーナーのカッティングやプレスを受け入れたりしてましたから、生産能力としては相当高かったと思うので、外注に出さざるを得なくなる事態は少なかったんじゃないかと推測しますが。

by 想也 (2021-03-14 15:05) 

阪蔵

失礼しました。たしかに75年には角無のCSも出てましたね。

75年頃にはオイルショックの影響から生産体制が不安定になり他社への委託が増えたんだろうと元東芝の人から聞いたことがあります。
手持ちの盤を調べるとアリスの「紫陽花」の場合PM、5-3 (東芝プレス)、5-4T (東洋化成プレス) ですね。
ひとつのスタンパーからプレスされる枚数は通常1000枚程度なので工場違いで少しずつプレスされていたようです。
by 阪蔵 (2021-03-14 17:43) 

想也

安心しましたー

オイルショックの影響ですか。
各社同じような状況だったでしょうから、お互いに助け合ってたってことですかね?
アリスの『紫陽花』なんて、確かに、売れたレコードじゃないのに、東洋化成委託があるんですねぇ。
興味深いです。

一枚のスタンパーからプレスできる枚数については、東洋化成では2000枚までは品質が変わらないって言ってますね。
LondonJazzCollectorというサイトでは、2500枚プレスできると書いてありました。

『眠れぬ夜』のPMでは5か月にわたって一枚のスタンパーを使いまわしたことが確認できますし、以前YMOのライディーンで8か月使いまわしてる例も紹介したことがあるので、実際はもうちょっと多くプレスしていたかもしれません。

1000枚というのは、クラシックとかの話じゃないですかねぇ?

by 想也 (2021-03-14 20:06) 

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